国際線の増便相次ぐ

水際対策緩和で旅客増に対応

 日本で5月8日から新型コロナウイルスの感染部類がインフルエンザと同じ5類に移行するが、日米間の国際線を運航する航空各社が旅客増加に対応するため相次いで増便や新規就航を発表している。

 日本航空は、コロナ禍からの各国の水際制限緩和などの環境変化を踏まえ、2022年度冬期計画対比で旅客便の供給量を拡大する。特に羽田路線は、5月28日からニューヨーク線の2便目となる(JL003/004便)を新規増便するほか、シンガポール線を毎日2便運航へ、マニラ線を毎日運航へとそれぞれ増便する。これにより羽田路線の運航便数はコロナ前の約1・5倍に拡大となる。また同日からジョン・F・ケネディ国際空港での使用ターミナルは、従来のターミナル1からアメリカン航空と同じターミナル8に移転する。さらに冬期ダイヤ中に、羽田=ニューヨーク線にエアバスA350-1000型機が就航する。今年春に羽田空港国際線サクララウンジを拡張オープンする予定だ(関連記事5面に)。

 全日本空輸(ANA)は 3月26日から、ジョン・F・ケネデイ=羽田線を現行の7往復/週(NH109/110便)から3往復/週(NH159/160便)を増便し、週10 便運航する。9 月よりさらに4 便増便し、毎日2 往復運航する。 4 月20 日から2020 年3 月ぶりにエアバスA380 型機「FLYING HONU」を毎日運航する。また、東京(羽田・成田)=ホノルル線のダブルデイリー運航に加え、7 月21 日から成田=ホノルルNH182/181 便の運航を再開し、夏休み期間は羽田・成田発着合計で毎日3 往復運航する(関連記事7面に)。

 ユナイテッド航空は1月5日から、ニューアーク〜羽田路線を週3便体制で開設した。この路線は2020年3月29日から就航予定だったが、新型コロナ感染症の急激な拡大により延期され、約2年10か月ぶりでの開設となった(本紙1月21日号既報)。

 デルタ航空は3月25日からミネアポリス=羽田が毎日の運航を再開、4月1日からホノルル=羽田便も毎日運航する。

 利用客の動きも活発になっている。日系旅行代理店のアムネットは2月4日に日本行き航空券のスーパーセールを3年ぶりに再開させた。同社の中川扶二夫社長は「需要の高まりを実感しています。今回はニューアークからの羽田便就航が悲願だったユナイテッド航空のチケットを応援セール販売しましたが、JFK発の日系航空会社やラガーディアからのデルタ航空も売りますよ。航空券の値段が高止まりしているので本格的に需要が戻ってくるには時間が必要ですが、旅行熱は確実に上向き」と話す。

3日間で予約1000件

 アムネットのセールキャンペーンには6日までの3日間でユナイテッド航空の日米往復航空券1000枚以上の予約が殺到した。同社の予約担当マネージャーの岡山和正さんによると、セールス開始と同時に3日間電話が鳴り止まず、スタッフが予約注文の対応に追われたという。今回発売したユナイテッド航空の航空券が8月20日までに出発と他の航空会社より長かったこと、セール価格が日米往復で1070ドルと他社の半額に近い価格だったことも理由で「皆さん待っていたのでしょうね」と嬉しい悲鳴をあげている。

日本航空が増便
NYー羽田線5月28日から

エアバス350-1000型機就航

 日本航空国際線は、コロナ禍からの各国の水際制限緩和などの環境変化を踏まえ、2022年度冬期計画対比で旅客便の供給量を拡大する。5月28日(ニューヨーク発は5月29日)から、羽田=ニューヨーク線(JL003/004便)を新規増便する。運航スケジュールはJL003便がJFK午前1時30分発、羽田着午前4時45分。JL004便が羽田発午後6時35分、JFK着午後6時25分。

 2023年冬期ダイヤ中に、羽田=ニューヨーク線に新フラグシップのA350-1000型機が就航する。5月28日から、ジョン・F・ケネディ国際空港で従来の「ターミナル1」からアメリカン航空と同じ「ターミナル8」に移転する。これにより、 米国内および中南米各都市を結ぶアメリカン運航便との乗り継ぎ時間が短縮となり、利便性の高い渡航を実現するとしている。春に羽田空港国際線サクララウンジを拡張オープンする予定だ。新しいサクララウンジは約380 席を予定しており、2019年10月にリニューアルオープンした既存のサクララウンジ(席数403席)と合わせて、提供席数を約2倍(席数:約780席)に拡大する。

ANAが増便へ
JFK羽田線週10便に

3月26日から


ANAのボーイング777-300ER型機

 ANAは1月31日、2023年度国際線でホノルル、ニューヨーク、ソウル便を増便すると発表した。同社は4月20日から2020年3月以来3年ぶりにエアバスA380型機「FLYING HONU」を毎日運航する。また、東京(羽田・成田)=ホノルル線のダブルデイリー運航に加え、7月21日から成田=ホノルルNH182便/181便の運航を再開し、夏休み期間は羽田・成田発着合計で毎日3往復運航する。 

 3月26日から、JFK=羽田線を現行の週7往復(NH109/110便)から週3往復(NH159/160便)を増便し、週10便運航する。9月よりさらに4便増便し、毎日2 往復運航する。 

 渡航需要に応えるため、3月中旬より羽田=ソウル(金浦)線を増便し、 毎日3 往復運航する。 

 NH159便は早朝5時に羽田に到着するため、到着1日目からたっぷり時間を活用したいビジネス・訪日レジャーの双方のニーズに対応する。 

 運航スケジュール(関係当局の認可を前提) はNH159便がJFK発午前2時、羽田着午前5時の週3便(月・水・土)を予定し、9月2日から週7便運航になる。またNH160便は、羽田発午後10時55分、JFK着午後10時50分の週3便(火・金・日)を予定し、9月1日から週7便の運航 となる。


ビジネスクラス「THE Room」ドア付き個室型シートでプライベート空間を実現

  NH109/110便と同様に、NH159/160便の運航機材にも最新のファーストクラス「THE Suite」、ビジネスクラス「THE Room」を搭載。両クラスともにドア付の個室型ワイドシートでプライベート空間に加え、これまでにない広さと寝心地を実現し、最上級のくつろぎ空間を提供する。ファースト8席、ビジネス64席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー116席、計212席のボーイング777-300ER型機で運航。 また、JFK=羽田線のファースト、ビジネスクラスにて、一風堂のプラントベースラーメン、「プラとん」を提供している。動物由来の食材を一切使用せずに、一風堂の看板商品であるとんこつラーメン風の味わいを表現しているという。