「生ビールは注ぎ方が大切なんです」

サントリーの大野さん
THE MODERNで解説

 ニューヨーク共同貿易は昨年末からサントリーのザ・プレミアム・モルツ樽生ビールの販売を開始し、現在、約40軒のレストランで飲むことができる。そのニューヨークでのお披露目イベントが11日昼、ニューヨーク近代美術館(MoMA)内の高級レストラン、「ザ・モダン」で開催された。

 当日は、日本から唯一といわれているサントリー・ドラフトマスターの大野浩さんが、プレミアム・モルツの特徴である「神泡」と言われる泡について解説、樽生やグラスの洗浄など生ビールを美味しく飲む秘訣やこだわりの注ぎ方を披露した。実演で、ビールの香りやコクを引き立たせるために開発したオリジナルグラスでビール7割泡3割の黄金比率の泡を作って見せると、会場からは「おぉー」という驚きの声が沸いた。

(写真)ザ・プレミアム・モルツの美味しい注ぎ方を実演解説する大野さん

JFK空港行ってローラースケートしようか? 

レトロなTWAホテルで

 ジョン・F・ケネディ国際空港内のTWAホテルは今年も、特設ローラースケート場「ロールアラマ・アット・ザ・ランウェー・リンク」を4月15日から営業する。  

 同ホテルは1962年築、2001年に閉館したトランスワールド空港フライトセンタービルを改装して19年にオープンした。青と白のタイル2668枚が床に敷かれた屋外スケート場の横には、ロッキード社58年製のプロペラ旅客機「コニー」が駐機し、懐メロが流れるなかでスケートを楽しめる。料金は50分で大人20ドル、12歳以下は16ドル(シューズのレンタル料込)。チケットは事前予約制ではなく、会場での購入のみ。営業時間は金曜が午後4時〜8時、土曜と日曜は正午〜午後8時。11月1日まで。ソックス要着用。 

 またコニー機内にはカクテル・バー、同ホテル内にはTWA航空の展示コーナー、ジェット時代やミッドセンチュリー当時のデザインが施され、ツイスター・ルームでは60年代のゲームを楽しめる。宿泊しなくても、午前6〜午後8時に客室滞在できるデイトリッパー料金もある。

 詳細は公式サイトtwahotel.comを参照する。 

Photograph: courtesy TWA Hotel

ミュージカルCATSで全米を公演中

ピアニスト

松浦 麻未さん

 アンドリュー・ロイド=ウェバーのミュージカル「キャッツ」の2021年度全米ツアーに現在日本人ただ一人のメンバーとしてキーボーディストを務めている。ニューヨーク州はもとより、ラスベガス、サンフランシスコ、オーランド、ニューオリンズ、カナダのモントリオールを始めとした56都市で巡業公演中で、9月からの来季も続投予定。

 松浦さんの日常のスケジュールは、ショーでの演奏がメインで、月一回行われるキャストのボーカル・ダンスリハーサルでの伴奏もする。基本的に月曜日が飛行機やバスを使った移動日で、平日の火曜から金曜は公演があり、土日は2公演をこなす。バスで1週間に2、3都市を回る週もあるという。基本的に月曜日の移動日以外にオフの日はなく、体力勝負なのでジムに通ったり、食事に気を付けたり体調には気を遣っているという。「アメリカのさまざまな都市の劇場を回ることができるのはとても良い経験」と公演生活を楽しんでいるようだ。

 米国に来ることになったのは、桐朋学園大学でクラシックピアノを学んでいたが、自分の好きなジャズやミュージカルの音楽をしっかりと学びたい、という思いが次第に強くなり、大学の教授に将来の進路について相談したところ、バークリーの奨学金オーディションが日本であることを知り、受験したことがきっかけ。2017年から同音楽大学へ留学した。バークリーでは、ピアノ演奏だけでなく、ミュージカルシアターにおけるミュージックディレクション、指揮法、歌唱指導法や伴奏法を学んだ。在学中、ジャズ・パフォーマンス・アワードを受賞している。2019年に同大学を卒業後、ニューヨークを拠点に活動し昨年9月からツアーに同行している。演奏中、客席が盛り上がっているのが聞こえる時にやりがいを感じるという。「自分が客席でミュージカルを観るときのワクワク感を思い出します」。

