編集後記 2022年9月3日号

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。ニューヨーク日本人美術家協会(JAANY、松田常葉会長)の創立50周年記念展覧会が9月1日(木)からマンハッタンの天理文化協会(西13丁目43番地A/5番街と6番街の間、電話212-645-2800)で開催されます。同協会は、1972年に、名誉会長である故飯塚国雄氏が仲間の日本人アーティストたちとニューヨークで設立した当地で最も古い日本人美術家の運営による非営利団体です。これまで、展覧会での芸術作品の展示、アートを通じた日米間の文化交流、米国で活動する日本人アーティストの支援活動を行っています。今年の出品者は、阿井次郎、青木壽子、青柳愛子、愛子Cascio、藤原未佳子、古川文香レオナート、佳奈ヘンデル、林幸江、平之内美穂、石田純一郎、柏木文子、Mi JungKim、越光桂子、松田常葉、三浦良一、長倉一美、小野田昌子、ロス郁子、シモン千加子、竹下宏、渡嘉敷亨、山本かりん、YUKAKO、遊真あつこの現会員と一昨年亡くなった名誉会長の飯塚国雄の25人(敬称略)。オープニングレセプションは9月2日(金)午後6時から8時まで。期間中展示作品の購入も可能です。出展作家による200ドル以下の買い求めやすいチャリティー小作品の展示・販売コーナーも会場に設けられています。同展は今月15日(木)まで。開廊時間は月~木が正午から午後6時まで、土曜が正午から午後3時まで。金曜、日曜、レイバーデー(9月5日の月曜)は休館。但し2日(金)はレセプション時間帯のみオープンとのことです。レセプション、入館ともにコロナ対策の入場制限や予約などは要りませんのでお時間のある方、ふらりと出かけて芸術の秋を一足先に楽しまれてはいかがでしょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年9月3日号)

(1)不法移民NYに押しつけ テキサス州とアリゾナ州

(2)始球式無事に 森大使が投球

(3)ジャパンフェス盛大に 日本の夏祭りNYで人気

(4)海外日本人サポート 日本国籍自動剥奪違憲訴訟

(5)観客数コロナ前に戻らす コンサートは順調 

(6)第16回JAA秋のヘルスフェア 9月9日からオンライン

(7)「英語は最初の10秒!」 小池レオが新著 

(8)40年ぶりに歌います  元プロ歌手のシェリーめぐみさん

(9)サーロー節子上映会  「ヒロシマへの誓い」核廃絶に捧げた人生

(10 )ブルックリンで夏祭り 日本文化を紹介大盛況

不法移民NYに押し付け

 国境隣接のテキサス州とアリゾナ州

バスで6000人続々到着

 メキシコと国境を接するテキサス州とアリゾナ州がニューヨーク市に不法移民をバスで送りはじめ、市が対応に追われている。

 テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は、移民政策に寛容なバイデン政権を批判する意図で、今年4月よりワシントンDCに不法移民をバスで移送し始めた。アリゾナ州のダグ・デューシー知事(共和党)も同調し移送を開始、合わせた数は7月末までに7000人を超えている。DCでは対応しきれないため移民受け入れに前向きなニューヨーク市に再移送、7月末までに4000人ほどが同市に到着し保護された。

 テキサス州は8月5日からは直接ニューヨーク市に移民を送り始めた。バスターミナルのポートオーソリティーには連日のように移民を乗せたバスが到着。この3か月で約6000人の亡命希望者が来たと推定されている。NY市の移民局によると、亡命を求めている移民はメキシコ、ペルー、エクアドル、ベネズエラ、コロンビア、ニカラグア、ホンジュラスなど。

移民の子1000人を

新学期に受け入れ準備

 アダムスNY市長(民主党)は「ニューヨークは移民の街であり、常に新しい移民を歓迎する」と表明し、保護施設を増やすと当時にバイデン政権に連邦からの支援を求めている。市の法律では避難所を必要とするすべての人に避難所を提供することが義務付けられている。市教育局は9月8日からの新学期に向け、移民の子供約1000人の受け入れを準備している。

