【今週の紙面の主なニュース】(2020年6月20日号)

(1)海外の日本人に給付金なし
(2)寄稿 国連平和の鐘とコロナ
(3)NY市22日にフェーズ2
(4)ユナイテッド航空毎日運航
(5)NY農場フレッシュ お米
(6)自宅でヘルシーハビット
(7)ニューヨークの魔法 岡田光世
(8)子供用マスク届ける
(9)BOOKS  英訳 大和コロニー
(10)エッセイ表彰式

海外の日本人給付金なし

総務・外務省が適正給付の課題を整理

 日本政府は9日の閣議で、新型コロナウイルスの緊急経済対策として支給される1人10万円の「特別定額給付金」について、海外在留邦人は給付対象外とする答弁書を決定した。

 立憲民主党の矢上雅義氏の質問主意書に答えたもので、給付金は、今年4月27日時点で住民基本台帳に記録されている人が対象。自民党内には在外邦人も対象にすべきだとの意見があり、同党の岸田文雄政調会長は今月5日、日本国民1人あたり10万円を支給する特別定額給付金の対象に海外在住の日本人を加える方向で調整していることを明らかにしていた。

 菅義偉官房長官は記者会見で「海外に在住する方々にどのように適正な給付をするという問題もあり、関係省庁で課題を整理している」と述べるにとどめた。日本政府は4月20日に「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」が閣議決定され、総務省に特別定額給付金実施本部を設置。特別定額給付金は、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の一環で、国民1人あたり一律10万円を支給する制度。679市区町村が、5月1日から受け付けを開始した。給付対象となるのは、4月27日時点で住民基本台帳に記録されている者となっており、海外にいても、住民票を日本に残している人は、規定上受給資格があるとみられるが、実際に現段階で、海外在住者への給付を行なっている地方自治体があるかは不明。事業費は12兆8802億9300万円。関連報道によると、岸田発言は、4月27日、自民党の青山繁晴参院議員が代表幹事を務める党内の保守系議員グループ「日本の国益と尊厳を護る会」が、新型コロナウイルスを受けた経済対策に関する要望書を岸田政調会長に提出したことを受け答えたもの。

 青山氏は、海外邦人への給付を提言した理由について、海外在住の邦人から同氏に対し「私たちは捨てられたのか」「日本国内の外国人には給付があるのに、同じ同胞なのに海外にいるというだけで給付がないのは日本国民としておかしいんじゃないか」という声が寄せられたからだと明かしていた。米国では、コロナ生活支援対策として納税者1人に一律1200ドルがすでに給付されていることもあり、在外者は現金給付すべき対象にはあたらないとの指摘もあったという。

海外邦人を見捨てた?
いや、既に現地で支給も
受給資格認定に難題

 「海外に住む日本人は少なくとも140万人いる。事実上、見捨てるのかという事になっている」そう日本で報道関係者に語った自民党内の保守系議員グループ「日本の国益と尊厳を護る会」代表の青山繁晴参院議員。一律10万円の海外在留邦人への支給を岸田文雄政調会長に提言した理由について、海外在住の邦人から「私たちは捨てられたのか」「日本国内の外国人には給付があるのに、同じ同胞なのに海外にいるというだけで給付がないのは日本国民としておかしいんじゃないか」という声が寄せられたからだと述べている(1面に記事)。

 関係報道によると、これを受け岸田氏は「非常に大事なことだ。必ず何かを考えるようにしたい」と応じたという。実際、岸田政調会長は5日の総務会で、1人あたり10万円を支給する特別定額給付金の対象に海外在住の日本人を加える方向で調整していると明らかにした。2020年度第2次補正予算案で関連する経費を確保したとまで言っていた。鈴木俊一総務会長が記者会見で説明している。それが4日後に翻った。

 安倍首相は一律10万円給付の方針を発表した記者会見では、「国民の皆様と共に乗り越えていく。その思いで、全国全ての国民の皆様を対象に、一律に1人当たり10万円の給付を行う」と述べていたが「全国全ての国民」から海外在住の日本人は外れていた。

