今年の夏は猛暑到来 エルニーニョ現象発生の可能性

 米海洋大気局(NOAA)によると、今年5〜7月にエルニーニョ現象が発生する可能性が約60%あることが分かった。強い規模に発達した場合、今年の世界平均気温は、近代観測史上最も暑かった2024年を上回る可能性が指摘されている。

 エルニーニョは、太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなる自然現象で、世界各地の降水量や気温に大きな影響を与える。通常は地域ごとに一定の傾向が知られているが、近年はその影響が複雑化しており、専門家によれば地球温暖化の進行によって、過去のエルニーニョの経験則があてはまりにくくなっているという。

 国立大気研究センター(NCAR)のクララ・デザー博士は「過去のエルニーニョ現象が将来のエルニーニョ現象にあてはまるかを必ずしも教えてくれるとは限らない」と述べている。

 2023〜24年のエルニーニョは、過去最大級ではなかったものの、南米では深刻な被害が発生した。アマゾン流域では河川水位が120年で最低水準まで低下し、世界最大級の熱帯湿地パンタナルでは大規模火災が発生。ブラジル南部では記録的豪雨により約50万人が避難を余儀なくされた。専門家は、地球温暖化による気温上昇で大気中の水蒸気量が増え、干ばつと豪雨の双方が強まったと分析している。

 北米では、エルニーニョ現象は通常、米国南部では降水量が多くなり、北部では気温が高く乾燥した天候をもたらす。例えば、1997年に始まった非常に強いエルニーニョ現象では、カリフォルニアでは数週間にわたって激しい冬の嵐が続き、中西部と北東部では記録的な猛暑となった。しかしその後2回あった強いエルニーニョ現象の影響は北米では比較的穏やかだった。インド洋や大西洋の異常高温がエルニーニョの影響を弱めた可能性があるという。

 地球温暖化によって自然の気候変動そのものが変質しつつあり、過去のデータだけでは将来の異常気象を十分に予測できない時代に入っているというのが気候変動の科学者の共通認識となっている。今年の夏は世界的に猛暑日が多くなりそうな状況だ。