マリーパット、の中身ご開帳 ニューヨークの魔法

 私のどこが一番好き? ってモンティに聞いたら、なんて答えたと思う?

 電話の向こうで、友人のマリーパットが弾む声でそう聞いた。モンティは彼女の夫だ。

 You’re not judgmental.

 君は、批判がましい偏 った判断をしない。

 モンティったら、そう言ったの。最高のほめ言葉じゃない? 今、部屋に私しかいないから、この話を聞いているのはトイレくらいだけど、それでも顔が赤くなるわ。

 そして、いつも歯に衣を着せない言動で、周りをひやひやさせる彼女が、意外なことを口にした。

 Every person is like a gift. You have to open them up to find out what’s inside.

 人は誰もがプレゼントのよう。中に何が入っているかは、開けてみてのお楽しみ。

 人は見かけではわからない。性急に一方的な判断をしてはいけない、ということだ。

 マリーパットが考えたにしてはまともすぎる言葉だが、心にしみる。

 昨年、彼女と一週間、過ごした。ふたりのフロリダ州の別荘に遊びに行ったのだ。

 私のために、香りのいいおしゃれな石けんや洗い立てのふかふかのタオルを用意し、大きなベッドルームに通してくれた。オープンで大らかで、誰とでも気さくに言葉を交わすマリーパットだが、一緒に暮らすといろいろ新たな発見があった。

 小さな丸いキッチンテーブルには、椅子がふたつしかない。朝、ふたりがまだ寝ていたので、アイパッドで仕事をしていたら、起きてきたマリーパットに、それは私の椅子よ! としかられた。

 コーヒーカップをテーブルに置けば、ああ、だめだめ、こぼれたらどうするのと、その三回りほど大きなスープ皿にキッチンペーパーを敷き、その上にカップを置き直す。

 彼女が夕食を作ってくれ、そのあと皿洗いをしていたので、私も手伝うわ、と申し出ると、じゃあ、食器をふいて、と言われた。

 水切りカゴがないので、カウンターに伏せた食器はまだびしょびしょだ。

 もう少し待ってから、ふいたほうがよくない?

 それが彼女の逆鱗に触れた。ミッツィもモンティも、気に入らないなら外食して!

 向こうで黙々と何やら片付けをしていたモンティまで、とばっちりを食った。

 共感を求めてモンティを見つめるが、私と目を合わせようとはせずに、何事もなかったように淡々と片づけを続ける。慣れたものだ。

 私は黙って食器をふき、その夜、三人はほとんど言葉を交わさずに寝た。

 でも翌朝は、いつもの彼女と私に戻っている。最後は別れを惜しみ、抱き合った。

 先日、マリーパットからメールが届いた。

 前回はサトシ(私の夫)が来られなかったから、次は一緒にフロリダに遊びに来る?

 来年のゲストの予定を立てたいから、まずミッツィに声をかけたのよ。

 あんなこと言われたんだから、二度と行かないでしょ? 彼女を知る人にそう言われたけれど、さっそく訪ねる予定を立てている。

 だってほら、人はプレゼントのようだから。それは私も同じ。今度はどんな中身が飛び出してくるか、開けてみてのお楽しみ。彼女のルールさえわかれば大丈夫だ。

 次も一週間。これはふたりのゲストの最長滞在期間らしい。アメリカ人がどんな顔して、ルールに従っているのか見てみたいものだ。

 ええ、なんか緊張するなぁ。そうおびえている夫も、彼女に何かガツンと言われるかも、と私は内心、楽しみにしている。

 このエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ第9弾『ニューヨークの魔法は終わらない』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

塩谷さんに外務大臣表彰

日本文化の普及に貢献

 ニューヨーク日本総領事館は13日、令和6年度外務大臣表彰を受賞した塩谷陽子ジャパン・ソサエティー芸術監督への外務大臣表彰伝達式を行なった。

 塩谷氏は、2006年にジャパン・ソサエティーの芸術監督に就任し、今シーズンは同氏が舞台芸術プログラムの指揮を執ってから20周年となる。塩谷氏が手がける歌舞伎、能などの古典芸能、現代演劇、ダンス、音楽といった日本の舞台芸術公演や専門家によるレクチャーは、米国人の間で好評を博すほか、日本の伝統芸術など日本との関わりがある新作を米国アーティストに委嘱するプログラムを立ち上げ、ジャパン・ソサエティーにおいて日本芸術の北米ツアーや日米共同制作作品のプロデュースを増加させるなど、日米の相互理解及び友好親善の促進、米国における日本文化の普及に寄与に寄与したことが功績として認められた。

