経済再開恐る恐る

NY市7月6日から第3段階に

店内飲食は延期

 ニューヨーク州のクオモ知事は1日、経済再開の第3段階(フェーズ3)に7月6日から移行するとの計画のうち、レストランの屋内での食事については慎重にならざるを得ないとし、再開プロセスを変更し、事態が好転して安全と認められるまで延期すると発表した。再開を急いだ他州では新型コロナウイルス感染拡大が再び起きていることを強調した。

 ニューヨーク市のデブラシオ市長も1日、NY市が7月6日から経済再開の第3段階(フェーズ3)に移行すると発表したが、フェーズ3で認められるレストラン店内での食事は見合わせるとした。店外でのサービスは可能。NY市は新型コロナウイルス発生の震源地であり、州内でもっとも遅くフェーズ1に入った。6月22日よりフェーズ2に入り、屋外での食事、美容院・理髪店、オフィス、児童公園などが再開した。29日よりデイキャンプが許可され、1日にはビーチがオープンした。6日からのフェーズ3では、ネイルサロン、刺青(タトゥー)ショップなどのパーソナルケア・サービス、バスケット、テニス、ドッグランなどの屋外スポーツ・レクリエーション施設も再開する。

 大型モールにはコロナウイルスをキャッチできる微細なエアフィルタもしくは同等の効果のある換気システムの設置を義務付け一般オフィスなどでの使用も奨励している。ウエストチェスター郡を含むミッド・ハドソンなどはすでにフェーズ3に移行している。

 ニュージャージー州では6月29日からショッピングモールが再開。ただし客は定員の50%に抑えること、社会的距離を守ること、フードコートや映画館は不可などの制限がある。社会的距離やマスク着用を守っていないことを指摘、屋内飲食は延期すると発表した。

旅行はいつから?


 現在非移民ビザによるアメリカへの入国を制限する大統領令が公布されていますので、アメリカ国外へ出入国が必要な場合は事前にご自身の滞在ステータスをご確認の上、顧問移民弁護士にご相談ください。また、現在ニューヨーク州、ニュージャージ州、コネチカット州において、直近7日間の平均で陽性者数が10万人当たり10人以上、または陽性率が10%以上の州からの移動者に対して14日間の自主隔離が義務付けられており、違反者には罰金が科される場合がありますのでご注意ください。(6月30日時点の該当州:アラバマ州、アーカンソー州、アリゾナ州、カリフォルニア州、フロリダ州、ジョージア州、アイオワ州、アイダホ州、ルイジアナ州、ミシシッピ州、ネバダ州、ノースカロライナ州、サウスカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ユタ州)

※記事作成時の情報となりますので、最新情報や各種ガイドラインなどは各公式機関にてご確認ください。また、政府や各自治体などからの要請がある場合は、それに従って行動してください。


日本一時帰国とアメリカ国内外の最新旅行情報

 世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大による自粛要請から早3か月。地域によって徐々に経済活動も再開され、少しずつ前に進んでいる街の様子を目にする機会も増えてきました。日本行きを予定していた方、夏のバケーションを楽しみにしていた方など、相次ぐ旅行のキャンセルで想定外の状況に戸惑っている方も多いのではないでしょうか。今年は旅行は諦めようかな…、そんな方に1988年創業の旅行会社 アムネットが最新の旅行情報をお届けします。

■今、日本は安全?そもそも日本に帰れるの?

 日本への帰国は可能です(※次項水際対策参照)。現在日本では緊急事態宣言、都道府県をまたぐ移動自粛はすでに解除・緩和されており、それ以降感染者数の増加がある程度見られるものの、飲食店やイベント、テーマパークなどの一部の施設は、厳密なガイドラインの下徐々に営業を再開しています。また、アメリカ〜日本間のフライトも7月より大幅に増便されており、各航空会社は機内での衛生管理などの特別対応を実施し運航を再開しています。現在直行便が運休中の都市においても、アメリカ国内で経由することにより日本への帰国が可能な場合もあり、また稀に関空行きの臨時便が運航されることもあります。(7月は11日・18日にロサンゼルス発関空行きJAL直行便が臨時運航予定)

■日本に帰国した後はどうなるの?

