黄禍論再びの怒り、現代の米国になぜ

アジア系差別の増悪犯罪が全米で激増

連続8人殺害事件6人がアジア女性

 米国では新型コロナ禍が始まって以降、アジア系に対する犯罪が増加している。ジョージア州アトランタで16日、マッサージ店など3カ所が次々と男に襲われ8人が死亡、うち6人がアジア系女性という事件が発生した。

 男はロバート・アーロン・ロング容疑者で監視カメラの映像をもとに特定、アトランタの南約240キロにあるクリスプ郡で17日に逮捕された。単独犯と見られる。アジア系に対する「ヘイト・クライム」(憎悪犯罪)の疑いが強いが、取り調べでは人種を動機とした襲撃ではないと否定してしている。男は「性依存症」で、自分を誘惑する店を潰したいと思っていたと見られるという。

 連続銃撃事件は16日午後5時ごろ、アトランタ近郊のチェロキー郡アクワースの「ヤングス・アジアン・マッサージ・パーラー」で発生、アジア系女性2人と白人の男女の4人が死亡した。午後6時ごろにはアトランタ北東部の「ゴールド・スパ」で発生。通報で警察が駆けつけた時は女性3人が亡くなっていた。直後に道路を隔てたすぐ近くの別のマッサージ店「アロマセラピー・スパ」からも通報があり、警察が駆けつけた時はすでに女性一人が死亡していた。警察によれば死亡したアジア系6人のうち少なくとも4人は韓国系だという。 

 バイデン大統領は19日、ハリス副大統領と共にアトランタを訪問。アジア系に対する憎悪犯罪が急増していることを指摘し、「沈黙は共犯だ。我々は行動しなければいけない」と述べた。また大統領とハリス副大統領は地元のアジア系市民のリーダーらと会談した。

 移民を排斥したトランプ前大統領が新型コロナウイルスをチャイナウイルスと呼んだことでアジア差別に火が着き、20世紀初頭に欧米を席巻したイエロー・ペリル(黄禍論)の再燃とも見られる現象がいま全米規模で起こりつつある。

 昨年夏はコロナパンデミックの中、黒人差別に抗議したブラック・ライブズ・マター(BLM)運動が起ったが、今年はアジア系が立ち上がろうとしている。   

(写真)今年に入り全米規模で開催されているアジア系差別に対する抗議集会(2月27日NY市庁舎近くで、三浦良一撮影)

ヘイトクライムに立ち上がる
全米で3795件、NY市で500件

アジア系増悪犯罪に抗議する集会(21日、チャイナタウンで、写真・藤澤希世紀)

 人権団体「ストップAAPI(アジア・太平洋諸島系)ヘイト」が昨年の2月28日から今年3月19日までの間に受け取ったアジア系米国人に対する差別的忌避、中傷、暴行などの憎悪事件は全米で3795件にのぼることがわかった。一昨年の同期間の約2600件に比べ1000件以上増加しており新型コロナウイルス禍の影響があると見られる。

 これらがすべて警察に報告されているわけではない。また「憎悪犯罪」として成立するのは被疑者の差別的発言が必要で、例えばアジア系アメリカ人同盟(AAF)によれば、ニューヨーク市では昨年1年間で約500件の憎悪事件があったとされるが、憎悪犯罪として立件されたのは30件ほどになっている。

 3795件のうち女性に対してが68%、男性に対しては29%と、女性は男性に比べ2・3倍被害にあっている。サンフランシスコ州立大学のラッセル・ジョン教授(アジア系米国人研究)は「アジア系女性は柔和で従順であるというステレオタイプがあり、人種差別と性差別の融合の可能性が高い」と指摘、「アジア人女性を簡単な標的として見ているかもしれない」と述べている。

 種類別でもっとも多かったのは言葉による嫌がらせで68・1%、次いで差別的忌避で20・5%だった。物理的攻撃(暴行)は11・1%を占めた。事件の3分の1は職場で起きており、4分の1が公道など公共の場だった。ある中国系米国人は地下鉄で男から平手打ちを喰らい、ライターを投げつけると脅かされ、差別的言動もされた。ワシントンDCの地下鉄駅ではあるフィリピン系米国人女性が、男から「中国人の××」と言われ、咳をされ、脅かされたという。

抗議のパフォーマンスをするリーさん(左)とツービーユーさん(23日、34丁目で、写真・三浦良一)

