熊本翔士が再び出場

アポロ劇場アマチュアナイト、21日夜

 2019年のアポロ劇場アマチュアナイト1回戦で準優勝したニューヨーク在住の日本人歌手、熊本翔士が、今月21日(水)再び、アポロ劇場のアマチュアナイトのステージに立つ。熊本は2010年に来米し、歌手活動を開始。米最大級のゴスペル大会2万人の応募者から選出された4人のソロファイナリストの1人。オフブロードウエー、ブルックリン地区の子ども劇やTV番組に出演もしている。先日10日のNYファッションウィークでも歌声を披露した。当日はシンガーとしてコンペにて歌唱披露する。

 ショーの開始は午後7時30分。子供部門の後に大人部門がスタートする。ショーの最後に観客の声援で点数、順位が決まるので、最後の採点まで残って熊本のために叫ぼう。アポロ劇場(西125丁目253番地、地下鉄ABCD駅から東に徒歩3分)入場料は48ドル。詳細はウエブサイトhttps://www.apollotheater.org/

新会長に加納さん

米国日本人医師会

50周年晩さん会開く

 米国日本人医師会(JMSA)の創立50周年記念晩餐会が9日夜、ニューヨーク・アスレチック・クラブで開催された。同会は、米国在住の日本人医師及び医療関係者を中心として1974年に創設された。2期4年を務めたロバート柳沢会長は、コロナ感染パンデミックで米国内最悪の感染地域となったニューヨークにおける医療活動でリーダーシップを発揮した。

 柳沢会長の後任として、加納麻紀医師が新会長に就任した。加納会長は、マウント・サイナイ病院、東京海上記念診療所ハーツデール診療所で25年以上にわたりニューヨークを中心とする在米邦人に対して日本語による医療を提供し続けている米国小児科学会および米国内科学会の認定医=19面ウーマン欄に記事=。

(写真上)米国日本人医師会会長の就任スピーチをする加納さん

 式典でニューヨーク総領事の森美樹夫大使が、邦人医療を支え地域社会に貢献してきた同会の50年の活動に対して心からの感謝の言葉を添え祝辞を述べた。また長年にわたり同医師会に多大な支援をしている北米伊藤園の本庄洋介社長、柳沢前会長、ジーン古山元会長に感謝の盾がJMSAから贈られた=写真上=。

 同医師会は、将来医学の道で社会貢献する医学生たちに奨学金を授与して支援しているほか、アウトリーチ・プログラムにより、地元の日系医療関連NPOと支援意欲を持つ企業や個人をとつなぐ活動をしている。東日本大震災直後には医師たちが被災地に行き人的支援を行うなどの社会貢献活動もしている。当日は日系医療従事者、研究者、留学生ら185人が出席した。エンターテインメントとしてジャズピアニストの宮嶋みぎわとゴールデンミラクルズがジャズを演奏して参加者を楽しませた。

JMSA奨学金受賞者

米大学で学ぶ医学生を支援

■本庄JMSA奨学金=▽シャーロット・リー=日本での研修生のための米国レジデンシー申請プロセスのコツと留意点。(コロンビア・ニューヨーク・プレスビテリアン病院循環器科フェロー)、▽藤野えりな = ソーシャルメディアを利用した JMSAとそのミッションの広報活動(ノースカロライナ大学医学部医学生)、▽鈴木幸雄=在米日本人がん患者の支援と、在米日本人コミュニティーのがん予防啓発活動の推進。米国における日本人コミュニティーのためのがん予防啓発活動(コロンビア大学産科婦人科学教室婦人科腫瘍学部門ポストドクトラルリサーチフェロー)。

■村瀬紘郎MD-JMSAスカラシップ=▽ニコラス・ラブ =皮膚科領域における日本語表記の歴史を調査し、日本人の皮膚病理学を系統的に検討する。(カリフォルニア大学デービス校レジデント)。

■米国三井物産JMSA奨学金=▽宮下浩孝=医療ブログとソーシャルネットワークサービスを通じた現役フェローの経験談の共有により日本では普及していない専門分野とそのトレーニングへの理解を深めるためのサービス(マウントサイナイ・ベスイスラエル・アイカーン医科大学研修医)、▽木村あつみ=COVID-19パンデミックにおける日本人と日系アメリカ人が反アジアの感情を共有し、議論するためのバーチャルミーティングシリーズを立ち上げる。(アルバート・アインシュタイン医科大学医学生)、

