気分はプールサイド

ロックフェラーセンター

 NYの冬の風物詩であるロックフェラー・センターのスケートリンクが現在、巨大プールに変身し、楽しい夏のプール・パーティをテーマにしたアート作品として公開されている。

 同作品「プール・パーティ」を制作したアーティストのジョエル・メスラーさんは自身の幼少期の思い出をもとに、スケート場の地面に描いた光が反射したプールの水面にビーチボールやフロートを置き、周りに芝生を施した。同センターは、多くの来場者に作品に触れて楽しんでもらうため声明で「裸足になって、夏の至福の時を表現した愉快な作品に足を浸そう」と呼び掛けている。21日まで。(写真・三浦良一)

違和感だらけの東京都知事選

 アメリカ、とりわけニューヨークの視点から見ていると、今回の東京都知事選に関しては様々な違和感を感じざるを得ない。勿論、一方的に批判してみても意味はないわけだが、国が違うので仕方がないと突き放して終わるとも思えない。そのぐらいの違和感がある。

 まず、不思議なのは現職の小池都知事がスンナリと当選したことだ。何が不思議なのかというと、小池氏は既に2期8年都知事として在職しており、その間にはコロナ禍を経験している。世界の各国、各大都市が今でもコロナ禍の「後始末」で混乱を引きずっている中で、同じような混乱を経験した小池氏がアッサリ再選されたというのは驚きである。小池氏のコロナ禍対策がとりわけ適切であったということはないと思う。彼女は確かに司令塔の役割は果たしたが、「この1か月が勝負」「東京アラート発動」「我慢の三連休」「最後の緊急事態宣言」「最後のステイホーム」など奇怪な造語でイメージを作り出して、強めの感染対策を強いる手法は当時の都民には大きな負担であったはずだ。その一方で、予備費を取り崩してまでして、外食やサービス業への補填を行ったことへの検証も済んでいない。五輪の無観客開催も、秋まで待てば違う展開もあったかもしれない。

 都民が特に健忘症だとは思わないが、昔から言われる「喉元過ぎれば熱さを忘れる」という傾向は明らかだ。例えば、コロナ禍対策で理解できないのが、テレワークだ。アメリカでは、テレワークを徹底した結果、「それでも仕事は回る」ことが明らかとなる一方で「ワーク・ライフ・バランス」を決定的に改善できることが証明された。その結果として、現在でも週5日のうち「3日出勤、2日テレワーク」という辺りで、労使が綱引きをしている。ところが東京では、ほぼ週5日出勤に戻っている。そもそも満員電車追放を公約としていた小池知事だが、この問題に関する提案はない。

 その他にも、防災減災の問題では荒川の決壊対策が議論されても良いと思うのだが、誰も真剣に提案していなかった。実は、2019年の台風19号の際には、東京23区のうち東部の10区が実際に「広域避難」を検討している。この時は、条件が揃わずに広域避難は断念され結果的には水位が危険レベルのギリギリで踏みとどまって事なきを得た。だが実際に荒川が決壊したら下手をすると数千単位での死者が出る可能性がある。都が進めている「首都圏における大規模水害広域避難検討会」では、これを防ぐには74万人を避難させなくてはならないとしているが、具体策の目処は立っていない。こうした重要な問題が争点にならないのもおかしい。

 何よりも奇妙なのが、「ふるさと納税」だ。都市に住んでいる人は、地方の衰退に加担していて申し訳ないので、地方税の一部を地方に回す。そうすると返礼品が来るというメカニズムは、どう考えても納得できない。都の各市や23区の税収は明らかに減ってしまうからだ。それでも行政が回るのなら減税するのが先だろうし、本当に地方自治体が破綻寸前なら返礼品など送る余裕もないはずだ。こんな意味不明な制度は、都知事選の争点にして国に対する姿勢を明確にすべきと思う。

 東京の少子化も問題だが、その主因は格差であろう。現役世代、子育て世代への分配が十分でないために、結婚や出産を断念する層がいるというのは問題だ。だが、この点に切り込むべき左派の蓮舫候補も結局は官公労の代表に過ぎず、都庁の非正規職員を正規雇用にする公約しかしていない。そうではなくて、民間にあふれる非正規雇用の若者をどうするのかが大事であり、この点も争点化されなかった。

