街ゆけば大麻の香り

NJ州に次いで近くNY州や市も合法化へ

日本総領事館が警戒感

 ニュージャージー州で娯楽目的の大麻販売が4月21日に解禁されたのに続き、ニューヨーク州と市も合法化に追随する動きだ。健康被害による膨大な医療費負担からたばこに増税をかけて喫煙者を抑え込むのに成功した米政府だが、地方自治体は経済効果を名目に税収拡大を優先した格好だ。これに強い警戒感を示しているのが両州を管轄に持つNY日本総領事館だ。

 エリック・アダムスNY市長とキャシー・ホウクルNY州知事はそれぞれ、国際的な大麻デーの4月20日に、大麻合法化の経済的利益を呼びかけた。その利点について「大麻が原因で警察に暴力的に拘束された市民の信用を修復し、職業訓練を提供することが必要だ」と語った。またキャシー・ホウクルNY知事は、大麻合法化と、同州を大麻貿易の世界的な中心地とすることの利点を促すキャンペーンの発足について説明した。同市当局の計画によると、マリファナ産業は同市だけでも1年間で売上約13億ドル、3年間で約2万人の雇用が見込まれるという。また市長は「同産業は雇用の創出、低所得地域の生活向上、税収の増加を含む経済復興に非常に効果的である」と話している。

 これに対し、在ニューヨーク日本国総領事館は4月21日、NJ州における娯楽用マリファナ(大麻)の販売について在留邦人に対して、連絡メールで次のような注意喚起を行った。

 「NJ州において21歳以上に対する娯楽用大麻の販売が開始されたが、1オンス以上の購入・所持が禁止されたり、使用後の高揚した状態での運転が違法とされたりするなど、購入・使用に当たっての規則と規制がある。また、依然として連邦法においては大麻所持が禁止となっているため、NJ州で合法であっても州外に持ち出すことはできない。一方、日本においては大麻の所持や譲受、譲渡などを大麻取締法によって厳しく規制している。近年の薬物事犯の検挙者数は覚醒剤及び大麻が大半を占め、大麻取締法による検挙者数は年々増えている。今後、NY州においても大麻販売が開始される予定だが、日本の大麻取締法では国外における栽培、所持、譲受、譲渡したりした場合などに罰する規定があり、在留邦人は罪に問われる場合があるため、日本の法律を遵守し、大麻が合法化されている地域であっても、自身や周りの人を守るためにも絶対に手を出さないように注意すること」としている。

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