「僕にとってのメトロカードは無差別の象徴なんだ!」

林世宝のゴールデンエイジ展

 1995年からニューヨークを拠点に活動する台湾出身のアーティスト林世宝がメトロカードで作った十二支と新作絵画を展示する「ゴールデンエイジ」と題する個展をフラッシング・タウンホール(ノーザンブルバード137丁目35番地)で13日から22日まで開催する。

  林は「私にとってメトロカードは生活必需品。ニューヨークに来て30数年、アトリエの往復やミーティングなどニューヨーク中を移動するのに毎日使います。誰でも自由に希望の場所に運んでくれるこのカードは、夢を追う人や労働者の味方、無差別の象徴。12体の作品のために集めたカードは3万枚。アジア共通の古文化である十二支の動物たちが、ニューヨークの今を象徴する色鮮やかなメトロカードのジャケットを羽織っているイメージで作りあげた」と話す。

  新作の絵画20点はゴールデンエイジシリーズ。林の人生で出会った感動の美しい瞬間が絵画に盛り込まれている。名古屋大学留学時代に初めて行った花見で見た満開の桜など「常に美しいものを追求していきたい、アート人生はずっとゴールデンエイジでありたいと思っています」。入場無料。オープニングレセプション17日(土)午後1時から4時。

編集後記 2022年12月3日号

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。ニューヨーク州は11月21日、日本では所持や譲渡が犯罪として厳しく処罰される大麻が、条件付きで36件の成人用大麻専門薬局に販売許可を承認しました=今週号1面で記事=。今回承認を受けた36件のうち、28人は大麻関連の逮捕歴がある個人で、8件は非営利団体。NY州の大麻関連の法律は不平等是正や貧困・犯罪対策としての位置付けがあり、得られる税収は貧困対策などに重点的に回されることになっているそうです。しかし、合法化以前に法律を犯して逮捕された者に優先的に大麻の販売の権利を与えるというよく理解できないような法律の交通整理に首を傾げます。それもこれも莫大な税金収入があることが背景にあるものとみられます。マリファナ・ビジネス・ファクトブックは米国での大麻の年間小売売上高は今年330億ドル(約4.5兆円)を超え、26年には520億ドル(約7.2兆円)を超えると予測。雇用数は現在の約52万人から26年には80万人を超える見込みで、経済効果は2022年でおよそ1000億ドル(約14兆円)、26年には1580億ドル(約22兆円)ほどになる可能性があるとしています。国民の健康を「アヘン戦争」の犠牲者のような危険にさらす一方で、巨額の富を手にするのは一体誰なのでしょう。「得られる税収は貧困対策などに重点的に回されること」はうまくいくのか心配です。ニューヨーク日本総領事館では、大麻について在留邦人に「絶対に手を出さないよう」領事メールやホームページ(HP)で注意を呼びかけています。「日本の大麻取締法では、国外における栽培、所持、譲受、譲渡したりした場合などに罰する規定があり、『罪に問われる場合がある』ので、在留邦人に対しては日本の法律を遵守し、大麻が合法化されている州にあっても、絶対に手を出さないように」と呼びかけてます。気になるのは、では海外の在留邦人が、具体的にどのような場合に罪に問われるのか。警告の仕方が曖昧ではっきりしないのは「取り締まりの手の内を明かすことになる」のでそこはどうやら非公開でわざとぼかしているようです。想像するに、治外法権により、大麻所持などが合法化されている海外の土地で日本の法律が適用されて逮捕されることはないが、帰国した時に、もし仮に入国審査官に別室に呼ばれるようなことがあり「ニューヨークで大麻を吸ったり、買ったり、所持したり譲渡したことはありますか」と聞かれた時に「はいあります」と答えると「海外においても日本の法律を破ったこと」になり日本国内入国後、即逮捕になるものと思われます。アメリカは、小学校低学年から「NO DRUG」教育を徹底しているのになんだか今回の大麻合法化には矛盾を感じますね。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年12月3日号)