 バイデン大統領は今年1月にアジア系に向けられた差別を非難する覚書に署名した。憎悪犯罪の増加に司法省がどのように対応すべきかについての指針も含めた。3月11日には国民向けの演説で、アジア系米国人がコロナ禍の間に耐えて来た暴力を非難した。アジア系が「攻撃され、嫌がらせを受け、非難され、スケープゴートにされたアジア系に対する悪質な憎悪犯罪が起きていることを取り上げ、「それは間違っており、非アメリカ人であり、止めなければならない」と訴えた。バイデン政権では、公道、交通機関、民間企業そのほか含めより包括的に取り組む必要性があり、米司法省が憎悪犯罪により積極的に取り組むことが進められている。

 ニューヨーク市では21日、マンハッタンのチャイナタウンで市民数千人が集まってアジア系ヘイトクライムに抗議する集会が開かれた。また23日には韓国系アーティストのジェイソン・リーと日本人女優のツービー・ユー(TUBEE U)がコリアンタウン近くの34丁目ブロードウエー交差点で「STOP KILLIN ASIAN」と抗議ペイントと、顔に血を流したメイクで増悪犯罪への抗議パフォーマンスをした。

治安悪化進む
NY日本総領事館が警告

 ニューヨーク市において拳銃発砲事件が多発している。NY日本総領事館が15日、注意を呼びかけた。それによると、ニューヨーク市では引き続き拳銃発砲事件が多発しており、先週末は少なくとも13件の発砲事件が発生し20人が死傷した。例として13日(土)午前10時15分頃、17歳の男性がブルックリン地区カナーシーの東82番ストリートを友人と一緒に歩いていたところ、灰色のセダンから飛び出してきた男がいきなり発砲し、17歳の男性が死亡、友人も足などを撃たれて負傷した。また、クイーンズ地区のアストリアでは、12日(金)午後8時30分頃、37歳の女性が銃撃の流れ弾に当たって死亡する事件が発生している。

 ニューヨーク市警の統計によれば、殺人や拳銃発砲事件等の暴力犯罪は昨年6月以降に急増し、結果として2020年の殺人事件は前年対比44・8%、拳銃発砲事件は97%とほぼ倍増している。この傾向はその後も継続しており、今年2月中の拳銃発砲事件は77件で昨年2月中の44件よりもいる。

 同総領事館では、暴力犯罪が増加している原因として、長期間のロックダウンや失業等による精神的不安や怒りの感情を抱える人々が増えていることなど様々な要因を挙げている。また、ホームレスによる嫌がらせ事案やアジア系住民に対するヘイトクライム等も依然として報告されており、引き続き注意が必要と警戒を呼びかけた。

被害に遭わないために

 被害に遭わないためには、危険に近づかないことが何よりも重要であり、拳銃発砲事件が多発している地域や危険性の高い地域を通過する必要がある場合には、遠回りでも別のより安全な道を選ぶことも被害防止上有効な対策の一つ。夜間の外出や人通りの少ない道は避ける、不審な人物には近づかないなど、安全を確保するように十分注意を呼びかけている。

最近NYで発生した事件

●15日午後7時頃西37丁目8番街で、41歳アジア人女性が背後から近づいてきた男に液体をかけられる。

●19日午後、1番線車内で68歳のスリランカ人男性が頭部を殴打される。目撃者によると犯人は人種差別的な言葉を発していたという。犯人は36歳の男性で逮捕済み。

●20日午前9時ごろ、初老のアジア人男性がAllen StとHouston Stのあたりでホームレスの男に顔を殴られる。目撃者によると加害者の男は「もしもこのあたりでお前と姿を再び見たら尻を殴りつけてやる。」などと怒鳴っていたという。

●21日午後1時ごろ、41歳のアジア人女性が西31丁目の6番街近くで背後から掴まれ地面に投げつけられる。容疑者は37歳の女性で攻撃中にスペイン語で何かを叫んでいたという。警察はヘイトクライムと見て捜査している。

●20日午前5時30分ごろアストリア/LIC地区の38丁目で、61歳のアジア人男性がナックルダスターを持った男に地面に押し付けられて殴られた。犯人は男性の右目に怪我を負わせたのちバックパックを奪い逃走中。警察がヘイトクライムとして捜査しているかどうかは現在まだ不明。