 「ミュージカル好きな私にとって、アメリカのミュージカルの現場で働くことができるのは、かけがえのない経験。現場で働く人達と会話をするだけでも沢山の刺激を受けます。いつかブロードウェイで仕事がしたい。その経験を活かして、日本でミュージカルシアターの仕事をするのも夢。そのためには、ビジョンを持って続けていくということがいま何よりも大切だと思います」と将来を見つめる。横浜市出身。1993年生まれ。(三浦良一記者、写真は本人提供)

編集後記 4月9日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。日本を代表する漫画家の藤子不二雄Aさんが、本日7日午前、神奈川・川崎市の自宅で亡くなりました。88歳でした。「オバケのQ太郎」など数々の名作を残した藤子不二雄Aさん。本名は安孫子素雄。小学校時代の漫画絵描き友達だった藤子・F・不二雄さんとコンビを組んで、1987年にに解消するまで35年間に、共作としては前述の「オバケのQ太郎」、藤子不二雄Aさんとしては、「忍者ハットリくん」、「怪物くん」、「プロゴルファー猿」、「笑ゥせぇるすまん」などがあります。昭和の時代を彩った少年漫画界の大御所がまた一人他界した。「ゴルゴ13」のさいとうたかおさんが昨年9月に84歳で亡くなったばかり。思えば、手塚治虫をはじめ、赤塚不二夫、水木しげる、白戸三平、ちばてつやなど戦後漫画ブームを興した個性ある名人たちがみんないなくなってしまいました。「少年サンデー」「少年マガジン」「少年キング」の週刊漫画雑誌に加え「少年」「冒険王」などが昭和30年代全盛を極めていました。「巨人、大鵬、卵焼き」が当時の小学生の人気ナンバー3アイテムでした。「少年ジャンプ」が出てくるもっともっと前の時代です。あの頃、今の、世界的なアニメブームを誰が想像したでしょうか。「スーパーマン」や「バットマン」「スパイダーマン」などアメリカンコミックが実写活劇のテレビドラマや映画になって多くのファンを魅了していったのとは異なり、日本が生んだ「鉄腕アトム」は「アストロボーイ」として、桑田二郎の「エイトマン」はそのまま「8マン」でアメリカの白黒テレビの時代からアニメのまま放映されて人気となっていました。手塚治虫の「マグマ大使」みたいに人間が入ってテレビ活劇になって怪獣ブームを牽引した例はあっても、基本、日本のアニメは漫画映画の世界で生き続けることになります。それだけ、後世になっても、形を変えて妙な進化をすることなく、いつまでもオリジナルのままの姿形、時には、アニメの声優の声がそのまま心に刻まれています。半世紀以上も前、そんなに技術もなかった時代、CGもなく、今のようにお絵描きソフトで手軽に漫画が誰でも作れる時代と違って、労働集約的な地味でコツコツやる仕事でした。私も大学時代に漫画家のアシスタントをやっていたことがありますが、結構大変な仕事です。小学生時代に永島慎二の「漫画家残酷物語」3巻を読んで、自分には無理かなって思ったものです。貸本漫画時代から日本人の心に生き続ける日本漫画のスピリットは、今も世界の日本漫画ブームに脈々と引き継がれています。藤子不二雄Aさんのご冥福を心より、遠くニューヨークからお祈りいたします。長い間ご苦労様でした。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年4月9日号)

(1)性自認不一致は「X」 米国パスポート記載11日から

(2)週末は春うらら  フリマの陽だまり

(3)NYが好きすぎて  たまらない

(4)鳥インフル流行  農務省「適切な調理を」

(5)ソプラノ田村麻子     春、花、月を歌い上げる

(6)鮨 青木が開業1周年 フォートリーで本物日本食

(7)大戸屋チェルシー店   10周年感謝メニュー

(8)春到来を祝うイースター  暮らしのテーブル

(9)NY補習授業校LI校 2年ぶりに対面授業再開

(10)女性の人生と向かい合う 産婦人科医・常盤真琴さん

性自認不一致は「X」

米国パスポート記載で今月11日から

 今月11日から、トランスジェンダー、ノンバイナリーまたは身体的な性自認が一致しない米国市民は、パスポートの性別欄に、特定不可および別の性自認として「X」を選択できるようになる。 アントニー・ブリンケン米国務長官は3月31日の会見で「世界のすべての人びとの自由と尊厳、平等の推進と保護に尽くすことを改めて断言する。つまり多様性を包含しながら、個人のプライバシーを尊重することである」と語った。性自認の尊重に関しては、米運輸保安庁(TSA)は「空港などで、渡航者の審査、検査でより性的に中立なプロセスを導入していく」、社会保障局(SSA)は「公的な書類、記録などに自認している性別を選べるようにする」など、複数の連邦機関が、LGBTQ+市民が政府発行の身分証明を申請しやすくする政策を発表している。 