 アボット知事は、不法移民の即時送還措置を廃止する方向を打ち出すなど移民政策に寛容な民主党バイデン政権を批判、今後も移民をバスで送り続けるとしている。移民政策は11月の中間選挙における共和党と民主党の争点ともなりそうだ。トランプ前政権時には厳しい移民政策が取られ、移民(永住)にかかわらずビジネスなどの商用ビザにも深刻な影響を及ぼしただけに、バイデン現民主党政権が規制緩和を進めているが、国境隣接州ではその皺寄せがきた格好だ。

始球式無事に、森大使が投球

メッツ本拠地で吉井理人氏が捕手

 メッツの本拠地、シティ・フィールドで8月25日、日米野球交流150年を記念したイベントが行われ、ニューヨーク総領事の森美樹夫大使が始球式を行った。(写真上:日米野球交流150周年イベントの始球式で投球するNY総領事の森大使(8月25日午後6時50分、写真・三浦良一))

 今回の始球式は、さる5月同球場で開催された「ジャパニーズヘリテージナイト」で予定された大使の始球式が球団側の段取りミスで実現しなかったことに対するお詫びの意味も込めて実現した。前回マウンドを譲らなかったメッツのシャーザー投手とも握手をして仲直り。高校時代はバスケット部だったという森大使、硬球をグラウンドで投げるのは前回に続く人生で2度目。始球式前は「緊張してます」と話していたが、捕手を務めた元メッツの選手でもある吉井理人・侍ジャパン投手コーチのミットに数バウンドで収まるボールを投げると、場内のファンから喝采を浴びた。

森大使を激励するオルダーソン球団社長(左端)と捕手を務めた吉井氏(右端)

 始球式後、大使は「気持ちよく投げられた」と笑顔で話し、日米野球交流150年については「米国から野球が日本に伝わり、最初は米国から選手が日本に来てプレーしたが、後半は日本から米国に来て大リーグで活躍する日本人選手が増えて、国と国というより国民と国民の交流を象徴しているような150年だと思う」と話した。

ジャパンフェス盛大に

日本の夏祭りNYで人気

 第64回ジャパンフェス(夏祭り)が8月28日、イーストビレッジの4番街9丁目と11丁目の間で開催された。過去最大の60店舗が参加し、たこ焼き、焼きそば、抹茶ソフトクリーム、唐揚げといった日本の定番屋台フードはじめ、夏祭り限定のヨーヨー釣り、スーパーボールすくい、浴衣コンテストなど日本の祭りを象徴する食べ物や催しもので2ブロックを埋めた。

 浴衣を着てイベントに参加した人には、受付で伊藤園のお茶がもらえるとあって、大勢のニューヨーカーたちも浴衣姿で参加。和物の手ぬぐいや着物のテントは常に賑わいを見せていた。またブルックリンとジャパンを合わせた造語ブランド Japanklyn のTシャツやキャップ、レトロな日本の歌謡曲などのレコードを売るテントも懐メロとしてだけではなく、新鮮なジャパンポップスとしての再評価ブームもあり、アメリカ人の若者たちが興味深そうに手にしていた。

(写真)左上:三木レコード店で松田聖子を手に笑顔の山岸正明さん、左下:Japanklynを売り込む起業家の濱田雄也さん

日本国籍自動はく奪違憲訴訟

海外日本人サポート 藤田幸久(6)

 前回ご紹介したように、外国籍を取得しても日本国籍が自動的にはく奪されるのではなく「日本国籍を保持するかどうかを自分で選択できる」よう国籍法第11条の改正を求める訴訟が次回9月6日に開催されます。日本人の両親から生まれ、日本人として育ち、海外で暮らす日本人による訴訟です。外国籍を取得した日本人のほとんどが海外で生活するために必要だった人々です。しかし形式的に外国籍を取得すると、日本の国籍が自動的に根こそぎはく奪されるのが今の法律です。  