■安全対策の参考としてNY日本総領事館ホームページには「ニューヨーク安全マニュアル」 (https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/index.html)を掲載している。同マニュアルの「事件や事故に巻き込まれたら」(https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/j5/nyanzen-manual_2019.pdf)には緊急時の連絡先等を記載している。万が一、犯罪被害に遭った場合には、警察に被害を届け出るとともに、総領事館にも通報するよう呼びかけている。

警察・消防・救急は全て「911」

 緊急時には「911」をダイヤルし(公衆電話ではコイン不要)、オペレーターに緊急事態の場所と内容(警察・消防・病院の別)を告げる。英語で説明できない時には「ジャパニーズ・プリーズ」と告げれば、日本語通訳サービスを介しての通話が可能。緊急時以外には、「911」ではなく管轄の警察署へ直接連絡。 

総領事館への通報

 思わぬ事態に遭遇し、困っている人は、総領事館の「邦人援護担当官」へ連絡すること。週末・休日は緊急時のための 24 時間対応可能な電話システム(日本語オペレーター対応)も導入している。電話:1-212-371-8222

この夏は上演、シェークスピアinザ・パーク

セントラルパークで7月5日から8月29日まで

 パブリック・シアターは16日、毎年夏にセントラルパークで開催していた無料イベント「シェイクスピア・イン・ザ・パーク」を上演すると発表した。期間は7月5日(月)から8月29日(日)まで、シェイクスピアの喜劇で唯一の現代劇である「ウィンザーの陽気な女房たち」(The Merry Wives of Windsor)を、物語の舞台をサウスハーレムの移民コミュニティに変えて上演する。会場となるデラコルテシアターは最大で2000人収容可能だが、同シアター責任者のサヒム・アリ氏は「観客数は400人程度になるだろう」と述べている。

 ニューヨーク州は4月2日から、芸術やエンターテインメント会場での集会が許可される予定。新型コロナウイルス検査を義務付けているイベントに関しては、屋外会場で500人まで収容することができる。

ブライアントパークでアイスショー

アメリカン・アイス・シアター

多様性テーマに開催
島田美樹さんが企画

 3月12日、ブライアントパークで「Diversity on Ice! Skating Show」と題したアイスショーがアメリカン・アイス・シアター(AIT)とミキズ・アイス・イベンツ(MIE)のコラボで開催された。

 フィギュアスケートも他スポーツと同様にパンデミックで競技会やアイスショーなど全てキャンセルされている。このショーは、日々トレーニングに励んでいるスケーター達にその努力の成果を披露する場と、エンタメ業界がほぼ全滅のなかで人々に活気を与えたいというフィギュアスケートコーチ島田美樹さんの強い思いから実現した。

 アイスショーのタイトルにあるように、スケーターの国籍やバックグラウンドはさまざまで、アメリカ、日本、南米、ヨーロッパ、アフリカなどからスケーター達が集結し、エキシビジョン演技を披露した。ショーでは5歳から60歳までの、ソロ、 ミニグループ 、アイスダンス、ペアなど、22人のスケーターと、AITのグループ計45人がそれぞれのプログラムを披露。オリンピアンのコーチ達が教える全米選手権のメダリストであるスタースケーターや自閉症のスケーターも参加し、スケートファンだけではなく通りすがりの人も集まり、 多くの観客からたくさんの温かい応援を受けていた。

マジソン街で日本刀振るった男を逮捕

 マンハッタンのアッパーイーストサイドの高級住宅街で13日午後6時ごろ、日本刀を振り回していた男が警察に逮捕された。ニューヨーク市警察によると、逮捕されたのは市内イーストビレッジに住むウィルソン・ピカルド容疑者で、マジソン街73丁目付近で日本刀を振りまわしているところを住民に通報され、駆けつけた警官を殴るなどしてもみ合いになり逃走、4ブロック離れた77丁目で取り押さえられて公務執行妨害、銃刀法不法所持、暴行、過失障害の現行犯で逮捕された。殴られて負傷した警察官は病院に搬送されたが退院した。事件現場はニューヨーク日本総領事・大使公邸の近く。