 塩谷氏は表彰後「日本のものをこちらに持ってくる場合は、ニューヨークで普通にしてたら見ないものが大事です。ジャパン・ソサエティーでしか見ることができないものがとにかく大事ですね。もちろんクオリティーが高くなくてはならないことは言うまでもありませんが。これまでは東京とニューヨークの団体、組織との共同プロジェクトが中心でしたが、これからは、もっと色々なところを巻き込んで、よい作品を皆さんに見ていただきたい」と語った。表彰状は、森和也首席領事から塩谷氏に手渡された。当日は櫻井本篤前理事長(元NY総領事・大使)ら大勢の関係者が祝福した。外務大臣表彰は、多くの人が国際関係のさまざまな分野で活躍し、我が国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている中で、特に顕著な功績のあった個人及び団体について、その功績を称えるとともに、その活動に対する一層の理解と支持を国民各層にお願いすることを目的に日本政府が授与している。

(写真)森首席領事から表彰状を受け取る塩谷さん(左)

日本語で文化祭 NYの高校生348人

ハンターカレッジで交流

 ニューヨークで日本語を学ぶ高校生348人が12日、ハンター大学で行われた文化祭に参加して、大学生や日本人と交流しながら日本文化を楽しんだ。

(写真上)けん玉を楽しむ参加者

 同祭の正式名称は「NECTJ文化祭@ハンター大学」。北東部日本語教師会(NECTJ、津田和男会長)主催「春祭り」の30回目にあたり、今年は初めてハンター大学と共同主催された。会場には13校からの生徒に加え、国際教育フィールド推進(本部・東京都)の公募で選ばれた高校生7人、ニューヨーク市立大学5校から約100人の学生や教員らも参加した。

 午前は、各校有志や支援団体・企業による茶道、花笠おどり、けん玉、着物など約40のブースで日本文化を体験した。和食の弁当を楽しんだ後、午後はスピーチコンテストやタレントショーを鑑賞した。

 タレントショーでは太鼓演技や空手の演武、ベース演奏やJポップ歌唱など各校の代表が舞台に上がり、会場からは大きな拍手が送られた。表彰式ではブース活動、ポスターやバッチのデザイン、ビデオスキットの優勝者、ラッフルの当選者などが発表され、自分たちの仲間が選ばれると各校からは歓声が上がった。

優勝したリーさん

 スピーチコンテスト決勝大会には7人が参加し、フランシス・ルイス高校12年生のメイユアン・リーさん(17)が優勝した。リーさんは「言葉がくれた世界」と題して、大好きなVチューバーをもっと楽しみたいとの思いで日本語の学習を始めたが、言葉には元々の意味を変えるような力があることなどにも気づけたと話し、言葉を学ぶ醍醐味についてスピーチした。閉会は、多くの参加者が舞台に上がり「はいよろこんで」を楽しく踊って、一日の幕を閉じた。

 毎年準備を重ねてきた高校教員は「今年は初めてハンター大学をはじめ市立大学各校の大学の参加を得て、大学生も巻き込んで連携したことは今回の成功に欠かせない要素だった」と話している。

  (小味かおる、写真も)

NY同窓会東京で開催 日本クラブとJCCI NY

第1回OBとOG会

 日本クラブとニューヨーク日本商工会議所(JCCINY)は、日本へ帰国した元会員同士の親睦と情報交換など、交流機会を創り出していくことを目的に、2023年に東京で「OB/OG会」を発足。第1回目となる「第0回 OB/OG会」が24年2月に開催した。

 第2回目となる「第1回 OB/OG会」は今月6日、東京の三菱商事ビル21階、三菱クラブで開催し、95人が出席した。賛同者でもある3大使の草賀大使が開会の挨拶、高橋大使が乾杯の発声、廣木大使が中締めの挨拶をした。NYで生活していたという共通点を持つもの同士がカジュアルな形式で再会し、旧交を温め、また東京で交流が再開できたなどと、出席者からは大変好意的な感想が多数寄せられた。次回は1年後の26年2月4日。会場は住友会館(港区六本木)を予定している。今後日本に帰国予定で会への参加希望者、また会に関する問い合わせは日本クラブ事務局Eメール[email protected]まで。

