独立記念日、夜空を彩る

イーストリバーに花火4万8000発

 独立記念日を祝う花火が4日夜、全米各地で打ち上げられた。ニューヨークでは、ロングアイランドシティ沖のイーストリバーに停泊する船5隻から4万8000発以上の花火が打ち上げられ、市民の夏の夜を演出した。

 撮影場所は、クイーンズ区のガントリープラザ州立公園。人出も昨年より多く感じられた。多くの人がマスクを外し、グループの友人仲間や、カップル、子供を連れた家族連れなど、思い思いの夏の夜の祭典を満喫した。

 一発目の花火が三日月の見える夜空にパッと咲いてドーンと響くと、大きな歓声が上がり、花火のクライマックスが終わると大勢の人々が笑顔で拍手をしていた。

 (4日午後9時40分頃、写真・植山慎太郎)

時代を超えた蕎麦の旨さ

 創業寛政元年(1789年)、11代将軍徳川家斉の頃、麻布永坂高稲荷下に創業した更科蕎麦。そば一筋に230年、来店客の「口福」のために、継続と革新を続けている。江戸からの伝統と文化である「そば」を現代でも美味しく食べてもらいたい、いつの時代にも美味しさを追求する姿勢で、ここニューヨークでも新しい歴史をつないでいるようだ。

 東京本店(麻布十番)の堀井良教社長(61)=写真=が、ニューヨーク店出店1周年を記念してこのほど来米し、6月27日から29日まで「HORII NIGHT]と銘打って、堀井社長が作成したコースメニューを提供して、客席テーブルを回るというイベントが開催された。

 同店の名物は、そば殻や甘皮が混じらない、そばの実の芯の部分だけを用いて打つ真っ白なそば。ほんのりした甘味と、のどごしの良さが特徴だ。当日は、メインのそばで、この更科そばと手打ちそばの相盛り、レモン風味の季節の変わりそばなどが提供された。前菜はおばんざいで群馬県赤城の和牛も出された。

 堀井社長は「そばつゆは、うまみでドーパミンの満足感を出す。西洋料理の脂肪と糖分で美味しさを出すものよりもヘルシーだが、伝統にしがみつくのではなく、時間がかかるかもしれないが、海外の人にも喜んで食べてもらえる味がどこにあるのかを発見していきたい。うちの伝統である真っ白い更科そばも、6代目のおばあちゃんが製粉工場と協力して生み出したもので、百年前は革新だったわけで。日本ではまだあまり見ないが、牛肉を使った肉蕎麦なども、うまみにアジャストさせてこちらで喜んでもらえるものができるのではないか」と「海外派」の9代目は、新たな挑戦への意気込みを見せた。同店は、堀井社長と同じ店で修行を積んだ堀剛さんが店長を務めている。  (三浦)


更科堀井

45E 20th St 

New York, NY 10003

TEL 917-409-0546

www.sarashinahorii.com

月〜木 17:00 – 22:00 

金・土 12:00 – 16:00 & 17:00 – 23:00 

日12:00-16:00 &  17:00-22:00

NYアジア映画祭開催

阿部寛さんに国際映画賞
日本から12作品参加

 ニューヨーク・アジア映画財団とフィルム・アット・リンカーン・センターは15日(金)から31日(日)まで「ニューヨーク・アジアン映画祭(NYAFF)」を開催する。20周年を迎える今回は、ワールドプレミア、北米プレミアなどのアクション、コメディ、ドラマ、スリラー、ロマンス、ホラーやアートハウスなど、さまざまなジャンルの67作品を上映する。

 オープニング作品は、ナワポル・タムロングラッタナリット監督の『Fast & Feel Love』。監督は初日の夜にフィルム・アット・リンカーン・センターで主演女優のウラサヤ・ヤヤ・スパーブンドとともに登場し、スクリーン・インターナショナル・ライジングスター賞を受賞してステージで表彰される。