▽岸田みずえ =小児蘇生トレーニングにおけるオンサイトとオフサイトのハイブリッド遠隔シミュレーションの有効性、医学生を対象とした小児蘇生訓練におけるハイブリッド遠隔シミュレーションの有効性(フィラデルフィア小児病院 シミュレーションフェロー)▽木村れをな = 日系アメリカ人の高血圧管理に関する教育および血圧検査イベントの開催と血圧測定イベントの開催(ストーニーブルック大学ルネッサンス医科大学3年次と4年次の間の研究学年)。

■日本生命JMSAスカラシップ=▽大嶽浩司=遠隔医療を利用した医療情報共有のためのグローバルプラットフォーム開発(スタンフォード大学医学部臨床情報管理学修士課程在学中)、

▽ 宇仁暢大= がんやその予防に関する正しい知識を共有するためのワークショップの開催(メモリアル・スローン・ケタリング癌センターにて博士研究員として勤務)

■西岡JMSA 奨学金=▽永吉詠舞=日本人および日系アメリカ人の高校生を対象とした医療分野でのアウトリーチのプレゼンテーション/オリエンテーション(ウィスコンシン医科大学医学生)、▽藤村紗奈=患者および病院従業員に対する音楽療法プログラムの実施(アルバート・アインシュタイン医科大学医学生)、▽ウチヤ志織=医療分野に関心を持つ日本人・日系人学生への働きかけと指導を続ける。医療専門職を志す日米の学生への働きかけと指導の継続(フィラデルフィア・オステオパシー医科大学医学生)、

■レイモンド・セキグチ MD-JMSA 奨学金=▽クリス池田 – アメリカの医師と患者のためにオステオパシー・マニピュレーティブ・メディスンの価値を広める(NYITカレッジ・オステオパシー・マニピュレーティブ・メディスン医学生)。     (敬称略)

(関連記事)在米邦人に日本語で診療を続ける

在米邦人に日本語で診療を続ける

第14代米国日本人医師会会長になった

加納 麻紀さん

 このほど米国日本人医師会(JMSA)の第14代会長に就任した。神奈川県鎌倉市生まれ。3歳で両親とともに来米し、ニューヨーク州ウエストチェスターのスカースデール、チャパクァで育つ。コーネル大学、マウントサイナイ医科大学卒業後、同大学とNYUメディカルセンター共同の定員4名の超難関プログラム、内科・小児科専門医養成・研修プログラムを修了。内科及び小児科両部門の専門医資格を有する医師は全米でも極めて少数だ。医大時代に米国日本人医師会から自身も2度にわたり奨学金を受けた経験がある。

 前職まで同医師会の副会長兼、2007年に創設の「日系コミュ二ティ支援委員会」(JCOP) 委員長を15年間務めるなど、米国日本人医師会の中核的リーダーとして活躍してきた。二児の母でもあり、2003年最初の出産後、日本語での子育てサークルの必要性を感じて同年9月、非営利の育児支援サポートグループ「NYすくすく会」を創設。月1回のセミナーでは、NY周辺在住の妊婦や母親を対象に、医療、母乳、しつけなど、さまざまな出産、子育てのトピックを取り上げている。

 現在、東京海上記念診療所のハーツデール診療所で内科と小児科の両部門で診療を行っている。加納さんは25年以上にわたり米国人だけではなくニューヨークを中心とする日系企業の駐在員・家族・旅行者・永住者に向けて日本語による医療を提供し続けている。その気さくな人柄と優しい心遣いが多くの在米邦人の心と身体を支えている。2013年からは慶応義塾ニューヨーク学院 (高等部) のスクールドクター (校医)も兼務している。

 加納さんのJMSAの最初の記憶は、1993年に奨学生として年次晩餐会に出席した時のことだ。「当時医学部の2年生だった私は、おずおずとエセックスハウスのボールルームに入ると、興奮と緊張、そして感謝を同時に感じながら、ボールルームを見渡したのを覚えています。華やかな集まりの中で、自分は部外者のように感じ、JMSA奨学金を授与されたことをとても嬉しく思いました」と振り返える。