監督作品がアカデミー賞にノミネート 山崎 エマさん

 ジャパン・ソサイエティーで5日、山崎エマ監督の新作「小学校〜それは小さな社会〜(INSTRUMENTS OF A BEATING HEART)」のプライベート上映会とレセプションが行われた。同作品は、3本目の長編監督作品で、2023年東京国際映画祭でワールドプレミアし、現在さまざまな国の映画祭で上映され、配給中だ。3月2日に開催される第97回アカデミー賞ベスト・ドキュメンタリー・ショート・フィルムにノミネートされている。

 ストーリーは、小学校2年生の児童が、新入生を歓迎する会で楽器の演奏をすることになって、希望者を募り、練習を通して楽器の演奏がうまくなるように努力する過程を、丁寧なカメラアングルで子供の表情を捉えながら描いている。自薦で手を挙げた子供が選抜に漏れて涙を流す様子や、親友の選抜を心から祝うクラスメートの様子など、学校のクラスは児童たちにとって社会そのもの、大人の社会の縮図となっている。教室の掃除や給食の当番など、アメリカでは行われていない学校生活の様子もリアルに描かれている。

 山崎さんは神戸生まれ。イギリス人の父と日本人の母を持つ。大阪の公立小学校を卒業後、中・高は神戸のインターナショナルスクールに通った。19歳で渡米しニューヨーク大学映画制作学部を卒業後、巨匠サム・ポラードの編集助手としてキャリアを開始したのがこの世界で生きるきっかけとなった。

 今回の作品は「教育に関心を持ってもらいたいというか、日本のやり方というのは、日本の中では批判的な声もあるけれど、海外と比べることで、いいところに気づいたり自信を持っていいところがわかるかもしれない」というのが制作の動機だという。

 ジャパン・ソサエティーでの客席からは日本の教育の自己犠牲の部分についての質問もあったが「集団生活にはいいところと悪いところがあって、同調圧力とか連帯責任とか自己犠牲とか色々あるけれど、その裏には、協力し合えたり、我慢強いという子供たちがレジリエンス(「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」「再起力」)を持っている訳ですから、日本の良いところもあるので、正解は分からないけれど、要はバランスの問題で、全部がだめだとかいうことではないんだと思います」と語る。

 (三浦良一記者、写真も)

食卓を彩る美味しい小鉢4品

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (52)

 今月は、日本クラブのシェフ、鈴木博美さん=写真=に、だし巻きたまご、サーモンのアボカド納豆和え、胡瓜とカニカマ、わかめのピリ辛和えを、シェフ田代英敏さんに南瓜(かぼちゃ)レモン煮を作っていただきました。

 日本クラブのレストランは現在予約制。会員と会員のゲストが利用できるクラブ専用のレストランです。最高級の食材を使った料理が楽しめます。

日本クラブ レストラン

145 W57th St. New York, NY 10019

Tel  212-581-2223

https://www.nipponclub.org


◾︎だし巻きたまご

【材料】 

きのこ 3ピース

バター 小さじ1

たまご 3個

青のり

胡椒

出汁 大さじ1

醤油 少々

作り方】 

 オムレツを作る要領で溶いた卵に刻んだキノコ、出汁をよく混ぜ塩、胡椒、青のり、醤油を好みに合わせて調合し、フライパンにバターを敷いて焦がさないように手前から巻いていく。

包丁で一口大にカットして皿に盛り付ける。

▽中に熱が残っているうちにいただくのが美味しい。


◾︎サーモンとアボカド納豆和え

【材料】 

納豆 1パック

アボカド 半分

サーモンぶつ切り 少々

わさび

醤油

【作り方】 

(A)サーモンをぶつ切りにしてボウルに入れ種を抜いて皮を剥いたアボカド半分をサイコロ状にカットしてわさび醤油を混ぜる。(B)納豆1パックを混ぜないで器に盛り付け、その上に(A)を乗せて盛り付ける。▽食べる時に納豆とサーモン、アボカドを混ぜていただく。納豆の食感とアボカドの食感が口の中で合流、サーモンの味が絶妙のハーモニーを生み出す。


◾︎南瓜レモン風

【材料】 

南瓜(かぼちゃ) 4分の1

レモン 1個

ガムシロップ 

【作り方】 (田代英敏版)