 やむを得ない事情で外国籍を取得したのはノーベル賞受賞者たちだけではありません。国際結婚をした、結婚相手を米国に呼び寄せるために必要だった、日本の母親の介護を続けながら米国で生活するために必要だった、などです。

 外務省は長年両方のパスポートを持つことを黙認してきました。数年前に日本領事館が開催したセミナーでも外国籍取得と日本国籍喪失の関係は触れられませんでした。しかし新型コロナ発生に伴い、日本パスポートを保持しない日本人には、国籍喪失届を提出しないとビザを出せないと言われて帰国できない人が増えています。米国在住の近藤ユリ弁護士は、里帰りしていた日本で、このまま出国すると日本に帰国できなくなる制度に承服できず、国籍法第11条違憲訴訟に踏み切ったのです。

 「領事館から、他国に帰化したのに日本のパスポートも所持していることは犯罪に当たると脅された」、「親の死に目に会えなかった」といった現実に追い込んだ基盤が国籍法第11条です。これは国籍離脱の自由を保障する憲法22条、自己決定権・幸福追求権などを保障する憲法13条、そして法の下の平等を保障する憲法14条に違反する、と原告団は主張します。

 激動する世界の中で、世界の情報やネットワークがますます日本の存亡を決める現在、世界で活躍する海外日本人を支援することは国益そのものです。日本に対する愛情や誇りも高い海外日本人に対する在外投票権の制限や、日本国籍自動はく奪などの差別を是正することが急がれます。米国やカナダ各地の日本語メディアがこの訴訟を掲載しています。9月6日の裁判の報告集会にはzoomで参加できます。原告団ウェブサイトhttp://yumejitsu.net からアクセスし、ご支援をお願いいたします。

ふじた・ゆきひさ=水戸一高、慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。対人地雷禁止条約加盟、アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。世界52ヵ国訪問。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

観客数、コロナ禍前に戻らず

ポピュラーコンサートは順調

 コロナ禍が収束に向かいクラシックコンサートやオペラ、ブロードウェーなど舞台芸術が再開したものの、2021〜22シーズンの観客動員数はコロナ禍前を下回った。

 ブロードウェーは2018〜19シーズンは1万3590回の公演で1480万人を動員し18億ドルの収益を上げたが、2021〜22は6860公演で動員は670万人、収益は8億4500万ドルと半減した。メット・オペラはコロナ禍前は75%の座席が埋まっていたが61%にまで減少した。カーネギーホールの満席率はコロナ禍前93%から今シーズン88%と微減だが、これはコロナ禍前170回ほどあった公演を再開後は115回ほどにしたためだ。ニューヨーク・フィルハーモニックも平均90%の満席率でシーズンを終えたが、例年120ある公演を80回ほどにしたことに加え、メインのデイビッド・ゲフィン・ホールが改装中で小ホールで公演したためだ。

 クラシックやオペラはチケット販売低迷に加え、サブスクリプションも減っている。分析会社であるTRGアーツが北米の143の舞台芸術団体を対象に行った最近の調査によると、2021-22 シーズンのチケット販売数はコロナ禍前と比べて40%減少、収益は31%減収となった。

 減少の理由として、依然として新型コロナ感染を懸念する人が観客側にも製作側にも多いとみられること。次にリモート勤務のままの人たちは公演施設のある都心部に通勤しないため観る機会を失っていることなどが挙げられている。これらに加え、TRGはクラシック音楽愛好家の高齢化も指摘している。

 映画館もコロナ禍前の観客数に戻っていない。今年のこれまでの国内興行収入は新作が少ないこともあり、2019年の同期と比べ31・2%減少している。大リーグの観客動員数もコロナ禍前より少ないままだ。

 一方でポビュラー音楽のコンサート売り上げは順調に売り上げを伸ばしており、コンサート大手「ライブ・ネーション」は今年、通年計算で2019年を上回る1億枚のチケットを販売している。

(写真)ブロードウエーのミュージカルにも観光客が戻ってきているが、パンデミック以前ほどではない(30日)

第16回秋のヘルス・フェア

COVID-19感染の続く中、安全で健康なライフをonlineで学びましょう!

