国際線の増便相次ぐ

水際対策緩和で旅客増に対応

 日本で5月8日から新型コロナウイルスの感染部類がインフルエンザと同じ5類に移行するが、日米間の国際線を運航する航空各社が旅客増加に対応するため相次いで増便や新規就航を発表している。

 日本航空は、コロナ禍からの各国の水際制限緩和などの環境変化を踏まえ、2022年度冬期計画対比で旅客便の供給量を拡大する。特に羽田路線は、5月28日からニューヨーク線の2便目となる(JL003/004便)を新規増便するほか、シンガポール線を毎日2便運航へ、マニラ線を毎日運航へとそれぞれ増便する。これにより羽田路線の運航便数はコロナ前の約1・5倍に拡大となる。また同日からジョン・F・ケネディ国際空港での使用ターミナルは、従来のターミナル1からアメリカン航空と同じターミナル8に移転する。さらに冬期ダイヤ中に、羽田=ニューヨーク線にエアバスA350-1000型機が就航する。今年春に羽田空港国際線サクララウンジを拡張オープンする予定だ(関連記事5面に)。

 全日本空輸(ANA)は 3月26日から、ジョン・F・ケネデイ=羽田線を現行の7往復/週(NH109/110便)から3往復/週(NH159/160便)を増便し、週10 便運航する。9 月よりさらに4 便増便し、毎日2 往復運航する。 4 月20 日から2020 年3 月ぶりにエアバスA380 型機「FLYING HONU」を毎日運航する。また、東京(羽田・成田)=ホノルル線のダブルデイリー運航に加え、7 月21 日から成田=ホノルルNH182/181 便の運航を再開し、夏休み期間は羽田・成田発着合計で毎日3 往復運航する(関連記事7面に)。

 ユナイテッド航空は1月5日から、ニューアーク〜羽田路線を週3便体制で開設した。この路線は2020年3月29日から就航予定だったが、新型コロナ感染症の急激な拡大により延期され、約2年10か月ぶりでの開設となった(本紙1月21日号既報)。

 デルタ航空は3月25日からミネアポリス=羽田が毎日の運航を再開、4月1日からホノルル=羽田便も毎日運航する。

 利用客の動きも活発になっている。日系旅行代理店のアムネットは2月4日に日本行き航空券のスーパーセールを3年ぶりに再開させた。同社の中川扶二夫社長は「需要の高まりを実感しています。今回はニューアークからの羽田便就航が悲願だったユナイテッド航空のチケットを応援セール販売しましたが、JFK発の日系航空会社やラガーディアからのデルタ航空も売りますよ。航空券の値段が高止まりしているので本格的に需要が戻ってくるには時間が必要ですが、旅行熱は確実に上向き」と話す。

3日間で予約1000件

 アムネットのセールキャンペーンには6日までの3日間でユナイテッド航空の日米往復航空券1000枚以上の予約が殺到した。同社の予約担当マネージャーの岡山和正さんによると、セールス開始と同時に3日間電話が鳴り止まず、スタッフが予約注文の対応に追われたという。今回発売したユナイテッド航空の航空券が8月20日までに出発と他の航空会社より長かったこと、セール価格が日米往復で1070ドルと他社の半額に近い価格だったことも理由で「皆さん待っていたのでしょうね」と嬉しい悲鳴をあげている。

日本航空が増便
NYー羽田線5月28日から

エアバス350-1000型機就航

 日本航空国際線は、コロナ禍からの各国の水際制限緩和などの環境変化を踏まえ、2022年度冬期計画対比で旅客便の供給量を拡大する。5月28日(ニューヨーク発は5月29日)から、羽田=ニューヨーク線(JL003/004便)を新規増便する。運航スケジュールはJL003便がJFK午前1時30分発、羽田着午前4時45分。JL004便が羽田発午後6時35分、JFK着午後6時25分。

