和風中華「佐分利」の味をご家庭で!生き生きEATS

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (53)

 今月は、2005年から11年間、マンハッタンで和風中華Saburi(佐分利)を妻の加茂うらら(元タカラジェンヌ)さんと経営していた崔(さい)峻シェフにご登場いただきました。NYタイムズ紙にも絶賛され、日本人だけでなくニューヨーカーからも愛されていた味、現在は、京都府美山町に立派なお店を構えていてタカラジェンヌ御用達の店として人気だそうです。今回はチャーハンとネギスープ、蒸し鶏ネギソースきゅうり和えを作っていただきました。

和風中華 Saburi

〒601ー0721

京都府南丹市美山町上平屋盆徳5-2

(ふらっと美山付近)

(070)1799-3780

SABURI(@wafu_chuka_saburi) • Instagram


◾︎卵チャーハン

【材料】(2人前) 

卵 4個、ご飯2人前、青ネギ、焼豚(べーコンまたはハム)、塩、胡椒、サラダ油、醤油

鶏ガラスープの素

【作り方】 

1 ボールに熱々ご飯を入れ、少しサラダ油と卵1個をお米にコーティングさせるように切るように混ぜる。

2 サラダ油を中火で加熱させ、熱くなったら卵3個を入れ半熟になるまで炒める。そしてご飯を入れ卵の半熟のダマを潰しながら、炒める。お米がパラパラになります。

3 塩、胡椒を振り、鶏ガラスープの素小さじ1を加え、青ネギ、焼豚を入れ、最後に醤油を少々入れよく混ぜ炒める。


◾︎蒸し鶏ネギソースきゅうり和え

【材料】鶏の胸肉300g

A)酒50ml,塩、胡椒少々、生姜1片、ネギ1本(5cm位)きゅうり1本、塩、胡椒、ごま油

ネギソース:白ネギミジン切り大さじ4、生姜(すりおろし)大さじ1,塩,砂糖小さじ1、太白ごま油大さじ4、胡椒

【作り方】 

1 ジッパー袋に、鶏の胸肉、Aを加え、よく揉み、蓋をする。

2 鍋にお水1Lいれ、ジッパー袋を入れ中火で、沸騰したら、蓋をし火を止め、10分蒸らしておく。ボールの中に、氷水を用意して急激に冷やす。ジューシーに仕上がった鶏を、一口大に切る。

3 きゅうりの皮をピーラーでむき、両サイドの端を切り落とし、水洗いし、包丁で、叩き、断面に亀裂が入ったところを4等分に切り、塩少々振り、揉む、胡椒も少し加え最後にごま油、小さじ1を加え和える。

(ネギソース)

1 ボールに、ミジン切りしたネギを入れ、生姜、塩、砂糖を加え、箸でよく混ぜ合わせる。

2 太白ごま油を、火にかけ、170度から180度にする。そして1の中に3回。に分けて、入れ、混ぜる。

このソースは、冷蔵庫で5日間保存でき、チャーハンなどにかけてもお楽しみ頂けます。

 きゅうり和え物の上に、蒸し鶏、ネギソースをかけて、出来上がり。


◾︎ネギスープ

【材料】牛のラードを煮たスープ、ミジン切りした(白と青の両方)ネギ、おろし生姜、ごま油、醤油、塩、胡椒、鶏ガラスープの素、お酒

【作り方】 

 牛のラードを煮たスープを作る。

 スープが煮だしたら、おろし生姜、醤油、お酒、鶏ガラスープの素、塩、胡椒を加える。

 スープ椀に、ネギ、ごま油を入れて、暖かいスープを入れて混ぜたら、出来上がり。

福井麻衣&中西聖嗣ハープ & ピアノ デュオリサイタル

4月12日カーネギーホール

 京都を拠点に音楽公演を行うN音楽企画は、4月12日(土)午後8時から、カーネギーホール・ワイルリサイタルホール(7番街と57丁目の角)で「福井麻衣×中西聖嗣デュオリサイタル」を開催する。この企画は元々別の主催者と出演者によって予定されていたコンサートが突然開催不能となったが、予約枠を引き継ぎ、準備期間1か月という時間的制約で公演の成功を目指すもの。