ワクチン接種50歳に引き下げ

 ニューヨーク州は3月23日からワクチン接種対象者を50歳以上に引き下げた。ワクチン接種の情報と予約方法は、ワクチン接種に関する情報はサイトまたは「Am I Eligible?」のアプリを通じて入手可能。接種は予約制。なお、電話での予約を希望する場合はホットライン1・833・697・4829で予約を受け付けている。ニューヨーク市におけるワクチン接種については別表のサイトを参照。市内のワクチン接種場所については、「ワクチン・ファインダー」のサイトで住所又はZIPコードを入力すれば最寄りの接種場所が表示される。新たにコミュニティセンター、公営住宅団地、文化センター等16か所に予約制ワクチン接種サイトを開設すると発表した。

 また、22日から屋内フィットネスクラブは、健康診断等の実施を条件に収容率33%で再開できるとした。4月5日からはカジノ、映画館、ボーリング場等における午後11時以降の営業禁止が解除されると発表。4月1日から屋内で1500人または屋外で2500人を収容する小規模イベント会場も、屋内10%、屋外20%の収容率で再開できると発表。


https://covid19vaccine.health.ny.gov/what-you-need-know

https://am-i-eligible.covid19vaccine.health.ny.gov/

https://www1.nyc.gov/site/doh/covid/covid-19-vaccines.page

https://www.governor.ny.gov/

https://www.turbovax.info/

https://vaccinefinder.nyc.gov/

https://nycvaccinelist.com/area/Manhattan


ジャパンビレッジに江戸情緒を再現

 ブルックリンのサンセットパークにある複合施設、インダストリーシティー(934 3rd Ave)の中庭に、日本風の家屋がお目見えした。これは同施設内にある「ジャパンビレッジ」に店舗を持つ居酒屋「輪久和久(わくわく)」の屋外ダイニングスペースとして設置されたもので、江戸情緒を彷彿させる昔ながらの日本の木造家屋をイメージしているという。まるで時代劇のセットに足を踏み込んだような錯覚を覚えるほど雰囲気が再現されている。

 同店では、ジェトロの組織である日本食品海外プロモーションセンターと提携し、和牛リブロースのほかに餃子、うどん、焼き鳥、串揚げなどの小皿料理、すき焼き、しゃぶしゃぶなどを提供する。隣接施設内には、ラーメンや手打ちそば、特大おにぎり、弁当を販売するフードコートのある日系スーパー、サンライズマートや日本酒を専門に扱う酒屋「蔵一」=写真上=があり、このすべての店舗運営は、ヨシダコーポレーションの好田忠夫さんと好田絵里奈さんが行っている。同社COOの好田絵里奈さんによると、将来は日本文化を発信できるイベントなども企画したいという。行き方はマンハッタンから地下鉄DNRで36丁目駅下車して港に向かって徒歩5分。

詳細はhttps://www.wakuwakuny.com/

作りたても、翌日も、翌々日も美味しい!お魚の南蛮漬け

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (12)

 時は1543年8月。種子島の南端に台風の直撃を受けた一艘の中国船が漂着。100人余りの乗客の中に3人のポルトガル商人がいて、彼らが持っていたのが「鉄砲」でした。これをきっかけにポルトガルとの交易が始まり、ヨーロッパの鉄砲や中国のシルクと日本産の銀を交換するようになり、異国の珍しい品物を南蛮、それを売りに来るヨーロッパ人を南蛮人、彼らが伝えた料理を南蛮料理と呼ぶようになりました。その南蛮料理の代表格が「南蛮漬け」。スペインやポルトガルで一般的な料理、揚げた魚や肉を酢を使ったタレに浸けたエスカベシュが起源と言われています。世界中の美味しい料理を和風にアレンジするのが得意な日本人は、エスカベシュも醤油を使ってアレンジ、ご飯のおかずにも良し、酒の肴にも良し、の一品に変身させました。

 今回はその南蛮漬けの作り方をアッパーイーストにある寿司屋「いなせ」のオーナーシェフ、板床淳一さんがご紹介。「NYで手に入れやすいお魚とたいていの家庭のキッチンにある玉ねぎと人参を使います。作りたても美味しいですが、荒熱をとった後冷蔵庫で冷やすと味が染みこんで更に美味しくなります。冷蔵庫のお掃除によいメニューで、しかも冷蔵庫で約1週間持ちますので、ぜひお試しください」。

板床淳一さん

 「いなせ」オーナーシェフ。福岡県出身。寿司職人歴28年。これまでマリオットマーキスホテルの寿司バーやガリ寿司、Enなどで寿司を握る。3年前に旧オーナーから「いなせ」を引き継ぎ、パートナーの川野彰子さんと二人三脚で切り盛りする。


