年末年始に夢の初共演 フィラデルフィア管弦楽団

大晦日にHIMARI
年明けに久石譲

 バイオリニストのHIMARI(吉村妃鞠・写真左、Photo Hitoshi Iwakiri)が大晦日の12月31日(火)、作曲家の久石譲(写真右、Photo Nick Rutter)が指揮者として新年明けて1月3日(金)と4日(土)にフィラデルフィア管弦楽団とそれぞれ初共演する。会場は楽団本拠地、同市内キンメル・センター・フォー・ザ・パフォーミングアーツ。

 フィラデルフィア日米協会が同楽団との相互協力によりチケット購入時の割引コードを提供している。また、この割引コード利用者限定の交流スペースを会場内に設けるという。

Photo Jeff Fusco

 日米協会副理事長であり、同楽団大使も務める穎川廉さんは「各地から集まったファン同士が、演奏前の楽しいひとときを共に過ごせるように割引コード利用者限定の交流スペースを会場内に設けた。名高く華麗なフィラデルフィア・サウンドが、久石譲の作品をどのように表現し、HIMARIの演奏をどのようにサポートするのか、ファンにとって忘れられない体験になるでしょう」と話している。

 大晦日に演奏するHIMARIは、2011年東京都生まれ。本名は吉村妃鞠。3歳のころにバイオリンを始め、 10歳までに出場した国内外の42のコンクールすべてで1位を獲得し、22年、超難関のアメリカ・カーティス音楽院(大学に相当)に合格。慶應義塾幼稚舎を小5で一時退学し、同年9月から米国に在住しながら日米を行き来して演奏活動中。

 年明けに演奏する久石譲は、1950年長野県中野市生まれ。本名は藤澤守。国立音大時代に活躍していたクインシー・ジョーンズの名前(ク=久、インシー=石、ジョーンズ=譲)をもじり漢字に当てた。映画音楽を中心に手掛け、特に宮崎駿監督作品においては、「風の谷のナウシカ」以降、「君たちはどう生きるか」まで39年間すべての長編アニメーション映画の音楽を手掛けた。多数のソロアルバム、映画音楽など幅広く活躍し、1992年から3年連続日本アカデミー賞最優秀音楽賞をはじめとした数々の音楽賞を受賞。現在はクラシックに戻り、今年4月から3年の任期で、英ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団のコンポーザー・イン・アソシエーションを務めている。

 チケットは、楽団の公式ホームページ(https://www.philorch.org/)から購入可能。割引コードの問い合わせはEメール[email protected] 

年収103万円の壁  主婦は働けない国、日本! 

 今日本では、「年収103万円、106万円、130万円の壁」が政治問題となっています。「壁」とは、夫に扶養されてパートなどで働く主婦らが、税金負担などを避けるために勤務時間を伸ばせない年収額のことです。この「働き控え」となる年収の額は、それを超えると所得税が生じる103万円の他、超えると年金や健康保険の支払いが生じる106万円と130万円など6つと言われます。10月27日の総選挙で躍進した国民民主党の政策を自民党と公明党の少数与党が受け入れて、103万円を超えることは合意しました。

 近年の最低賃金の上昇に伴い、パート社員が壁に達する勤務時間は短くなっており、「手取り額」の減少で生活が苦しくなっても勤務時間を伸ばせない働き控えが増え、企業にとっても人手不足の一因となっています。

 しかし、国民民主党が主張する178万円の引き上げでは税収が7兆6000億円も減り、教育費や医療費などが減少する全国知事会などから慎重意見も出ています。政権維持のために、28名の国会議員による国民民主党の要請を受け入れたものの、財源も不明で、値上げ幅は今後の交渉次第です。

 根本的な問題は、今の税と社会保障は、働く夫を妻が支える「片働き世帯」を前提に設計されていることです。会社員や公務員の妻で年収が一定以下なら保険料負担なしで国民年金や健康保険に加入できる「専業主婦の無年金対策」の制度もあり、労働組合の代表の連合は、今年段階的な廃止を提案しました。

 「主婦は働けない」制度設計を、今の夫婦共働きの時代にあった制度に変更することが重要です。介護職員の待遇改善など育児や介護を社会で担う仕組みを整備し、長時間労働の男性社員の働き方を変えて育児休暇をしっかりとれる政策と社会作りが必要です。