 出演は同団体の代表でピアニストの中西聖嗣とハーピストの福井麻衣。中西はNYを拠点にピアニストとして活動する傍ら、イェール大学医学部で遺伝子学の研究にも携わっている。福井はパリ国立高等音楽院で学び、イスラエル国際ハープ・コンクールにて入賞している。公演のテーマは「対話」。前半はハープとピアノのソロでそれぞれの「幻想の世界」を描く。後半は実験的な取り組みとして「ハープとピアノの対話」を試みる。最後は作曲家・一柳慧が作曲した、ハープとピアノのための「夏の花」を演奏する。

 入場料は一般50ドル、 学生30ドル。問い合わせはEメール[email protected]まで。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.carnegiehall.org/Calendar/2025/04/12/Mai-Fukui-Harp-Seiji-Nakanishi-Piano-0800PM を参照する。

女性の人権日本まだまだ 現状を専門家が解説

性的トラブル続出

NY日系人会ビジネスウーマンの会

 NY日系人会ビジネスウーマンの会(石田圭子会長)とヒューマンライツナウ共催の講演会「変われるのか?日本社会の女性への人権意識」が3月12日夕、NY日系人会ホールで開催された。

(写真上)日本における性差別や被害状況を女性の人権の立場から語る3講師

小林氏

 元タレントの中居正広氏とフジテレビ女性アナウンサーとの性的トラブル問題からテレビ業界で働く女性が「性的対象」として扱われ、人権意識の欠如が浮き彫りになっている中で、女性を取り巻く日本の現状を人権問題、刑法などに詳しい3人の専門家が解説した。講師は、伊藤和子氏(ヒューマンライツナウ副理事長・ミモザの森法律事務所)、後藤弘子氏(千葉大学理事・副学長)、三浦まり氏(上智大学教授)。モデレーターは日本とカリフォルニア州、ニューヨーク州の弁護士資格を持つ小林陽子氏が務めた。

 後藤氏は「性を蹂躙(じゅうりん)されないことが基本的人権だ」と述べて「同意のない性交渉は許されない」と語った。伊藤弁護士は、「2023年に刑法が改正されたことは大きな前進」と述べ「これまで司法から排除されてきた被害が、法的救済と処罰の射程範囲に位置付けられた意義は大きい」と語った。また、ジャニーズ問題を受けてテレビ局は横並びで人権方針を採択したが、その実施体制やプロセスが不明で、何をやったのかが明らかにされておらず「絵に描いた餅で人権ウォッシュだ」と非難した。

 三浦氏はハラスメントと言動の典型例を紹介。また日本における限定された避妊・中絶手段にも触れ、薬局などで緊急避妊ピルが入手できないため、夜間の病院拠点型のワンストップセンターの主要な仕事になっている。経口中絶は認可されたが日本では入院が必要で薬の価格も手術と変わらず女性にとってアクセスしやすい手段でないことなどを指摘。「派遣先の米国の大学の女性トイレには緊急避妊ピルが山積みに置かれていて日米の差を感じた」と報告した。日本における緊急避妊ピルの入手ハードルが高い理由に賛否両論があるなかでも基本的には被害者救済を優先すべきとの考えが高まっていることを窺わせた講演会となった。

ブルックリンのヤマモトさん

【17】  こんにちは!NY在住イラストレーターのヤマモトと申します。

いつも連載を見てくださっている皆様へ、展示即売会実施のお知らせです。4月11日の金曜日からBrooklynのAs You Likeというカフェで、アナログ作品メインの展示を行います。どれも原画の一点もので、気に入ったものはお買い求めいただけます。

ちょっとダークで可愛い作品が多めです。月火は本人が在廊予定にしているので、散歩のついでに観ていくだけでもぜひ気軽にお越しください!

 ヤマモトレミ 89年生まれ、福岡県出身の漫画家。2017年に仕事の異動で東京からNYへ移住。日本食スーパーで社員として働きながら趣味で漫画を描いていたら楽しくなってしまい2021年に退職、漫画家として本格的に活動を開始。2023年現在ブルックリン区在住。単行本発売中!(Instagram:@Yamamotoinnyc)

読書と執筆の規則正しい毎日

エッセイスト 

茂木麻予さん

 午前はコーヒーを飲んでから数時間コンピュータに向かって仕事に没頭し、午後は出かけたりジムで運動したりして気分転換。エッセイスト・茂木麻予さんの日常は週末も変わらない。