 日本人では、「スクリーン・インターナショナル スター・アジア・ライフタイム・アチーブメント賞」がJホラー界の巨匠・清水崇監督に贈られる。また、俳優・阿部寛さんは、30年にわたるキャリアで培った多彩な才能、国境を越えた魅力、そして多様なジャンルに対応する能力を評価され「スクリーン・インターナショナル・スター・アジア賞」を日本の映画俳優として初めて授与される。今回ワールドプレミア上映される内田英治監督の『異動辞令は音楽隊!』では、地方警察バンドのドラマーとして駆り出される不機嫌な刑事役を演じている。(写真上)異動辞令は音楽隊!Photo: ©2022 “Offbeat Cops” Film Partners

シン・ウルトラマンPhoto: © 2022 TSUBURAYA PRODUCTIONS CO., LTD. / TOHO CO., LTD. / khara, Inc.
© TSUBURAYA PRODUCTIONS U.S. Premiere

 そのほか日本映画は、『シン・ゴジラ』の庵野秀明(脚本・製作)と樋口真嗣(監督)の最強コンビによる『シン・ウルトラマン』をはじめ、白石和彌監督の連続殺人スリラー『死刑にいたる病(Lesson in Murder)』、女優のんが脚本・監督・主演を務めた初の劇場作品『リボン』、島崎藤村の古典小説を映画化した『破戒(Broken Commandment)』、加藤卓也監督の青春映画『わたし達はおとな(Grown-ups)』など計12作。そのほか、韓国、中国、台湾、香港などからの作品を上映する。

 入場料は一般15ドル、学生・シニアが12ドル。オールアクセスパスは一般199ドル、学生99ドル。詳細は公式サイトhttps://www.nyaff.org/を参照。

今回の「鎖国」、その影響と今後の教訓

 6月10日より、まだ規模を限定してではあるが外国人のインバウンド観光が再開された。この間、約2年3か月にわたって続いてきた「鎖国」がようやく終わろうとしている。この「鎖国」の影響は政治経済、そして文化や社会においてジワジワと日本社会に変化を与えて行くであろう。いや、既に変化は始まっている。日本におけるアメリカ社会に関する報道、そして情報流通が著しく縮小しているのだ。例えば、現在アメリカ社会を大きく揺るがしている最高裁の判例変更の問題について、日本での報道は極めて少ない。アメリカに関するニュースといえば、野球の大谷選手の動向だけと言っても過言ではないだろう。

 さらに問題なのは、交流が再開した場合に、そこに「不連続性」が生じてしまうということだ。まず、日米の為替レートの問題がある。アメリカでのインフレに加えて、激しい円安が進行している。これでは、日本からアメリカに来る場合に、留学にしても観光にしても大きな支障が出てくる。その一方で、アメリカの治安の悪化という問題がある。まず日本からの旅行先としてアメリカが敬遠されるのは間違いないとして、仮にそれでも来米した場合が問題だ。都市部では、銃や刃物を使った無差別な暴力も多い。「ヘイト犯罪」も根絶できていない。そんな中で、慣れない観光客が被害に巻き込まれる事態は何としても避けねばならない。

 いずれにしても、途絶えてしまった交流を復活させることで、往年のように日米間を人々が行き来することで、お互いが学び合い、ビジネスに役立てる良好な関係を再建しなくてはならない。

 それとは別に、この間の「鎖国」に関して反省が必要だ。まず、「ビザなし渡航」の停止に対応する法制の不備という問題がある。平時であれば、日米間は「ビザなし」である。つまり米国のパスポートがあれば、ブラックリストに載っていない限りは、誰でも日本に入国できる。この措置を、今回はコロナ禍対策のために停止した。そこまでは理解できるとしよう。