 ニューヨーク日系人会高齢者問題協議会(JAA)と、邦人医療支援ネットワーク(ジャムズネット)は、9月9日(金)から10月5日(水)まで、(後援 : 在ニューヨーク日本国総領事館 支援: 米国三井基金、米国日本人医師会、日系ライオンズクラブ)で開催します。

 続くコロナ禍と、7月に起きた水漏れ被害に対する改修工事のため、一部を除きオンライン・プログラムを中心に行います。またJAAホールの代わりとして、敬老会は日本クラブ、シニアのヘアカットはミチ美容室が会場を提供しサポートしてくださいます。

 「コロナ禍が続く中、安全で健康なライフをオンラインで学びましょう」をテーマに掲げ、従来通りの日米の高齢者福祉の情報、日本帰国、年金や遺言、介護、認知症の予防、災害や感染症など過去の経験から学ぶ邦人避難について、ヘイトクライムに直面した時の心構えや対応、移民法、メディケアなどの解説、家族で楽しめる折り紙や日系2世の戦争 “GO FORBROKE” YOUTUBEなどを企画しました。詳細・問合せは、日系人会事務局まで。


2022年9月9日-10月5日

共催;ニューヨーク日系人会、邦人・日系人高齢者問題協議会(JAA)、邦人医療支援ネットワーク(JAMSNET)  

後援;在ニューヨーク日本国総領事館

オンライン&会場;ニューヨーク日系人会/JAA 49 West 45th St., 11th Floor, New York, NY 10036

Onlineの場合は、お申し込み後Online の情報をお送りします。

お申込み、お問い合わせはニューヨーク日系人会 212-840-6942 / info@jaany.org (但し、指定の電話番号以外)

一瞬で心をつかむ会話術

小池リオ・著
ダイヤモンド社・刊

 ニューヨークで活躍する日本人スタンダップ・コメディアン、小池リオさん(55)が、一瞬で心をつかみ、10分会話が続く「つかみイングリッシュ」、『英語は最初の10秒!』をこのほどダイヤモンド社から出版した。担当の編集者からは、ジョーク禁止、爆笑禁止、すべり禁止、とにかくアメリカ人と仲良くなるそれ一点でお願いしますと頼まれた。学校では取るに足らない、たわいのない、くだらない会話は教えないし、習ってもいない。つまらないようなこと、スモールトークと呼ばれるこれらほど、日本人にとってビッグなことはない。

 会話は大体が自己紹介から始まる。自分の名前は何で、仕事は何で、どこの出身で。ただこれだけ言っても普通、誰も関心を示さない。筆者の小池さんが、ニューヨーク生活25年で分かったのは、日本人に本当に必要なのは、「愛嬌のある英語」だということ。

 「私の名前はマイコです」(My name is マイコ)。「マイコー・ジャクソンのようなサウンドです」(Like “Michael Jackson” in English)。「私は踊りませんけど」(But, I don’t dance.)。

 「私の名前はヒデキです」(My name is ヒデキ)。「英語の、ヘディック(頭痛)みたいなサウンドです」(Like”Headache” in English.)「覚えやすいでしょ」( It’s easy to remember. )

 「ネイティブ発音の英語は必要ありません。少し、発音が下手なくらいの方がいいです。その方が相手もゆっくり話してくれるからです。それよりも、一生懸命話すようにしてください」と強調する。

 自分の名前を英語で紹介できたら、出身の地名は、そのまま言っても相手は全く想像できない。北の方の島とかではイメージがわかない。例えば「アメリカの場所で言うと」と、説明を入れるだけでぐんと身近になる。例えば、東京(マンハッタン)、渋谷(シリコンバレー)、新宿(タイムズスクエア)、兜町(ウォール街)、原宿(イーストビレッジ、ソーホー)、丸の内(ミッドタウンイースト)、六本木(ビバリーヒルズ)、池袋(ブロンクス)、品川(ペンステイション)、千葉(ニュージャージー)、埼玉(ペンシルベニア)、茨城(デラウエア)、軽井沢(ニューハンプシャー)、早稲田・高田馬場(ボストン)。なるほどねえとなる。