 2023年冬期ダイヤ中に、羽田=ニューヨーク線に新フラグシップのA350-1000型機が就航する。5月28日から、ジョン・F・ケネディ国際空港で従来の「ターミナル1」からアメリカン航空と同じ「ターミナル8」に移転する。これにより、 米国内および中南米各都市を結ぶアメリカン運航便との乗り継ぎ時間が短縮となり、利便性の高い渡航を実現するとしている。春に羽田空港国際線サクララウンジを拡張オープンする予定だ。新しいサクララウンジは約380 席を予定しており、2019年10月にリニューアルオープンした既存のサクララウンジ(席数403席)と合わせて、提供席数を約2倍(席数:約780席)に拡大する。

ANAが増便へ
JFK羽田線週10便に

3月26日から


ANAのボーイング777-300ER型機

 ANAは1月31日、2023年度国際線でホノルル、ニューヨーク、ソウル便を増便すると発表した。同社は4月20日から2020年3月以来3年ぶりにエアバスA380型機「FLYING HONU」を毎日運航する。また、東京(羽田・成田)=ホノルル線のダブルデイリー運航に加え、7月21日から成田=ホノルルNH182便/181便の運航を再開し、夏休み期間は羽田・成田発着合計で毎日3往復運航する。 

 3月26日から、JFK=羽田線を現行の週7往復(NH109/110便)から週3往復(NH159/160便)を増便し、週10便運航する。9月よりさらに4便増便し、毎日2 往復運航する。 

 渡航需要に応えるため、3月中旬より羽田=ソウル(金浦)線を増便し、 毎日3 往復運航する。 

 NH159便は早朝5時に羽田に到着するため、到着1日目からたっぷり時間を活用したいビジネス・訪日レジャーの双方のニーズに対応する。 

 運航スケジュール(関係当局の認可を前提) はNH159便がJFK発午前2時、羽田着午前5時の週3便(月・水・土)を予定し、9月2日から週7便運航になる。またNH160便は、羽田発午後10時55分、JFK着午後10時50分の週3便(火・金・日)を予定し、9月1日から週7便の運航 となる。


ビジネスクラス「THE Room」ドア付き個室型シートでプライベート空間を実現

  NH109/110便と同様に、NH159/160便の運航機材にも最新のファーストクラス「THE Suite」、ビジネスクラス「THE Room」を搭載。両クラスともにドア付の個室型ワイドシートでプライベート空間に加え、これまでにない広さと寝心地を実現し、最上級のくつろぎ空間を提供する。ファースト8席、ビジネス64席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー116席、計212席のボーイング777-300ER型機で運航。 また、JFK=羽田線のファースト、ビジネスクラスにて、一風堂のプラントベースラーメン、「プラとん」を提供している。動物由来の食材を一切使用せずに、一風堂の看板商品であるとんこつラーメン風の味わいを表現しているという。

NYUの学生が女子会へ

 暖冬のニューヨーク。ミッドタウンのニューヨーク公立図書館前でおめかしをしたNYUの学生がポーズを取りながら交代で写真撮影をしていた。「ファッションインタビュー? ぜひお願い! でも日没までに終わらせてね、もっと写真撮りたいから」。いえいえ、そこまで時間はかかりませんよ…! ということでスタート。アマゾンで購入した深紅のレザーパンツにカラーマッチしたスニーカーはナイキのエアジョーダン。トップスは黒のコルセットと、それに合わせて自分で縫製したタイトなロングスリーブニット。そして本日の服装にコーデした赤やピンクのリングやネックレス。普段はカジュアルに着れるZARAの他にTARA JARMON、SANDRO、BERSHKA、MISSGUIDED、PRETTY LITTLE THING、NASTY GALを好んで着ている。どれもファッションに敏感な若いアメリカ人女性に人気のブランド。中でもPRETTY LITTLE THIINGはエクストラスモールサイズも充実しており、日本人女性にもお勧めだ。「H&Mも好きよ。ルームメートがバイトしてて、よくフリーサンプルをもらえるから(笑)」。ミッドタウン在住だが、ゴージャスな街の雰囲気を堪能しながらのショッピングはソーホーへ、昔ながらの落ち着いた街並みを楽しみたいときにはアッパーイーストに繰り出す。静かな夜の金融街もお気に入りで都会の喧騒に疲れたら足を運ぶそうだ。「これからルームメートとアンジェリーナにペイストリーとホットチョコを食べに行くの。今夜はそのまま女子会よ」。美しい街並みにファッションと食、マンハッタンの魅力は尽きない。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