(1)嗜好用大麻販売を許可

(2)歳末商戦シーズン到来

(3)森田芳光監督を特集 リンカーンセンター

(4)地下鉄ビンテージ車両 ホリデー走行カラフルに

(5)海外日本人サポート

(6)NY地下鉄ガード設置へ

(7)東京藝術大学卒業生ら美術展

(8)ハンギングバスケット グリニッチの街彩る

(9)手縫いのマイサイズ浴衣 平山留美さんが指導

(10)サッカーワールドカップ 日本人の掃除NYタイムズが詳報

嗜好用大麻販売を許可

逮捕歴ある者に営業免許優先、NY州

 ニューヨーク州大麻管理委員会は11月21日、36件の条件付き成人用大麻専門薬局の販売許可を承認したことを発表した。 

 同州大麻管理事務所は、900通以上の同認可申請を受け、今年中に合計150件の大麻販売ライセンスを発行する。同州初の大麻販売店は今年末に開店するという。今回承認を受けた36件のうち、28人は大麻関連の逮捕歴がある個人で、8件は非営利団体となっている。22日付のNYデイリーニュース紙の記事は、前科ある個人が承認の優先対象になったことについて「同委員会は、あまりにも厳しいと批判されていた制度を修正する意向を示した」と伝えている。 

 同州は2021年3月、嗜好用大麻の使用を合法化したが、販売許可は今回が初めてとなった。販売者の認可過程については未だ話し合いが続けられている。販売ライセンスの発行は同州全域で許可されたわけではない。連邦判事は先月初頭、同州の複数の行政地区に対して、同ライセンス発行の一時的な指し止め命令を発効した。

 承認された地区では最低1件の同ライセンスが承認されているが、ブルックリンやウエストチェスター郡を含む郡や区は発行許可が下りていない。

無許可店と競争

大麻の路上取引堂々と

 ニューヨーク州で嗜好用大麻が昨年2月に非犯罪化されて以来、NY市では街の至るところでトラックも含め大麻が許可なく販売されている。NY州は21日に大麻販売許可証を36件交付し(=本誌1面参照=)、合法の販売店がもうすぐオープンすると見られるが、すでに足場を築いている無許可店との競争が強いられそうだ。

 他州では大麻事業に大規模な企業を参入させたりしているが、NY州が許可証を与えているのは出所者への教育や訓練を提供しているドゥー・ファンドやリサイクル事業でホームレスやエイズ患者を支援しているハウジング・ワークス・カンビナスなどの非営利団体、あるいは大麻逮捕歴のある人やその家族による小規模事業者となっている。

 大麻販売は酒・ビール販売業と同じように許可制で小規模事業者が担うよう設計されている。大麻の配達とラウンジ運営も許可制で今後、交付されていく予定だ。大麻栽培には大手企業が認可されているが、医療用大麻だけであり栽培面積も10万平方フィートまでと規制されている。NY州の大麻関連の法律は不平等是正や貧困・犯罪対策としての位置付けがあり、得られる税収は貧困対策などに重点的に回されることになっている。

 販売される大麻は州内で栽培されたものでなくてはならないが、無許可店で売られている大麻の多くはカルフォルニア州やコロラド州産だ。また学校や保育施設の近くに店を構えてはいけないが、そうした場所にある店もある。

 州はこうした無許可販売を一掃し、完全に規制され、課税された大麻市場を目指しているものの、無許可店を取り締まることには消極的で、許可店は競争を強いられると見られている。

 米国の多くの州で医療用大麻が認められており、嗜好用も18州とワシントンDCで認められている。NY州に隣接するニュージャージー州は昨年2月に合法化し、今年4月からディスペンサリーと呼ばれる販売薬局で売られている。コネチカット州も昨年6月に合法化した。最初の販売店は来年春、ウエストハートフォードにオープンする。

  マリファナ・ビジネス・ファクトブックは米国での大麻の年間小売売上高は今年330億ドル(約4・5兆円)を超え、26年には520億ドル(約7・2兆円)を超えると予測。雇用数は現在の約52万人から26年には80万人を超える見込みで、経済効果は2022年でおよそ1000億ドル(約14兆円)、26年には1580億ドル(約22兆円)ほどになる可能性があるとしている。