 11月6日の米国大統領選挙と10月27日の日本の総選挙の共通点はStatus Quoの否定だと思います。特に日本では、これまでの一党支配から群雄割拠状態にある各政党が、来年7月の参議院選挙までは、政策を国民に競う「政策コンテスト」の期間を迎えます。

 これを機会に、国民の「手取りを上げる」とともに、若い人々の負担感も解消して、全世代が負担を分かち合う税と社会保障制度の抜本的改革の道筋をつけてほしいと思います。

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

HASHIさん 葬儀しめやかに

 11月12日にNY市内の入院先で亡くなった写真家、HASHIさんこと橋村奉臣さん(享年79歳)の葬儀が11月24日午後、グリニッチビレッジ葬儀社でしめやかに行われた。1980年代から米広告業界で写真家として活躍した当時の写真作品が会場に並べられた。当日はニューヨークの広告業界関係者、写真関係者が多く集まり、喪主の長男、賢太郎さんと長女の光(あかり)さんから来場者に生前のHASHIさんへの親交と応援に感謝の言葉が述べられた=写真=。

 橋村さんは1945年大阪府茨木市生まれ。1968年に来米。74年にHASHIスタジオを設立。1980年代前半より肉眼では捉え難い2万分の1秒の世界をとらえた独自の技法、「アクション・スティル・ライフ」で一世を風靡し、広告業界において、その地位を不動なものにした。橋村さんは自宅近くのスーパーで買い物の帰り、マンハッタンの路上で暴漢に突き飛ばされて転倒、後頭部を強打し、緊急入院から3週間後に亡くなった。

日米の企業を縁結び 東京都がNYで誘致活動

スタートアップ企業対象に
TOKYO SUSHI NIGHTブルックリンで

 東京都は21日夕、ブルックリンのネイビーヤード内にあるスタートアップ企業の集積ラボ「ニューラボ」で米国スタートアップ企業の東京誘致を促すイベント「TOKYO SUSHI NIGHT」を開催した。ニューヨーク市経済開発局、ジェトロNY事務所、ニューラボ共催。当日は、東京都の宮坂学副知事が来米して登壇、東京でのビジネス展開の魅力をアピールし、東京への進出を呼びかけたほか、ジェトロニューヨーク事務所の三浦聡所長がジェトロが行っている海外企業に対する日本進出サポートなどについてスライドを使って説明した。

 都は「世界から選ばれ・世界をリードする都市」を目指し、都内経済の活性化や都民の生活の向上につながる、海外スタートアップの誘致に向けた取組を推進しており、ニューヨークでは今年1月に第1回のイベントを開催。5月には場所を東京に移し、参加者4万人を超える規模で「SUSHI TECH TOKYO」に改名して開催している。NYでの実施は2回目。SUSHI TECHは「サスティナブル・テクノロジー(持続的な技術)」にかけたタイトルで、エコ、環境エネルギー関連のニューヨークのスタートアップ、投資家、アクセラレーターら350人が参加した。これらスタートアップ企業と日本企業とを結びつけるのが狙いで、当日は、アンモニア燃料、バッテリーメーカー、オンライン購入サイト、遠隔介護システム、海洋航行省エネ技術の全米から集まった5社が自社をプレゼンテーションした。パネルディスカッションも行われた。

  宮坂副知事は「海外企業が来るのを日本で待っているだけではなく、また委託業者に任せきりにするのではなく、都自身が実際にやってきて、直接対面で対日進出を呼びかけることが大切だと皆さんに会って実感した」と話した。プログラム終了後には、日本の伝統的な食文化を通じて日本文化を体験できるネットワーキングセッションも行われ参加者たちが交流した。

日米の企業から約350人が参加して開催されたNYイベント

岸田理生「糸地獄」ハンター大で演劇上演へ

日本語プログラムの学生制作

来年1月30日から2月1日まで上演
会期中にゲスト招き講演会も開催へ

 ハンターカレッジの日本語プログラムの学生が、この冬、岸田理生(故人)による戯曲『スレッド・ヘル(糸地獄)』の共同制作に取り組む。これは2024年春に日本プログラムと演劇学科が提供した「現代日本演劇」コースに学生たちが参加したことを受けて、制作が決定した。演出はハンターカレッジの日本芸術文化学科教授であり、日本の舞台芸術を専門とするアレックス・ロガルス氏が担当する。この演劇は、コリーン・ランキ氏と常田景子氏による英語訳の『スレッド・ヘル』を使用して上演されるが、岸田の原作の日本語字幕も表示される。公演は一般公開され、来年1月30日から上演される。