材料

魚(平目、鯛、鱈など白身魚やサーモン、刺身の残りなど)、人参、玉ねぎ

タレ=酢1、醤油1、砂糖1の割合(甘さ辛さはお好みで調整してください)

片栗粉、塩コショウ 少々、揚げ油

作り方

①野菜を出来るだけ細く千切りにする。

②魚はひとくち大に切り塩コショウをして、片栗粉をまぶして揚げる。コツはお魚に完全に火が通らない様に揚げること。後でタレとからめた時に余熱で仕上げる。

③タレ=酢、醤油、砂糖を鍋に入れて火にかけ、沸騰させずに砂糖を溶かす。

④野菜、揚げたお魚をボールやコンテナに入れ、その上から温めたタレをかけ、満遍なく絡ませる。

⑤出来上がってすぐ温かいまま食べる時はタルタルソースとの相性が良い。ほかにゴマ油やゴマをアクセントに少しかけても美味しい。

日本女性の外見の美しさは肌

美容研究家、メイクアップアーティスト

小林 照子さん

 美・ファイン研究所主催のオンライン企業セミナー、美容のゆくえ「外見の力を戦略的に生かすとは?」が18日、東京発信で開催され、 86歳で現役の美容研究家、同研究所創設者の小林照子さんが今求められているプロの仕事と考え方などについてZOOMを通じて語った。

 講演の中で小林さんは、10年続いた日本のすっぴんブームが、コロナ禍の巣篭もり状態を経て、次に一般の人が自分もプロの技術を身につけて美しくなろうという自分の個性を生かす自己表現ブームがやって来ると予測した。一般女性がメイクの知識や実践でセミプロ化していく中で、プロに求められているのは正しい分析力と正しい言語で人を綺麗に導く力を身につけることだと述べた。

 「それぞれの人には美しくなる力が無限大にあることを自覚し、あなたは、こんな魅力を持っている人です。と伝えることができるコミュニケーション能力が必要になる」と語った。

 また「プロのやるべきことは、人にどうやって外見の力をつけていくか、外見は内面以上に雄弁にその人を語ることを伝えること。よく内面を磨けばそれは外面に滲み出ると言われるが、それが出てこないということもあると気づく時期が、女性だと40代、50代の更年期の前後に訪れる。そこでみんな外見の大切さにはたと気づく。そんな時、その人が持っている夢や憧れの底上げをしてあげること、夢の後押しをしてあげることがプロの技だ。プロは1秒でその人の魅力を見抜く洞察眼があるものだ。

 自分は66年間メイクアップアーティストとしての経験を蓄積した印象分析を現在、人工知能(AI)を活用し、よりその人に寄り添った分析をする手法を研究所で開発している。

 コロナ禍を経て、次にやってくる爆発的な自己表現ブームではTPO(時間、場所、場合)、FOP(フォーマル、オフィシャル、プライベート)のカテゴリーの中でプライベートゾーンが今後さらに多様化していくだろう。新フォーマル、プライベートな着こなし、外見の表現の「見える化」のグレードアップが進む。

 日本女性の外見の美しさは「皮膚の美しさにある」という。「アジア女性特有の美肌をスキンケア効果で導き出し、自分の魅力を磨いて欲しい」とも述べた。皮膚は28日周期で、細胞は42日間で全く生まれ変わるので目で見てわかる外見の変化を実感して欲しいと語り、「たかが外見、されど外見。外見を整えることで内面も変化するという美意識を持ってくださいね」とアドバイスした。 (三浦)


プロフィール 1935年東京生まれ。58年株式会社小林コーセー(現・株式会社コーセー)に入社。業界初の美容液・パウダーファンデーションを開発するなど数々の大ヒット商品を手がける。85年に同社取締役に就任。91 年コーセー退社。美・ファイン研究所設立。60年以上にわたって築き上げてきた独自の美容理論、テクニック、ノウハウをAI化するプロジェクトが進行中。

ワクチン接種の場所、地下鉄地図に表示へ

 都市交通局(MTA)の公式の電子版地下鉄マップmap.mta.infoでこのほど、新型コロナウイルスのワクチン接種場所が検索できるようになった。 

 同局は昨年10月、最新の地下鉄運行状況や走行中の地下鉄の生動画配信などを提供するサイトを開設した。接種場所は、同地図上で注射器のアイコンで示されており、アイコンをクリックすると、最寄りの接種場所の営業時間、対象者、ワクチンのタイプなど情報を得ることができる。