 日本入国において水際対策の強化が7月末まで延長され、引き続き実施されています。水際対策では日本国籍の方を含む全ての国・地域からの入国に際して、14日間(入国翌日から起算)自宅あるいはホテルなどでの待機が必要となります。その際、航空機(国内線)や電車、バス、タクシー、旅客船などの公共交通機関は使用できず、出国前に空港からの交通手段(自家用車、 ハイヤー など)や宿泊先を確保しておかなくてなりません。

 また、入国日の過去14日以内にアメリカを含む「入国制限対象地域」に滞在歴のある方全員に、PCR検査が実施されます。検体採取は鼻やのどの粘液を綿棒で採取、検査結果まで自宅や空港、検疫所が指定した施設などで1~3 日程度待機が必要となります。

 今後一部緩和される可能性はありますが、引き続き厳密な措置が継続されるものと思われますので、外務省の海外安全ホームページや厚生労働省などの最新情報をご確認ください。

■アメリカ国内外の旅行は?

 アメリカ国内では各州の段階は異なるものの、経済活動が再開され始めています。国内旅行においても、比較的ソーシャルディスタンシングを保ちやすいアメリカ国立公園やキャンピングカーなどの一部は、厳密なガイドラインの下、訪問や利用が可能になっています。また、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートやユニバーサル・オーランド・リゾートなどのテーマパークもすでに一部はオープンしており、7月からはさらに段階的な再開が予定されています。

 アメリカ国外においても、比較的アメリカから近いカリブ諸国では徐々に再開が進んでいます。気がつけば心地良い春の気候を満喫する間もなく夏が到来し、街が再開するのと同時に観光地も一歩ずつ再開し始めています。すでに世界規模で日常生活のニュースタンダードが定着し、旅行のしかたもコロナ禍に対応した新しいスタイルが定番になりつつあります。今年の旅行を諦めていた方、あっという間の夏が終わる前にもう一度、「旅行に行きたい!」そんな気持ちを思い出してみてはいかがでしょうか。

 アムネット社員一同、事態の沈静化、皆さまのご安全を心よりお祈りいたします。

旅行会社アムネット
ニューヨーク支店
amnet-usa.com


<アメリカ本土ー日本 7月運航スケジュール>

JAL

<JFKー羽田線>JFK発:水・土曜 HND発:月・木曜

<シカゴー羽田線>ORD発:月・水・土曜 HND発:月・木・土曜

<ダラスー羽田線>DFW発:水・土曜 HND発:月・木曜

<ロサンゼルスー成田線>LAX発:日曜 NRT発:土曜

<ロサンゼルスー羽田線>LAX発:火・金曜 HND発:月・木曜

<サンフランシスコー成田線>SFO発:木・日曜 NRT発:水・土曜

ANA

<JFKー成田線>JFK発:月・木曜 NRT発:水・日曜

<シカゴー成田線> 毎日運航

<ロサンゼルスー成田線> 毎日運航

<サンフランシスコー成田線>月・木・土曜

デルタ航空

<シアトルー羽田線>SEA発:火・木・金・日曜 HND発:毎週火・木・土・日曜

<デトロイトー羽田線>DTW発:月・水・土曜 HND発:月・水・金

ユナイテッド航空

<ニューアークー成田線>〜7/4(土) EWR発:水・金・日曜 NRT発:月・木・土曜、7/5(日)〜 毎日運航(成田発は7/6〜)

<シカゴー羽田線>ORD発:月・水・木・金・土曜(7/6〜) HND発:火・木・金・土・日曜(7/7〜)