 難民問題に治安問題、そして財政や都市経済の復興など、問題だらけのニューヨークと比較すると、結局のところ、東京は平和で安定しているということなのかもしれない。けれども、異常なまでの一極集中で全国を衰退させているのが東京であり、その東京は高齢単身世帯の急増によって財政の構造が劇的に変化する危険に直面している。水害の問題も格差の問題も深刻なはずだ。その一方で、都知事選の選挙全体はいつものようにイメージ先行となって、結局は政治ショーに終わっている。東京に残された時間はそれほどないという危機感は何としても必要ではないだろうか。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

米国での放射能汚染

知られざる物語描く

全米16か所で公開、NYは19、20日

伊東監督

 アメリカにおける放射能汚染についてのドキュメンタリー映画『サイレントフォールアウト』のアメリカ上映ツアーが開催され、全米16か所にて公開される。ニューヨーク公演は7月19日(金)と20日(土)の2日間にわたり上映される。会場は、19日(金)が午後6時30分からウエストチェスターにある Quaker Meeting Purchase(4455 Purchase St., West Harrison)にて、20 日(土)は午後2時からマンハッタンにあるAnthroposophical Society NY branch(西15丁目138番地)にて上映。

 『サイレントフォールアウト』は2023年製作、76分。伊東英朗監督が、米国における放射能汚染の蔓延と、それに立ち向かった母親たちの知られざる物語を描いた衝撃的なドキュメンタリーで、核兵器を手に入れるために行った実験によりアメリカ大陸の広範囲の放射能汚染と、国民が被曝させられている事実を伝えようとしている。ヒロシマ・ナガサキへの原爆投下から80年を迎える2025年の前に、「核兵器開発によって米大陸全域が放射能汚染した事実」を日本人として伝え、核兵器の真の意味を問う。ナレーションは加藤登紀子(日本語版)、アレック・ボールドウィン(英語版)。公開以来、全国150か所以上で上映会が行われ、世界26の国際映画祭で正式上映、受賞をするなど国内外で反響を呼んでいる。入場無料。事前申し込みはwww.eventbrite.comから。詳細はウェブサイトhttps://us.fallout22.comを参照。

パリ五輪に元補習校生が出場

フィールド恵美さん水泳競技米国チームに

フィラデルフィア補習授業校が応援

 今月26日開幕するパリオリンピックに、水泳・アーティスティック・スイミングの米国代表チームに、元フィラデルフィア補習授業校在籍児童だったフィールド恵美さん(18)が出場することになった。恵美さんは現在カリフォルニア州ロサンゼルス市郊外に家族と共に住んでいるが、元同級生家族を通じ先月末五輪出場のニュースが同補習校に届いた。早速恵美さんの保護者と連絡を取った同補習校の福澤隆治校長(65)が、今月3日、在校生250人に朗報を伝えた。恵美さんは小学校時代から水泳の特訓に励み、五輪を目指していたという。指導コーチがロサンゼルスにいたことから在学中からフィラデルフィアからロサンゼルスに通っていたが、本格的にトレーニングに集中するため家族で2016年に西海岸に引っ越した。同補習校には幼稚園から小学5年生まで在籍したという。妹もジュニア部門の五輪強化合宿チームに入るなど将来が有望視されている水泳一家だ。

 競技は8月5、6、7日がチームの予選と決勝、9日と10日がデュエットの予選とフリーの決勝がある。恵美さんの母親、直美さんは「補習校で学んだことで、国際大会で日本の選手達とも日本語で会話ができるので、補習校で学んだことがとても役立っている」と話している。

 福澤校長は「今年高校を卒業した子ども達と一緒に学校で学んでいました。フィラデルフィア補習授業校をあげて応援しています。オリンピックで活躍される恵美さんを、友達として、そして先輩として応援してます」と話している。同校ではアメリカチームのテレビ中継などを一緒に観戦応援することも検討中だという。