 安西弦博士が理事長をしていた頃、ある理事会で新入会員を増やすにはどうしたらいいかという話になった。「ワインとチーズの会」を開いてはどうかという加納さんんの提案に、安西氏は快く応じてくれた。「ワインとチーズは、JMSAの主要な目的の一つである、人と人がつながり、一緒になるための最良の方法であることは誰もが知っているので、このワイン&チーズ・パーティーを再開したいですね」と笑顔を見せた。就任スピーチの最後に、奨学金を受ける学生たちに「私は学生や新しい世代の会員に、JMSAが皆さんの斬新なアイデアを尊重し、実行する意志とエネルギーがあればサポートする組織であることを強調したいと思います」と話した。30年近く前に緊張した面持ちでそこに座っている自分にまるで話しかけているようだった。(三浦良一記者、写真は本人提供)

(関連記事)新会長に加納さん

編集後記 2022年9月10日号

みなさん、こんにちは。ニューヨーク市の治安悪化に伴い、市はヘルズキッチンの一部を含むタイムズスクエアの公共施設や商業地区での銃の持ち込みを禁止する措置を8月31日に発表しました。同地域は、昨年11月に来米した秋篠宮家の長女で元皇族の眞子さんと小室圭さん夫妻が住むアパートに隣接しているエリア。治安悪化の中で、もし眞子さん夫妻が事件や事故に巻き込まれたらどうなるのでしょうか。皇室を離れ、一般人となった身分のため、表立った要人警護はなされていないとされますが、実態はどうなのでしょうか、誰に聞いても分からず、一切明らかにはされていません。そんな中で、ニューヨークで発足した自警防犯組織ガーディアン・エンジェルスがウエストサイドやヘルズキッチンの巡回パトロールを強化するとこのほど発表しました。同組織の日本代表で、30年前にNYで隊長を務めた小田啓二さん(50)が、同組織のトップであるカーティス・スリワ代表に治安悪化地区のほぼ中心部に日本の元プリンセスが住んでいると伝えたところ、アパート近辺をパトロール地区に含めることを決めて5日、小田さんの案内で一帯を視察しました(本紙今週号1面に記事)。NY市の防犯NPOが、眞子さんの自宅周辺の巡回パトロールを関係者として公言するのは初めて。現在隊員は200人。担当班は眞子さんの顔写真のコピーを持ちパトロールするそうです。ニューヨークでは、誰もが知らないふりをする眞子さん夫妻の話題。見るにみかねての登場でしょうか。小田さんは「事件が起こってからでは取り返しがつかない。我々は自主的に活動する米国のボランティア組織で日本の税金を使うわけではないのでどこからも文句は来ないでしょう。所轄の警察とも関係は良好です」と話していました。眞子さん夫婦が「週刊NY生活」を読んでいるとは思えませんが、知れば少しは安心でしょうか。なんだか心強い話ですね。小田さんとガーディアン・エンジェルス頑張れ。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年9月10日号)

(1)眞子さん安全に赤信号 ガーディアン・エンジェルスが巡回出動

(2)街角ファッション ジャパン・ファッション大好き

(3)缶入りホイップクリームで混乱 IDなしで購入可

(4)NY日本人美術家協会 50周年展盛大に

(5)あめりか時評 満員の球場に感じたNY復興の手応え

(6)ハンカチとして使える小風呂敷

(7)地球温暖化研究一筋 真鍋さんに文化勲章伝達

(8)乾燥キクラゲ回収 サルモネラ菌検出で

(9)BOOKS  『地球の歩き方』と『ムー』コラボ

(10)柿沼光悦 スーパーファイン・アートフェア出展

(11)第二の故郷NYで女優に挑戦 丸山日鶴さん

眞子さん安全に赤信号

住居近くで銃犯罪対策強化

ガーディアン・エンジェルスが巡回出動

 ニューヨーク市の治安悪化に伴い、市はヘルズキッチンの一部を含むタイムズスクエアの公共施設や商業地区での銃の持ち込みを禁止する措置をこのほど発表した(別稿参照)。同地域は、昨年11月に来米した秋篠宮家の長女で元皇族の眞子さんと小室圭さん夫妻が住むアパートに隣接しているエリア。治安悪化の中で、もし眞子さん夫妻が事件や事故に巻き込まれたらどうなるのか。皇室を離れ、一般人となった身分のため、表立った要人警護はなされていないとされるが、実態はどうなのか、一切明らかにはされていない。