 同政策は、トランスジェンダーの女性の競技参加を禁ずるなど、トランスジェンダー市民の生活を制限する新たな規制を執行しようとする保守派の動きに対抗して承認された。例えばテキサス州はこのほど、性転換を望む若者の治療を禁ずる法案を可決した。 

鳥インフルエンザ流行

米農務省「鶏肉と卵は適切に調理を」

 今年に入り、アイオワ州はじめワイオミング州からメイン州にかけて鳥インフルエンザが流行しており、3月末までに約1700万羽の鶏や七面鳥が殺処分にされた。

 流行しているのは鳥インフルエンザA(H5N1)で、鶏、七面鳥、アヒル、ガチョウなどの鼻汁、唾液などの体液や糞便を介して感染する。伝染力が強いうえ、感染した鳥類は高い確率で死亡する。野鳥を含む19の州で確認されており、日本の農林水産省は4月1日より米国からの生きた家禽、家禽肉などを一時輸入停止にした。

 まれではあるが感染した鳥に濃厚接触すれば人に感染することがある。米農務省(USDA)によると、米国では人が鳥インフルエンザに感染した症例は確認されていない。カナダで一人感染例があり死亡している。日本でも人への感染性はないが、世界保健機関(WHO)によれば2003年以降、インドネシアで200人が発症し、うち168人が死亡するなどアジアや中東、アフリカで感染例がある。人から人への感染は確認されていない。米農務省(USDA)は、適切に調理すれば鶏肉も卵も危険はないとしている。物価への影響だが、2014〜2015年の流行の時も卵の価格が上昇した。すでに卵や鶏肉の価格が上昇している。一方、日本では、北海道が5日までに、札幌市内で見つかったキタキツネ1匹の死骸から高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5型)を検出したと発表した。 環境省によると、哺乳類の感染確認は国内初。 同ウイルスに感染したカラスを食べたことが原因とみられる。

春うらら フリーマーケット

 春の日差しが出たり入ったり。三寒四温で薄手のコートの季節に。週末のマンハッタンでは、空き地の広場を使ったフリーマーケットがスタートした。

 古着に腕を通せば、古き良き時代へタイムスリップ。テレビをつければ、連日、戦争のニュースばかり。

 心が少しだけ、春うららの陽だまりを求めている。

 (4月2日昼過ぎ、マンハッタン26丁目、五番街と6番街の間で、写真・三浦良一)

NYが好きすぎてたまらない

街角ファッション動画DEチェック⑧

 モデルやクリエーターによる撮影現場を街角で頻繁に目にするSOHO。三脚を立てたカメラに向かって動きを合わせる二人に話しかけてみた。「このシーンの撮影が終わるまで、ちょっと待っててね!」との反応に継続する動画撮影を見学してからのインタビュー。一目でファッション業界の人間だとわかる二人はインスタ、TikTokなど主要SNSに日々投稿するコンテンツクリエーター。「SOHOは街並みが綺麗だから撮影にもってこいなのよ」と、言うチェルシーのインスタフォロワーは11万人を超える。表情やジェスチャーが、これまでのインタビューでピカ一だったエイミーのインスタフォロワー数は6万人超。身につけているアイテムは、ZARA、H&Mや古着。撮影終了後はチェルシー自身が経営する古着屋で販売される予定とのこと。「NYが好きすぎてたまらないの。パンデミックも落ち着いてきたから、またいろいろな所を回れるわ」と、言うエイミーに対して、「地元のアストリアがベストだけどね」と、クイーンズへの地元愛を語るチェルシー。続けて「古着は、お財布にも優しくて、新しいブランドを気軽に試せるし、環境にもいいから最高よ」と、古着愛も忘れない。自社で販売する古着も自ら身にまとって、一流ブランド顔負けのプロモーションをSNS上で行う。動画内で紹介する彼女たちのインスタアカウントを覗いて、ファッション最前線の街NYの春に備えてインスピレーションを得よう。(Wear2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

ソプラノ歌手田村麻子、春、花、月を歌い上げる

 ニューヨーク在住の日本人ソプラノ歌手、田村麻子が3月31日夜、ソプラノソロリサイタル「スプリング・フラワーズ・アンド・ムーン」を市内アートギャラリーのストライドアーツで開催した。