 岸田氏は「実態把握をしなければならない。外務省にどのようなシステムを作れば支給できるか申し入れた」と話したというが、菅官房長官の発表によれば、今なお海外に在住する人々に対してどのように適正な給付を行うかという問題もあり関係省庁においてそうした課題の整理を行っているとしている。実際に海外配布の面で公平で適正な方法を探ること自体、かなりの難題を抱えていることも想像できる。

 給付金の海外受給対象者は一見、日本国民として在外選挙に投票している海外の有権者が支給対象有資格者に見えるが、投票するための在外選挙人登録は、日本の住民票を抜いて海外に3か月以上滞在している人となっているため、日本に住民票がない。また海外在住者はマイナンバーを持っていないなどの問題がある。さらに海外在住の日本人は、米国の1200ドルなど、居住している国の政府からの給付を受けている例もあるほか、日本政府の緊急事態宣言による生活への直接の影響は海外にいるので比較的小さく、現金給付すべき対象にあたらないとの指摘もあったという。

 しかし、パンデミックで海外に足止めをされ、帰国がままならない日本人も今なお多い。そんななか、日本国内の親が危篤で、ニューヨークから飛行機を乗り継いで万難を排して帰国してきた日本人会社員は「同情するなら金をくれというフレーズが昔あったが、金やマスクは無理してまでいらないが、海外在住の日本人に向けた安否を気遣う言葉の一つも首相の口から聞きたかった。海外は眼中にないのではないか」とポツリと話した。

国連平和の鐘とコロナウイルス感染を思う

〈 寄 稿 〉

 国連本部の中庭に日本の平和の鐘がある。その鐘は日本独特の素晴らしい技術の宮大工によって建てられたケヤキ造りの重厚な鐘楼に吊るされている。9月国連総会開催に行われる世界平和デーの式典では国連事務総長が世界平和を祈ってこの鐘を鳴らす。恒例のおごそかなイベントに参加する大勢の各国代表は共に平和を祈る。

 1954年、国際連合本部に、日本から贈られたこの平和の鐘の成り立ちや、鐘に込められた思いを知る人は少ない。3年前国連の式典に参加した折り、別所前日本特命全権大使とお話しできる機会があった。

 大使は私を見つめて「この平和の鐘からは不思議なエネルギーを感じております。日本が国連に加盟する2年前に日本から贈呈されたこの平和の鐘が、63年を越えて今なお式典が行われ、鐘の音を響かせ、世界平和の象徴としてどの国からも認められている。これは奇跡です。戦争の苦しみを体験して決意したあなたのお父さんが命をかけて訴え、私財をなげうって造った鐘であり、どの国のためにではなく『世界平和のため』にと、この鐘を国連本部に贈呈されたからです」と温かい笑顔で言って下さった。

 どんなに苦しい生活になろうとも「平和の鐘運動」を続け、世界の人々からコインやメダルを集めて回り、一つに溶かして平和を願う人々の心である「世界絶対平和萬歳の鐘」を3年がかりで完成させ、ついに国連に贈呈した父。私は始めて「戦争をしてはいけない」という執念の様な中川千代治の世界平和を願う気持ちを感じた。

 国連は国、民族、宗教、主義主張の違いを乗り越えて差別のない平等で基本的人権の守られる平和な世界を目指すために存在すると信じます。それがたとえどんなに困難であろうとも、多くの問題を抱えようとも、国連をおいては世界平和を実現する組織はない。生前父はそう言いました。

 私達は世界の一員として、国連を応援しなければならないと思う。自分になにができるか、争いのない世界創りのために身近なことから考え、行動したい。人類に託された地球という美しい自然、私たちは破壊するのではなく守り育んで、次の世代に渡していかなければならない。地球には人間という素晴らしい生物が存在したと宇宙の歴史に記されるようでありたい。

 コロナウイルスの世界的な出現は、世界を変えている。今、人類に考える時間を投げかけているかのような気がしている。

(高瀬聖子/国連平和の鐘を守る会代表)

NY市22日にフェーズ2 クオモ州知事が発表

デブラシオNY市長は慎重論

 クオモNY州知事は17日の記者ブリーフィングで、ニューヨーク市も22日(月)からフェーズ2に移行する予定であることを正式に発表した。ただ、その1時間ほど前に行われたデブラシオNY市長の会見では「今回のデモ参加者たちの間でどの程度感染者が出ているのか見極めてからフェーズ2に移行する日を決めたい」と話しており、市と州で調整の必要が出ている。