 ビジネスの場で、名刺を交換する場合は、「名刺です」(Here’s my name card.)とただ名刺を渡すだけでなく、「さらにもう一枚、本のしおりにでも」(And one more. Just as a bookmark.)。「こんな言葉を添えて名刺を渡すとウイットを感じてくれて、覚えてもらえます」という。

 日本人のままでアメリカ人に溶けこむ方法。ある意味「日本人とは」という本でもある。(三浦)

元プロ歌手のジャーナリスト

40年ぶりに歌う

シェリーめぐみさん

 シェリーめぐみさん、旧姓佐藤めぐみさん。ジャーナリストで、ミレニアル・Z世代評論家としてハーレムから激動のアメリカを日本へレポートしている。米国のダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌する米国政治を得意分野とする。

 だが、10代〜20代にかけて歌手を生業としていたその華々しい彼女の過去は、ニューヨークの友人たちも実は余りよくは知らない。

 まずはミュージシャン時代のことを本人に聞いた。

 高校のジャズ研でボーカルを始めると同時に近隣の高校に通っていた角松敏生のバンドでバックコーラスを務めた。

 早稲田大学政経学部に進学後は、タモリも所属した伝統あるジャズ研、ダンモに加入。ほぼ同時に日本のベーシスト第一人者、鳴瀬喜博のプロジェクトQuyzに加入、プロ歌手となった。西城秀樹のツアーなど、多くの歌手・アーティストのステージ、レコーディングのバックコーラスを務めた。また自身のバンド活動も行い、シンガーソングライターを目指してデモテープ製作に励んだ。いよいよソロデビューという時、めぐみさんはふと立ち止まった。プロの世界で自分よりもはるかに歌が上手い歌手たちが自分の周りに大勢いることを自分なりに感じていた。友人がなにげなく言った「自分をプロデースしてはどうなの?」。そうだ自分は曲が書ける。芸能界の裏舞台に目が向いた瞬間だった。転身は早かった。大学4年の時、友達のアーティストが番組出演するラジオ制作会社に出入りしていたところ、声をかけられ構成作家デビュー。卒業後フリーランスのディレクターとなる。FMラジオを中心に、佐野元春、ハイファイセットなど多くのアーティストの番組を手がけた。

 1991年ニューヨークに移住後は、FMラジオディレクターとしてニュース、エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。

 2019年、NYのミレニアル・Z世代が本音で語るラジオ座談会「NYYフューチャーラボ」を立ち上げ、今も最先端を走り続ける。

 そのめぐみさんがNY生活32年目にして今回、初ライブをするという。「自分の中で封印してきた歌手としての自分にもう一度逢って、自分の魂がどう叫ぶのか知りたくって」と目を細める。当日は、シンガーソングライターのAKAkemi Kakihara、作曲家でビッグバンド指揮者の宮嶋みぎわ、ライターの黒部エリの豪華ゲストを迎え、シティポップや昭和の懐かしい歌を披露しつつ、その七転び八起きの激動人生を初公開する。 (三浦良一記者、写真も)

https://megumi40.eventbrite.com

サーロー節子、核廃絶に捧げた人生

「ヒロシマへの誓い」

スカンジナビアハウス19日上映会

 2021年の核兵器禁止条約発効の原動力となったサーロー節子の人生をたどるドキュメンタリー映画「ヒロシマへの誓い(the VOW from HIROSHIMA)」の上映会が9月19日(月)午後7時から、スカンジナビアハウス(パーク街58番地/37丁目と38丁目の間)で開催される。サーロー節子は13歳のときに広島で被爆。奇跡的に生き残ったが家族と広島女子学院の同級生の多くを失った。以降、被爆体験を公に語ることで核兵器廃絶を訴えてきた。映画では被爆二世でニューヨーク在住の活動家、本作品のプロデューサーである竹内道との出会いと友情を通して、広島の廃墟から2017年のノーベル平和賞受賞までの波乱万丈の物語が語られる。