 州の規制当局と一部の業界関係者は合法的な販売店を弱体化させてしまうとして無許可店の閉鎖を求めている。アダムス市長の広報官は、市当局は何百もの事業検査をしており、違法製品の没収、罰金刑や逮捕もしていると述べている。しかし閉鎖などの厳しい措置を取っていない。閉鎖すると失業者が出てしまうためで、取り締まる代わりに合法化するよう努めるべきだという声は強い。カリーナ・リベラ市議会議員(民主党、2区)は「不安定な状態だ。社会正義を全面的に重視しているのに、違法販売しているとして黒人やヒスパニックの小事業者を逮捕するつもりなのか、複雑だ」と述べている。

「日本では犯罪」

NY日本総領事館が警告

 ニューヨーク日本総領事館では、大麻について在留邦人に「絶対に手を出さないよう」領事メールやホームページ(HP)で注意を呼びかけている。それによると、日本国内では大麻の所持や譲受、譲渡などを大麻取締法によって厳しく規制している。厚生労働省HPによれば、近年の薬物事犯の検挙者数は、覚醒剤及び大麻が大半を占め、大麻取締法による検挙者数は年々増えている。大麻には中毒性・依存性があり、常習化することもままある。

 日本の大麻取締法では、国外における栽培、所持、譲受、譲渡したりした場合などに罰する規定があり、罪に問われる場合があるので、在留邦人に対しては日本の法律を遵守し、大麻が合法化されている州にあっても、絶対に手を出さないよう、領事メール、HPで注意を呼び掛けている。各州において大麻使用に関して異なる規則(娯楽用・医療用とも違法とする州がある)があることも理解する必要があるとしている。

 大麻による影響について専門家からは、長期的な使用によって、呼吸器系、循環器系、中枢神経系、消化器系などといった体のメカニズムに大きな悪影響を及ぼす可能性、心臓発作と脳卒中のリスクが高い人にはそのリスクが高まる可能性などが指摘されています。

 また、若者の脳機能の発達に影響を与えるといった意見や精神衛生に悪影響を与えるといった意見の他、依存症やうつ病・統合失調症になるリスク、さらには大麻を入口としてハードドラックに手を出してしまうリスクなどが指摘されるなど、安易に手を出すのは極めて危険であると認識しています。

「ハードドラッグへの入り口」

NY日本総領事館が注意喚起

 ニューヨーク日本総領事館では大麻による影響について「専門家からは、長期的な使用によって、呼吸器系、循環器系、中枢神経系、消化器系などといった体のメカニズムに大きな悪影響を及ぼす可能性、心臓発作と脳卒中のリスクが高い人にはそのリスクが高まる可能性などが指摘されています。また、若者の脳機能の発達に影響を与えるといった意見や精神衛生に悪影響を与えるといった意見のほか、依存症やうつ病・統合失調症になるリスク、さらには大麻を入口としてハードドラックに手を出してしまうリスクなどが指摘されるなど、安易に手を出すのは極めて危険であると認識しています」と注意喚起。

 厚生労働省のホームページには、大麻乱用者による告白として数例を紹介している。大麻は「害がない」「依存性もない」といった誤った情報がインターネット上などで流されているが、「大麻は、実際にはあなたの脳を壊します。あなたの人生や周り人の人生を守るためにも、1回でも絶対に使用しないでください」と警告している。


大麻で狂った私の人生
米国の合法販売に警鐘

 米国のニューヨーク州などで嗜好用大麻の販売認可が業者におり、本格的に州内での販売が始まる。(関連記事1、4面)。日本の厚生労働省のホームページには、大麻乱用者による告白として数例を紹介している。大麻は「害がない」「依存性もない」といった誤った情報がインターネット上などで流されているが、「大麻は、実際にはあなたの脳を壊します。あなたの人生や周り人の人生を守るためにも、1回でも絶対に使用しないで」と警告している。一例を紹介する。

 手記  大麻によって、狂わされた人生(抜粋)大麻乱用者の告白(30代・男性)

 私は、ミュージシャンの先輩から「キノコを超えるもっと良いものがある」といって大麻を勧められました。大麻を吸ってみると、曲を聴いた時の感覚がより細かく繊細に感じたり、自分の作った曲が完璧な物に思えたりして、その効果に満足しました。