坂茂氏が講演

ジャパン・ソサエティーで27日

木材建築の美を語る

 ジャパン・ソサエティー(JS)・アーキテクチャープレゼンツ「坂 茂:Timber in Architecture」と題した講演会が27日(月)午後6時30分から、JS(東47丁目333番地)にて開催される。建築界のノーベル賞とうたわれるプリツカー賞受賞者である国際的な建築家・坂氏は、その革新的な木材の使い方で知られている。木材建築は自然で美しいだけでなく、近年の気候変動への対応策として環境に配慮したものづくりのツールとして重要視されている。

 講演では、坂氏の建築における木材の利用可能性、建築技術を用いた災害支援活動、そして建築を通じた持続可能な未来に向けた取り組みについて話しを聞く。司会は、クーパー・ヒューイット・スミソニアン・デザイン博物館キュレトリアル・ディレクター代理のマティルダ・マッケイド氏。講演後のレセプションではサイン本の販売も行われる。講演は英語。

 入場料は一般15ドル、JS会員・学生・シニアは12ドル。チケット・詳細はウェブサイトwww.JapanSociety.orgを参照。

(写真:©Swatch)

引き続き「円安」で本当に良いのか?

 外国為替に関しては予想は概して外れることが多く「一寸先は闇」と考えておくのが正しい。そんな中で、2月10日に発表になると言われていた、日本銀行の人事が明らかとなってきた。黒田東彦総裁の退任が既定路線となる中で、後継は雨宮正佳副総裁となる模様だ。

 この間、日本社会全体では、円安のデメリットが指摘されることが多くなっている。だが、とりあえず4月の統一地方選を考えると輸出や観光産業に配慮して、円安政策を継続するということになる可能性がある。今回の人事からは、そんな政権の思惑が透けて見える。市場もそうした気配を汲み取って、人事が漏れた段階で更に一段の円安が進んだ。一部の報道では、市場には日銀が現状を維持するという「安心感」が出ているという。

 では、このまま政府日銀は、円安政策を継続しても構わないのだろうか。仮にそうだとして、NYの日系社会には、どんな影響があるのか、この機会にシミュレーションをしておきたい。

 まず、日本経済においては、賃金の上昇をインフレ率が上回る「悪しきインフレ」が懸念されている。その原因の多くが、輸入に頼る化石エネルギーのコストだと考えると、この先も円安政策を継続するとエネルギーコストの圧迫が家計と、企業収益を更に悪化させる懸念がある。エネルギーに加えて、木材、小麦、大豆など日本の日常生活に欠かせない輸入資源に関して「円安によって日本が買い負ける」現象が指摘されていたが、こうした問題も更に続く可能性がある。

 その一方で、円高になると輸出産業は不利になる。だが、日本発の多国籍企業は、円高のデメリットを打ち消すために良くも悪くも「空洞化」を進めてきた。そのためもあって、円高に振れた場合の影響は軽減されている。一番影響があるのは、日本発の多国籍企業で、アベノミクスの期間を通じて、円建ての「連結決算」を見かけ上大きく膨張させてきた。今回、仮に円安政策を「止められない」のであれば、多国籍企業の円建て業績の問題も一つの原因と考えられる。考えてみれば決算期が3月に迫っているということもある。

 今年に入って急速に拡大している訪日外国人の観光だが、円高になれば確かに「インバウンド消費」には不利となる。仮に旅行予算がドル建ての旅行者の場合、円高期に訪日すれば何もかもが高く感じられるだろう。だが、この点に関しては、現在の「インバウンド」の旺盛な需要と購買力を考えると、多少の円高は吸収してしまう勢いがある。この間、コロナ禍の前後も円安がインバウンドを後押ししてきたことは否定できないが、かといって観光産業を維持するために円安を続けなくてはならないというのは、少し違うと思われる。