■フェーズ2=事務所、不動産業、小売業、旅行代理店、自動車販売&リース、修理・清掃業、商業用ビル管理業、IT機関、教育機関事務室、非営利、美容院・理容院、レストラン(屋外席・テークアウト・配達に限定)、建物内収容人数の5割以内に限定。社会的距離を維持、エレベーターは、マスク着用。

UAがシカゴ路線新規就航 成田〜NY路線は毎日運航

 ユナイテッド航空は2日、7月の日本発着便フライトスケジュールを発表した。羽田〜シカゴ路線を6日から週5便で新規就航するほか、現在週3便で運航している成田〜ニューアーク・ニューヨーク路線を6日から毎日運航する。

 7月6日から8月4日までの日本発着便は次の4路線。成田〜サンフランシスコ(毎日運航)、成田〜ニューアーク・ニューヨーク(毎日運航)、羽田〜シカゴ(週5便)、成田〜グアム(週3便・7月23日より毎日運航)。なお、成田〜ロサンゼルス、羽田〜ワシントンDC、関西〜サンフランシスコの路線は10月24日まで運休となる。

NY農場フレッシュで配達 ライスファクトリーのお米

NYで精米したおいしさを

 アメリカ生活25年。ニューヨークでは日本食材も手に入りやすいし、和食も料理するけど、そう頻度は多くなく、地産地消優先で、いろんなものを食べる、あるものでバランス良く食べるようにしてきた。お米も、パスタやパン、キヌア、イモ類など、炭水化物群の一つという位置づけで特にこだわることもなし。米どころ出身の友人が新鮮なお米のおいしさについて熱く語ってくれても、「そうなんだー、しかし熱いな(笑)」と傍観するのみ。そりゃ古米はまずいけど、普通にアメリカで流通しているショートグレインやミドルグレインのオーガニック米も悪くないよくらいに思ってたんですよね。

 そんな私だったのですが、ライスファクトリーさんがNYで精米したお米を食べて、お米観がひっくり返りました。精米したてのフレッシュなお米って、日本でも食べたことがなかったんですよね。ひとくち食べた瞬間に「うわ、何これ?おいしい!」とその違いに驚きましたよ。米について熱く語っていた友だちの熱量に、今ならついていける。ご飯がおいしいと、こんなにウキウキするなんて。この喜び、久しぶりかも。

 Stay Home Save Lifeということで、ここのところ全食自炊のひきこもりライフですから、なんとなく食べるという行為がマンネリ化してたところに、さわやかな夏の風が吹き抜けましたよ。花粉症はつらいけど。

 お米、再発見!

 ニューヨークに来たての頃、初めて味わう料理や食材にワクワクしていた頃のことを思い出しました。土鍋で丁寧に炊くのもありですが、うちにはないので、炊飯器か電子圧力釜で。お気楽に、タイマー設定で手間もなし。水加減さえ間違わなければ失敗しようがないのに、おいしい料理が一品できるって、うれしすぎる。ご飯があれば、幸せニコニコ。そんな感じ。すすみすぎて、やばい気もいたしますが。

 いただきますと両手を合わせ、まず一番にご飯茶碗に手をのばす。お茶碗ごしに伝わるぬくもりを感じながら、つやっつやでもっちもちのご飯をお箸でつまみすくい、口へと運ぶ。ちょっと背筋も伸びたりなんかして。そういう儀式めいた食事のひととき、これこそが日常の喜びかなと噛みしめるのでした。

 ライスファクトリーNY精米のお米はウェブサイト www.nynojofresh.com/shop/-rice-/5 から。紙の袋のラベルには、精米日も記載されています。配達のタイミングにもよりますが、だいたい1週間くらい前までに精米したものが届きます。

(文・向井余史子、写真提供・ライスファクトリー)