 私は音楽で飯を食っていくようになりたかったので、大麻を吸いながら自分の満足いく曲作りをしたいと思うようになり、先輩や知人から、継続的に大麻を買って、曲作りやイベントのたびに使用していました。

 そして地元で私の認知度が上がってきた矢先、大麻所持で逮捕され、築き上げてきた地位などすべてを失いました。このときは執行猶予判決で、これを機に、大麻と縁を切り、就職してまじめに生活するようになりました。

 その後、結婚し、子供も生まれ幸せな生活を送っていましたが、その間も頭のどこかでは大麻を使った時の感覚をまた味わいたいと考えている自分がいて、その気持ちを見て見ぬふりをしていましたが、数年後、偶然、大麻を一緒に吸っていた友達と再会し、大麻を勧められたことから、「一回だけなら大丈夫」という安易な気持ちから吸ってしまいました。

 その結果、久しぶりに吸ったという充実感や大麻の効果を味わえた満足感が得られ、それをきっかけに、歯止めがきかなくなり、妻子に隠れて再び大麻を吸うようになっていきました。

 大麻は、はじめの内は自分の小遣いから買っていましたが、それだけでは足りず、妻に内緒でキャッシングや消費者金融から借金をして買うようになり、最終的にはそれが妻にばれ、離婚する事になりました。

 私は、この離婚により子供と離れて暮らすことをつらいと思いましたが、それよりも、自宅で堂々と大麻を吸えるようになった事をうれしく思いました。今思えば、この感覚がすでに間違っていると思いますが、当時はこのように感じたのです。

 その後、自分勝手に大麻を吸っていましたが、一人でいる事を寂しく感じることが多くなってきたこともあり、当時付き合っていた彼女と結婚する方向に話が進み始めました。そして、そろそろ大麻を止めて、再びまじめに生きていこうと漠然と考え始めていた時に、再び大麻所持で麻薬取締官に逮捕されました。その結果、婚約は破棄されました。

 私はその後、実刑判決を受け、刑務所で生活しています。


 

歳末商戦、ギフトに

ホリデーシーズン到来

 感謝祭も終わり、師走のニューヨークの街は、ホリデーシーズン一色だ。グランドセントラル駅にも3年ぶりにホリデーマーケットが戻ってきた。

 今や買い物の形態は様変わりしており、感謝祭前からセールを行うところが増え、実店舗が開いていなくてもネットで買えるため感謝祭当日もセールが行われるようになった。

 今年のホリデーシーズンの売り上げは最大8%増加すると全米小売業協会(NRF)は予測している。

(写真)3年ぶりにホリデーギフトショップがオープンしたグランドセントラル駅(11月27日、写真・三浦良一)

森田芳光監督を特集

リンカーン・センターで12作品を一挙上映

国際交流基金が共催、三沢和子氏が作品紹介

 12月2日から11日まで、リンカーン・センターで米国初の森田芳光監督特集(国際交流基金共催)が上映される。8ミリの自主映画から始め、商業映画の大作まで手がけた森田芳光(1951〜2011)の30余年に渡るキャリアで作られた27作から選ばれた12作が上映され、製作者の三沢和子氏が2日から4日まで作品紹介をする。

 1984年にアメリカでも劇場公開された『家族ゲーム』(83)は独創性に満ちた視覚・聴覚デザインで鮮烈な印象を与え、森田は一躍日本映画界の若手スターとなった。海から船でやってくる家庭教師(松田優作)は劣等生の中学生(宮川一朗太)に自信を与え、事なかれ主義の父(伊丹十三)、家族の狭間に居場所を探す母(由紀さおり)、優等生の兄の一家に波紋を生み出して行く中で、社会批評も炙り出す。一列に並んで家族が座る食卓シーンは、伝説的に語り継がれている。(写真上:『家族ゲーム』© 1983 Nikkatsu Corporation, Toho Co., Ltd.)