 監督は、エミー賞や全米監督協会賞を受賞したベテラン映像作家のスーザン・ストリックラー。上映後にはストリックラーと竹内道による質疑応答も予定。入場料は大人15ドル、シニア・学生12ドル。チケットの購入はwww.eventbrite.com/e/the-vow-from-hiroshima-nyc-screening-tickets-360837583927 

夏祭りで大盛況

ブルックリンで日本文化を紹介

第2回ジャパンビレッジ夏祭り

 ブルックリンにある日本食と日本の総合的文化の発信基地「ジャパンビレッジ」で、27日午後、今年で2回目となる夏祭りが開催され、多くの来場客が訪れ大盛況のイベントとなった。

 ブルックリン日系人家族会(BJAFA)の協力のもと、ジャパンビレッジが主催したこのイベントは、日本の夏の風物詩である盆踊りや神輿担ぎ、伝統芸能を紹介するために開催されたもので、ブルックリン近郊に住む人たちやニューヨーカーに日本文化を知ってもらい、日米の交流を図るという目的で行われた。

 第1部は日本の伝統芸能の実演。まずは、タローズ折り紙スタジオが登場し巨大折り紙を披露。次に太鼓グループの鼓舞、続いて津軽三味線&シンガーソングライターのなつみゆず、そしてよさいこいグループの紅玉が出演しそれぞれ元気いっぱいの演奏を披露した。また、サムライソードソウルが迫力ある殺陣パフォーマンスを演じ観客を魅了。ブートキャンプでは希望者を何人かステージに上げてサムライ体験も行ない大いに盛り上がった。今回のイベントでは、すべての演目にその歴史的背景や説明を付け加えることにより、単に鑑賞するのみにとどまらず、より深く日本文化を理解してもらおうとする試みが行われた。

 そして体験型日本紹介の第2部では、日本各地の民族舞踊をニューヨークで踊り続ける民舞座が登場し八木節や花笠音頭などを披露した。特に、岩手県の民族舞踊である鬼剣舞の本格的な舞いは、ニューヨークではなかなか見ることが出来ない貴重な踊りで大変価値のあるものだった。次に、鼓舞の太鼓演奏を伴奏に、飛び入り参加者と一緒になって「炭坑節」「東京音頭」などの盆踊りを大勢で輪になって踊った。続いて、参加者と一緒に神輿を担いで日本の祭りを実演。参加者が身をもって体験することにより日本文化を実感することができた。

 この他にも、ヨーヨー釣り、スーパーボールすくい、おもちゃが当たるくじ、綿あめ、かき氷、おめん販売などのさまざまな屋台も出店し日本の祭りの縁日を再現。どの屋台にも長い列が出来るほど盛況だった。また、トキタ種苗とのコラボレーションにより鈴木ファームの出張販売も行い、多くの人が新鮮な日本野菜を買い求め大好評だった。そしてイベントの最後には日本の夏の恒例行事であるスイカ割りを行い、子供たちの歓声が夏の空に響き渡った。

 今年の夏祭りは、国際交流基金ニューヨーク文化センターが後援となりイベントを支援。また、ブルックリン日本語学園、キッコーマンUSA、米国で日本野菜の種の普及活動を行う「Oishii Nippon Project(トキタ種苗)」、アムネットUSA、ジャパンソ・サエティなどの協力により開催された。

 主催のジャパンビレッジでは、当日のイベントで得た収益金の一部を地元ブルックリンの日系コミュニティグループへ寄付することになっており、今後も地域の日系コミュニティーや日系企業との連携を深め、日本文化発信のさまざまなイベントや出店を継続的に行っていく方針だ。

(写真)左:大勢の参加者が盆踊りに加わり盛り上がった、右:迫力ある演奏で観客を魅了した鼓舞