(写真)上演会場となる同大内ケイ・プレイハウス

 「糸地獄」は1984年に岸田(1946〜2003)の劇団、岸田事務所+楽天団によって日本で初演され、同年の岸田國士戯曲賞を受賞した。自分が誰なのか、どこにいるのかもわからないまま、1939年の日本で目覚めた女性マユの物語である。彼女は糸と絹糸の工場に連れて行かれ、そこで女性たちは昼間は絹糸を紡ぎ、夜は売春婦として働いていた。マユがこの悪夢から抜け出そうともがくうちに、この絹糸の店の裏に隠された真実が明らかになり、糸を操っているのは誰なのかが明らかになる。

 現在このプロダクションは、多数のゲストスピーカーを招き、現代の日本演劇における女性や岸田理生の生涯と作品について、公演前に講演を行うことを希望しており、日本の企業や個人に支援を呼びかけている。寄付の詳細はhttps://hunter.cunytuesday.org/organizations/japanese-programを参照する。

ホリデーイベント・イン・ハドソンバレー

 感謝祭が終わって街は一気にホリデーシーズンへと衣替え。今号では日帰りで楽しめるハドソンバレーのホリデーイベントをご紹介。

■ナッツクラッカー・ショート&スイート

 ホリデーシーズン定番のバレエ「くるみ割り人形」を約1時間に短縮し、子供も楽しめるようにアレンジした作品。お馴染みのチャイコフスキーの音楽はそのままに、ハドソン・バレエ団の軽妙なダンスと魅力的なナレーション、衣装は、子供だけではなくバレエ好きの大人も十分に楽しめる。対象年齢は3歳以上。公演は8日(日)のみ、午後1時と5時の2公演。チケット25ドル。会場 Paramount Hudson Valley Theater (1008 Brown St. Peekskill) https://paramounthudsonvalley.com/

■ポーラー・エキスプレス・トレイン

 キャッツキル・マウンテン鉄道の蒸気機関車に乗って北極へ行こう!絵本「ポーラー・エクスプレス」をテーマにした列車の旅では、車掌が金色のチケットにスタンプを押し、踊るシェフがホットチョコレートとクッキーを振る舞い、皆でキャロルを歌う。北極に到着すると、サンタとエルフが出迎えてくれる。乗客全員にベルのプレゼント付き。会期は12月29日までの金〜日曜。日によってオフピークとピークに分けられ、列車の便数と料金が変わる。オフピークは午後1時、3時、6時の3便で子供36ドル・大人46ドル。土日は午後8時が追加されて4便となり、子供45ドル・大人55ドル。すべての列車はキングストンプラザのウェストブルック駅から発着する。Westbrook Lane Station (55 Kingston Plaza Rd, Kingston) https://catskillmountainrailroad.com/event/the-polar-express/

■ワンダーランド・オブ・ライト

 今年で4年目を迎えるホリデー電飾イベント。ダッチェス郡ラインベックの広大な原っぱに設置された観覧ルートを車で通りながら電飾と音楽のハーモニーを楽しむ。天候に左右されず、暖かい車内からさまざまなホリデー電飾を見学できるので、小さな子供連れも安心して楽しめる。所要時間は20〜30分、停車したり車外に出る事は禁止。会期は12月29日までの木〜日曜の午後5時から9時(金土のみ午後9時30分)まで。料金は普通車(8人まで)手数料込みで34ドル60セント。ワンダーランドに行く前にラインベックのチャーミングな街並みを散策するのもお勧め。会場 Dutchess County Fairgrounds (6636 Spring Brook Ave. Rhinebeck)https://www.thewonderlandoflights.com/dutchess-county-fairgrounds