 問題は「ビザなし渡航」が停止されている場合には、イコール「ビザが必要」となるわけだが、そうなると、まるで貧困率の高い国の国民と同じように厳格な審査が行われるという点だ。例えば、日本国民の配偶者である証拠として「戸籍謄本」を取り寄せる必要があるとか、経済的理由で日本にオーバーステイしないように「銀行の残高証明」を出せという対応が取られた。つまり「平時はビサなし対象国」に向けた「感染症対策で人数を絞る際にビザを出す簡易な手続き」という制度がないのである。最大の被害者は在外公館の窓口の皆さんで、筆舌に尽くし難いご苦労があったと拝察する。善良な米国市民に対して「日本人の配偶者との婚姻関係」を疑ったり、「困窮して不法滞在になると困るので残高証明を」などと要求することは、日本という国家の威信を毀損していると思う。制度の改正は喫緊である。

 非人道的だったのは、婚約ビザ制度がないので外国法に基づく婚姻関係を作らないと入国させないとか、一番ひどい時期には慶事では入国を認めず、弔事だけだったなどという扱いである。これも日本人の家族であっても外国籍なら「ソトの人間」とみなす偏狭な発想から来ており、猛省が必要と思う。

 また、米国で公職に就くとか、税制から資産を保全するなどの消極的な理由から、市民権を獲得し、正直に日本国籍の離脱措置をした方が、母国から事実上の入国拒否にあっていたのも大問題である。また制度を熟知しておらず、国籍離脱が遅れた方の場合は、慶弔などの理由でビザを申請すると「始末書」などというものを要求されたとも聞く。これなどは、米国市民に対する侮辱であり、外交問題にならないのが不思議である。

 いずれにしても、「鎖国」からの「出口」が見えてきた現在、反省が必要な項目は山のようにある。最大の課題は、日米という経済社会軍事の各方面で不可分の関係を築いている二国間関係においては、今後は感染症などの問題にあたって、より連携を深め、一体として対策にあたると同時に交流を途切らせない制度的な仕組みを作ることだと思う。(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

旅客機内に2段ベッド登場

 ニュージーランド航空は現在、足を伸ばして寝られるスリーピングポッド「スカイネスト」を機内エコノミークラスに6つ、試験的に配置している。乗客はプレミアムエコノミーとエコノミークラスの間に配置された2列3段ベッドでの4時間枠を予約でき、体を伸ばして寝ることができる。ベッドには枕、寝具、耳栓、読書灯、USBポート、換気口があり、寝具は衛生を保つためにセッションごとに交換される。

 同社の広報担当者は「一般的な睡眠サイクルは約90分なので、4時間の予約枠で体をほぐし、眠りにつき、目を覚ませる」と述べている。このスリーピングポッドは、2024年に就航予定の新型機ボーイング787ドリームライナーに搭載される予定。超長距離の17時間フライトで利用できるようになる。

プリンスホテルNY進出

老舗「キタノ」を改装
来年春にオープンへ

 西武・プリンスホテルズワールドワイド(本社・東京都、小山正彦社長)の米国現地法人プリンス・ホテルズUSAインクはこのほど、北野合同建物株式会社(本社・東京都千代田区、小池 佳子社長)の米国法人と、ニューヨークのホテル「ザ・キタノホテル ニューヨーク」の運営受託に関する契約を6月7日に締結したと発表した。

 ホテル名は、西武・プリンスホテルズのフラッグシップブランド「ザ・プリンス」と、ニューヨークで慣れ親しまれている「ザ・キタノホテル ニューヨーク」を合わせ、「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」になる。西武・プリンスホテルズは今年4月に、ホテル運営に特化した新会社としてスタートしている。同社は「ザ・キタノホテル ニューヨーク」が長年培ってきた伝統と日本ならではのおもてなしの心を受け継ぎ、プリンスホテルブランドのフラッグシップである「ザ・プリンス」の価値と融合させることで、「ザ・プリンス キタノ ニューヨーク」として新しい体験価値の提供を目指したいとしている。西武・プリンスは施設を所有せず、運営に特化する。客室やロビー、レストランなどをリニューアルした後、来年春にリブランドオープンする。