 アメリカの日系社会としてはどうであろうか。この間、コロナ禍の以前から円安のため訪米観光客はジリ貧となっていた。これにコロナ禍と、治安の悪化といった条件が重なって、日本からアメリカへの観光はほぼ全滅という時期が続いた。これが円高になれば、反転してゆくことが期待される。全米の中でもとりわけニューヨークの場合は、平時であれば国際金融都市であることに加えて、世界有数の国際観光都市でもあった。

 縮小傾向にあったとは言え、その中で日本からの観光客のもたらす経済効果は決して小さくはなかった。一旦ゼロとなったその効果が、円高になれば再び勢いを持つであろうし、これは日系社会だけでなく、ニューヨークの都市経済の再生において重要なファクターとなる。この春、アメリカではWBCが行われ、日米における野球の交流は更に高い関心を呼ぶに違いない。そんな中で、メッツにはソフトバンクから千賀滉大投手が移籍してくる。千賀投手の活躍する姿を追ってシティ・フィールドへ日本からの応援が増えることを期待したいが、円安が継続する中では難しいかもしれない。

 それはともかく、では仮に雨宮氏が総裁になって円安政策を志向したとして、本当にその通りに為替レートの現状維持が可能なのだろうか。日本円を取り巻く環境は、短期的には円高圧力がある一方で、このまま競争力が低迷すると中長期では一層の円安からハイパーインフレに進む危険もある。実は、現状維持というのが一番難しいという見方も可能であり、仮に岸田政権が4月の統一地方選という極めて短期の思惑から通貨政策を考えているのであれば、何とも心もとない。とにかく、新総裁の手腕に期待するしかない。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

日本ふるさと名産食品展

ジャパンビレッジで自治体国際化協会主催

23日から26日まで

 一般法人自治体国際化協会(クレア)が主催する「2023日本ふるさと名産食品展・イン・ニューヨーク」が23日(木)から26日(日)までの4日間、ブルックリンにあるジャパンビレッジ(934 3rd Ave.)のザ・ロフトにて開催される。11自治体/20事業者による日本各地の名産品を集めた物産展で、地域特産品の実食・販売が行われる。時間は正午から、23日・24日が午後7時まで、25日が午後8時まで、26日は午後6時まで。出展商品は、岩手県から(株)ミナミ食品の南部ゆば、神奈川県から(株)ナチュレの桜ゼリーや湘南ゴールドゼリー、福井県から(株)ベントフォークのお米のシフォンケーキ、和歌山県からマルヤマ食品株式会社の紀州梅、福岡市から西福製菓株式会社の八女抹茶など、66品が購入できる。入場無料。出展者・商品などの詳細はウェブサイトhttps://japanfoodculture.org/promotional-events/JLS2023


NY日系人会5階に移転無事完了

 ニューヨーク日系人会(JAA)が1月31日、入居している45丁目の同じビルの11階から5階に引っ越した。床面積は3500平方フィートと従来より1500平方フィート狭くなったが、これまでの11階と違って柱がないため、ワンフロア全体を一つの大きな会場として使える開放感に溢れ、窓も大きくて明るく使いやすいスペースとなった。(写真上:雛人形が飾られた新しいJAAのホールに立つ野田事務局長(中央)とスタッフの皆さん(2月7日撮影))


入口横に設けられた図書閲覧ができる談話・待合コーナー

 エレベーターを降り、左側正面エントランスを入ったすぐ左手には図書や新聞を読めるソファのあるコーナーも設けられた。事務室、相談室、日系人会115年の歴史を保存する空調設備の整った倉庫、大人数で使いやすい厨房設備も設置した。昨年7月にビルの水漏れで半年間、会館ホールが使えなかったが、今月13日から活動再開する。水漏れで被害を受けたピアノも保険でカバーして近く新しいピアノも到着する。23日(木)の敬老会は新しい日系人会ホールで開催予定だ。美しく飾られた雛人形が、利用者たちの来館を待っている。住所は変わらず西45丁目49番地。電話番号も212・840・6942で従来通り。