■ベアマウンテン・アイススケートリンク

 ホワイトプレーンズから車で約45分、州立公園の一角にある屋外スケートリンク。ベアマウンテンを眺めながら、冷たい空気の中でアイススケートを楽しもう。開場は金〜日曜の午前10時から午後9時30分(日曜のみ午後7時30分)まで。チケットは1時間半ごとのセッションに区切られ、4歳以上5ドル。スケート靴レンタルは子供サイズ8から大人サイズ13まであり、一足10ドル。リンク近くの山荘風ベアマウンテンインで食事やお茶を楽しんだり、エネルギーが余っている人はトレイルを歩くも良し、スケート以外にも色々楽しめる。駐車料金10ドル。Bear Mountain Ice Rink (3020 Seven Lakes Dr.Tomkins Cove) https://www.bearmountainicerink.org

『別れのサンバ』 長谷川きよし・著、川井龍介監修

歌とギターが語る人生

長谷川きよし・著
川井龍介監修・旬報社・刊

「今度また、新しい本を出すんだ」

「へえ、何の?」

「長谷川きよし」

「・・・渋いね」

「渋いよ」

 そんな短い会話があった数か月後、マンハッタンのロックフェラーセンターに近いビルの谷間の編集部に、JAPAN POSTの国際郵便が届いた。川井龍介からだった。袋から出すと『別れのサンバ』帯に「歌とギターが語る人生という名の旅」とある。あの、流れるような歌声が記憶の彼方から甦ってきて、静まりかえったオフィスに漂うような不思議な錯覚を覚えた。初めてあの曲を聴いたのはかれこれ中学生の頃ではなかっただろうか。

 長谷川きよしは、1949年に東京で生まれ、2歳半で失明。6歳からギターをはじめ18歳の時にシャンソン・コンクールで4位となり、銀巴里はじめ都内のレストランなどで弾き語りをする。1969年自作の「別れのサンバ」でデビュー、ラジオ深夜放送で流れ大ヒットとなる。加藤登紀子とのデュエットによる「灰色の瞳」や「黒の舟唄」などのヒットを放つなど、唯一無二のスタイルで活動を続け、1993年、名アルバム「アコンテッシ」をリリース。2012年にはNHKの大人の音楽番組「SONGS」に出演、若者からもギターテクニックと歌唱力が好評を得る。現在も京都を拠点に活動を続けている。今年75歳になったというが、同書では幼少のころの記憶から子供時代、音楽との出会い、高校まで通った国立盲学校時代の音楽生活など、少年長谷川きよし、青年長谷川きよしが何を思い、何を考えながら音楽の道へと歩んでいったのかが、川井のノンフィクション作家としての取材力で、長谷川きよしの語り口調までが行間から聞こえてくるような本に仕上がっている。

 クラシックギターからシャンソンに小学校時代に魅力にとりつかれた。高校卒業後社会に出て、ギターで弾き語りをしているときに音楽事務所の目に止まるのには時間がかからなかった。フォーク全盛だった時代に、異色のシンガーソングライターとしてのデビュー。当時よく盲目の歌手ホセ・フェルシアーノと比較されたが、音楽的には全く別の世界観を持っていた。

 70歳をこえて体の衰えを感じるようになったというが、パンデミックが明けてからは、再婚した奥さんのサポートもあって歌うことをまた始めて、80くらいまでなら、マイペースでやっていけるのではないかという気持ちを綴っている。

 同書を監修した川井は、1980年代半ば、毎日新聞記者をやめた後フロリダのデイトナ・ビーチの地元紙で研修し、その帰途NYに立ち寄り、当時私が働いていたNY読売という新聞の新年号で「NYにはいつも音楽がある」という記事を書いてくれた。地下鉄ホームのバイオリン弾きの話だった。いまは便利だ。YouTubeで往年の名曲がどこにいてもすぐ聴ける。クリスマスホリデーシーズンで賑わう五番街も深夜午前0時を回ると静かなものだ。長谷川きよしの「別れのサンバ」を聴きながらグランド・セントラル駅まで歩いた。     (三浦)