 南瓜を切り、皮に模様を刻んで鍋で茹でる。柔らかくなったら冷やして、レモンを絞ったガムシロップに浸して1〜2時間漬ける。スライスしたレモンを小皿に敷き、その上に南瓜を盛り付ける。▽甘くて美味しい南瓜の魅力がレモンの爽やかさと相まって思わず「美味しい!」と叫んでしまう味。前菜にもデザートにもなる一品。


◾︎胡瓜とカニカマ、わかめのピリ辛和え

【材料】 

胡瓜 半本

豆板醤

ごま油

ごま

乾燥わかめ 小さじ1

カニカマ 3本

酢 少々

【作り方】 

 胡瓜をぶつ切りにしてカニカマ3本は3等分にカット、形を残したまま胡瓜、わかめ、市販の豆板醤、塩、ごま油、酢、ごまを和えて器に盛り付けるる。▽あっさりとした口当たり。

それぞれの美味さを引き立たせる調和の取れた一皿。簡単で美味しいのでぜひトライを。

NYコレクションで活躍するネイルアーティストたち

 今年も私たちのネイルチームが ニューヨークコレクションのバックステージネイルを担当し、今年は特に注目のブランドとコラボレーションしました。日本でも人気のANNA SUIでは、鮮やかなファッションに合わせたシンプルなブラウンネイルを提案。また、デビュー10周年を迎えた黒人アーティスト Tia Adeolaのショーでは、フランス貴族を思わせるエレガントなネイルを制作しました。さらに、ALTUZARRAでは、毎回恒例のシャネル「バレリーナ」 を使用し、ナチュラルで清潔感のある手元に仕上げました。

 ネイルデザインの制作は、デザイナーから送られてくる 服の柄やカラー、ショーの雰囲気 をもとに行われます。フィードバックを受けながら サンプルを作成し、最終的に150人以上のモデルのネイルチップを準備します。この作業は、私たちネイルアーティストが「ファッションの一部」として関われる 創造的な時間でもあります。今年のトレンドカラーは「ブラウン」。デザインは、メタリックやマグネットネイルにアニマルプリントを加えた斬新なスタイルが注目されました。アースカラーが中心となり、モダンで洗練された印象が特徴です。今回の私たちのネイルデザインは、Elleなどの有名メディアで「NYコレクションのベストネイル」に選出されました。サロンのネイルチームの団結力とトレンドを生み出す力は、ニューヨークのネイルサロンの中でもトップクラスに成長しています。

 名取由稀江:国際美容コンサルタント。美容歴30年。ミッドタウンのYukie Natori New York Salon & Spa 代表。東京、銀座でネイルスクールを経営し日米を行き来しながらトータルな美を提供している。

編集後記

【編集後記】


 みなさん、こんにちは。ニューヨーク・ファッション・ウイークの8日、マンハッタンのアッパーウエストサイドの教会で、アジア系ファッションデザイナーのショーが開催されました。日本からは、新潟県で江戸時代の1819年に創業した老舗の大嶋屋呉服店(新潟県五泉市)が参加しました。日本の着物そのものをストレートにNYファッションウイークのランウェイにかける試みは異例の試みといえます。折しもエミー賞やグラミー賞を受賞した日本の「SHOGUN」が、吹き替えなしの日本語で全編を通したように、もはや「JAPAN」そのものがブランドとなっているのですね。純粋な着物5着と、新品の反物からデザインしたドレスも披露して場内の拍手を浴びました。マネージング・ディレクターの大嶋美樹子さんは「着物の魅力を世界の人に発信できれば嬉しい」と話していました。ジャパンといえば、日米首脳会談もありましたね。今週号では米国主要メディアの論調も紹介しています。共同記者会見は日本でも同時中継され注目されました。NYタイムズ紙は7日電子版の記事を10日付紙面で大きく再掲載しました。「トランプ大統領になんとか取り入ろうと、各国の国家元首がこれまでトランプ大統領にお世辞外交を繰り返している」との論調の中で、石破首相の「テレビで見る有名人にお会いできて興奮する」だの「怖い印象だったが対面でお目にかかると誠実な方」などなどへりくだった言いぶりや日本でもあまり見せたことのないとびきりの笑顔で握手していた様子をアメリカ人記者たちはどう見たのでしょうか。会見前は「ゴルフ外交ができた安倍晋三前総理と違い、プラモデルが好きな石破首相」がどう出るのかお手並み拝見というニュアンスでしたが、「お世辞外交も努力の一環」(NYタイムズ紙)、「ベストを尽くした」(ワシントンポスト紙)と、あと記事の紙面は比較的好意的な論調でした。トランプ氏も会見時に限って、日本の着物を仰ぎ見るような彼なりに最大限の気遣いを見せていた印象です。それが続かないのがイタイところですが。日本的に言うと「先が思いやられる」という表現が今のところピッタりでしょうか。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
  