<サンフランシスコー成田線>毎日運航

アメリカン航空

<ダラスー成田線>〜7/5(日) DFW発:月・金・土曜 NRT発:月・水・日、7/6(月)〜 毎日運航

<ダラスー羽田線>DFW発:月・木・土曜(7/10〜)、HND発:月・水・土曜(7/11〜)

<ロサンゼルスー羽田線>毎日運航(7/7〜)

※記事作成時、7月に運航がある路線のみを掲載。運航スケジュールは予告なく変更となる場合があるので、最新情報は各航空会社にてご確認ください。

通常切手に新デザイン登場 「ヒップホップ」がテーマ

 米郵政公社(USPS)は7月1日、世界的なヒップホップ文化を称える新たなデザインのフォーエバー切手を発売する。この切手セットは、写真家ケイド・マーティン氏がMCing(ラッピング)やBボーイ(ブレイクダンス)、DJing、グラフィティ・アートのヒップホップ4大要素をテーマに撮影、加工した作品が起用された。デジタル処理した鮮やかな黄色や緑、赤、黒を使って、それぞれの動きを表現している。同公社は1847年以降、米国の歴史を特徴づける人物や出来事、文化的な節目などを称した記念切手を発表している。20枚セットは11ドルで、郵便局または公式サイト(store.usps.com)で購入できる。

独立記念日の花火連日

打ち上げ6日間に分散5分間のショー

 ビル・デ・ブラシオ市長は、7月4日独立記念日のメイシーズ花火大会を少しの変更を加えたうえで行うと発表した。今年は花火を見るための混雑が起きず、社会的距離を保てるように、6月29日から7月4日までの6日間にわたり、マンハッタン、クイーンズ、スタテンアイランド、ブルックリン、ブロンクスの市内5区各地で毎晩5分間ほど花火が打ち上げられる。花火の打ち上げ場所の事前告知はされず、住民はそれぞれ自宅やその周辺で花火を楽しむこととなる。

 市長は「これまでの数か月、NYの歴史の中で最も困難な時期を過ごしてきた。この街の誰もが休息を求めている今、すべてのニューヨーカーが社会的距離を保ちながら安全に独立記念日を楽しめる方法だ」と述べている。最終日の7月4日(土)午後8時からは、米放送局NBCにて各地の花火をまとめた映像や、アリシア・キーズ、ジョン・レジェンドらによるパフォーマンスが放映される。

詳細はウェブサイト www.macys.com/social/fireworks/ 参照。

リカーとおつまみ 配送サービス開始

お届けフレッシュドットコム

 日本レストランや日系グロサリー店を幅広く経営するEMEMTグループがニューヨーク州のリカーのデリバリーライセンスを取得し、日本人が好みそうなリカーとそれに合うおつまみや食事を宅配するサイト「Otodokeフレッシュドットコム」を立ち上げた。

 50ドルの注文からデリバリーを受けつける。配達範囲はニューヨーク市(マンハッタン、クイーンズ、ブルックリン全域)とウエストチェスター、ロングアイランドの指定地域。おつまみや食事と一緒にお届けする。

 日本酒は獺祭(だっさい)や白鶴の人気銘柄と、オーガニック酒の麟、焼酎各種と泡盛、梅酒、ビールに加え、ワインは、NY在住のソムリエ福田真宏氏が推奨するマーケットにあまり出回っていないがとても価値が高く日本人の舌にあう、赤、白、ロゼ、スパークリングの各カテゴリーのワインがオーダーできる。福田氏の推薦コメントを読むだけでも、ワインを楽しんだ気分になれる。

おつまみは、それぞれのリカーと相性が良くて、暑い季節に合う物を用意した。

沖縄で評判のヒラヤーチとよだれ鶏や、オーガニックチキンを使用した 焼き鳥、テリヤキ、唐揚げなどもある。

リカーデリバリーの注文はwww.otodokefresh.com から。配達はNY農場フレッシュの協力で行う。

NY農場フレッシュwww.nynojofresh.comと一緒に注文すると特典が付く。今後は、配達範囲をニューヨーク州全域まで広げ、取り扱うリカーとおつまみの種類をより豊富にしていく予定。