編集後記

【編集後記】


 みなさん、こんにちは。日系俳優で社会活動家のジョージ・タケイ氏の自伝的絵本『MY LOST FREEDOM』がランダムハウス・チルドレンズ・ブックスから出版されました。第二次世界大戦中の収容所での幼少期を描いた作品です。1942年2月19日、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が大統領令9066号に署名し、西海岸に住む米国民および日本人の血を引く非市民の12万5000人の強制退去と収容を認めたことによりタケイ氏の人生は一変しました。 タケイ氏は5歳で収容所に入り、3年後の1945年に終戦を迎えるまで収容所にいたそうです。「有刺鉄線のフェンスに囲まれた子供時代が、私が活動家になった理由です。兵士たちがドアを叩いたとき、自分がどんな目に遭ったか、どんなに怖かったか、そして両親が兄弟姉妹と自分が戸惑うばかりの新しい家で安心できるようにしてくれたことなど、とても鮮明に覚えています。このアメリカの歴史の一章を子供たちに伝えることが私の使命。そうすることで、私たちは皆、民主主義の脆さと重要性を知り、それに参加しながら成長することができる」と語ってくれました。同氏は、『スタートレック』のヒカル・スールー役で世界中で知られる俳優であり社会活動家です。日系人強制収容所に関しては2014年にブロードウエーミュージカル『アリージャンス 』(Allegiance)で主演男優を務めました。ジャパン・パレードのマーシャルも務めているので沿道で見た読者も多いはず。同書は日本では来春北丸雄二氏の訳で翻訳版が刊行される予定です。今週号19面の書評欄で紹介しています。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2024年11月23日号)

(1)NY渋滞税が決定 来年1月5日から

(2)出雲のOKUNI 好演 2人芝居NYで

(3)ストックホルムを歩くかわいい奥さま ニューヨーク物語

(4)パニックさえしなければ苦境は通り過ぎる 闘いの現場から2

(5)大統領選を総括 津山恵子さんJAAで

(6)連続通り魔殺人 マンハッタンでさされ3人死亡

(7)Brooklyn のヤマモトさん

(8)お刺身を使ってできる美味しい家庭料理

(9)審査員席からのコンペティション(2)田村麻子

(10)日系人強制収容の自伝絵本 ジョージ・タケイさん

NY渋滞税が決定 来年1月5日から

1月5日導入へ

15ドルから9ドルに値下げ

 キャシー・ホウクルNY州知事は都市交通局(MTA)に14日、一度は断念した渋滞税を2025年1月5日から導入することを承認した。交通渋滞の緩和や温室効果ガス排出削減の目的で提出された同法案は当初、今年6月からマンハッタン中心部に乗り入れる車両に15ドルの渋滞税を課すとしていたが、労働者の経済的負担が大きいとして、導入が無期限中止となっていた。改めて導入が決まった渋滞税の基本料金は、当初の策定と比べて大幅に減額し9ドルとなる。

 同基本料金は、E-Zパス搭載の自家用車で、日中午前5時から午後9時の通行に適応する。オートバイは4ドル50セント、小型トラックと非通勤用バスは14ドル40セント、大型バスと観光用バスは21ドル60セント、タクシーおよびハイヤーは1回毎に75セント、ウーバーやリフトなどのライドシェアは1回毎に1ドル50セント。午後9時から午前5時の夜間は、最高75%の割引となる。同基本料金は28年に12ドルに値上がりする。課金区間は、マンハッタン・サウスとセントラル・パーク全域を含む60丁目以南で、FDRドライブやウエストサイドハイウエー、バッテリーパーク・アンダーパス通行車は、有料圏内の道に出ない限り課金対象外となる。

 同日付のNYタイムズ紙の記事は、同州が導入の日程を早めた理由について「同法案を否決しかねないドナルド・トランプ氏の大統領就任前に執行する必要があった可能性がある」と伝えている。同州政府は渋滞税の税収で、MTAの五か年工事計画の予算に最低330億ドルを充てることができると見込んでいる。

出雲のOKUNI 好演 2人芝居NYで

歌舞伎のルーツをNY舞台で伝える2人芝居23日まで

 ニューヨークで上演されている舞台「OKUNI」(本紙10月26日号既報)が好評だ。現在男性のみで演じられている歌舞伎は、400年前に「出雲の阿国(おくに)」という一人の女性によって創り出された。エミー賞作品賞を受賞した「将軍」で大蓉院/伊予の方を演じたアマテラス座芸術監督のアコ(Ako)が、有吉佐和子の小説『出雲の阿国』にヒントを得て脚本・演出・主演する二人芝居だ。ニューヨークのシアター・ロウ(西42丁目410番地)で現在上演されている。