北海道で羊と暮らし羊と作る服NYに

NYファッションウイークに参加する

逸見吏佳さん

 北海道美深町で10頭の羊と暮らしながら、草木染めでフェルト服を作っている逸見吏佳(へんみ・りか)さんが12日(日)、ニューヨークファッションウィークで羊毛ファッションをランウエーで発表する。

 「昨年、バンクーバーファッションウィーク参加後にニューヨークファッションウィークの主催者から案内のメールをいただき、興味を持ちました。私たちの暮らしとは真逆の世界一の都会ニューヨークで、繋がりを見出したいです」と話す。

 逸見さんは札幌市の出身だが2004年に羊のいる風景に憧れ移住した土地で、羊牧場の羊毛が毎年大量に捨てられることを知り、廃棄する羊毛を使ったものづくりを思いついた。

 まず羊毛をフェルト化する方法でルームシューズづくりをスタートした。その後、薄い生地に羊毛を載せる布フェルトで、縫製することなく無駄なく作りあげる洋服作りを発案。身近な植物で草木染めするなど、周囲の環境に調和したものづくりを目指している。コンセプトは「生きている服」。そこには命として感じられるような愛が溢れる服を作りたいという思いがある。ロングコートやショールカラーは、縫い目がなく、一体化しているウエアで、「見た目の良さだけではなく羽織った時の心地よさがあります」という。ブランド名は「粗清草堂」(soseisodo)。

 羊と暮らしながら、草木染めでフェルト服を作っているというスローライフなクリエーターが生み出すファッション。12日正午最先端NYのランウエーでスポットライトを浴びる。

(三浦良一記者、写真は本人提供)

12日にNYでランウエー

 ランウエーショーは12日(日)正午、西26丁目601番地、カノエ・スタジオ(Canoe Studio )で。主催はFlying Solo。問い合わせはEメール[email protected]

ウェブサイトhttps://www.soseisoudou.jp/

武道と美術の精神的つながりを探究

写真家・加藤彰三

週刊NY生活ギャラリー、今週の参加アーティスト

 ニューヨーク在住の写真家、加藤彰三は、1975年東京美術学校卒業後、東京麻布スタジオを経て70年代は、加納典明写真事務所のチーフスタッフとして芸能、政治、シネマなど多岐にわたる分野で活躍した。 

 石原慎太郎、黒澤明、勝新太郎、三船敏郎、浅野ゆう子、山口百恵などの雑誌、映画ポスターの撮影を行う。82年に来米し、ニューヨーク読売プレス社入社。88年独立し加藤彰三スタジオを設立。現在ニューヨーク州ニューロッシェルに写真アートスタジオを構えている。写真家としての顔のほか剣道家(剣道教士8段/居合道教士7段)としても知られ、40年前に加藤が設立した「NY士道舘剣道居合道場」の代表として指導・運営・大会イベントを行う。「私は、時代を超越したイメージを追求しています。特に古典的な一枚一枚丹精込めて手で磨いたレンズの使用により、時代を超えたイメージを追求している」。広島県出身。同スタジオではアナログ写真によるポートレート撮影なども行っている。詳細は週刊NY生活ギャラリー https://nyseikatsu.com/gallery/project/021kato/

(作品)“Energetic charge to mind” “「心に気の充電」

週刊NY生活ギャラリー
2023年度参加者受付中

 本紙が主催するオンライン「週刊NY生活ギャラリー」(https://nyseikatsu.com/gallery/)では、2023年度の作家を募集しています。ニューヨークで個展、グループ展に参加したり将来何らかのNYにおける企画展に参加する予定のある人。作家のポートフォリオ、顔写真、絵画、写真、彫刻などの作品を期限1年間で掲載。参加料金は、作品を最大10点まで展示で年間200ドル。作家にとっては、作品を展示して多くの読者に見てもらえるだけなく、自分の作品を広く一般に販売するチャンネルとして利用できる。同ギャラリーは、本紙「週刊NY生活」のウェブサイト(www.nyseikatsu.com)で常設展示されている。問い合わせは電話(212)213-6069またはEメール [email protected]   担当・編集部・三浦まで。