ビザ発給一時停止 大統領令の不安に答える

ジェトロのウェビナーに4000人殺到

ボアズ麗奈弁護士

 トランプ大統領が6月22日に署名して24日発効した大統領令は、米国内で失業者が急増している状況の中、政権が米国人の雇用を最優先することを目的とし発令した。

 ジェトロ・ニューヨーク事務所では、特定の非移民ビザの発給を一時停止するこの大統領令についてのウェビナーを24日に緊急開催した。システム上の聴講定員1000人に対し、申し込みが4000人もあった。同セミナーで講師を務めたRBLパートナーズPLLCのボアズ麗奈弁護士は重要なポイントとして次のことを指摘している。

 適応日の6月24日の時点で、既にビザが発給されている外国人は該当しない。つまり、現時点で米国外にいても、既にビザが発給されているH1B、H2B、L1、J1ビザ保持者は、引き続き、入国が出来る。大統領令に含まれていない非移民ビザ保持者(E1、E2、E3、TN、F1=学生)は該当しない。また、米国永住者(グリーンカード保持者)も該当しない。米国の食料品供給にに関わるエッセンシャル・ワーカーや、米国政府の国益とみなされる外国人も例外。

 現在、米国滞在中の外国人には影響はないが、米国を出国することにより、再入国できなくなる可能性があるので、注意が必要。また、米国内での滞在の延長や切り替え申請にも影響はないので、引き続き、米国移民局への滞在延長申請は可能。

 なお現時点で上記に該当するビザの面接を予約されている者で、まだビザが発給されていない場合、近々、面接がキャンセルされてしまう可能性が考えられるので注意が必要だ。

【今後の見通し】

(1)大統領令は、入国を制限しており、ビザの発給自体を停止していない。ただし、近々、全世界の在米大使館・領事館が対象ビザ(H1B、H2B、H4、L1、L2、J1、J2)の発給を停止することが考えられる。(例・ロンドン大使館)(2)米国内にいるH1B、H2B、H4、L1、L2、J1、J2ビザ保持者は、対象外なので、有効なビザがある限り、出国、再入国は可能だと思われる。ただし、ビザの更新は12月31日、またはそれ以降までできない。(3)米国外にいるH1B、H2B、H4、L1、L2、J1、J2ビザ保持者は、6月24日時点でビザを取得している場合、対象外なので入国が可能と思われる。(4)大統領令の期限は、今年12月31日だが、変更や延長となる可能性がある。(5)今後、H1Bビザや、グリーンカードの規制が見直され、新しい審査基準や厳格化の可能性がある。(6)近々この大統領令に対する訴訟が起こる可能性があり、結果次第でこの大統領令が停止となることも考えられるので要注意。

【よくある質問】

Q(1)H1Bビザで米国で滞在していていて、ビザもI-94もまだ有効です。米国を出国した場合、再入国できますか。

A「はい。できます。ただし、入国規定の詳細が明らかになっていないので、自分が規制対象外であることを本人が口答で入国審査官に説明できるように、またポケットレターなどを持参して説明できるように」

Q(2)現在日本にいますが、パスポートにJ1ビザが発行されています。近々研修生として米国へ入国できますか。

A「はい、6月24日時点でビザが発行されていれば入国できます。ただし、自分が規制対象外であることを説明するポケットレターなどを持参しておくことが良いでしょう」

Q(3)現在日本におり、近々、東京の米国大使館でLビザの面接を予定していました。このような場合でもLビザは発行されますか。Eビザの申請へ切り替える事は可能ですか。