 春、花、月をテーマに、オペラ・ボエームより「私の名はミミ」やショパンの「春」、ドビュッシーの「月の光」などを美しい歌声で披露した。ピアノの伴奏はデービッド・ホルケボ。プログラム後半のシューベルト作品「岩上の羊飼い」ではゲストにクラリネット奏者クリスタ・ソマーズを迎えて演奏を行った。当日は85人が来場した。

 公演後、田村さんは「パンデミックで2年間のブランクがあったので歌声が錆びているのではないかという心配もあったが、プログラム的に期待していなかったスタンディングオベーションをいただけ嬉しかった」と話し、ファンに囲まれて花束を受け取り笑顔を見せていた=写真=。

「鮨 青木」が開業一周年

フォートリーで「本物」の日本料理を

 アメリカで日本食が人気となって久しいが、NJ州にも数多くの日本食レストランが開店している。ただ、「日本食」の定義は広く、日本人ではない経営者や職人が日本食とは名ばかりの料理を出すレストランもあり、「本格的な日本料理を食べたいならNY市に行かないと。」というイメージがあるのも事実だ。

 そんなイメージを完全に覆したのが、昨年4月にフォートリーにオープンした「鮨 青木」。店主の青木真志さんは、マンハッタンの有名な寿司店数店で料理長を歴任しており、その腕は折り紙付き。ほとんどが日本から直送の食材を使用した「本物」の味を提供している。

 青木さんのこだわりは、店の造りや場所、営業スタイルにも表れている。

 まず、住所はフォートリーのメインストリートになっているが、実際はメインストリートの裏手にある駐車場エリアに面しており、看板も小さく、いわゆる「隠れ家的名店」の雰囲気だ。青木さんが地元のフォートリーで自身の店を開店するにあたり、こじんまりとしていて、入り口が通りに面していない物件を探していたそうだが、まさにイメージ通りの店である。周辺は夜になると静かな環境ではあるものの、格子越しに覗く店内は温かい雰囲気だ。

 その店内は、カウンター10席のみ。メニューは青木さんがその日にある最高の食材を使用した、135ドル、150ドル、200ドルの「おまかせ」コースのみ(200ドルコースは1週間以上前に予約が必要)。営業時間は、午後5時30分から午後7時45分までと、午後8時15分から午後10時30分までの2交代制で、完全予約制になっている。(月曜と隔週日曜は定休日)この営業スタイルからも、青木さんが一人一人の顧客と真剣に向き合いたいという姿勢が伺える。

 「お客様がまるで親しい友人宅に招かれた時のような気分でくつろげるお店にしたい」と青木さんが語るように、来店した客はストレスを一切感じず和やかな表情でもてなしを受け、味覚と共に視覚からも訴える本格派のコース料理を堪能している。開店からちょうど一周年を迎えた同店は既に「予約が取りづらい人気店」になっているが、「大切な人と気兼ねなく、安心して美味しい料理を楽しめるお店」がNJにできたのは嬉しいことだ。尚、同店は酒類を販売しないBYOB形式なので、好きなお酒を事前に購入して持ち込むことを忘れずに。


Sushi Aoki

215 Main Street Suite 104, 

Fort Lee, NJ

予約は電話受付のみ:

201-663-5756

www.sushiaokiusa.com

大戸屋チェルシー店10周年で感謝メニュー

 今年で開店10周年を迎えた大戸屋チェルシー店は4日から24日(日)まで、10年分の「ありがとう」を詰め込んだ「10周年記念御膳」(59ドル)を提供する。この10年間を通した人気のメニュー(鰻ちらしご飯、和州牛すき焼き・トンカツ・唐揚げ・ホッケ・沖目鯛・サーモン西京・コロッケ・雲丹豆腐)に刺身3点盛りを付け、デザートは特別空輸にて入荷したNYで初となる静岡県産クラウンメロンがついたコース内容。期間中は、酒フライトやカクテルなど特別価格10ドルで販売する。同メニューはチェルシー店のみ、期間限定で提供。予約はオンライン(www.ootoya.us)から。

 また、リモートからオフィス勤務が開始するこの時期、大戸屋がお弁当をオフィスに届ける「オフィス宅配弁当」も開始する。ミーティングや従業員福利厚生に見合った豪華な内容のお弁当。詳細はEメールcorporate@ootoya.usまで問い合わせる。


大戸屋

CHELSEA STORE

8 West 18th Street

New York, NY 10011

212-255-0018

chelsea@ootoya.us

ランチ 11:30-15:00

ディナー 日曜から木曜

17:30-21:30   

金曜と土曜 17:30-22:00