 そんな中で、ニューヨークで発足した自警防犯組織ガーディアン・エンジェルスがウエストサイドやヘルズキッチンの巡回パトロールを強化するとこのほど発表した。同組織の日本代表で、30年前にNYで隊長を務めた小田啓二さん(50)が、同組織のトップであるカーティス・スリワ代表に治安悪化地区の中心部に日本の元プリンセスが住んでいることを伝えたところ、アパート近辺をパトロール地区に含めることを決め、5日、小田さんの案内で一帯を視察した。歩くとシェルターの外にいた警察官がスリワ代表に挨拶して立ち話が始まる。スリワ代表は、昨年のニューヨーク市長選挙で共和党選出の候補となった人物で顔が広く警察官からの信望も厚い。「警察出身者が市長になったのに以前より治安が悪化して最悪だ。路上生活者のためのシェルターがあちこちの住宅街にできて市民生活が脅かされ、安全ではなくなっている。日本の元プリンセスがこの辺に住んでいることをさっきの警察官たちは知らなかったよ」と話す。

 現在は日本企業の駐在員としてNYに滞在する小田さんは「安倍元総理が奈良市内で選挙演説中に暴漢に銃撃されて死亡する事件が起こり、警察庁は、改めて要人警護のあり方を全面的に見直し全国の警察に通知した。昭恵夫人にも今は警護がついている。悲劇を二度と繰り返さないための今後の対策だが、NYの眞子さん夫妻の場合は、事件が起こったら、あとがない。日本人観光客がタイムズスクエアで窃盗被害に遭って、以後気をつけましょうと注意を喚起するのとは訳が違う。事件が起こってからでは遅いんです。我々は自主的に活動する米国のボランティア組織で日本の税金を使うわけではないのでどこからも文句は来ないでしょう。所轄の警察とも関係は良好です」と話す。NY市の防犯NPOが、眞子さんの自宅周辺の巡回パトロールを関係者として公言するのは初めて。現在隊員は200人。担当班は眞子さんの顔写真のコピーを持ちパトロールするという。

 8月31日午後7時21分、眞子さんの家に近い西50丁目10番街近くで28歳の男性が背中を、また午後8時ごろに西47丁目7番街で33歳の女性が胸をナイフで相次いで刺された。警察は同一犯として捜査、49丁目10番街のシェルターに住むニコラス・オキーフ(33)を襲撃と武器不法所持で逮捕。凶器はステーキナイフだった。眞子さんが買い物に行くとされるアーミッシュマーケットは家から3ブロックしか離れていないこのシェルターの前を通る。5月にも同地区で男性2人が銃で撃たれて死亡する事件があり、同月、眞子さん夫妻が住むアパートの玄関前で銃撃事件が発生、男性1人が負傷している。市では自家製銃の規制にも乗り出している。

(写真上)眞子さんのアパート前を視察するスリワ代表。後方が小田さん(5日、写真・三浦良一)

タイムズスクエア、銃所有禁止ゾーンに指定

NY州知事と市長が共同記者会見

 キャシー・ホウクルNY州知事は8月31日、マンハッタンの事務所でエリック・アダムスNY市長と共に記者会見を行い、NY市内のタイムズスクエアをはじめとする「センシティブ・ロケーション(慎重を期する区域)」での銃の所有を禁じる「ガン・フリー・ゾーン」の導入を発表した。 

 合衆国最高裁判所は今年6月、NY州で109年続く銃免許の発行を制限する「サリバン法」に対し、合衆国憲法修正第2条に違憲するという判決を下した。その結果、前科が無ければ誰でも銃所持免許の申請ができるようになり、実際に申請者は増加しているという。同判決を回避して同州議会が可決し、今月1日に執行した「ガン・フリー・ゾーン」法の対象には、学校や病院、裁判所、公共交通機関、公園、タイムズスクエアやヘルズキッチンの一部(6〜8番街の西40〜53丁目、8〜9番街の西40〜48丁目)のような人が密集する公共区域が含まれる。指定区域では、常駐やパトロール中の警官を除き、同免許の有無を問わず銃の携帯は禁じられ「違反者には重罪が課せられる」と大きく警告標識が掲げられている。また個人事業者も、社内や敷地をガン・フリー・ゾーンとし、入口に方針を掲示できる。 

 新たな同銃器所持取締法には、銃携帯許可証の申請者の身元確認の強化、安全訓練と実弾射撃訓練の義務付け、面接、過去3年間以上のソーシャル・メディア利用履歴の提出、半自動火器の購入年齢を21歳以上とする、なども含まれている。同新法に対して、銃器所持の権利を主張する運動家たちが訴訟を起こす可能性が高いが、ホウクル同州知事は「重要視すべきことは、公共の場には従わなければならないルールがあるということを銃器所持者に教育することだ」と話している。 