現代舞踊家の田中いづみ、樹のエネルギーを舞台で伝える

 現代舞踊家の田中いづみが1月29日、東京墨田区の両国シアターX(カイ)で、日舞、スペイン、韓国、中国の舞踊家たちで構成されたグループ「peace by dance」の公演「生命(いのち)の樹」を行った。 

 田中は、1987年からニューヨークを拠点に本格的な舞踊活動を開始し、ニューヨーク大学舞踊教育学科の講師を務めるなど20年間NYの現代舞踊界で活躍した。帰国後は、数々の作品を制作、発表、母の石川須妹子氏と主催するダンスアカデミーで指導する傍ら、現代舞踊協会の常務理事として、現代舞踊の発展に努めている。2000年以降は特に地球環境を危惧した作品を発表しており、世代やジャンルは異なるが共通して「つながりあっての平和」を願う同志たちと同グループを創設した。 

 演目第1作目は、田中がスペイン舞踊家の池谷香名子と中国舞踊家の鈴木彩乃のために振付した新作「dialogue」。2人は、田中が舞台でよく身に着けるナチュラルカラーの丈が長めのカーディガンとパンタロン姿で、舞台中心に大樹を想定し、その大樹を通して想いを交わす様子を踊りとそれに伴う気持ちで表現した。田中は「この大樹は『私のようなもの』で、現代舞踊という新たな分野に挑戦する2人を見守っている」と語った。 

 第3作品目の日舞の花柳面氏振付「秘花(ひか)」は、ピンク系のナチュラルカラーのシンプルなワンピースの衣装で田中が出演。同作品は室町時代の猿楽師、世阿弥が記した能言論書「風姿花伝」にある「真の花は散らで残りし」を基に、密やかながら凛と生きる花を魅せる。田中にとっては初の日舞の振付で「日舞は振りが抑えられているので、普段は足を上げるなどのテクニックや大振りな動きが入る現代舞踊家の自分としては、限られた動きやボリュームの演出でどう表現できるかが勝負どころだった。花柳先生のアドバイス『いづみさんは身体はよく動くし何でもできてしまうから、今回は我慢して、思うように動けない人のように窮屈ななかから動きを練りだすように』はとても勉強になった」と話している。 

 最後は、5人のメンバーがそれぞれのジャンルでも白に統一した衣装で演目「生命の樹」を踊った。昨年9月から制作をスタートし、まず作品のコンセプトを「色とりどりの花々も根本は一つ。一つの源を分かち合って生き、すべては一つに繋がる」に決めた。それぞれの専門分野で活躍する多忙な5人だが、週2回は時間を作り、作品と舞台の構成、振付、練習、修正を繰り返しながら試行錯誤し本番に至った。同作品では、金と銀の水引きできた「樹の根、つまり魂」のオブジェを使う場面もあり、「道は違うが、同じ志のもとに踊りを通して『生命の大切さ』を5人で表現した」という。(浜崎都記者、写真・清水洋子) 

日本の新作映画5本

文化庁、IFCセンターと共催で上映

 文化庁がVIPO(Visual Industry Promotion Organizaation)、IFCセンターと共催で、昨年度製作された日本映画の話題作5本を紹介する特集「ニュー・フィルム・フロム・ジャパン」を2月10日(金)から16日(木)までニューヨークのIFCセンター(6番街323番地/西3丁目)で開催する。詳細は、https://www.ifccenter.com参照のこと。上映作品は次の通り。(平野共余子)

▽『Small, Slow but Steady (ケイコ目を澄ませて)』=写真=三宅晶監督、聴覚障害者の若い女性(岸井ゆきの)が小さなボクシング・ジムの経営者(三浦友和)の下で修行し、リングに立ち続ける。(写真上:© 2022 « KEIKO ME WO SUMASETE » Production Committee & COMME DES CINEMAS)

▽『Yamabuki (やまぶき)』山﨑樹一郎監督。岡山県真庭市を舞台に、父の借金のため日本の採石場で働く韓国人男性(カン・ユンス)と、警官の父と二人暮らしの女子高生(祷キララ)の運命が交差する。