 一作毎にまったく別のジャンル、種類の映画に挑戦することで、森田映画は驚きの連続であった。商業映画デビュー作『の・ようなもの』(81)は、落語家を目指す若者(伊藤克信)とあっけらかんとした性風俗産業従事者(秋吉久美子)を巡る題材も表現もリズムも個性的な魅力に溢れる作品であったが、その一方で日本文学を代表する重厚な原作も手がけている。夏目漱石の古典を豪華絢爛なスタイルで翻案した『それから』(85)、現代的テーマをそこはかとなく扱う吉本ばなな原作の『キッチン』(89)、国民的不倫ドラマとされた正統派ヒット作『失楽園』(97)と、森田の芸域は広い。

 しかも日活ポルノの習作『(本)噂のストリッパー』(82)や薬師丸ひろ子、野村宏伸主演の『メイン・テーマ』(84)といった青春もの、暗殺者(沢田研二)を巡る冷徹でスタイリッシュな『ときめきに死す』(84 )があるかと思えば、心神喪失者についての法規をテーマにした鈴木京香主演の『刑法三十九条』(99)や保険金詐欺に翻弄される保険会社社員の奮闘を描く『黒い家』(99)といったサスペンス・スリラー、ホラーも手がけ、兄弟愛が微笑ましい『間宮兄弟』(06)まであれば、呆気に取られるほかない。

『(ハル)』© Kouwa International

 しかし特筆したい森田の才能は、世界に先駆けてパソコン通信を通じた交流を描いた『(ハル)』(96)に顕著だ。画面に広がるのはその多くがパソコン上に文字で書かれた短い通信文で、そこから二人の男女(深津絵里と内野聖陽)の現実生活でのロマンスに波及する流れは見事である。その先取精神とともに、映像を通じた森田のアイデアと技術に平伏するばかりである。(平野共余子)

詳細は https://www.filmlinc.org/series/yoshimitsu-morita-retrospective/#filmsを参照

地下鉄ビンテージ車両、ホリデー走行カラフルに

 都市交通局(MTA)は、コロナ禍で中止していたホリデーシーズン恒例のビンテージ列車運行「ホリデー・ノスタルジア・トレイン」を2年ぶりに11月27日に再開した。 

 今年は「トレイン・オブ・メニー・カラーズ」と称し、R33形、R33WF形、R36形など1960年代製の車両が走行する。同局は「鮮やかな赤の『レッドバード』=写真=をはじめケール・グリーンの『グリーン・マシーン』、青とシルバーの『プラチナ・ミスト』、ロビンエッグブルーの『ブルーバード』が、NY市の異なる時代背景を象徴する」と伝えている。

 路線は地下鉄1系統で、チェンバーズ・ストリート駅〜137丁目-シティ・カレッジ駅を各停で運行する。12月の運行は4、11、18日の日曜、上りチェンバーズ・ストリート駅発は午前10時、正午、午後2、4時、下り137丁目発は午前11時、午後1、3、5時。そのほかの詳細はmytransitmuseum.orgを参照。 

前進の一年

 新型コロナ禍による海外からの日本入国制限等に伴い、海外日本人に対する不利益が拡大しています。そうした中、今年は海外日本人をサポートする以下の動きがありました。

▽1月31日、昨年の総選挙での在外投票の困難さと高負担に憤慨した海外日本人が「在外ネット投票の早期先行導入」を求める2万6027筆の署名を林芳正外務大臣に提出。これに謝意を表した大臣は「2万人投票の現状を一桁増やしたい」と応えた。

▽4月1日から在外選挙人名簿登録が、ビデオ通話を通じた本人確認及び事前送付された書類の原本確認によって、遠隔地に住む日本人有権者は在外公館に出向くことなく可能となった。

▽5月25日最高裁判所は海外日本人が最高裁裁判官の国民審査に投票できないのは違憲とする判決を下した。また判決は投票方式の変更を示唆した。これに対し金子恭之総務大臣は「在外投票を可能とするための具体的な方策を早急に検討する」と次期衆院選までに国民審査法を改正する考えを示した。

▽9月20日河野太郎デジタル担当大臣は「次の国政選挙には(海外日本人の)選挙人登録と、できれば投票までをオンラインでできるようにしたい」と述べた。河野大臣は7月の参議院選挙前に海外日本人に在外選挙人登録を呼びかけており、在外ネット投票の支援者である。