自家製銃の押収急増

3Dプリンターで部品製造

 ニューヨーク市警(NYPD)32分署は1日、シリアルナンバーや識別マークがない自家製銃器「ゴーストガン」を携帯していた人物を逮捕したと発表した。ゴーストガンは製造工程の追跡が不可能なキットや自家製銃で、今年8月15日までに、222丁が押収されている。これは前年の102丁に比べ118%の増加。転売前に身元調査を行う必要がなく、オンラインで購入でき、自宅で3Dプリンターなどを使用して組み立てることができる。米司法省は2021年に全米で1万9000丁以上のゴーストガンを摘発したとしており、この数は過去5年間で10倍に増えた。現在、アルコールたばこ火器及び爆発物取締局(AFT)は取り締まり強化のため、銃器販売業者に3Dプリンターや番号化されていない銃器にシリアル番号を追加するよう求めている。

(ワインスタイン今井絹江)

缶入りホイップクリームで混乱

ID無しで買えます

 「NY州では、缶入りホイップクリームを買うために身分証明書の提示が必要」という報道で市民が動揺するなか、ジョー・アダボ・ジュニアNY州上院議員は8月31日、同州で昨秋可決した新法を明確にする手紙を公表した。 

 アダボ同上院議員が指摘した商品「ウィップド・クリーム・チャージャー」とは、風船を膨らませるためにも使われる亜酸化窒素カートリッジを設置し、ガスの勢いでホイップクリームが作れるステンレス製の器具で、ウォルマートなど大型量販店やベッド・バス・アンド・ビヨンドのようなキッチン用品店でも販売している。近年は、一時的にハイになることを目的に同製品を購入する若者が急増しており、アダボ同上院議員21歳以下の購入を禁ずる法案を提出し、昨年11月に執行された。しかし多くのメディアは対象商品を「ウィップド・クリーム・キャニスター(スプレー式缶入りホイップクリーム)」と誤解し「NY州ではスプレー式ホイップクリームを買うのにもIDが必要」というニュースは米国内だけでなく、日本を含む世界中で伝えられた。NYコンビニエンスストア協会は同日、会員向けに電子メールで「同新法は不明確だったため、多くの店舗は念のためホイップクリーム缶の購入者にID提示を求めた。しかしホイップクリーム缶の購入にID提示は必要ない」と伝えた。 

 亜酸化窒素には、筋肉の緊張を緩和させる効果があるため、歯科医院などでも使用されている。一方、麻酔効果のあるガスを吸引することで酩酊状態に陥り死亡事故も発生している。また同機器は「whip its」や「whippets」などという名称で売られているため、缶入りホイップクリーム製品「Reddi Wip」と間違いやすいことも騒動の一因となった。同法を違反した店舗には250ドルの罰金が課せられるため、アダボ・ジュニア同上院議員には困惑した店舗のオーナーたちから問い合わせが殺到した

 ジャパン・ファッション大好き

 トライステート最大の日系食材店であるNJミツワマーケットプレイスすぐ隣のダイソーでファッショナブルな女性を発見。快くファッションインタビューに応じてもらい、ショッピング後に店前で撮影。シンプルな黒シャツの上に深緑地に縦ストライプのベスト、シルバーのアイレットが散りばめられた黒い巻きスカートと、7年間大切に履き続けているお気に入りのナイキスニーカー。アクセサリーは格子柄ベレー帽にクロイスターズ美術館のバッグだ。大の日本好きと自認する彼女が好むファッションブランドはユニクロ。ダイソーは数年前に友人とミツワへ来た際に知り、本日は引っ越しに伴い必需品を購入。「アメリカの1ドルショップと同じ価格帯なのに、デザインと品質が断然いいからダイソーは最高よ!」と、語る彼女が購入したのはコロコロクリーナーと、キッチン回り用のブラシに、ワンポイントのダイヤモンド柄ソックス。日本へは2013年に家族と旅行し、東京を中心に北海道から関西までぐるりと回った。「最も印象的だったのは瀬戸内海クルーズね。食べ物も美味しかったわ。フィッシュマーケットは活気があったし、回転寿司システムもクールだと思ったわ。穴場のラーメン屋で本場の味を楽しんだりね。また行きたいわ」。入国規制も緩和され始めたところに外国人旅行者にとっては円安も追い風だ。日本ファンのアメリカ人が再び日本を訪れ、ジャパン・ファッションや文化を楽しめるようになってきた。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