土砂降りの向こうに

ニューヨークのとけない魔法 ⑤
岡田光世

 真夏のある日、外へ飛び出したとたん、激しい雨が降り出した。アメリカ人は小雨なら気にもならないようで、傘を差さない人は多い。が、土砂降りとなると話は別らしい。

 地下鉄の駅に行く途中、頭にグレーのバケツを被ったヒスパニック系の女の人と擦れ違った。思わず私は、Oh,  my  God!  と声に出してしまい、その人の肩に軽く触れて、笑った。その人も私を見て、声を立てて笑いながら、走り去っていく。

 どの道路にも、両端に幅三十センチほどの水たまりができている。車道の両脇が、極端にへこんでいるのだ。サンダルを履いていたので、道を渡るたびにそれを飛び越えなければならない。えいっ、とばかり、勢いよく越えたとたん、どこからか声がかかった。

 You  made  it!

 ようし、やったな!

 顔を上げると、目の前に男の人が五人ほど並んで立ち、にこにこしながら私を見ている。真ん中に立った男の人が、私に向けて親指を立てている。真っ赤なシャツを着て、真っ赤な傘を差していた。どうやら、他の仲間が傘を持っていないので、一緒にレストランの軒下で、雨宿りをしているらしい。

 雨のなかにずっといたら、大きな花みたいになって起き上がるんだよ。だって雨は僕たちを成長させてくれるんだから。

 移民なのだろうか。英語がブロークンだったので、意味はよくわからなかったけれど、歌を口ずさむように、そう言った。

 小柄な私を、子どもだと思ったのだろうか。今はまだ小さいけれど、花のように水をたっぷり吸収したら、もっと大きくなれるよ。そうしたら、もっと大きな水たまりを、飛び越えることができるよ。そんな思いで、声をかけてくれたのか。

 土砂降りの向こうに、思わずまた、ジャンプしたくなるような出会いが待っていた。

 真っ赤なシャツと真っ赤な傘―。赤をめがけて闘牛のように勢いよく跳んできた私に、まさか「オーレ!」(いいぞ!)と声をかけていたわけじゃないでしょうね。


 このエッセイは、シリーズ第5弾『ニューヨークの魔法のじかん』に収録されています。40万部突破の「ニューヨークの魔法」シリーズ(全9巻)は文春文庫から刊行されています。

https://books.bunshun.jp/list/search-g?q=岡田光世

子供用マスク届ける

NY農場フレッシュとNY日系ライオンズクラブ
マスクプロジェクト第2弾

 ニューヨーク日系ライオンズクラブとNY農場フレッシュがコラボレーションし、医療機関や高齢者、子供をサポートするマスクドネーションプロジェクトの第2弾を開始した。

 コロナと向き合う緊張や疲労を少しでもサポートすることを目的に、NY農場フレッシュの顧客に子ども用マスクを限定25組に届ける。

 子どもマスクの特徴は、Sサイズ(3歳〜11歳用)とRサイズ(12歳〜ティーン用)の2種類で、マスクはNY農場フレッシュの注文と一緒に配達される。

 ノース・セントラル・ブロンクス病院、イザベラ・センター・フォー・ナーシング・アンド・リハビリテーションに勤務する看護師の淨見祥子(きよみ・さちこ)さんは、このプロジェクトのマスクについて、「この手作りマスクは、私たち 医療従事者のために募金・製作・配達のプロセスを踏んだたくさんの方の想いが詰まった素敵なマスクです。マスクは相手を思いやる尊敬の意志を示し、ファッションにもなり、そして何より多勢の命を守っています。こうして応援して下さる皆さんの愛をエネルギーにして、明日もまた頑張れそうです」と話している。

プロジェクトに関する問い合わせはE メール[email protected]まで。詳細はウェブサイトhttps://www.nynojofresh.com/を参照。

(写真左)淨見祥子さん(右上)NY農場フレッシュのボランティアスタッフ(右下)祥子さんの子ども達

大和コロニー英訳版刊行

川井龍介・著
John Gregersen, Reiko Nishioka (翻訳)
University Press of Florida 出版

 アメリカ東海岸の南端に位置するフロリダ州に対して日本人が抱くイメージは、陽光がさんさんと降り注ぐリゾート地といったところではないだろうか。30数年前、フロリダ州のローカル紙をジャーナリズムの研修先として選んだ私も、当初はだいたいそんなイメージでとらえていた。