 このたび、姫路文学館主催 「第10回 藤原正彦エッセイコンクール」の一般部門で最新作「地下鉄のクリスマス」が応募数604点の中から佳作入賞した。クリスマスイブの夜に地下鉄で体験した数分の出来事を丁寧に描写した心温まる作品だ。「授賞式に出席しますと言ったら驚かれたのですが、私にとっては選者や他の受賞者に会えるのは自分へのご褒美」と、1月19日に行われた授賞式に駆けつけた。

 立命館大学で考古学修士号を取得して専門業務に就いたりもしたが、2013年に渡米して心機一転、エッセイストに転身した。「実はエッセイを書き始めたのは英語なんです」。ニューヨークの英語学校で教えていた随筆家の講義で書き始めた。間を置かずして日本語でも書き始め、文芸誌「タビノコトバ」(現在休刊)の常連作家に。2020年には福井県ふるさと文学館主催「風花随筆文学賞」に応募した「本のおうち」で優秀賞・福井仁愛学園賞を受賞、今回はそれに次ぐ受賞となった。

 英語エッセイは、ウェストビレッジの文芸誌「AND THEN」にも数本掲載されている。「英語のエッセイは人格が変わるぐらい違います。日本語は日本人として日本人向けに日本文化の脈絡の中で書いているわけですが、英語の場合は自由なので人格がでこぼこした感じになる」と笑う。直訳はできないらしい。最近は日本語が中心になりつつも英語でも書いている。

 新潟県で生まれ育ち、作文が得意だったが物書きを夢見たことはなかった。本は読むだけでなく棚の本を出し入れしたり並べ替えたりするのも大好きな少女で、6年生の時は図書委員長に。「枕元には朝用の本があってエッセイを読んで、入浴の時にはちょっと暗い話、寝る前も別の本。読書は歯磨きするような生活の一部」と、最後に少しはにかみながら規則正しい日常の一端を話してくれた。(小味かおる)

Photo: Peter Bardazzi

忘れがたき故郷 ニューヨークの魔法

 三月二十五日、ギリシャの独立を記念し、パレードが行われる。五番街は国旗の色、青と白で鮮やかだ。アイルランド系移民のセント・パトリック・デー・パレードに圧倒され、それほど目立たない存在だが、夫はよくこのパレードに行きたがった。

 というのも、彼は大学時代に一年間、ギリシャのテサロニキに住んだことがあるからだ。ギリシャ人に出会うと、うれしそうだ。ギリシャ語が話せるし、懐かしい話もできる。

 各地の民族衣装を着たギリシャ系アメリカ人が、手をふりながら、通り過ぎる。街頭に並んで旗をふる人々は、知り合いや自分の出身地の集団がやってくると、大歓声をあげる。

 I really don’t belong here.

 私は本当は関係ないんだけど。

 この人がどうしても毎年、来たいって言うもんだから。

 ギリシャ人の夫と一緒に来ていた、アメリカ人の女の人は言う。

 彼女の夫はヤニナという町の出身だ。この町を訪れたことのある私の夫は、ギリシャ語で話し始めた。

 ヤニナ、知ってるよ。トルコ時代の建物が多い町だよね。町に湖があって、その湖の真ん中に島があって、そこのレストランではウナギ料理が食えるんだ、と夫が言う。

 な、なんだ、お前、ギリシャ語が話せるのか。こりゃ、驚いた。で、おまけに、俺の故郷を知っているのか。いったい、なんで、そんなに詳しいんだ。

 アメリカ人でも日本人でも、ギリシャ語が話せる人はあまりいないのだろう。その人の顔は喜びで輝いている。

 夫によれば、ギリシャ人は外国人がギリシャ語を話すととても感激するという。自分たちの言葉が世界一難しいと信じていて、それを多少なりともマスターした外国人は、賞賛されるらしい。

 おい、おい、おい。この日本人は、ヤニナを知っているぞ。

 彼は周りの人たちに叫んでいる。

 ああ、友よ。俺の町をそんなによく知っていてくれて、うれしいよ。

 夫はすでに、彼の“友”になっている。

 このエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ第1弾『ニューヨークのとけない魔法』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

未来への扉をあけよう Mickey17 シネマ映写室

 近未来、人間が宇宙の惑星を移住先として考える時が来るかもしれない。人口増加で地球上に人間が溢れる。天災、気候変動、伝染病などで地球がもはや人間が居住する場所としては適さなくなる。それとも単にリクリエーションの別荘地を求めてもありだ。

 しかし、生活環境は変わっても権力、貧富の差など社会構造にそれほどの変化はないだろう。これらをテーマに「パラサイト 半地下家族」のポン・ジュノ監督がシュールなSFブラックコメディーを作りだした。原作はエドワード・アシュトンの「Mickey7」。