英語上手は聞き上手から

岡田光世・著
CCCメディアハウス・刊

 本紙連載「ニューヨークの魔法」でお馴染みのエッセイストで作家の岡田光世さんが、このほど、英語力をどのように伸ばせるかについて、自身の体験に基づいてまとめた『ニューヨークが教えてくれた “私だけ”の英語“ あなたの英語“だから、価値がある』が出版された。

 岡田さんは、高校、大学、大学院と米国に留学し、語学力を磨いてきたが、「中学英語をきちんと自分のものにすれば、必ず話せるようになる」と言う。

 「私は東京の地元の小学校で英語を教え、マンハッタンでは幼稚園から高校までの学校で、日本語を教えた経験があります。こうした体験も含め、『英語』は、私の視野を広げてくれただけでなく、私の人生に対する姿勢、生き方そのものを変えました」と話す。実はこの本は、岡田さんが英語について語った初めての本でもあり、「私の英語人生を語り尽くしました」というほど、彼女の持っている英語の知識と習得テクニックを、惜しみなくこの一冊の本で披露している。

 岡田さんが、英語監修、後に原作を手がけた英語講座まんが『奥さまはニューヨーカー』は、漫画家の島本真記子さんとの共著で、1989年から1997年までの8年間、読売新聞の米国現地版「THE YOMIURI AMERICA」で連載された。研究社からタイトルを『アメリカ駐在物語』として上下巻が出たあと再び同社から新聞と同タイトルで上下、続いて幻冬舎から5冊文庫本が出るなどニューヨークを舞台にした生きた英語を学べるシリーズとして好評を博した。本紙でも2004年1月の創刊号から2018年までの14年間復刻連載した。

 同書では、「奥さまはニューヨーカー」と「ニューヨークの魔法」シリーズどちらも、教材としていかに役立てるか、という視点で取り上げている。

 常々どうして、岡田さんは英語が上手になったのだろうと不思議で、きっと英語が好きで、勉強して学んだ語彙力と知識と現地体験量の豊富さからくるものだろうと長年思っていたのだが、決定的なのは、「物おじしないで知らない人に平気で話しかけられる勇気を持ち合わせている」ことに尽きると随分前に確信した。公園のベンチで、地下鉄の座席で隣の人に親しく話しかけるのだ。人なつこいとでもいうか。初対面の見知らぬ相手から「自分の人生を全部、あなたに語っちゃったわ」とよく笑われるそうだ。きっと聞き上手なのだろう。

 同書には、教科書に出てはこない言い回しや単語、ニュアンスの説明がふんだんに書かれてはいるが、究極的には、岡田さん自身が言う「中学英語をきちんとものにした」あとに、岡田さんのように、知らない人に気軽に自分から話しかけられる「日本人が普通持ち合わせていない感性」をどう後天的に身につけるかを突きつけている。 (三浦)

Z世代の女性に人気の服

 前回に続きLAサンタモニカビーチで日光浴中の女性3人組へファッションインタビュー。「今日着ている服は?」の問いに「SHEINの水着よ。安くて可愛いから大人気なのよ」。SHEINは中国から直送のネット販売方式で、高いデザイン性とODMによる圧倒的な価格競争力からZ世代女性に大人気。NY街角ではあまり耳にしないが、LAインタビューでは頻繁に名前が挙がる。SHEIN公表レポート上の国別販売率は米国がトップで全体の43%を占める。パンデミック中のウェブサイト閲覧件数はH&MやZARAを超えたというGoogleデータもあり、米国アパレル業界で注目され始めている急成長ブランドである。「いつもショッピングするお店は?」の問いには3人とも「ターゲット!Wild Fableラインのクロップトップとか最高よ!」。量販店の多くがインポーターと呼ばれる業者にデザインまで委託するのに比べ、ターゲットはミネアポリス本社に数百人のデザイナーを抱え、大半のラインは開発から自社対応している。オンライン販売の台頭で実店舗型量販店が苦戦する中、最近マンハッタン・タイムズスクエア近く(42丁目のマダムタッソー蝋人形館の向かい)に新店舗を出店する勢いだ。その他はもちろん、古着購入。「90年代のリーバイスとかディッキーズを狙ってるわ。異なる時代の物なのに、今のトレンドに乗ってる服と出会うと興奮しちゃうわ。宝探ししてるみたいよ」。ファストファッション、量販店、古着と着こなす器用なZ世代とのファッション談議は面白い。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