NY日本人美術家協会、50周年展盛大に

 日本人美術家協会(JAANY、松田常葉会長)の創立50周年記念展覧会が9月1日(木)からマンハッタンの天理文化協会(西13丁目43番地A/5番街と6番街の間、電話212・645・2800)で開催されている。オープニングレセプションが2日夕に開催され、300人近い来場者で賑わった。

 式典では、来賓としてニューヨーク日本総領事館の森和也広報センター長が芸術の都ニューヨークでの美術展再開に祝辞を述べた。

 また今年度の同展での優秀作品として「マックス・ブレッチャーJR賞」に竹下宏氏、「末村敬三賞」にシモン千加子さんが選ばれた。同会は、1972年に画家の故飯塚国雄氏が友人のアーティストたちとともに設立。飯塚氏は、2020年、新型コロナウイルスに感染し逝去。現在JAANY名誉会長。

 松田会長は「飯塚氏がJAANYを創設した当時、外国から来たアーティストたちがここ米国でいかに困難な状況を克服していかなければならなかったかは、想像に難くありません。JAANYは、アーティストたちがお互いに助け合えるよう、そして、ともに発展していけるようつくられました。50年をサバイブして、こうして私たちがここにいられることは本当に素晴らしいことです。私たちをサポートし助けてくださった皆さんのおかげであり、心より感謝を申し上げます。

そして、JAANYをつくってくれた飯塚さんにも心からお礼を言いたいと思います」と挨拶した。

満員の球場に感じたニューヨーク復興の手応え

 3年間我慢していたが、8月末から9月初めにかけて野球見物を再開、短期間にヤンキースとメッツの主催ゲームを観戦する機会を得た。まずヤンキースタジアムに足を踏み入れた時は、豪雨の影響で着いた時には3回表までゲームが進んでいたこともあり、超満員のスタジアムに驚かされた。コロナ禍が始まって以来、4万人を超える人が一同に会しているわけで、慣れるのには多少時間がかかったのは事実だ。

 更に10日後にメッツの本拠地、シティ・フィールドにも行ったのだが、その経験を重ねる中で感じたのは「希望」である。試合が面白かったのは勿論だが、スタジアムでの経験は素晴らしいものだった。現在のニューヨークはコロナ禍による深い痛手の中にあり、人口流出、治安悪化、衛生状態の悪化、最高裁による銃規制の妨害など問題が山積している。けれども、ニューヨークはこの難局を乗り越えるに違いない、そう感じさせるものがあった。

 まず驚いたのは、野球に対する姿勢だ。ヤンキースタジアムでは、ヤンキースが攻撃中に凡フライが上がっても誰も何も言わない。シーンとしているのである。別に観客が醒めているのではない。一方で、ホームラン性の当たりが飛び出すと、打った瞬間に「ウォーッ」となるからだ。つまり、打った瞬間に凡フライかどうかをほとんど全員が「分かる」のだ。野球をよく知っていて、しかもTVでなく生の野球を経験している人が圧倒的ということであり、これは昔とは違う。ファンの年齢層は若くなっているが、しっかり野球好きが育っている。この傾向は、メッツのシティ・フィールドでも感じた。

 全く誰もマスクをしていないという事実には、最初は戸惑った。だが、よく見てみると感染対策を気にしていないとか、否定しているわけではない。通路を行き交う際、奥の席に行くために手前の席の人たちに一旦立ってもらう際など、人々は実に礼儀正しい。3フィートの「ディスタンス」は無理でも、最後の「5インチ」は気にするという風情だ。席を立って通路を空けながら、みんな微笑んでいる。この丁寧さ、気遣いというのはコロナ禍の前とは全く違う。苦境を経験した上で、お互いが気持ちよく過ごすための知恵を共有しているのだ。

 野球そのものも進化している。投手が100マイル(160キロ)の速球を投げるのは、もはや当たり前で、98マイルのシンカーという沈む球まで駆使する投手も多いが、上手いバッターはそれにも対応している。TV中継で見て知っていても、実際にこの目でそのようなハイレベルの「対決」を見ると隔世の感がある。

