日本製の小物店ジャパンビレッジに

Ippin Project

 NYのインテリアデザイン事務所 Crafitsが企画運営するIppin Projectが、今月5日から6月5日(日)までの1か月間、ブルックリンのインダストリーシティ内ジャパンビレッジ2階でポップアップショプをオープンしている。

 Ippin Projectは2012年からオンラインショップを展開しており、昨年末にICで行ったポップアップが好評に付き、今回場所をジャパンビレッジに移し、規模を拡大して開催。「Japanese Design for Fine Living」をコンセプトにメイドインジャパンの商品にこだわったテーブルウェア、小物、インテリア雑貨のほか、内装素材である和紙の壁紙や組子スクリーン、タイル類なども展示している。木〜日曜の午前11時から午後7時まで。詳細はウェブサイトhttps://www.ippinproject.com/を参照。

落語の桂三輝ブロードウエー公演

ロンドンとかけもち

 落語家、桂三輝(かつら・サンシャイン)がニューヨーのブロードウエーで観客を沸かせている。週に1度のニューヨークと月に一度のロンドン公演の間を縫って日本にも帰り、落語をフル回転で披露し続けている。50丁目のニューワールドステージでの6日夜の演目は、新作の時うどん、犬の目、特別追加でお馴染みの虎とライオンの動物園対決の話で観客を笑わせた。

 本名はグレゴリー・ロビック。トロント大学にて古典演劇を専攻し、劇作家・作曲家としてカナダの大学院在学中に初ミュージカル作品「Clouds」を制作、トロントの劇場で15か月間のロングラン公演となり、現在でもカナダ人制作のミュージカルとしては最長記録となっている。

 日本の伝統芸能である能に興味をもち1999年に訪日。三遊亭亜郎のミュージカル落語の音楽などを手掛けたのち、2003年からカナダ亭恋文(かなだていらぶれたー)や楽喜亭三陀(らっきーていさんだー)を名乗ってアコーディオン漫談や英語落語で活動を始める。2007年に大阪芸術大学大学院芸術研究科に入学し、相羽秋夫のもとで創作落語を研究。08年9月1日、桂三枝(現六代桂文枝)に弟子入し、桂三輝と命名された。2009年4月26日、カナダで英語落語で初舞台。その後は上方落語会初の外国人噺家としてニューヨークでも活躍の矢先パンデミックに。2年間止まっていたブロードウエー公演も3月から再開。三輝は「今日、日本から帰ってきたばかりで、落語で噛んでしまってもお客さんは『お許しいただけるし』、普段は2本立てだけど、今日は新作2本といつもの1本の3本、お客さんはそういう『今日だけ』っていうのが好きなんですね。そんなところが日本のお客さんとおんなじです」と話す。舞台で「今年はネットフリックスでお笑い番組に入りました」と宣言すると会場から大きな拍手。「でもまだネットフリックスの人は知りません。私の今年の目標ですから」。拍手が爆笑に変わった。(三浦良一記者、写真も)

サハリンロックNYに響く

帰ってきたOKI

アイヌ現代音楽が炸裂

 ジャパン・ソサエティーでコンサート『OKI:アイヌの音楽』が6日夜に開催された。OKIはアイヌの伝統楽器トンコリの伝承者で、ベーシスト、彫刻家、ペインター。これまでにソロ、バンド、ダブミックス版などを含む合計20枚以上のオリジナルアルバムを発表。音楽プロデューサーとしてもアルバム23作を出すなど大活躍している。伝統的なアイヌの音楽や歌をレゲエやロックのエレキサウンドで演奏し、伝統楽器ムックル(口琴)もコンテンポラリーミュージックサウンドに早変わり。

 「愛と憎しみの街に帰って来ましたよ」とジョークを交えて英語で挨拶した後、全編、英語でもなく日本語でもないアイヌ語で歌いまくったその歌声は鮮烈に胸に突き刺さり、エレキトンコリと女性ボーカルユニット、マレウレウのRekpoの抜群の歌唱力とドラムスのManaw Kano、ベースの中條卓の絶妙なエネルギーをサウンドエンジニアの内田直之が見事に昇華させた13曲1時間半のロックコンサートとなった。ウクライナへの思いを歌った「City of Kiev」、熱唱した最後の「サハリン・ロック」では会場がスタンディングオベーションの熱気に包まれた。