ビリージョエル公演

マジソンスクエア最後

 75歳になったニューヨーク・サウスブロンクス出身のシンガーソングライター、ビリー・ジョエルは今年初め、数十年ぶりとなるシングル「Turn the Lights Back On」をリリースし、1978年から続くマジソン・スクエア・ガーデンでの100回目の公演を行った。そして今月25日(木)午後8時から、マジソン・スクエア・ガーデンでのシリーズ最終公演「ビリー・ジョエル・アット・ザ・ガーデン」を行い、「Uptown Girl」「We Didn’t Start the Fire」「Just the Way You Are」などの大ヒット曲を披露する。この日のチケットはステージ前で3000ドル以上、かなり遠い席でも1000ドル以上するが、マジソン・スクエア・ガーデンでビリー・ジョエルに会える最後のチャンスとなる。チケット・詳細は公式サイトhttps://www.msg.comを参照する。

ホットドッグ早食い競争

女性部門上位2人日本人

51個の須藤さん優勝

 米国の独立記念日の4日、毎年恒例のホットドッグ早食いコンテストがブルックリンのコニーアイランドで開かれ、女性部門ではフロリダ州在住の須藤美貴さん(38)が10分間で51個のホットドッグを食べ、10回目の優勝を果たした。自身の持つ世界記録(48個半)を更新した。

 須藤さんは「素晴らしい記録を立てられてよかった。これからも私の向上心は続いていく」と話し、優勝と記録更新の喜びをかみしめた。女性部門の2位は、東京都在住の人気YouTuber・海老原まよいさん(29)だった。10分間で37個を食べ、昨年に続く準優勝となった。海老原さんは「次は絶対勝ちたい。来年はホットドック50本を目指す」と話した。

 男性部門は、58個を食べたパトリック・ベルトレッティさん(39)が初優勝。初参加の人気YouTuber・キング山本さん(40)が46個を食べて5位に入った。山本さんは終了後、X(旧ツイッター)に「練習より記録が出なかったので悔しいが、楽しめた」と投稿した。大会には男女それぞれ14人が参加した。 (文・写真 きゃま)

おまかせアイラッシュで勝負

マツエク講師

田丸 桜さん

 「目は口ほどに物を言う」と言う言葉がある通り、感情がこもった目つきは、口で話す以上に強く相手の心を捉えるものだ。美しい目でありたいと思う願望が、一重瞼を二重にしたり、一方で東洋的な顔立ちが持てはやされるとなれば切れ長の細目が流行ったりと、まさに目まぐるしく美容の世界も変化している。マツエクとよばれる「まつ毛エクステンション」つけまつ毛の業界もまた時代とともにスタイルが変わってきているようだ。

 ニューヨークからオンラインで日本に向けてアイラッシュの最新講座を持って指導している田丸桜さんは、2021年にニューヨークでエステティック・ライセンスを取得し、独学でマツエクを勉強した。インターンをしながら技術向上に努め、2022年に力試しのつもりでマツエクの各種コンテストに参加し始めたのが大きな転期のきっかけになった。1年間、世界大会に参加し続け、合計17個のトロフィーを取得し、昨年5月に開催されたニューヨーク大会では見事優勝を飾った。現在、米国で受賞歴1位のアイラッシュアーティストとなり、日本では自睫毛改善を目的とするマツエク塾「舞高技塾」の講師を務めている。

 大阪出身で関西外語大学英語学科在学中にロンドン留学を経て単位振り替えで2016年にニューヨークのファッション工科大学(FIT)に転入、スタイリングコースを卒業したのち、ファッション業界で2年ほど働いた時にコロナ禍に。それを契機に、以前から興味があった美容業界に転職した。

 学生時代アパレル業界でインターンなどしていたことがFITに目を向けるきっかけになった。海外志向は昔から強かった。米国に来て思ったことは、同じ技術で競争するのでも日本人ならではの強さを身につけることだ。

 自信を持って仕事ができるようになってきた頃、お客さんから「あなたを信用するわ。あなたが私にはこれがベストと思うようにやって頂戴」と言われ始めたことで「おまかせサービス」を考えるきっかけになった。「ニューヨークでの施術は、さまざまな人種と性別を対象とするため、インターンシップと世界大会への挑戦はとても勉強になります。近頃お寿司屋で認知度が広まっている『おまかせスタイル』としてアイラッシュ業界でもそれぞれの人に合わせてカスタムして提供できることを多くの人に知ってもらうことが私の計画であり、夢でもあります」と大きな目を瞬きさせて熱く語った。

 (三浦良一記者、写真も)