中華街のマーケット迫力あり

New Comer’s Eye

 マンハッタンのチャイナタウンは北米最大規模の中華街であり、西半球で最大の中国人移民人口を抱えている。今回紹介するのはそのチャイナタウンにある「徳昌商品市場」というマーケット。ここには日本人がびっくりしてしまうような食材がたくさん売られている。なかでも特に珍しいのはクラゲで、中国人はこれを甘酢がけなどにして調理するらしく、コリコリとした食感がたまらないそうだ。他にも普段日本では見かけることのない、豚や鳥の指先や牛の巨大な胃腸を目にすることができる。日本のスーパーだと破棄するような部分を売っているのだから、中国の人はひとつの動物をなんでも無駄なく隅々までおいしく食べてしまうのだろう。

 また生鮮以外にも総菜を販売している。今回は日本の中華街にはない「炸面腸」と呼ばれる小籠包などに使用する皮を揚げパンに巻き付けた物と、ちまきを購入した。炸面腸は醤油をかけて食べるらしく、変わった組み合わせにも思えるが、意外と揚げパンとマッチしていた。ちまきは、日本の中華街にあるような醤油などで味付けしたもち米に椎茸などの野菜を合わせたものもあるが、購入したものにはシロップ漬けしたナッツを混ぜ込んだもち米の中に北京ダックがぎっしり入っていた。まさに日本では決して味わうことのできない本場中国の味であり、ニューヨークで中華グルメの小旅行をした気分になった。(藤澤希世紀/編集部インターン)


「徳昌商品市場」

79 Elizabeth St, New York, NY 10013

Tel(212)925-5766

営業時間09:00-18:30

編集後記 3月20日号

【編集後記】 みなさん、こんにちは。新型コロナウイルスのワクチン接種可能年齢が65歳から60歳に引き下げられたので(本紙3月13日号既報)、記者も接種有資格者となり、具体的にいつどこで接種をすればよいのかが現実的な問題となりました。そこで、アポイントが取れるサイトhttps://nycvaccinelist.com で調べてみました。ドラッグストアのDUANE reade by Walgreens でアポイントが取れることが分かったのですが「同店のカードが必要」と書いてあるのです。残念ながら自分は持っていないためまずそのカードがないと始まらないないと思って、今週の月曜日、15日、午後6時少し前でしたけど、五番街530番地(44丁目と45丁目の間)の店にまず行ってみました。入店して、カードを作る前に2階のファーマシー(薬局)にとりあえず直接行ってみました。「60歳以上なのでワクチン打てますか」と単刀直入に聞くと、身分証明書(免許証)の提示を求められ、翌日午後3時に来るように言われました。カードは作らなくてよかったようです。翌日時間通りに行くと2人待ちでした。受付で書類を作るのに約5分。椅子で待つこと10分で順番が来て別室で接種。打ったのはファイザー社製のワクチンで4月にまた2回目を打つためその場で次回の予約をしてくれました。説明では当日夜のシャワーは問題ないとのことでした。接種の部屋に入って、打ち終わって出るまで約5分。終わった後、受付の椅子で15分座っていて問題なければ帰って良いというので、特に変調もなかったので社に戻りました。無料でした。周りから「なかなかアポイントが取れない」とか「夜中の午前3時にコンベンションセンターで接種してきました」とか、色々と苦労話を聞いていたので、私の場合は、あまりにすんなり打てたので、これは「例外的なことですか?」と接種した医療従事者に尋ねると「It depends.(その時次第)。場所によってはオンラインでの予約のみを厳守しているところもあります」との返事でした。以下のサイトはマンハッタンの場合です。午前9時から10時の間に検索すると、自分の近くで接種可能な場所が出てきます。https://nycvaccinelist.com/area/Manhattan お役に立てば幸いです。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2021年3月20日号)

(1)英国王室大騒動と英米外交問題

(2)横尾忠則の腕時計 MoMAとswaich 

(3)日本への祈り ニューヨークの魔法 15

(4)日本への入国さらに厳しく

(5)ボートハウスレストラン再開

(6)五番街の薬局でワクチン接種

(7)「従軍慰安婦は売春婦」論文で論争

(8)ミャンマーの軍事政権認めない

(9)なんぼや米国上陸

(10)日米結ぶ万能お助け人 NY生活ウーマン