 OKIは、1957年生まれ。本名は加納沖。東京藝術大学美術学部卒業、ニューヨーク大学映画科を修了。平成20年に北海道文化奨励賞を受賞している。演奏直前の楽屋でOKIは自身の音楽活動の原点についてこう語った。

 「1987から6年くらいニューヨークにいた。そもそも来たのが、なんかアイデンティーに苦しんでいたころで、ニューヨークに来てしまえば関係ないかなって、来てみたら、直接かどうかわかんなけど外から見た、客観的に日本やアメリカのいいところ悪いところ、足りないところが、見えて、いいか悪いかのジャッジメントに確実に影響したね。みんながいいよって言ってるんじゃなくて、棲み分けしていて、ニューヨークにはいろんなコミュニティーがあるのが分かって、アメリカ先住民のコミュニティーもNYにあるわけ。そこで友達になって、その知り合いのつてでナバホインデアンの居留地の政府があるアリゾナのウインドウーロックやさらに西のキコツボミと言ってホピインディアンの大地まで全部ヒッチハイクで行って遊んでたんだけど友達の家族と。そしたらその時だね、それまで日本人とかアイヌとか面倒くさいって思っていたのが、満天の星の下でコヨーテの鳴く声を聞いて、西部開拓史以前の時間の感覚の歪みみたいなものを感じて、おぼろげだけど、いつか自分のルーツに向かい合うのもありだなって、ほんと、おぼろげだけど思ったんだよねその時。それがきっかけで逆にポジティブになったんだな」。(三浦良一記者、インタビュー写真も。舞台写真はAyumi Sakamoto 撮影)

編集後記 5月7日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。ニューヨークで近年で初となる「ジャパンパレード」が5月14日(土)午後1時から3時30分までマンハッタンのセントラルパークウエストの81丁目から68丁目で開催されます。お神輿、太鼓、ダンス、武道、日本をテーマにファッションやミュージックなど伝統的文化のみならず、コンテンポラリーな日本の魅力を80余りの団体が行進する大規模なものになるそうで、日本からセーラームーンの5戦士が参加するなど、ニューヨーカーの注目を集めそうです。また、パレードと並行して行進の終点地区69丁目のセントラルパークウエストとコロンバス街の間で 、当初は予定になかったフードテントを含むジャパンストリートフェアも開催することになりました。今までジャパンデーだったのが今回はジャパンパレード。もともとは2年前の東京五輪を直前に控え盛大にパレードで日本ムードを盛り上げようとの計画でしたがパンデミックで2年棚上げ。でもまあ今年は今年で、1872年の岩倉具視使節団が米国を訪問してから150年、ニューヨークに日本領事館が設置されたり、日本にベースボールが紹介されたりした年から150年など日米関係の深化につながった理由がちゃんとあってお祭りムードはしっかり醸成されてるようです。冒頭「近年で初」と書いたのは、これだけ大規模なパレードがニューヨークで行われるのは、1860年6月18日以来、162年ぶりだからです。最初にNYでパレードをした日本人は、徳川幕府が日米修好通商条約の批准書交換のために米国ワシントンDCに派遣した万延元年遣米使節団の侍たち80人でした。異国の地から来た侍たちの上品で礼儀正しい立ち振る舞いに米国人たちは敬意を払いどの地に行っても大歓迎を受けたと当時の新聞は伝えています。マンハッタンのダウンタウンから14丁目のユニオンスクエアまでブロードウエーを行進したそうです。当時の様子は写真も交えて今週号の5面で詳報しています。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年5月7日号)