▽2024年5月から海外日本人がマイナンバーカードを取得できることが確認された。これにより、海外日本人のオンラインでの本人確認や、さまざまな行政手続きも可能となる。これを決定した、通称デジタル手続法改正の背景説明として「将来的には在外投票におけるインターネット投票」とも記載されている。

▽在外ネット投票等に関する国会質問が増え、その結果、海外日本人の在外公館投票も郵便投票も不可能な国が23か国もあることを政府が認めた。 

〇外国籍を取得すると日本国籍が自動的に、かつ強制的にはく奪される国籍法第11条の改正を求める訴訟が脚光を浴びている。外務省は長年日本人が複数のパスポートを持つことを黙認してきたが、コロナ禍による入国制限に伴い法執行を強行するようになり、「親の死に目に逢えなかった」、「帰国した日本人が再出国すると再入国が難しい」などの直接的被害が続出していることによる。

 日本に対する愛情や誇りも高い海外日本人の皆さんに対する支援を来年はさらに高めていきたいと思います。

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

NY地下鉄ガード設置へ

犯罪防止に腰上げる

市内で突き落とし20件以上

 今年に入って10月16日までに22人がMTA(ニューヨーク都市交通局)地下鉄の線路に突き落とされる事件が報道される中、同局はこの夏からプラットホームに「バリア」の設置を検討し、地下鉄3駅に試験的に導入するための企業募集広告を出した。

 昨年の同時期は21人がプラットフォームから線路に突き落とされている。1億ドルと推定されるこのパイロットプログラムでは、乗客がプラットフォームで突き落とされたり、誤って落下したり、線路を歩くのを防ぐように設計されたホームバリアをテストするほか、長期保守契約も検討される。候補の3駅としては7番線のタイムズスクエア42丁目駅 、L線の3番街駅、E線のカーブしたプラットフォームがある「Sutphin Boulevard – Archer Avenue‐ JFK 」駅などが実行可能な場所として挙げられている。(写真上:ガードが試験導入される7番線タイムズスクエア駅)

 電車が到着するまでプラットホームから線路エリアを遮断するバリアと電車に乗車する際の保護ドアは、既に東京、ロンドン、香港、パリ、シンガポールなどヨーロッパやアジアで使用されている。米国では遅れ気味だが、ケネディ国際空港のエアトレインなど、一部の空港シャトル列車システムでは使用されている。

 しかし2020年からスタートしたMTAの3920ページに及ぶシステム全体の調査報告書では、472駅のうち約75%が「ホームバリア」設置不可能と判定されたと、10月31日付のザ・シティ(The City)紙が報道している。

京都市内の地下鉄プラットホームガード

 日本の大都市圏の駅ではホームドア(ホームバリア)設置や非常用設備などの安全対策が進んでいる。東京メトロのホームページによると、「駅ホームでの安全性を向上するため」ホームドアと稼働ステップを合わせて設置している。「駅ホームでの安全性を向上するため」として、ホームドアは銀座線・丸ノ内線・千代田線・有楽町線・南北線・副都心線においては全駅への設置が完了、日比谷線・東西線・半蔵門線においては59駅のうち34駅で完了している。

 同時にホームドア設置にあわせて、曲線ホームでホームと車両の間隔が広い場所には、乗降の際の踏み外しや転落を防止する設備として可動ステップが今年4月末時点で36駅341か所に設置されている。そのほか、駅員呼び出しインターホン、非常停止ボタンなど、9個の安全対策が備わっている。

(ワインスタイン今井絹江、写真も)

東京藝術大学卒業生と同大工芸科教授ら美術展

 東京藝術大学卒業生により結成された芸術集団「THE BRICKS NYC」は、ニューヨークを拠点とする美術家の作品展示を中心としたアートショーを5 日(月)から8 日(木)までザ・ブルーギャラリー(東46丁目222番地)で開催する。同団体としては2回目となるアート展で、クリスマスが近いホリデーシーズンの開催ということもあり、会場では、作品の展示とあわせて、ホリデーギフトに最適な求めやすい価格の絵画や、宝飾品、工芸作品などが多数展示即売される。