A「今の時点では東京の米国大使館は何も情報を出していませんが、今後対象ビザの一時発給停止を発表する可能性が十分あります。Eビザに切り替えるのは、条件さえ満たしていれば可能ですが、書類の作り直しが必要でしょう」

Q(4)H1Bで米国に滞在していますが、I-94の期限が3か月後に迫っています。どのように対応すべきでしょうか。

A「今はできるだけ出国するのを避けるべきで、まず、米国内滞在中にI-94の延長申請をすれば引き続き合法滞在とみなされます」

Q(5)「L1ビザで米国に滞在しています。米国内でI-94の申請をしました。延長申請が許可されたら出入国は可能でしょうか。

A「パスポートのビザスタンプが有効で、I-94が許可されたなら合法滞在ですが、再入国規定の詳細が明らかになるまでは出国はできるだけ待った方が良い」

Q(6)L1ブランケットビザで米国に滞在していますが、日本で一時帰国してI-129Sだけの更新はできるか。ビザは有効なのでビザの更新は不要です。

Q「I-129Sだけの更新は認められていません。ビザとセットと考えられているためです。ただし、この部分は不明確なので、できるかもしれないという見方もあります。要注意です」

岩本蘭子さん逝く

女侍ジャーナリスト

 ニューヨーク在住のジャーナリスト、岩本蘭子さんが6月24日、リバーデールの自宅で亡くなった。享年90歳。岩本さんは1963年に米国広報会社のルーダー&フィン社に採用され、ジェトロ担当責任者として上席副社長の役職を最後に退職するまでの14年間、社員350人の陣頭に立ち、日本製品のPRを米国で後押しした。

 日本のメガネから洋食器、靴、自動車、造船、おもちゃ、スキーなど当時米国に輸出しようとしていたほとんどの企業の書類が岩本さんの机の上を通って米国市場に上陸して行った。74年に独立してランコ・インターナショナル社を設立、米国内での日本製品の普及に貢献した。

 数多い業績には、1週間に亘る米国テレビ番組トゥディズショーの日本からの初中継放送、米国200年祭での昭和天皇展、NHKによる日本国内での米国宇宙飛行士の特別番組などの企画・実施が含まれる。

 ジャーナリストとしては数え切れない量の記事を書き、近著として『ピュアリティ・アンド・パワー : ザ・スピリット・オブ・ア・フィーメル・サムライ』(2006年Xリブリス出版刊)がある。この本は、外貨制限で30ドルしか持ち出せなかった時代に渡米を決心してボストン大学に留学、卒業直後の帰国準備中に舞い込んだ64年東京オリンピックとNY世界博の仕事の選択で、「人生の予定は立たぬもの」という岐路に至ったところまでを記した「蘭子激動の人生」の前半をまとめたものだ。

 戦後、「これからの日本はアメリカを雄とする自由圏のメンバーとして生きて行くことになる」と意識し、日米コミュニケーションの難しさを察知して、「この問題を解く鍵は庶民レベルのアメリカ人を知り、理解することにあり」と確信して米留学した彼女の体験談だった。「日米の文化の違いを認識し、お互いの理解と尊敬の上に文化交流の橋を架けるのが私の役目」が口ぐせだった。戦後の東京で育ち、米国で女侍ジャーナリスと呼ばれた。「アメリカの会社で働いてみるのもきっとよい体験になるに違いない」という半世紀以上前の彼女の思いは現代の若者にも通じる。晩年はニューヨーク育英学園の理事として10年以上、同学園を献身的にサポートした。(三浦)