(1)ジャパン・パレード 5月14日セントラルパーク・ウエストで 

(2)日本人の子供殴られ負傷 23丁目でビジネスマン風の男から

(3)海外日本人サポート   国会議員7人ネット投票要望質疑

(4)古本さんに旭日単光章  令和4年春の叙勲

(5)お助け110番 JAPAN HELP

(6)街行けば大麻の香り  NJ州に続きNY州と市でも合法化へ

(7)プーチン大統領胃がん手術か 欧米大衆紙相次ぎ報道

(8)大島聖子さん逝く NY日系社会の文化と福祉で活躍

(9)アーティスト YUKAKO  クリスティーズ落札で叶った夢

(10)街角ファッション 今日はお誕生日でアゲアゲ気分

ジャパン・パレード

5月14日開催

セントラルパーク・ウエスト

 ジャパンデーインクは、ニューヨークでは初となる「ジャパンパレード」を5月14日(土)午後1時から3時30分まで開催する。2022年は、1872年に岩倉具視を匿名全権大使とする使節団が米国を訪問してから150年で日米関係において重要な年となる。使節団訪問を契機に同年ニューヨークに日本領事館が設置されるなど日米関係の深化につながった。

 この節目の年に日米交流のさらなる促進と日系コミュニティの強化を図りつつ、NYに感謝の意を表し、未来世代へと友好のバトンを繋いでいくことが目的。

 パレードはマンハッタンのセントラルパークウエストの81丁目から68丁目までを南下する。お神輿、太鼓、ダンス、武道、日本をテーマにファッションやミュージックなど伝統的文化のみならず、コンテンポラリーな日本の魅力を80余りの団体が行進する大規模なものになる。日本からセーラームーンの5戦士が参加する。パレードマーシャルは俳優で人権活動家のジョージ・タケイ氏。また、パレードと並行して行進の終点地区69丁目のセントラルパークウエストとコロンバス街の間でフードテントを含むジャパンストリートフェアも追加開催することが決まった。

(写真)左:Japan Parade Art Contest 2022     最優秀受賞者 Alexandra Emanuela Tataruさんの作品 右:パレードマーシャルのジョージ・タケイさん日本のアイデンティティーPR

日本のアイデンティティーPR
日系80余団体が行進

ストリートフェアも開催へ

 ニューヨークではかねてより、アイルランド、イスラエル、プエルトリコなど世界各国出身の民族がそれぞれのコミュニティの文化やライフスタイルを誇らかに示すパレードが行われてきた。「ジャパン・パレード」はニューヨークの日本コミュニティが継承する文化や遺産を紹介するパレードとして近年では初めてのものとなる。

 同パレードは2007年以来ニューヨークで開催されてきた「ジャパンデー@セントラルパーク」の特別イベントで、今年はセントラルパーク内でのフェスティバルの代わりに実施する。元々は2020年東京五輪に向けての企画だったがパンデミックで延期となった。4月27日にNY総領事大使公邸で記者会見があり、森美樹夫大使、パレード・チェアマンを務めるジャパンデーインクの上田淳プレジデント、実行委員会事務局ゴージャスエンターテインメントの吉井久美子社長がパレードの概要を説明した。パレードは5月14日(土曜)午後1時から3時30分までセントラルパークウエスト81丁目から68丁目までを南下、80から100余りの団体が行進する。

記者会見でジャパン・パレードについて説明するNY総領事の森大使(右)

 森大使は、パレードを開催する意義として「日本社会をまとまった形で紹介し、日本のアイデンティティーを確立する上でもニューヨーク市民との関係を築く上でも、日系諸団体やNY市警、消防など80余りの団体、さまざまなものを乗せるプラットホームとして取り込んでパレードでNYのダイバーシティ(多様性)をアピールできる」と語った。また、当初の予定にはなかったストリートフェアが加わったことについては「初めから排除していた訳ではなくて、フードカルチャーを紹介したり、チャリティーイベントを開催したりするためには、パレードで行進するだけではできないので、ジャパンデーインクの中で相談して、歩くだけではなくて、終着地点で集客ポイントを作って日本文化の紹介や目的達成のためのイベントをやろうということになった」と説明した。

 ジャパンストリートフェアは、パレード開始の午後1時から4時30分まで西69丁目のセントラルパークウエストとコロンバスアベニューの間で開催され、参加テント数はフードや文化紹介など10余りを現在予定している。当日は、オープニングセレモニーが午後12時30分から午後12時50分までセントラルパークウエストの70丁目から71丁目の間で開催される。

