ただいま若手注目度ナンバーワン

アルト・サックス奏者


寺久保(てらくぼ)エレナさん

 ニューヨークで活動するアルト・サックス奏者の寺久保エレナさんは、1992年に札幌市で生まれた。6歳でピアノを習い始めたが、親に連れて行ってもらったビッグバンドの演奏を聞いてすっかりサックスの虜となり、9歳、小学校3年生で札幌ジュニア・ジャズ・オーケストラに参加。13歳の時、最年少でボストン・バークリー・アワードを受賞。渡辺貞夫、山下洋輔、日野皓正、佐山雅弘、本田雅人、タイガー大越など有名ミュージシャンとの共演やセッションに多数参加する現在、若干27歳、日本の若手では注目度ナンバーワンのサックス奏者だ。

 2010年、高校3年生の時に、ケニー・バロンやクリスチャン・マクブライドが参加した『ノース・バード』でメジャー・デビューを果たし、一躍大きな注目を集めた。同アルバムでスイングジャーナルゴールドディスクを受賞。所ジョージの「笑ってこらえて」や、「題名のない音楽会」などのテレビ番組に出演。同年9月、日本最大のジャズフェスティバル、東京ジャズ2010に、ロンカーターやオマーハキムらを従えリーダーとして出演。

 2011年、2枚目のアルバム『ニューヨーク・アティチュード』をリリース。同年、日本人初のプレジデント・フルスカラーシップ(授業料、寮費免除)を獲得して、アメリカのバークリー音楽大学に留学。2013年、第3作『ブルキナ』を発表。

 15年バークリー音大の学士号を取得し卒業、活動の拠点をニューヨークに移した。16年、アルバム『ア・タイム・フォー・ラブ』をカナダのCellar Liveからリリース。アメリカのジャズ誌、ダウンビートで紹介された。18年、札幌のテレビ局HTBに開局50周年記念テーマソングを提供。3月、日本のレギュラー・カルテットによるリーダー・アルバム『リトル・ガール・パワー』をキングレコードからリリース。「ニューヨークでもっと自分のキャリアを積んで、もっとたくさんの人に聞いてもらって活躍したい。将来はグラミー賞を狙えるプレーヤーを目指したい」と大きく見えるサックスを手にしっかりと語った。

 (三浦良一記者、写真も)

 ■公演案内=バードランドで5月28日(木)午後5時会場、午後5時半開演。寺久保エレナカルテットのメンバーは、寺久保エレナ(サックス)、マット・ウォン(ピアノ)、ジェイソン・クロッター(ベース)スペシャルゲストにジョナサン・ブレイク(ドラム)。