編集後記 7月2日号


【編集後記】
 みなさん、こんにちは。実は、私は、少年時代に北海道でボーイスカウトに入っていて、昇進試験の一つに「モールス信号」がありました。2級の「手旗信号」は難なくクリアしたのですが、モールス信号は曲者でした。送信はできても受信が難しい。いわゆる「トン・ツー」符号の組み合わせだからです。覚えるのは「アイウエオ」順ではなく「いろは」順だったのがなんとも時代を感じさせ、子供心にも「古いな~」と思ったものです。ただ覚え方は簡単で、「(い)伊藤(トン・ツー)」「(ろ)路上歩行(トン・ツー・トン・ツー)」「(は)ハーモニカ(ツー・トン・トン・トン)」と暗記する覚え方があって、その発音通りに打てばいいのです(多分戦時中の軍隊で使っていたものと同じなんでしょうね)。生まれ育ったのが漁業の盛んな北海道だったので、毎日のテレビ放送の朝夕の番組に「海難防止情報」というのがありました。あるとき、何気なく見ていた番組のオープニングテーマ音楽の背景に小さくモールス信号のようなリズムが入っているのに気付きました。耳をそばだてて聞くと「カ・イ・ナ・ン・ボ・ウ・シ(海難防止)」とモールス信号で繰り返して打っているではないですか。「カトーセキ、イトー、ナロータ、イメーンナーナ、ホーコク、トト、ウタゴー、シユートーナチュウイ」の繰り返しが判読できたのです。「分かった!」。小学校5年生の私は思わず笑顔に。しばらくしてスカウトの1級の試験に合格しました。
 このモールス信号は、1832年、イエール大学を卒業したサミュエル・モースルが発明した人類の通信と放送の起源となるものですが、それが20世紀にラジオやテレビの出現、コンピューター、SNSの時代の出現に至るまでには多くの時間と労力を必要としたのです。電波を使って音を送るには、超えなければならない壁があったのです。今週号の18面のBOOKS面の書評欄(https://nyseikatsu.com/editions/872/872.pdf)で掲載した名古屋大学名誉教授の河村雅隆さんの新著『二〇世紀 米欧比較放送論~ラジオ・テレビの衰退と未来図』(文芸社・刊)によると、マルコーニがモールス符号を受信するのに使ったのは、コヒーラ検波器と呼ばれる、電波からモールス信号を検出する装置。これは1890年頃、フランスのブランリが考案したもので、ガラス菅に金属の粉を詰めたものでした。ただ、連続した音を受信することはできなかった。この問題を解決したのが真空管でした。1904年に英国のフレミングは二極真空管を発明、1906年に米国のリー・ドレスト・フォレストが、もう一つ電極を加えた「オーディオン」を発明したのです。著者の河村さんは、長年、NHKに勤務し、報道や衛星放送などのプロデューサーとして活躍した人で、著作や論文は多くの大学で、放送論、メディア論の参考書として使われ、それに加筆されたこの本は、次にくるものが何かを考えさせてくれる一冊です。「20世紀は『マスの時代』だった。大量生産、大量流通、大量消費。多くの人が他者と同じものを自分も所有することを欲した。しかし、そういう時代は過去のものとなり、人々は差別化され、個別化された商品を求めるようになった。そうした流れは、情報の分野においても例外ではない。そのような時代にあって、放送というマスメディアは生き残っていけるのだろうか」と元テレビマンの河村教授は言うのです。家に帰ったらテレビのスイッチを入れる前に、パソコンを立ち上げる。ニュースは、定時の放送を待つことなく、ネットのオンラインデマンドの見逃し配信やYouTubeで、今、何が世界で、日本で起こっているのかを短時間で掌握できる時代になりました。検索機能に優れたインターネットは、しかし、テレビや新聞のようなマスメディアと違って、AI(電子頭脳)によって支配され、アルゴリズムによって見るものに適合した内容のものばかりが集約されて出てくるようになります。猫の動画を一度見たら、猫の動画や商品ばかりが次から次へと出てくるあれです。それは未来の陥穽(かんせい=落とし穴)かもしれない。筆者は、この本の前半で、「マスメディアを支えてきた『マス』と言う存在はもはや消滅してしまった」と書いたが、そのような時代、世の中にあっても人間の中にはどこか「water-cooler effect」=「他人と感動や体験を共有したい」と言う気持ちが残っていて、それがチャット(電子井戸端会議)に参加して「他人が見ているものを自分も見てみたい」という「今、こんなものをやっているよ、君もみてみないか」といった視聴者の存在が今後マスメディアの将来にどう繋がっていくのか見守っていきたい」と書いて筆を置いています。紙面では、スペースの関係で原稿を半分くらい削らないと収まりませんでした。いつもは大体、数えなくても行数ぴったりに書き終わるのですが、今回だけは、この本が面白すぎてつい行数を忘れて書いてしまいました。紙面では削除した部分を戻して編集後記とします。長くてごめんなさい。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年7月2日号)