公式ウエブサイトは https://japandaynyc.org/parade/

最初のパレードは1860年
侍80人がブロードウエー行進

 5月14日にマンハッタンのセントラルパークウエストで開催される「ジャパン・パレード」は、1860年6月18日以来、162年ぶりにNYで日本人や日系アメリカ人が行進する記念すべきパレードとなる。

 最初にNYでパレードをした日本人は、徳川幕府が日米修好通商条約の批准書交換のために米国ワシントンDCに派遣した万延元年遣米使節団だった。異国の地から来た侍たちの上品で礼儀正しい立ち振る舞いに米国人たちは敬意を払いどの地に行っても大歓迎を受けたと当時の新聞は伝えている。

 ニューヨークのブロードウエーでは侍パレードも行われた。日本から最初の公式ミッションとして派遣された遣米使節団の軌跡は、今もニューヨークの5番街42丁目のパブリックライブラリーの資料館に眠っている。1860年6月23日付ニューヨーク・イラストレーテッドニュース紙の1面には、遣米使節団の中でもアメリカ人の間で、アイドル的人気となった愛称トミーこと立石斧次郎の姿が堂々と掲載されている。

 当時の記録によると、万延元年遣米使節団は、幕府の幕臣・外国奉行の新見豊前守正興(しんみぶぜんのかみまさおき、40歳)=写真中央=を正使に、副使の同じく外国奉行の村垣淡路守範正(むらがきあわじのかみのりまさ、48歳)=同左=と小栗豊後守忠順(おぐりぶんごのかみただまさ、32歳)=同右=を筆頭に約80人の侍が米国の蒸気船ポーハタン号に乗り1860年1月に品川沖を出発、途中ハワイに寄港、3月8日にサンフランシスコに到着して大歓迎を受けたとある。一行は同月末にワシントンDCに到着して3週間の滞在中にブキャナン大統領を公式謁見している。その後ボルティモア、フィラデルフィアでは米国政府の造幣局を見学してニューヨークへと向かった。

 6月16日にニューヨークに到着した一行は街を上げての大歓迎を受け2日後にブロードウエーで侍パレードが行われた。記録では、パレードはダウンタウンから14丁目のユニオンスクエアまでを行進し、沿道には米国の国旗と日本の日の丸が各所に設けられ、約50万人もの観客で溢れたという。ビルの窓から身を乗り出す人、電柱に登って見物する人もいた。当時のニューヨークタイムズ紙には「市の歴史の中でも最も華々しいイベントだった」と評したと記録にある。当時のアメリカを代表する詩人ウォルト・ホイットマンは、彼の代表作の詩集『草の葉』の中で、ブロードウエーを行進した侍たちの詩「ブロードウエーの華麗な行列」という一遍を残している。ホイットマンも侍の行進を見たのであろう。162年の時の流れを経て行われる令和4年のジャパン・パレード。現代のニューヨーカーの目にどう映るのか期待される。

▲ 長い年月で新聞の紙が端からボロボロと崩れてくるほど(撮影・石黒かおる)

日本人の子供殴られ負傷

マンハッタン23丁目
ビジネスマン風の男に

 4月27日夕方、マンハッタン23丁目の五番街と6番街の間を保護者と一緒に歩いていた在留邦人の子供が、前方から歩いてきたビジネスマン風の男に突然無言で顔を蹴られて転倒して、手を負傷した。男はそのまま歩いて去った。保護者は付近を警察車両で移動中の警察官に事情を説明し、その後、警察署で被害届を提出した。被害に遭ったのは10歳未満の男子。一緒にいた母親がNY日本総領事館に報告した。

 在NY日本国領事館は4月28日、この報告を取り上げ、NY市の治安情勢に関する注意喚起としてメール配信を在留邦人に行った。同事案は一見普通に見える人物による突然の暴力のため対策が非常に難しいケースであるが、常日頃から報道等により最新の犯罪の事例、傾向などの情報入手に努め、外出する際は夜間や人通りの少ない道は避ける、不審な人物には近付かない、人通りの多い場所では周囲の動きに注意するなど警戒心をもって行動するよう注意を促した。