 日本との関係で言えば、西海岸と違って地理的にもだいぶ離れているから、日本的なものなどほとんどないだろうと思っていた。また、できるだけ草の根的なアメリカを探ることができればと期待していたので、日本との関係にはほとんど興味はなかった。

 しかし、その思惑はのちにいい意味ではずれていった。きっかけは「Yamato Road (ヤマト・ロード)」と書かれた道路標識に出会ったことだった。ここから20世紀の初めに南フロリダに「大和コロニー」なる日本人入植者による「村」があったことを知った。そしてそのメンバーの一人で、最後まで現地にとどまった森上助次という人物が、コツコツと買い集めた広大な土地を地元に寄付し、それがもとで立派な日本庭園を含めた「森上ミュージアム」が現地に誕生したのだった。

 日系アメリカ人の移民史のなかでも詳細は明かされることがなかった異色のコロニーと男の歴史に私はノンフィクションライターとして惹かれた。労働移民とは違って資産家や識者たちが投資して作り上げようとした日本人村とはどのようなものだったのか。コロニーが消滅したのちも日本に帰ることなく質素な暮らしの中で土地を残した男の生涯とはどのようなものだったのか。

 日系アメリカ人文学の金字塔ともいえる小説「ノーノー・ボーイ」(ジョン・オカダ著)に出合ったのがきっかけで日系人の歴史に興味をもったこともあり、最初にフロリダを訪れてから20年も過ぎたころから、私は本格的な取材をはじめた。かつてコロニーがあった現地をはじめ、コロニーを企画した酒井醸という京都府・宮津出身の若いインテリと、土地を寄付した森上助次という農民を中心に当時の関係者の子孫を探った。

 フロリダ州内はもとより、子孫や関係者のいるカリフォルニア、ヴァージニア、テキサス、ニューヨーク、そしてコロニーの有力参加者の足跡を追って日本では、宮津をはじめ丹後半島や大分県の中津などを訪ね歩いた。

 こんな取材を足掛け10年ほどつづけて、ようやく2015年に「大和コロニー~フロリダに『日本』を残した男たち」(旬報社)を出版した。するとこの取材のなかでお世話になった「森上ミュージアム」で館長をしていたジョン・グレガセン氏と教育事業のディレクターをしていた西岡令子さんが、自ら翻訳を買って出てくれた。

 この時点では出版されるあてなどなかったが、大和コロニーについて詳しくかつ語学に堪能であるというおふたりの力によって完成した英語版をユニバーシティ・プレス・オブ・フロリダという出版社が評価してくれ、今年2月にアメリカで出版された。

 日本からアメリカへの移民物語は2か国の歴史である。このほど英語版が出たことで日米双方からこのノンフィクションが読まれることになったことは、著者としては願ってもない幸せである。(著者、川井龍介)

ストーニーブルック日本センター 日本テーマに英語で表現

エッセイ表彰式オンラインで開催

 ストーニー・ブルック日本センター主催のエッセイ・コンペティション(キヤノンUSA後援)表彰式が13日、オンラインにて開催された。ニューヨーク総領事の山野内勘二大使、小川一登キヤノンUSA社長、尾島巌ストーニー・ブルック日本センター理事長からの祝辞に続き賞状、受賞金、副賞のキヤノンのカメラが授与された。入賞者らは入賞作品を朗読し、オンライン参加者約50人から拍手が送られた。

 入賞者は次の通り。高校の部、最優秀賞1位(賞金3000ドル、カメラ、日本国総領事特別賞)は「Finding Myself on Mount Fuji」ナサニエル・グッドイヤーさん(フィオレロ・ラガーディア高校)、2位(賞金1500ドル、カメラ)は「Saori Weaving: Lessons in Life」レベッカ・スミスさん(ブリアリー高校)、3位(賞金750ドル、カメラ)は「My Name: A Culmination of Poetry, Art, and History」ジェニー・ホアンさん(スタイヴァサント高校)。大学の部の最優秀賞(賞金3000ドル、カメラ)は、「The Walking of Mountains」サイレッシュ・シュリニヴァス さん(ストーニー・ブルック大学)、内田賞(賞金1000ドル、カメラ)は「The Wise Hawk’s Claws」リンカ・サイトーさん(スタイヴァサント高校)、特別賞(賞金各500ドル、カメラ)には「The Nakasendo Trail: A Pathway to Natural Understanding」ハナ・ミランドさん(コーネル大学)と、「Bridging Our Similarities and Differences」ケリー・スーさん(ブルックリン・テクニカル高校)が選ばれた。入賞作品はウェブサイト www.stonybrook.edu/commcms/japan/programs/essay-comp.php に掲載されている。