【今週の紙面の主なニュース】(2025年2月15日号)

(1)お世辞外交も努力の一環 日米首脳会談米国の論調

(2)ザ・着物美 和装堂々  NYファッション・ウイーク

(3)更年期は新しい自分との出会い 40+プラス 女の人生

(4)進化する迷路の立体アート  大樫 健さん

(5)やさしいにほんご  手紙の書き方  鬼に金棒

(6)天皇陛下誕生日祝う 穐吉敏子さんらNY総領事公邸で

(7)ボクシング吉田実代 勝利の笑顔

(8)日系画家 国吉康雄の人生 NY日本人歴史博物館

(9)DEEPなQUEENS  キュー・ガーデンズ

(10)ラベイユで日仏融合の2夜

お世辞外交も努力の一環 日米首脳会談米国の論調

ニューヨークタイムズ紙

日米同盟を確認

 日本の石破茂首相とドナルド・トランプ米大統領による初の対面による日米首脳会談が7日にホワイトハウスで行われた。

 ニューヨーク・タイムズ7日付電子版は、石破首相は「大統領に媚びへつらう最新の外国指導者」となったと報じた。共同記者会見での石破首相の「テレビで見るような有名人に会えてとても興奮しました。テレビでみると声高で、かなり個性強烈で、恐ろしい方だという印象がなかったわけではない。しかし、実際にお目にかかると、本当に誠実な、アメリカや世界に対する強い使命感を持たれた方だということをお世辞をまったく抜きに感じた」との発言を取り上げた。

 記事では、石破首相が記者団に「トランプ大統領への賛辞は「彼に媚びへつらう」ためではなく、むしろ「世界平和」と「地域の安定」を確保するための努力の一環である」と語ったことにも触れている。しかし、4日に首脳会談が行われたイスラエルのネタニヤフ首相の「(トランプ氏は)イスラエルの最高の友人」発言や米国人犯罪者を自国に収監すると提案したエルサルバドルのブケレ大統領などを例にあげ、「お世辞外交」と報じた。第1次トランプ政権時にフランスのマクロン首相やカナダのトルドー首相も「お世辞外交」を行ったが、成功はしなかったと付け加えた。記者会見では大きな失態もなく、USスチール問題も一刀両断で切り捨てるのではなく「買収ではなく投資だ」と一定の理解をトランプ大統領自らが示したのは、石破首相への最大限の気遣いと配慮を見せた場面だった。

 NYタイムズ紙は会談前の直前報道で、ゴルフを利用して親密な関係を築けた故安倍晋三首相とは違い、プラモデル作りが好きな石破首相が、どう打って出るのかお手並み拝見といったニュアンスで報じていた。当初の目的である日米同盟関係の確認はできた会談となった。

日米首脳会談 米メディアの論調

「ベストを尽くした」ワシントン・ポスト紙

 石破首相とトランプ大統領との日米首脳会談(1面に記事)で、ワシントン・ポストは7日付電子版で「日本の首脳、関税回避のためトランプ氏を喜ばせようとした」との見出しで報じた。2022年に暗殺された安倍晋三首相のようなカリスマ性もなく、ゴルフを利用して親密な関係を築くことができない石破首相を「トランプ大統領を惜しみなく賞賛、お世辞で笑いを誘うなどベストを尽くした」と評価した。会談後の記者会見でトランプ大統領は石破首脳の印象を「彼は首相として素晴らしい仕事をするだろうと思う。とても強い人だ。彼がそんなに強くなければいいのに。もう少し弱ければいいのにと思うが、それが私の得たものだ。私は常に強い人を得なければならない」と答えたことに言及している。「会談は関税の警告で終わった。日本側からの賞賛により緊張は緩和された」と報じた。