 球場における観客の動線もよく考えられている。旧ヤンキースタジアムやシェイ・スタジアムの時は、試合終了後に球場から出るのに何十分もかかったが、ヤンキースもメッツも新しい球場になって改善していた。今回は、以前にも増してスムーズであり、コロナ禍への対策として要員の配置などマネジメントが向上しているのを感じた。

 観戦を盛り上げる映像や音響も昔とは違う。特にシティ・フィールドの場合は、女性や子供を意識した斬新な応援の仕掛けに感心した。人気のリリーフ投手、エドウイン・ディアスが登場する時は、トランペットの音楽「ナルコ」が鳴り響いて大変な盛り上がりになるとか、新しい工夫がどんどん取り入れられている。

 とにかく、以前と比較して運営側も様々な見えない知恵を使っていること、何よりもマスクなしで自由に楽しんでいるように見えて、人々は必要な気遣いはしていること、その全体が作り出す前向きの雰囲気、「希望を感じた」というのは、そういう意味だ。ヤンキースもメッツも優勝を争っているという成績面での明るさもあるが、それ以上のものを感じた。

 NY全市の治安問題、リモートと出勤のバランスを取って街の活気を回復する問題など、全市にはまだまだ難問が山積している。けれども、野球などのカルチャーが、コミュニティの求心力として健在というのは大きい。この秋は、METオペラ、本拠地が改装したNYフィルなどもノーマルモードで本格的に活動する。こうしたカルチャーの力をベースに、経済の再生を行うだけの底力はこの街には十分にあるはずだ。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

ハンカチとして使える小風呂敷

 お弁当を包むのにちょうどいいサイズの小風呂敷でハンカチとしても使える、日本の手拭いメーカー「かまわぬ」(東京都渋谷区)の商品が、イーストビレッジにある和アンティークギャラリーのマカリ(3番街97番地、12丁目と13丁目の間)にて販売を開始した。

 ミニトマト、玉ねぎ、うめにんじん、コーヒー豆など、色とりどりの食べ物の形を生かした素朴な文様が、薄手で結びやすい綿生地に裏表が目立ちにくい染め方でプリントされている(各17ドル)。友人へのちょっとしたプレゼントとして

喜ばれる商品だ。同店では古典柄からモダン柄まで400種を超える「かまわぬ」の手拭いシリーズを多く取り揃えている。問い合わせは電話212・995・5888まで。http://www.themakari.com

地球温暖化研究ひと筋

文化勲章を伝達

喜びの真鍋さん

 昨年ノーベル賞を受賞したプリンストン大学上級研究員の真鍋淑郎さん(90)に対する文化勲章の伝達式が1日、ニューヨーク総領事公邸で行われた。真鍋さんは、地球温暖化を研究する理論的な基礎の確立に大きく貢献するなど気象学・気候学の分野で世界をリードする業績をあげ、昨年度の文化勲章の受章者に選ばれている。

 森美樹夫総領事が「現在の地球が直面する地球温暖化を物理モデルで説明されるなど、功績に深く敬意を表します」と話し、天皇陛下からの賞状を読み上げ、真鍋さんに勲章をかけた。真鍋さんは「今日の日を両親や兄弟が生きていたらどんなに喜んだことか残念だ。アメリカに渡り、夢中になって研究をやっていると、あっという間に60年以上がたった。文化勲章までもらえるとは夢にも思っていなかった。私は非常にラッキーな人間だと思います」と話した。

 式のあと記者団に真鍋さんは「干ばつの頻度が上がる一方で大雨も増えている。10年に1度の大洪水が毎年起こる。今までのやり方では、もうコントロールできない。日本では大洪水が最大の問題となってくる。これからは治水の対策が必要だ」と警鐘を鳴らした。また、「日本には『好きこそ物の上手なれ』という言葉があるが、若い人には自分の好きな、得意なことをやって、充実した人生を送ってほしい」とアドバイスした。同氏のニックネームも淑郎を短くして「スキ」と同僚から呼ばれていたという。

 同伝達式は昨年予定されていたが、新型コロナウイルスの感染拡大や真鍋氏自身の感染から2回延期となっていた。今年の12月に延期になっているノーベル賞受賞式にも体力的な問題から欠席の意向を示した。

(写真)森大使(右)から文化勲章を伝達され笑顔で喜ぶ真鍋さん(写真・三浦良一)