 日本の歌舞伎がどのように生まれたのか、「数々の識者がさまざまな見解を述べられたものも読み、私の中で、阿国像が少しずつ見えてきました。なぜ男の格好をしたのか、なぜ観客が阿国の踊りを観に来たのか、何が阿国を版画に残される程の人気者にしたのか? 私なりに、阿国がどのように作品を創り出したのかを、見つけました」と言うアコが体当たりの演技を見せている。  

 日本からベテランの俳優木村靖司を招き、田中舘芙未が太鼓と笛をライブ演奏する。主演のアコ(Ako)は東京出身。宝塚歌劇団元メンバーで藤間流紫派の師範名執。エミー賞を受賞した「将軍」で大蓉院/伊予の方として出演。2018年に劇団アマテラス座創立(11面NY生活ウーマン欄)。

 共演する木村靖司は東京出身。舞台、映画、テレビ俳優。1989年から劇団ラッパ屋の一員として活動。「アグリ」、「軍師官兵衛」、などの作品に出演。本作でも見事な演技を見せている。田中舘芙未は音楽アーティストで、ピアノ、日本の打楽器、そして竹笛を得意とする。メトロポリタン美術館、ルービン美術館、東京のスーパー・デラックスなどの会場でパフォーマンスを行った経験がある。上演は23日(土)まで。セリフは日本語で英語字幕。チケット詳細はウェブサイトhttp://www.amaterasuza.org/まで。

宝塚の魂を胸に秘めて米舞台で大活躍

Amaterasuza芸術監督
Akoさん

 日本の歌舞伎がどのようにして生まれたのか、そのルーツをさぐる創作舞台「OKUNI」がタイムズスクエア地区のシアターロー劇場5(西42丁目410番地)で好評上演中だ。主役の阿国(おくに)を演じている。「私が阿国に出会ったのは、数十年前に読んだ有吉佐和子さんの小説です。400年以上前の日本で、現在男性のみで演じられる歌舞伎を創り出したと言われている阿国にずっと興味がありました。私なりに、阿国がどのように作品を創り出したのかを見つけました。あの戦国時代の終焉に向かって流動していた日本で、生き延びた阿国と彼女の創り出した歌舞伎の、今も生き続けるエネルギーを、皆様に少しでも感じて頂ければ幸いです」と話す。舞台は今月23日が最終公演。チケット詳細はウェブサイトhttp://www.amaterasuza.org/

 Akoさんは2年間の宝塚音楽学校を主席で通し卒業、宝塚歌劇団の月組で8年間「夏海陽子」の芸名で「オクラホマ」「ウエストサイド・ストーリー」「嵐が丘」などに出演し新人賞、歌唱賞、演技賞を受賞。テレビではレギュラー「たぬき先生奮戦記」「たぬき先生繁盛記」「別れて生きる時も」、準レギュラー「ぬかるみの女」「水戸黄門」「江戸を斬る」、舞台は「大川橋蔵公演」「高橋英樹公演」「美空ひばり公演」「里見浩太朗公演」「中村鴈治郎公演」などに出演した。1981年にニューヨークへ渡り、リー・ストラスバーグ演劇学校に入学。1985年に「C級横浜裁判」のオーディションに受かり芸名を「AKO」として、アメリカでの演劇活動を始めた。

 映画や米テレビ「ヒマラヤ杉に降る雪」「ノー・リザベーション」「スリープ・ウォーク」「大統領のクリスマスツリー」「I Origin」、「30 Rock」「Mercy, BBC」「プリズナーズ・イン・タイム」などに出演、舞台はオレゴン・シェイクスピア・フェスティバルに3年在籍し、2010年に黒澤明監督の「蜘蛛の巣城」を英語版にリメイクした「Throne of the Blood」で主役の浅茅を演じた。今年公開され、エミー賞を獲得したFX 「SHOGUN」で大蓉院/伊予の方を演じている。18年にNPOの日米両語の劇団「Amaterasu Za」をニューヨークで設立、芸術監督を務める。

 「将来は、長崎で被爆された林京子さんのエッセイをもとに舞踊家の大竹えいこさんが翻訳された一人芝居とアジア人がそれぞれの母国語で演じるマルチ・アジアンマクベスを企画しています」。ますますの活躍が期待される。

 (三浦良一記者、写真も)