その15:コロナ禍がルート66に及ぼす影響

魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」 をフォーカス

 ルート66ファンの皆さん、こんにちは!あっという間に2020年も前半最終月である6月になってしまいましたが、いかがお過ごしでしょうか。通常であればこの時期は梅雨の話題が中心になるところですが、今年ばかりはそうもいかないようです。とはいえ、東京の梅雨入りは6月中旬との予報ですが、先月末よりすでに熱帯夜に近くなる日も出始め、日中30度近くなる日も少なくありません。暑くなってくると思い出されるのが、春頃少し話題になった「コロナは暑さや湿気に弱い」という仮説?ですが、今日現在それが明確に証明されていることは未だ無く、予断の許さない日々が続くことに変わりはないみたいですね。ここ日本でも第2波、第3波到来の可能性が心配されていますが、そもそも第1波は終わっているのか?という疑問も含め、世界的に終息する気配を見せないコロナの影響は本当に重く私達に圧し掛かっています。皆さんも健康と安全にはどうかより一層ご注意ください。

 さて今月の「魅惑の旧街道を行くシリーズ」シーズン③ 第15話は、そんなコロナ禍がルート66に及ぼしている現状をお伝えします。

 毎年80〜90のイベントがルート66上の各州または州をまたいで行われます。代表的なものはこの紙面でも毎年始めにお伝えしていますが、ご想像通り今年はそれらのほとんどが中止または延期となっています。ルート66が活発に動き始めるのは例年3月〜4月で、北のイリノイ州、ミズーリ州等はまだまだ寒い時期ですが、西から人々は旅を始める傾向にあります。今年はコロナが世界を震撼させたのがちょうどその時期で、3月には東京オリンピックの延期も発表され、人々は「長期戦」になることを理解しました。それを受けてか、ルート66の各イベントオーガナイザーの対応はことのほか早く、著名なイベントである5月の「Arizona Fun Run」(アリゾナ州)、「Red Carpet Corridor Festival」(イリノイ州)、「Gay Parita Car Show」(ミズーリ州)を始め、6月に各地で行われる予定であったカーラリーやロデオの大会等も全て中止になってしまいました。唯一オクラホマ州タルサにて「宇宙カウボーイ」のマフラーマン像で有名なBuck Atoms のショップ(本記事19年12月号掲載)に新しく建てられたネオンの点灯式が、基本的に参加者を極力集めず、フェイスブックのライブ配信でイベントが行われました。

 5月中旬以降、アリゾナ州のジャック・ラビットやエンジェルさんのギフトショップ等で次々と営業再開のニュースが聞こえてきたのは嬉しい限りですが、同時にイベント中止の余波は止まらず、先日遂にルート66上最大のイベントの一つである「Birthplace of Route 66 Festival」(8月14日・15日開催予定)が中止になるという事態が発生しました。過去9回を数えるミズーリ州での同イベントは昨年2日間の参加者数が6万5000人を超え、一大イベントとしての立ち位置を作り上げ、今年は事前登録のペースから8万人近くまで伸びるのでは、と期待されていただけにその落胆は相当のようです。筆者も所属する1000人を超えるルート66のSNSコミュニティでも数日間コメントの嵐が止まらない状態でした。米国外に目を向けるとやはり8月にチェコのズリンで行われる予定であった「International Route66 Festival」も同様に中止となっています。こうなると気になってくるのが(ルート66とは直接関係はないですが)、ニューメキシコ州アルバカーキで毎年10月に開催される「Balloon Festa」や11月にオクラホマ州タルサで予定されている「Route 66 Marathon」あたりの開催もどうなるでしょうか。人々の健康や安全を度外視してまで行う必要のあるイベントはありませんが、通年で何もやれなかった、というのは残念以外何ものでもありません。