国会議員7人がネット投票要望の質疑

 1月からの国会で国会議員7人がネット投票を要望する質疑を行いました。源

馬謙太郎、中谷一馬、西岡秀子、斎藤アレックス、後藤祐一、遠藤良太、牧山ひろえ議員です。在外邦人の皆さんがネット投票要望の署名を1月に林芳正外務大臣に手渡したことの成果です。4月1日から在外選挙人名簿登録がビデオ通話による本人確認と事前書類の確認によって、在外公館に行かずに申請できるようになった成果は前回報告しました。

 質疑により政府見解が以下のように明示されました。

1 在外郵便投票で投票できなかった人の割合を政府が初めて認めました。「2021年総選挙比例区での郵便投票請求件数に対して投票できなかった人の

割合は約49%。19年参議院選挙で約46%。17年総選挙で約56%」と約半分です!

2 本人確認手段「マイナンバーカードの個人認証の仕組みを活用。本人が設定した2種類のパスワードによる所有物認証と知識認証によって成りすましを防止する」

3 再投票方式「エストニア等で行っている再投票制度は、ネット投票の投票情報と投票人情報をひもづけて保存する必要がある。投票の秘密保持の観点から適当でなく、現行の郵便投票や不在者投票では再投票を認めていないのでバランスを欠く。また再投票を認めると選挙情勢の報道等により投票先を変更するおそれがあるなどの問題がある」

4 オンラインによる登録申請「署名に代わる手法として検討する」

 在外に加えて国内ネット投票導入の要望も相次ぎました。スマホやインターネットなら投票に行くという18歳の意識調査や、高齢者やコロナ患者などへの配慮がその理由です。これに対し政府は「投票管理者や立会人が不在でも認めることの是非、多数の有権者への一斉アクセスに対するシステムの安定性確保などが課題」と弁明しました。岸田総理も「新しい投票方法を認めることは選挙制度の根幹であり、政府の検討と、各党各会派の議論とを結びつけることが大事」と慎重に答弁しました。

 これらに対し牧山ひろえ議員は「国内ネット投票こそ投票率向上策の決定版であり、政治と国民の距離を縮めます」との正論で迫りました。いよいよ内外のネット投票により国民の主権を回復する正念場を迎えています。

ふじた・ゆきひさ=水戸一高、慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。対人地雷禁止条約加盟、アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。世界52ヵ国訪問。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長

古本さんに旭日単光章

令和4年日本政府春の叙勲

 日本政府は4月29日、令和4年春の叙勲受章者を発表し、在ニューヨーク日本国総領事館管轄地域では、人権活動家でニューヨーク広島会名誉会長の古本武司さん=写真=が旭日単光章を受章した。

 同氏は、第二次世界大戦中に日系人の強制収容所で生まれ、少年時代を父親の故郷である広島市で過ごし、ベトナム戦争時には米軍兵として出兵した経歴を持つ。退役後、ニュージャージー州フォートリー地区で古本不動産を創業、以後日系二世の地元の名士として日系人の地位向上のため活動を続けている。同氏は、ニューヨーク広島会名誉会長として、また人権活動家としての各種活動を通じ、ニューヨーク州及びニュージャージー州における日系人社会の地位向上及び日本・アメリカ合衆国間の相互理解の促進、友好親善に寄与してきた。同氏は今年1月18日、前ニューヨーク総領事の山野内勘二大使から在外公館長表彰を受けている。

お助け110番JAPAN HELP

ケン・ジョセフさん

 ケン・ジョセフさん(55)は日本生まれのアメリカ人。宣教師の父親が始めた「アガペハウス」ワールドヘルプラインは1951年から困っている人たちを支援しており、世界で唯一の非営利の緊急支援団体。世界的ボランティアネットワークに基づいて、ワールドヘルプラインは1日24時間、1年365日いつでも、どこでも、何でも利用できる世界規模の駆け込み寺。海外で家族に助けが必要な場合は、「助けて」を押して連絡すると「お助け」できる最寄りの人を紹介してくれる。ジョセフさんは「助けて」 あるいはteam@jhelp.comまで連絡を。アガペハウス=“Nihongo 110 Ban Www.Jhelp.com “たすけて” おしてください」と呼びかけている。