▽『The Zen Diary (土を喰らう十二ヶ月)』中江裕司監督。長野の山中に一人住み四季の移ろいの中で自炊する作家(沢田研二)は、訪ねて来る編集者(松たか子)を自然素材の料理でもてなす。水上勉原作、料理担当は土井善晴。

▽『Thousand and One Nights (千夜、一夜)』久保田直監督。突然いなくなった夫を30年間待ち続ける女性(田中裕子)は、2年前に蒸発した夫(安藤政信)を探す看護婦(尾野真千子)と出会う。佐渡ヶ島の自然を背景に、遺された者の心情が展開。

▽『A Man (ある男)』石川慶監督。亡き夫(窪田正孝)が全く別人であったことを知った女性(安藤サクラ)の依頼で、弁護士(妻夫木聡)が本物を探す社会派ミステリー。平野啓一郎原作。

JSでアニメ「耳をすませば」

 ジャパン・ソサエティー(JS)は17日(金)午後7時から、JS内劇場(東47丁目333番地)にて2月のマンスリーアニメ上映会『耳をすませば』(1995年)を上映する。柊あおいの同名少女コミックを原作にスタジオジブリが制作し、宮崎駿が脚本、製作を手掛けた作品で、貴重な35ミリフィルムで上映する。声の出演は、本名陽子、高橋一生、露口茂ほか。日本語上映・英語字幕付き。

 入場料は一般15ドル、学生・シニア12ドル、JS会員5ドル。チケット・詳細はウェブサイトwww.japansociety.orgを参照。

(写真:© 1995 Aoi Hiiragi / Shueisha – Studio Ghibli – NH.)

編集後記 2023年2月4日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。いま、海外49か国に日本人学校が94校あり、補習授業校は、世界54か国に230校あるそうです。そのうちアメリカには、全日制の日本人学校が4校、補習校が82校あるとのことです。公益財団法人海外子女教育振興財団の綿引宏行理事長が1月下旬に来米してシカゴとニューヨークの日本人学校を視察して、学校設立母体の関係者たちとも面会しました。来米の目的は、昨年6月に日本で成立した在外教育施設振興法の説明と理解を求めるためです。振興法は日本人学校と補習授業校が国際化・現地化に向けて大きく舵を切ることが大きな内容になっています。その柱は4つあり、国際社会で活躍できる豊かな人間性を備えた創造的人材の育成、在外教育施設設置者の連携強化、学校を国際交流拠点と位置づけ日本文化発信の場所とすること、そして在留邦人の子以外の者であっても教育を受けることを希望する者を受け入れることの4点が明記されています。現地採用の教員もJETプログラム経験者を優先的に採用して、日本政府がその財源を補助することになります。今までは、日本に帰国した時に日本の教育システムにスムーズに戻れるよう、日本と同等の教育を行うことに重点が置かれましたが、日本企業の駐在員の減少に伴う帯同家族の減少と生徒数縮小など先細りになる在外邦人教育機関の安定経営のためにも、また、将来の日本にとって必要となる人材の原石を国際交流というシャッフルにかけて磨く思い切った現地化が必要という考えのようです。1月30日に日本の衆議院予算委員会で萩生田光一元文科相がいいことを言ってます。国会中継をYoutubeの動画でNYでも見ることができました。その中で萩生田氏は「海外の日本人学校は、日本政府が作ったものではなく、海外で働く企業の人たちがお金を出しあって設立した私立校がほとんどであり、本来義務教育で学ぶ権利のある子供達の教育がいわば現地任せになっていて、その中身もばらばらだ。日本政府がもう一歩前に出て応援するべきではないのか」と提言しました。これに対し岸田首相は「グローバル人材を育てる上で海外の日本人学校は重要な存在だ。今後国際人材の育成にも前向きに検討していきたい」と答えました。日本の衆院予算委員会で、海外の日本人学校が取り上げられたのはおそらく初めてではないでしょうか。岸田首相自身も小学校の時にニューヨークの補習授業校に通っていた帰国子女なので、その重みは実体験としてお持ちのはず。今週号の1面と6面で在外教育施設振興法の中身や綿引理事長のインタビュー記事があります。ご覧ください。それでは皆さんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)