 このような状況のなか、イリノイ州観光局は今月、今後の見通しとして明るい材料を取り上げました。それはコロナ禍によって航空機での移動が以前ほど簡単でなくなった今、多くの観光客が車による移動での旅行需要が増えるのではないか、という点です。人々はわざわざ航空機に乗って遠くへ行くよりも「近場で」休暇を過ごす頻度が増えるであろうと。同州最大の都市であるシカゴを例にとれば、2時間、4時間、そして6時間以内に行ける場所に多くの人が住んでいる環境でもあり、至近距離の旅行ニーズに関する後押しであると、デ・ポール大学のホスピタリティ学科の教授もそのように話しているようです。最近米国旅行協会が発表した調査では、米国民の68%が車で旅行しているときが「最も安全」と感じているという数字が出ました。その中でも45%に上る人たちは今後はさらに車で旅行をする可能性が高いと言っています。また、全体の35%近くの人々が休暇の目的地として300マイル程度(約480キロ)は充分運転する余裕はあるとも調査が示しています。

 さらに6月の初旬にニューメキシコ州観光局が開催した「観光経済の再生」では、観光局は国民の80%以上が今後数か月以内に車を利用した休暇を計画しているという調査結果を発表しました。旅行計画者はとにかく「群衆を避け」「社会的距離を保ち」「マスク等のリスク軽減に役立つ保護材料を携帯して」対コロナウィルスへの感染を防ごうと努力しているようです。こうした皆の努力の成果として、ルート66はもちろんのこと、世界中が普通に旅行が再びできるようになる日が待ち遠しいです。それではまた来月お目にかかります!

(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表、写真も)

クイックUSAアメリカの人事部(6)

職場再開における適正な準備と手順

 アメリカでもいよいよ各州ごとによるいくつかの段階 (フェーズ) を経た経済再開のガイドラインが発表され、ビジネスがようやく動き出そうとしています。まずは会社として自分たちの拠点がある州政府 (さらには各郡または市) 発表のそれらガイドラインに従って、事業所を再開するXデーを決定します。 Xデーを決められれば、それに基づいた再開のための計画と準備に着手します。もちろん正確なXデーを確定するには不確定要素が絡むものですので、プランAだけではなく、プランBもあわせてバックアップとして作っておくことをお薦めします。

 準備として最初に行いたいのが、事業所再開にあたってのXデー (再開日) を含めた従業員に通知するレターの作成になります。レターには、会社内でのクリーニングや除菌を含む衛生管理について、そして従業員への防衛として6フィートのソーシャルディスタンシングを保つこと、必要であればフェイスマスクやグローブなどのPPE (Personal Protective Equipment) 着用の義務、さらに従業員の健康スクリーニングの実施、社内ポリシーになっているシックリーブ、アテンダンス、そして訪問者や顧客への対応ポリシーなどの見直しやアップデートの通知など、いろいろとカバーしなければならないアイテムが目白押しだと申し上げられます。

 この中で、特にセンシティブで従業員の医療情報に直接かかわるのが健康スクリーニングになります。具体的には、従業員への職場復帰前と復帰後の健康度アンケート調査 (質問票) への回答、毎朝出勤時におけるオフィスに入る前での従業員の体温測定、そして職場復帰前におけるウィルス感染テスト (PCR 検査) などです。これらの実施はいずれも連邦法であるADA (Americans with Disabilities Act; アメリカ人障害者法) による制約を受ける 医療検査 (Medical Examination) に該当します。つまり、通常の状況下では医療機関ではない会社がこのような医療行為に直接かかわるような行動をとることは、本来許容されていないのですが、パンデミックとなったコロナウィルスの場合は特別に許容されるという見解がEEOC (Equal Employment Opportunity Commission; 雇用機会均等委員会) から正式に出されています。

 さらに、会社として実施する医療検査に関しては、その実施前に従業員あるいは新規採用者に対して、本人への通知レターと承諾書 (Acknowledgement) を取られておくことを強くお薦めします。採用者に対しては、オファーレターの中にその記述を書き入れておかれるとよいでしょう。 (続く)

(酒井謙吉 パシフィックドリームズ社長

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