街ゆけば大麻の香り

NJ州に次いで近くNY州や市も合法化へ

日本総領事館が警戒感

 ニュージャージー州で娯楽目的の大麻販売が4月21日に解禁されたのに続き、ニューヨーク州と市も合法化に追随する動きだ。健康被害による膨大な医療費負担からたばこに増税をかけて喫煙者を抑え込むのに成功した米政府だが、地方自治体は経済効果を名目に税収拡大を優先した格好だ。これに強い警戒感を示しているのが両州を管轄に持つNY日本総領事館だ。

 エリック・アダムスNY市長とキャシー・ホウクルNY州知事はそれぞれ、国際的な大麻デーの4月20日に、大麻合法化の経済的利益を呼びかけた。その利点について「大麻が原因で警察に暴力的に拘束された市民の信用を修復し、職業訓練を提供することが必要だ」と語った。またキャシー・ホウクルNY知事は、大麻合法化と、同州を大麻貿易の世界的な中心地とすることの利点を促すキャンペーンの発足について説明した。同市当局の計画によると、マリファナ産業は同市だけでも1年間で売上約13億ドル、3年間で約2万人の雇用が見込まれるという。また市長は「同産業は雇用の創出、低所得地域の生活向上、税収の増加を含む経済復興に非常に効果的である」と話している。

 これに対し、在ニューヨーク日本国総領事館は4月21日、NJ州における娯楽用マリファナ(大麻)の販売について在留邦人に対して、連絡メールで次のような注意喚起を行った。

 「NJ州において21歳以上に対する娯楽用大麻の販売が開始されたが、1オンス以上の購入・所持が禁止されたり、使用後の高揚した状態での運転が違法とされたりするなど、購入・使用に当たっての規則と規制がある。また、依然として連邦法においては大麻所持が禁止となっているため、NJ州で合法であっても州外に持ち出すことはできない。一方、日本においては大麻の所持や譲受、譲渡などを大麻取締法によって厳しく規制している。近年の薬物事犯の検挙者数は覚醒剤及び大麻が大半を占め、大麻取締法による検挙者数は年々増えている。今後、NY州においても大麻販売が開始される予定だが、日本の大麻取締法では国外における栽培、所持、譲受、譲渡したりした場合などに罰する規定があり、在留邦人は罪に問われる場合があるため、日本の法律を遵守し、大麻が合法化されている地域であっても、自身や周りの人を守るためにも絶対に手を出さないように注意すること」としている。

プーチン大統領胃がん手術か

欧米大衆紙相次ぎ報道の真偽

ロシアの軍事問題サイトが情報源

 ウクライナ侵攻を続けているロシアのプーチン大統領が近く胃がんの手術を受けると英国の大衆紙デイリー・メイル、ザ・サンなどが30日伝えた。2日にはNYポストなど一部の米メディアも報じた。情報源はいずれもロシアのSNS「テレグラム・チャンネル」にあるGeneral SVRという軍事問題のサイト。ビクトル・ミハイロビッチ(偽名と思われる)という元ロシア対外情報庁中尉によって運営されているとされるが、真偽のほどは明らかではない。

 それによれば、プーチン大統領は胃がんが進行しており4月下旬に手術する予定が延期され、5月9日の戦勝記念日後に行うという。このため手術の前後、軍事作戦の指揮権を2〜3日、ロシア連邦安全保障会議ののニコライ・パトルシェフ書記(70歳)に委ねるという。同書記は、元FSB  (ロシア連邦保安庁)長官でプーチン大統領の側近中の側近と言われるが、プーチン氏以上に狡猾で残忍だという。

 プーチン氏の健康不安説は以前よりあり、ロシア独立系メディア「プロエクト」は4月初めにプーチン氏の診察医などの動きから甲状腺がんではないかとの記事を出していた。プーチン大統領の健康不安説について米政府機関からはとくに発表はない。