 主人公ミッキーには「Twilight」シリーズでブレイクした後「Good Times」「The Lighthouse」などかなり個性的な役柄を選んで活動するロバート・パティンソン。本作ではボロボロ、ヨレヨレのミッキーに挑戦する。共演はマーク・ラファロ、トニ・コレットら。

 何をやっても失敗し人生に失望したミッキーはある惑星が人間にとって生活可能かどうかを調査するミッションに参加する。職種は「何度でも生まれ変われるお仕事」というあやしいもの。

 つまり、惑星の環境をチェックするためのモルモットで空気、水、ウイルスなどの人体実験だ。ウイルスが体内に入り血を吐いてあっけなく死んでも、ミッキーのクローンがすぐに出来上がるシステム。しかもちゃんと記憶は継承される。死んでも生き返る、と思えば少しは安心だが、死に至る過程は気持ちいいものではない。

 ミッキーが17回生まれ変わったところでハプニングが起こる。岩穴に落下して死んだと思われたミッキーが生還し、すでに出来上がっていた18番目と対面したのだ。ここから、使い捨てにされ続けてきたミッキーが覚醒し、惑星植民地化計画が大きく変わりだす。

 原作は「7」だが映画の方は「17」とそれだけミッキーの体験・実験が盛りだくさんの証拠。意表を突くのは惑星の先住生物クリーパー。「風の谷のナウシカ」のオームそっくりでポン・ジュノ監督の宮崎駿監督へのオマージュだ。2時間17分。R。 (明)


■上映館■

Regal Times Square

247 W. 42nd St.

AMC Empire 25

234 West 42nd St.

AMC 34th Street 14

312 W. 34th St.

編集後記

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。東京にいた頃の学生時代は、高田馬場の駅から下宿のあった西早稲田まで学バスには乗らずに明治通りを歩きながら古本屋を何軒もはしごして1時間あまりタラタラと帰るのが貧乏学生の唯一の楽しみでした。学校は渋谷にあった割と裕福な家庭の子女が通う大学でしたが、地方から東京に出てきて下宿住まいの身には、予備校のあった高田馬場界隈の空気の方がなんだか気楽で自分らしくいられました。学生に優しい街だったこともあります。ニューヨークに来てからも古本屋通いは続きました。タイムズスクエアのドラマブックストアで、フランス映画ジャック・タティーの「僕の叔父さん」の脚本を見つけた時は宝物に出会った気分でした。日本の本や雑誌が恋しくなった時は、紀伊國屋書店やBOOKOFFにも行きますが、最近は男性雑誌がほとんど店頭から消えてなくなりました。店の人に聞くと、日本での男性雑誌の廃刊が相次いでいるのだそうです。仕入れたくても雑誌がないということらしいです。なのでもっぱら今は、中古レコード店めぐりが古書店に代わってマンハッタンでの楽しみになっています。米国ではアナログレコード人気が止まりません。NYグリニッジビレッジの老舗中古レコード店ビレッジ・リバイバル・レコードのオーナー、ジャマール・アルナスさんは17歳の時パレスチナから家族と米国に移民してきて叔父の経営するレコード店に勤めました。1994年に自分の店を開店、一時は休業も余儀なくされたそうですが2017年に「リバイバル」の店名で復活、コロナ禍の巣ごもり需要増でレコード人気に火がつき、2022年には全米のレコード販売枚数は4100万枚と1987年以来初めてCDを上回わり、経営の方もなんとか良いようです。店内には数万枚の世界中のLPが並んでます。映画音楽のサウンドドラックコーナーには「イージーライダー」や「大脱走」など懐かしいLPも。別の棚にはトムジョーンズとかビリージョエルとかモンキーズといった日本で少年時代に熱中した音源のオリジナルLPがぎっしり。今週号の1面でアナログレコードの衰えないリバイバルブームを紹介しています。いいお店もいくつか紹介しています。レコードはCDより音が深くて楽しめます。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2025年3月15日号)