内山綾子さん死去

日本人ダンサーの草分け

 ニューヨークでダンサーとして活躍した日本人の草分け、内山綾子さんが6月24日、療養先のイザベラ・ハウスで亡くなった。享年95歳。

 内山さんは1925年3月30日、北海道札幌市生まれ。6歳からモダンダンスを習った。北星女学校4年生の時、太平洋戦争勃発、慰問団に加わり道内の部隊を巡回した。戦後、ドイツ帰りのダンサー、クニ・マサミの公演を見て、踊りで生きようと決心、反対する両親を説得して上京した。3年間モダンバレエを修めた後、札幌に帰り生徒に創作舞踊の指導をしながら、アイヌの伝統的儀式である熊踊り「イヨマンテ」などを現代風にアレンジして道内や東京で公演。55年、その創作力が高く評価され北海道庁教育委員会から女性で始めての文化奨励賞を受賞した。

北海道ゆかりの会新年会で記念撮影する内山さん(中央、2015年2月)

 56年のマーサ・グラハムの初来日公演に感動、57年、マーサの招聴で渡米。彼女のダンス・スクールに入学した。睡眠時間も惜しいと思うほど全てをダンスにかけた3年間、マーサから技術的な面だけでなく、創作舞踊の精神、妥協を許さない芸術への情熱も学んだ。

 一旦帰国、北海道で教えたり、東京で実験的な催しをする傍ら、宝生流仕舞を修め、64年、グラハムスクールとジャパンソサエティーをスポンサーに再渡米。モダンダンスだけでなく日本の舞踊も修めていた内山さんは、ジャパン・ソサエティーとNY日本総領事館の企画で日本文化を紹介するため、一柳慧、新藤梅子、オノ・ヨーコらと全米を公演して回った。その後、23年間にわたって、日本舞踊に、能や狂言、歌舞伎、人形浄瑠璃など日本の伝統文化のレクチャーを併せた公演・講義を、カナダを含む全米の大学を中心に400回以上行い、各地で大変な賞賛を受けた。まさに民間の文化大使とも言える役割を果たすこととなった。

 95年、踊り一筋に生きてきた内山さんを長年支えてきたアルバート・ウェザリーさんと結婚。「私が40年前に蒔いた一粒の種が実り、今日、熊川哲也ら世界に通用するダンサーたちを育てたことを誇りに思っています」と内山さんは語った。(1999年NY日系人会JAA広報誌「日系人会の顔 (20)」で当時74歳だった内山さんをインタビュー。文・野田美知代JAA事務局長)

(写真)ソーラン節を踊る内山さん(2015年2月12日、北海道ゆかりの会新年会で、写真・本紙撮影の動画から)

日米と官民を結ぶ架け橋に

NYマーケティングビジネス・アクション・インク代表

    古市 裕子さん

 古市裕子さんは、ニューヨークのジェトロに17年間勤務した経験を生かして5年前、海外市場調査と日本企業の対米進出、人材育成支援をするニューヨーク・マーケティング・ビジネス・アクション・インクを立ち上げた。先ごろもフランス、日本、ニューヨークの3極を結ぶ民間団体のウエブセミナーに参加し、「アフターコロナの世界の潮流と日本の行方、そして自分の生き方」というテーマでニューヨークから意見を述べた。

 今年に入って、新型コロナウイルスの感染拡大と収束へ向けた世界的な取り組みの中で、ビジネスモデルが大きく変わろうとしている。在宅勤務やZOOMなどを使った遠隔モニター会議も、否応無しに日常業務の中に入り込んできている。古市さんがいま一番感じていることは、特にビジネスの世界で潮流を決めていくのは今後はミレニアム世代の次世代、Z世代(10代から24歳)であること、意思伝達のスピードが世界規模で劇的に高速化していることの2つだ。

 新型コロナとの闘いの最中で起こったミネアポリスの警察官によるジョージ・フロイドさん殺害事件は一般市民が撮影した動画が世界を動かした。従来は社会一般の目になかなか触れることのなかった「不都合な情景」がインスタグラムやSNSを通じて瞬時に広まる時代のビジネスは、コロナ以前のビジネスとは明らかに異なる。60年代の公民権運動になぞらえる今回の世界的な「BLACK LIVES MATTER」の抗議活動や急速に変化を遂げるLGBTの権利獲得活動もかつてのようにリーダーが先導していたのではなく「リーダー不在の時代」の流れを「賛同ではなく共感で動くZ世代が作り出している」のだと。相談を受ける日本企業にも常に「アメリカで売りたい物を持ってくるのではなく、Z世代が興味を持つか、市場が必要としているか」を問う。