(1)JS年次総会 NY市長が開会宣言

(2)プライドマーチ 人権抗議デモに

(3) 古本さんに勲章伝達 旭日単光章

(4)海外日本人サポート

(5)NYで在外選挙始まる

(6)掃除道具コロコロ(R)  ジャパン・ビレッジで販売

(7)ウエストチェスター  独立記念日花火

(8)ジャパン・アートフェア 日本から102点参加

(9)CHIE IMAI の本格芋焼酎 MORRISに二冠

(10)おうち時間のゆったり着 GELATO PIQUE  人気

プライドマーチ沿道埋める

中絶の権利、銃規制訴え

 ニューヨークで6日、LGBTQ+(性的少数者)の祭典「プライド・マーチ」が行われた。連邦最高裁が女性の人工妊娠中絶権を憲法上の権利として認めた判決を翻したり、NY銃規制緩和判断を下したりしたこともあり、パレードはジェンダーを超えた人権を訴える抗議パレードとなった。(写真・植山慎太郎)

NY市長が開会宣言

ジャパン・ソサエティー年次総会盛大に

松井さんにアワード

 ジャパン・ソサエティー(JS、ジョシュア・ウォーカー理事長)は6月21日夕、2022年度の年次晩餐会を市内42丁目のシプリアーニで開催した。当日は外交、文化のコミュニティーの著名なゲスト、法人会員と個人会員そして、日米関係にとって重要な著名人など、700人以上のゲストが集まった。

 開会宣言には第110代ニューヨーク市長のエリック・L・アダムス氏が登壇した。アダムス市長は、元ニューヨーク市警の警官で、州上院議員、ブルックリン区長を歴任し、ニューヨーク市の経済、健康、治安のための主要な提唱者。ジャパン・ソサエティーは1907年に創設された米国の団体だが、日系関係の式典でニューヨーク市長が直々に登壇するのは極めて異例で、おそらく今回が初めて。

 基調講演は、シティグループのジェーン・フレイザー最高経営責任者(CEO)とこのほどジャパン・ソサエティーの新会長に就任したコロンビア大学のメリット・E・ジェイノー氏(コロンビア大学国際公共政策大学院名誉学長、国際経済法・国際関係学教授)が、日米関係におけるこれからと、影響を与える現在の問題について対談形式で語り合った。

松井秀喜氏

 また、日本への野球伝来150周年となる今年、日米両国で最も人気のあるスポーツの一つである野球を通じた活発な日米交流を記念して、2022年ジャパン・ソサエティー賞は、野球界のスター、松井秀喜氏に贈られた。