(1)フルブライト奨学金停止 日本人留学生らに深刻な影響

(2)レコード天国 NYで大人気

(3)エコノミストから酒人への冒険  中島大祐さん

(4)能登半島支援コンサート4月20日 半﨑美子と風の環少年少女合唱団

(5)週刊やさしいにほんご生活

(6)本間俊一氏が叙勲 大使公邸で伝達式

(7)「めぐみへの誓い」NYで上映 4月6日JAAで

(8)DEEPなQUEENS2 フラッシング

(9)日本文化と美意識と親切に感謝 ONE STORY  AWARD NYアンバサダー テオナさん

(10) 小津安二郎監督「早春」 3月28日にJ Sで上映

フルブライト奨学金停止 日本人留学生らに深刻な影響

 米国の国務省は2月13日、教育文化局(ECA)傘下の全プログラムへの資金提供を15日間停止した。留学生向けのフルブライト奨学金やギルマン奨学金への助成は停止され、2月27日終了するはずだったが凍結は継続したままで、利用する日本人留学生にも影響が出てくると見られる。

 国際教育界の情報をまとめているICEFモニターによれば、フルブライト奨学金あるいはギルマン奨学金を利用して海外留学中の米国人3500人と米国留学中の外国人7400人が影響を受ける。今後6か月以内に交換留学を予定している学生への資金援助も一時停止されている。またフルブライト奨学金が運営する国際ビジターリーダーシップ・プログラム、IDEASなどの学術交流、若手リーダーイニシアチブなどの専門職交流、YES、FLEX、CBYXなどの青少年交流、スティーブンス・イニシアチブなどのバーチャル交流などへの補助金も停止されており、こうした国際教育・交流プログラムが事実上停止に追い込まれる可能性がある。

 国際教育と交流を専門とする非営利団体の国際教育者協会(NAFSA)はじめ、国際交流同盟、海外教育フォーラムは相次いで凍結解除を求める声明を出した。NAFSAは3日、連邦議会が承認し資金が割り当てたプログラムであるため議会が介入するよう求めるキャンペーンを開始すると発表した。ファンタ・アウ事務局長は「助成金凍結は留学や国際交流プログラムの存続を脅かす」と述べている。

 フルブライト奨学金は第二次世界大戦後、「世界各国の相互理解を高める目的」で設立された。利用した日本人は6700人を超えており、明石康(国際関係学)、上川陽子(法務大臣、外務大臣)、下村脩(ノーベル化学賞)、利根川進(ノーベル生理学・医学賞)、河合隼雄(元・文化庁長官・京都大学名誉教授)らがいる。卒業生にはノーベル賞受賞者が62人、国家元首含む政府首脳が44人いる。国際ビジターリーダーシップ・プログラム参加者には小説家の大江健三郎氏や村上春樹氏、総理大臣経験者では菅直人、鳩山由紀夫、海部俊樹、細川護熙の各氏、また東京都知事の小池百合子氏がいる。

レコード天国 NYで大人気

リバイバルブーム衰えず

名盤で宝の山
復刻版も続々

 米国でアナログレコード人気が止まらない。NYグリニッジビレッジの老舗中古レコード店ビレッジ・リバイバル・レコードのオーナー、ジャマール・アルナスさんは17歳の時パレスチナから家族と米国に移住してきて叔父の経営するレコード店に勤めた。1994年に自分の店を開店、一時は休業も余儀なくされたが2017年に「リバイバル」の店名で復活、コロナ禍の巣ごもり需要増でレコード人気に火がつき、2022年には全米のレコード販売枚数は4100万枚と1987年以来初めてCDを上回った。「若い人が一心不乱に買い求めていくんだ」とボサノバの女王アストラッド・ジルベルトのアルバムを手に語る。店内には数万枚の世界中のLPが並ぶ。映画のサウンドトラックコーナーには「イージーライダー」や「大脱走」など懐かしいLPも。

(写真上)アストラッド・ジルベルトのLPを手にするジャマールさん(写真・三浦良一)

叔父を手伝い働き始めた頃のジャマールさん(手前)

 ニューヨーク市内では、ブルックリンのFACEレコードが日本のLPを大量に仕入れて販売、山下達郎のLPなどは1枚170ドルの高値でも飛ぶように売れている。マンハッタン6番街48丁目のロックフェラーセンターには老舗ROUCH TRADEがブルックリンから移転してきて日本の80年代のシティポップが日本コーナーに並ぶ。また西45丁目のブックオフには、日本で販売されたビリー・ジョエルなど洋楽中古LPが20ドル前後の手頃な値段で並んでいる。

