晩餐会に小室眞子さん出席と誤報した『女性自身』

NY日系人会は抗議メールがきて困惑

 ニューヨーク日系人会(JAA )が12月12日にハーバードクラブで開催した年次晩餐会(本紙12月17日号既報)に、日本の週刊誌『女性自身』(株式会社光文社)が、秋篠宮家の長女で小室圭さんと結婚した眞子さんが出席したと報道した。これは誤報で、眞子さんは晩餐会には出席していなかった。さすがにこの記事には主催者側のJAAが大仰天。JAA事務局には「小室さん、眞子さんの2人をNY日系人会は支援するな」という抗議メールまで来て困惑している。

まるで見てきたかのような嘘

 12月23日付『女性自身』電子版には「眞子さん ブラジル新婚旅行のホテルは皇族時代と同ランク! NY日系人会が全面支援」との見出しで「タキシード姿の男性やドレスアップした女性たちに交じり、歓談していたのは小室眞子さん。シンプルなワンピース姿で、アクセサリーも着けていなかった」などと報じた。さらに同誌は「NY在住の日本人ジャーナリスト」の話として「参加者は、眞子さんが着席していたのは旧財閥系企業の関係者たちのテーブルだったと話していました。秋篠宮さまからの信頼も厚い森美樹夫ニューヨーク総領事も出席し、祝辞を述べています。総領事は眞子さんにも挨拶をしていたそうです」と報道し、かつ「眞子さんのテーブルの周囲では、屈強な男性たちが目を光らせていた。男性たちは在ニューヨーク日本国総領事館が手配したSPで、眞子さんの送迎もしていたと聞きました」などと報じた。

 これはまったく事実に反しており、NY日系人会の事務局でも「記事を読みました。嘘もほどほどですが、これは完全な嘘の記事ですね。このような大きな週刊誌が、嘘を書くのですね。驚いています。一応、役員に英語にして転送します。今、Eメールで『日系人会は、眞子様支援を止めろ』と来ています。JAAでは晩餐会に眞子さんを招待もしてないし、もちろん出席もしてませんでしたから本当に驚きです」と困惑している。晩餐会には170人もの参加者がいた。なぜ『女性自身』はこんな事実と違う記事を書いたのか。

 JAA晩餐会についての本紙・週刊NY生活の記事(12月17日号4面に掲載)のウェブ版が出た14日の翌日、本紙の代表メール宛に『女性自身』編集部の記者から次のようなメールが入った。内容は「NY日系人会晩さん会の記事を拝読し、できましたら教えていただきたいことがあり、ご連絡を差し上げました。私どもの取材では、この晩さん会に、秋篠宮さまの長女・小室眞子さんが出席されたと聞いております。つきましては、本日16日中に、眞子さんが出席されたのが事実であるか、さらに可能であればどのようなご様子だったのかを教えていただくことはできないでしょうか。誠に急で不躾なお願いではございますが、晩さん会を取材した媒体は御社のみだったとも聞いております。ご検討のほど、何卒よろしくお願いいたします」というものだ。本紙では、『女性自身』編集部が誤った情報を入手していると判断し、翌日次のようなメールを返信した。

 「12日夜ハーバードクラブで開催されたNY日系人会の年次晩餐会には小室眞子さんは出席されていません。当日取材しましたが、ご本人がきていれば会場でご紹介があるはずですし、念のため主催者にも改めて確認しましたが、YOUTUBEなどで事前にそのような憶測が出ていたようなことは耳にしていたそうですが、招待もしていないし、出席もされていないとのことです。来ていれば会場も騒然となり、当然、誰かしらが写真を撮影するでしょうし、うちもご本人が来ていれば、当然撮影して報じたと思います。以上、ご期待に添えずすみませんが、結論は『眞子さんは来ていなかった』ということです」と返信した。

 『女性自身』の記者からこれに対する返事がきたのは前述の「眞子さん晩餐会に出席」の記事が出た後だった。

 それには「ご返信いただき、誠にありがとうございました。なぜかGmailのプロモーションフォルダに分類されていたため、確認が遅れてしまいました。こちらの確認ミスで大変失礼いたしました。もう少し早く確認できていればよかったのですが。余裕のないスケジュールでのお願いになってしまったことも、確認ミスの原因になってしまいました。重ねてになりますが、大変申し訳ありませんでした」と記されていた。

 返信メールがジャンクメールに入るというのは腑に落ちないのでこの記者宛に「この記事は取材して書かれたのですか? 一体どうしたらこんなことが書けるのでしょうか? 私はその現場にいましたが、眞子さんは来てませんとはっきり伝えてますよね。それがどうしてこうなっているんですか」と再度返信した。

 今度は返事がすぐ来て、「この度は手違いがあり、誠に申し訳ありませんでした。何かご迷惑がかかってしまうようでしたら、重ねてお詫び申し上げます」の一点張りで一体どんな手違いがあったのかは依然として不明のままだ。

 『女性自身』の記事中で実名を出され、祝辞を述べて眞子さんに挨拶したとまで書かれた森NY総領事に、後日ある宴席で同席する機会があったので、この記事についてどう思うかを単刀直入に聞いてみた。

 森大使は、表情から、かなりの憤りを感じている様子だったが、記者の質問には丁寧に「『女性自身』の報道にはコメントする立場にはないです」と答えた。

 (三浦良一記者、写真も)

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