 他の米メディアは日米間の経済問題を個別に報道したものが多かった。ウォール・ストリートジャーナルは、日本製鉄によるUSスチールの買収問題について「買収ではなく投資」であるとの共同記者会見での発表を報じ、ロイターはこれに加えて米国産液化天然ガス(LNG)の輸入拡大で合意したことを、AP通信はトランプ大統領が石破首相に対日貿易赤字を削減したいと述べたことを報じた。

 CNNテレビなど大手テレビ局が会談後の共同記者会見を生中継するなどした。両首脳のやりとりは時折記者団からも笑いが出る和やかなものだったが、記者団からの質問の多くが日米関係ではなくトランプ氏の政策についてだった。

(写真)各国首脳のお世辞外交について報じる10日付NYタイムズ紙

ザ・着物美 和装堂々  NYファッション・ウイーク

新潟県の大嶋屋呉服店
和服の芸術世界にアピール


 ニューヨーク・ファッション・ウイークの8日、マンハッタンのアッパーウエストサイドの教会で、アジア系ファッションデザイナーのショーが開催された。日本からは、新潟県で江戸時代の1819年に創業した老舗呉服店、有限会社大嶋屋呉服店(新潟県五泉市)が参加した。同店の海外での披露は、マレーシア、パリに続いて今回が3回目。日本の着物そのものをNYファッションウイークのランウェイにかける試みは同イベントでも出色の異例の試み。折しもエミー賞やグラミー賞を受賞した日本の「SHOGUN」が、吹き替えなしの日本語で全編を通したように、もはやJAPANそのものがブランドとなっている。純粋な着物5着と、新品の反物からデザインしたドレスも披露(11面に関連記事)した。マネージング・ディレクターの大嶋美樹子さんは「着物の魅力を世界の人に発信できれば嬉しい」と語った。

更年期は新しい自分との出会い 40+プラス 女の人生

 先週、ニューヨークで 作家のジェーン・コステロ さんと ジャーナリストのタムセン・ファダル さんにお会いしました。彼女たちとともに、同じ志を持つ女性たちとドキュメンタリーを鑑賞し、その後のディスカッションでは、ミッドライフを迎える女性の生き方や更年期についてオープンに語り合いました。これまでタブー視されがちだったテーマが、今やニューヨークをはじめとするグローバルな都市で新たなフェーズを迎えています。

■ジェーン・コステロが描くフィクションの変化

 ジェーン・コステロさんは、最新作 『It’s Getting Hot in Here』 で、更年期を迎える女性のリアルな日常をユーモアたっぷりに描いたベストセラー作家。ニューヨークの本屋では平積みされ、会話のなかでも頻繁に話題に上るほど注目されています。フィクションの世界でも、更年期が「語られるべきストーリー」になったこと自体、時代の変化を象徴していると感じました。

■タムセン・ファダルが伝えるミッドライフの力

 一方、タムセン・ファダルさんはエミー賞受賞のジャーナリストであり、ミッドライフの女性たちの声を可視化するメディアパーソナリティ。マンハッタンを拠点に、自身の経験をオープンに語りながら、ライフスタイル、ホルモンバランス、セルフケアの新しいあり方を発信しています。彼女のポッドキャストや書籍は、NYのキャリア女性たちの間でも話題。年齢を重ねることを「恐れる」のではなく、「パワーに変える」ためのヒントが詰まっています。

■ニューヨークで加速するフェムテック革命

 ニューヨークでは、フェムテック( 「Female」と「Technology」を組み合わ造語で、テクノロジーの力で女性の健康問題を解決する)業界の進化も目覚ましい。ホルモンバランスを整えるスマートデバイスや、更年期ウェルネスに特化したスパやカウンセリングサービスが次々と誕生。もはや「更年期」というワードが隠されることはなく、それが一つのライフステージとして受け入れられ、オープンに語られる時代になっています。さらに、The M Factor のようなドキュメンタリーでは、男性を巻き込み、妊娠時と同じように周囲が女性の変化を理解し支える重要性を伝えています。

■更年期=新しい自分をクリエイトするタイミング

 「更年期=終わり」ではなく、「更年期=新しい自分をクリエイトするタイミング」。そんな視点が、今ニューヨークで生まれ、世界へと広がっています。

 このムーブメントの最前線に立ち、女性が自分の変化を前向きに受け入れ、より自由に、自分らしく生きられる未来を創ることーそれこそが、私の情熱です。

(写真)ジェーン・コステロさんと筆者