■VILLAGE REVIVAL RECORDS

197 Bleecker St. New York, NY  

TEL 646-692 9580

■FACE RECORDS NYC

176 BORINQUEN PLACE SPACE 1L  BROOKLYN NY 11211 

TEL : 917-909-1902

■ROUCH  TRADE

1250 6th Ave, New York, NY 

TEL 212-664-1110

■BOOKOFF NYC

49 W45th St, New York, NY 

TEL 212-685-1410

エコノミストから酒人への冒険  中島大祐さん

BŌKENを創る

 米国で日本酒のオリジナル・ブランド「BŌKEN」を販売する会社Cedar Sake LLCを起業した創設者で最高責任者の中島大祐さん。昨年10月1日の「日本酒の日」にニューヨークで販売を開始した。

 中島さんは千葉県出身、東京のインターナショナル・スクールに通った。大学は米国アイビー・リーグのブラウン大学で経済学を、コロンビア大学大学院では応用統計学で学位を取得。卒業後は米国の連邦準備銀行、投資銀行エバコアでエコノミストとして働くビジネスマンだったが、金融業界から日本酒という全く別の未知の世界に飛び込んだ。

 銘柄の「BŌKEN」には2つの意味がある。一つはアドベンチャーと旅路。米国の消費者を日本酒へのアドベンチャーに連れて行きたいとの思い。もう一つは、オリジナル・ブランド造りに協力してくれている日本の酒蔵にとって米国のマーケットへの冒険。中島さんの日本酒への挑戦もまさに冒険だ。

 投資銀行での仕事は心地よく、ポジションも守られていた。今後20年は楽に食べていける環境にいた。しかし、大学から25年以上米国で暮らし、米国のチャレンジ精神を生かして何かをしたいと思った。30代後半になった時に今後25年どういう人生を自分が生きたいかを考えたと、中島さんは振り返る。

 中島さんが、日本酒ビジネス起業の決断をしたのはあることがきっかけだった。仕事で日本へ行き、欧米人のビジネス・パートナーと日本食を食べる機会も多かった。日本酒を美味しいと言ってクライアントが喜んでくれるのを見て、日本人として嬉しかった。コロナ禍中のある時、知り合いの酒蔵の経営者が「コロナ禍で経営が大変だ、中島さんみたいな人が蔵を買収してくれたらいいのだが」と相談された。買収は無理だが日本酒のために何かできないか、日本酒の輸入業者かディストリビューターか。そんなことを考えながらリサーチをするうちに会社を辞めて、日本酒のオリジナル・ブランドの会社を立ち上げる決心をした。中島さんは「自分ができるという自信があった。これは僕がやらないと誰かがやる。それほど日本酒の将来に何かを感じた」と話す。メキシコのメスカルやテキーラが米国で人気があるように、日本酒がもっと親しみやすくなれば米国人に受け入れられるはずだと。

 2022年のコロナ禍期間中から日本全国の約40軒の酒蔵を訪ね歩き、オリジナル・ブランド造りの交渉をした。ビジネス・ビジョンを理解してもらい、提携に至るまでは約2年の月日を費やした。現在提携しているのは秋田県の飛良泉本舗と高知県の高木酒造の2社。若いオーナー杜氏で共通点はいずれも30代の若い経営者。新しいことに挑戦したいと引き受けてくれた。先代や先々代が造ってきた酒ではなく、新しい感性で自分が飲みたい酒、自分が理想とする酒造りを目指している経営者たちだ。

 現在販売しているのは4銘柄。ドイツ・ワインのリースリングに近い味わいでケバブ料理など炭焼き料理に合うBŌKEN No. 77。ワインのシャルドネやソーヴィニヨン・ブランのような青りんごの香りと味わいでロブスター・ロールに合うBŌKEN RINGOは、2024年度パリのクラマスター純米酒部門プラチナ賞を受賞した。ラム肉やテキサスのBBQ に合うBŌKEN NANA。フライドチキンなどの揚げ物と合うにごり酒のBŌKEN NIGORI。

 中島さんは「ワインはフランスのワインという時代から、カリフォルニアのナパ・バレーで造られたワインが認められるようになった。米国でSAKEを造る米国人もいる。SAKEのマーケット・シェアが生まれそれが文化になる。米国にはSAKEのプロも増えた。現在、日本酒は米国のアルコール売り上げ全体の0・2%だが、それを0・6%にできたら。日本の日本酒メーカーと米国のSAKEブルワリーが一緒になってマーケットを大きくできたら。自分が大きくしたい」と結んだ。

  (石黒かおる、写真も)