NYアジア映画祭、日本から話題作続々

キングダム大将軍の帰還
山崎賢人がアワード受賞

 ニューヨーク・アジア映画財団とフィルム・アット・リンカーン・センター(FLC)は7月12日(金)から28日(日)まで、第23回ニューヨーク・アジアン映画祭(NYAFF)を開催する。会場は、FLC(西65丁目165番地)が12日から22日まで、SVAシアター(西23丁目333番地)が22日から28日まで、LOOKシネマズW57(西57丁目657番地)が13日から15日、18日から21日、23日から25日までの週末特別上映と一夜限りのプログラム。また韓国文化センター・ニューヨーク(東32丁目122番地)では13日〜27日にヒット映画の特別コラボレーション・プレゼンテーションが行われる。

 今年のNYAFFは、中国、韓国、日本、香港、台湾、タイ、インドネシア、モンゴル、マレーシア、フィリピン、ベトナムなどからの、世界初上映9作、インターナショナルプレミア12作、北米初上映38作、合計90作品以上が上映される。

 20日(土)午後12時30分からは、ベスト・フロム・ジ・イースト賞を受賞の人気若手俳優・山崎賢人が、キングダム・シリーズの最新作『キングダム 大将軍の帰還』上映会場に登場し、授賞式と質疑応答を行う。(写真上 ©Yasuhisa Hara:SHUEISHA ©2024 “KINGDOM” Film Partners)原泰久の同名人気漫画を実写映画化した大ヒット作「キングダム」シリーズの第4作。山崎賢人のほか、吉沢亮、長澤まさみ、大沢たかお、吉川晃司、小栗旬ほか豪華俳優が出演している。監督も引き続き佐藤信介が務め、原作者の原も1作目から通して脚本に参加している。日本では今月12日から全国公開。2024年製作、145分。

(写真左)©2024 “BABY ASSASSINS NICE DAYS” Film Partners

 そのほかの参加作品は次の通り。『市子』、『怨泊  Onpaku』、『陰陽師ゼロ(The Yin-Yang Master Zero)』、『カミノフデ〜怪獣たちのいる島(Brush of God)』、『カラオケ行こ!(Let’s Go Karaoke)』、『九十歳。何がめでたい(90years Old – So What?)』、『ゴールド・ボーイ』、『基盤斬り(Bushido)』、『青春18×2 君へと続く道(18×2 Beyond Youthful Days)』、『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(Babby Assassins: Nice Days)』、『オン・ア・ボート』、『Bottle George』。

 入場料は一般19ドル、学生・シニア17ドル、3作品以上の購入でディスカウントもある。チケット・スケジュールなどの詳細はウェブサイトhttps://www.nyaff.org/を参照する。

編集後記

【編集後記】


 みなさん、こんにちは。前回の発行から2週間も新聞が出ない時間が開くといろいろなことがありますね。この間、日本からの芸能関係者やエンタメ系のイベントが目白押しでした。戸田恵子さんの「虹のかけら」はカーネギーホールで2夜開催されて熱演の舞台でしたし、歌姫の八神純子さんの初ニューヨークライブ公演は老舗ジャズクラブのバードランドでこちらも2夜開催されて共に満員御礼。そして相撲とお寿司をセットにしたエンターテインメント日本文化紹介イベントが相撲界のレジェンド小錦さんの司会でブルックリンのネイビーヤードで開催され、アメリカ人の相撲人気が伝わってきました。一方、政界に目を向ければ大統領選挙初のCNN主催のディベートでは現職のバイデン大統領が精彩を欠き、NYタイムズからも叩かれ退陣の声まであがる始末。トランプ氏に少し追い風ムードが出てはいますが、選挙は水物。当日の当日になるまでは分かりません。誰もがヒラリー・クリントンだと思っていた時にトランプ氏が勝利したあの時、一番驚いたのはトランプ氏自身だったのですから。ただ前回のトランプ氏と異なるのは、圧倒的な支持を得ていた白人労働者層に加え、今回は、インテリ層、識者からも一部支持されつつあるという点でしょうか。日本の東京都知事選も混沌としてますが、メインイベントの大統領選、9月10日に開催されるABC主催の2回目のディベートはさらに見ものですね。そしてこの2週間の間に円安が進み1ドル160円台に突入。とまあ今週号も盛りだくさん。記事が溢れ24ページに増ページしてお届けします。明日は独立記念日(この原稿は3日に配信してます)。ハリソンでも花火が上がるみたいです。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2024年7月6日号)