 古市さんは、三重県津市で生まれた。母親は書道の先生、父親は教師。県下の四年制大学を卒業後、名古屋の国際センターに3年間勤務した。そこで国連児童基金(ユニセフ)や国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)を通じて日本国内から寄付を集めてラオスやカンボジアに学校を建てる活動に関わったことが世界に目を向けるきっかけとなった。1995年に国連職員になることを夢見て来米し、ニューヨーク市立大に留学、大学院に進み政治経済学国際関係論修士課程を修了。在学中に念願の国連職員採用試験(P2職)に見事合格したが、2001年の米同時多発テロでポストがなくなり採用が流れ挫折感を味わった。在学中に入ったジェトロに採用され2015年まで経済産業省貿易保険部NYで主に中南米各国カントリーリスクおよび企業信用リクス調査に従事した。

 日本と欧米、官と民とを結びつけるパイプ役だけでなく日本の「ハンコ世代」から世界のZ世代への架け橋としてアフターコロナ、ウイズコロナの時代を見据える。書道は師範の腕前。USジャパン・キャリア・ネットワークSDGs NY代表、米財務経営戦略アドバイザー・キャリアコンサルタント(厚生労働省国家資格)、国連フォーラムNY幹事所属。 https://ny-mba.com/

 (三浦良一記者、写真も)

徐々に再開発表 NY公立図書館

 NY公立図書館は6月25日、本館と市内22か所の分館を7月13日(月)から再開することを発表した。新型コロナウイルス感染防止対策として、当面は希望の書籍をオンラインまたは電話で注文し、図書館で用意された依頼人の名前が記された箱から書籍を受け取る「グラブ・アンド・ゴー(お持ち帰り)」サービスを行う。図書館に行くときは必ずマスクを着用し、ソーシャル・ディスタンシングを守る。また、もうひとつの感染防止対策として、返却された書籍を最低72時間隔離する。オンライン・プログラム(nypl.org)も継続。

(写真)図書館のマスコットライオンもマスク姿で出迎え

クイックUSAアメリカの人事部(8)

コロナ禍で考える「評価制度の構築」

 多くの州でSafer at Home(自宅待機)の制限が解除されていき、少しずつであるがここ2週間ほどで経済が再開されてきた。企業として今後の方針や方向性を決定する時期になってきているのではないだろうか。

 またコロナ騒動の中、今後の雇用形態として「ジョブ型雇用」という言葉をよく耳にするようになった。簡単にいうとジェネラリストを育成するのではなく、スキルに特化した専門職を雇用していこうという流れである。

 オフィスを再開させて従来どおり出社を促す企業のみならず、フレックスタイムを導入したり、在宅勤務を導入したり、ジョブ型雇用にシフトしたり、コロナ前とは異なる働き方を選択する企業も多くなるはずである。働き方に変化が出ることで、企業として検討をしなければならない点は従業員の評価ではないだろうか。

 そもそも評価制度が無いという企業、評価制度を作成したもののうまく機能していないという企業も多いはずである。在宅勤務の導入やオフィスでの勤務時間短縮により、オフィス内で何気なくしていたコミュニケーションを能動的に行わなければいけなくなったり、従業員の業務の進め方や効率性が把握しづらくなることが考えられる。各従業員のパフォーマンス、在宅勤務の問題点や社内プロセスの改善点がある程度見えてきている今だからこそ、何を評価制度の目的とするのか検討し、それぞれ自社に見合う評価制度を構築していく良い機会なのではないだろうか。(榊原将 HR Linqs, Inc. President)

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