 今回の最大の目玉は、ニューヨークではなかなかお目にかかれない、東京藝術大学工芸科の現役教職員の教授から助手まで、漆、染色、鋳金、鍛金、彫金22人の作品の展示と販売。藝大工芸科とのコラボレーション展として、他のアートフェアとは一線を画すユニークなアートショーとなっている。会期中、ジャズやサルサバンドによるライブも予定され、来場者は目と耳の両方でアート空間を楽しめる。

 出展アーティストは(在ニューヨークアーティスト)=原田隆志、窪田啓子、松江利恵、大橋篤史 、大島真由美、Chie Shimizu。(藝大工芸科参加アーティスト)=地村洋平、崔壽現 、海老塚季史 、橋本圭也、今井美幸 、伊藤ミナ子 、岩田広己、金孝眞 、小石 崇弘 、丸山智巳、宮石憲作、水谷奈央 、小椋範彦 、大小田万侑子 、佐治真理子 、佐々木史恵 、志村和彦 、多田えり佳、瀧澤花織 、谷岡靖則 、山田菜々子、朱軼。(出展者名は、苗字のアルファベット順)コンサート出演者TBA。

 開館時間は期間中毎日 正午から午後7時30分まで。コンサートは午後7 時30分から開演。アートショーの入場は無料だが、コンサートは1公演につき30ドル。問い合わせ・[email protected] (担当・金澤)、または

ウェブサイト・thebricksnyc.wixsite.com/my-site-1

グリニッチの街を彩るハンギングバスケット作り

 コネティカット州グリニッチの目抜き通り、グリニッチ街とパトナム街の街灯に赤いリボンをつけたハンギングバスケットが108個飾られているが、これを作ったのは、グリニッチ近郊に住む日本人55人。

 毎年、感謝祭前に準備、制作を完了させてホリデーシーズンの街を彩っている。今年はイーストチェスターやウエストチェスターからも制作に参加があり、地元と日本人ボランティア参加者との交流の場ともなっている。1986年から街の美化運動の一環として始まったこの手作りバスケットには、フレッシュなモミ、杉、松、ジュニパーの木の枝にベリーやホワイトバーチ、白く塗った松ぼっくり、リボンが飾られ、女性一人がやっと抱えられる程の大きなグリーンのバスケット。同グリニッチの街には、全日制のニューヨーク日本人学校もあり、近郊に住む日本人家庭が口コミで代々参加している。イルミネーションに彩られた大通り。「どれが自分の作ったものかはわからないけれども、それもよし。それらを見上げながらのホリデーシーズンの街歩きもまた格別、季節の風物詩です」と参加者たちも喜んでいる。

手縫いのマイサイズ浴衣

平山留美さん指導で

 マンハッタンのグローバス和室で11月13日から18日まで、神奈川県在住の着物仕立て屋一級和裁士の平山留美さん指導の『浴衣を縫って出かけましょう!』講座が開催された。2016年フィラデルフィアで実施し、2020年5月ニューヨークで実施予定がコロナで中止。今回、6年振りに第2回目の海外での集中浴衣手縫い講座が実現した。

 講座参加者はベルリンからの着物研究員、友人にプレゼントするために初挑戦の男性、NJで着物ビジネス営業をしているオーナー、手縫い浴衣リピーター等といったそれぞれの思いを持った人たち。参加したフィラデルフィア在住のレインズ民子さんによると「日に日に縫い目が細かく整い、運針も早まり、目に見えての進歩ぶりに参加者全員が褒め合い、和裁用語を覚えたり、和気合い合いの講座となった」という。

 4人の参加者全員がマイサイズの浴衣、長襦袢を完成しグローバス和室近辺を散策=写真=。ハリー・ポッター店内では買物客が着物姿に振り返る場面もあった。平山和裁士は11月4日から12日までフィラデルフィアのドレクセル大学デザイン科の参加学生19名をチームに分け、7枚の着物を全行程手縫いで完成させた。この講座の後には切り絵画家の久保修氏の講座が続いた。久保氏監修の作品も完成し、日本の伝統衣装である着物をドレクセルの学生が2週に渡り完成させたことは今後のデザイン科学生にも多少ならずとも影響を与えそうだ。