(1)エンパイアが観光名所世界1に

(2)戸田恵子が虹のかけら熱演

(3)八神純子NYで熱唱 バードランド2夜満席

(4)相撲と寿司で日本文化紹介 小錦さん名司会

(5)オッペンハイマー、広島被爆者に謝罪

(6)NYで被爆者が証言 広島の田中さん 長崎の小川さん

(7)フィラデルフィア物語

(8)信号を守らないニューヨーカー ニューヨークの魔法

(9)JAPAN CUTS 2024 日本映画31本を上映

(10)金継ぎ着想のアートジュエリーに熱い視線 MAIさん

観光名所世界一位、エンパイア・ステート・ビル

観光名所世界一に選ばれたエンパイア・ステート・ビル(7月1日、三浦良一撮影)

 オンライン旅行会社、トリップアドバイザーはこのほど、2024年度の「旅行者が選ぶベスト・オブ・ザ・ベスト・シング・トゥ・ドゥ」の世界ランキングを発表し、エンパイア・ステート・ビルが初めて1位に選ばれた。

 同サイトは世界800万人以上の利用者が12か月間に投稿したデータを基に、各観光名所を評価した。エンパイア・ステート・ビルについては、利用者の6万人以上が5つ星で評価した。同サイトは「旅行者は360度見渡せるニューヨークの絶景に感動し、展望台から小さく見える市内の名所を指さすことができる。天気がよければ全6州を確認することもできる」と解説し、同ビルを訪れた300人以上が「一生に一度の経験だった」と感想を伝えているという。報告を受けた同ビルは6月25日夕、トリップアドバイザーのアイコン色である緑にライトアップした。

 以下、同ランキングの上位5位は、2位エッフェル塔、3位アンネ・フランクの家(アムステルダム)、4位サグラダ・ファミリア(バルセロナ)、5位クリスタルの洞窟(ケイマン諸島)。

 ランキングの詳細はウェブサイトtripadvisor.comを参照する。

虹のかけら熱演

戸田恵子が一人芝居

カーネギーホールで

写真・佐々木悠人

 女優・戸田恵子が6月25日と27日夜、カーネギーホールのワイル・リサイタルホールで一人芝居「虹のかけら」(フジサンケイ・コミュニケーションズ、FCI主催)を上演した。映画「オズの魔法使い」で全世界のアイドルとなった天性のミュージカルスター、ジュディ・ガーランドの人生を、代役兼付き人として支えた同名のジュディ・シルバーマンという1人の女性の視点から描いたオリジナルストーリーだ。脚本は演出家の三谷幸喜氏。戸田の還暦の記念に三谷氏が書き下ろしたもので、初演は2018年5月。パンデミックを挟んで5年ぶりの上演となった。

 プロットや歌う曲目などは日本とほぼ同じだが、カーネギーホールは音楽ホールのため、フットライトやスポット照明、字幕などはなく、舞台セットも基本ない状態での演技。戸田にとっても新鮮な一人芝居で「こんな明るい舞台でやったことがない」と驚いていたほど。音楽はピアノ・荻野清子、ドラム・BUN Imai、ベース・鈴木陽子。客席は両日共に満席で戸田のオーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)の歌声がカーネギーホールに美しく響いた。

 2日目。最終日の舞台に現れた戸田は、満面の笑みを称えてステージの中央で両手を広げ「2日目の今日がベストです。最高の演技ができると思います」と観客の心を見事に掴んだ。

 トニー賞、グラミー賞を受賞し、アカデミー賞にもノミネートされたジュディ・ガーランドは、しかし自身でオスカーを手にすることはなかった。3度の結婚に失敗し、薬物中毒となるなど晩年は孤独だった波乱の人生を、横から友として、付き人として支え、そして時として嫉妬して生きた主人公を歌と芝居で演じ、観客を釘付けにした。カーネギーホールには、母ジュディが取ることのできなかったオスカーを手にした娘のライザ・ミネリの写真が飾られている。大劇場には芸術を守るミューズ(女神)も魔物も住んでいると言われる。その両方に見守られて、戸田はカーネギーホールの天井から降り注ぐ虹のかけらを一身に浴びた。      (三浦)