日本的折り紙から世界的折り紙へ
折り紙療法協会 小林利子

折り紙療法協会は、芸術や趣味としての折り紙ではなく、折り紙をアートサイコセラピー(芸術心理療法)のツールとして心のケア・ストレス軽減・リハビリなどに役立てるために活動している団体です。
2001年9月11日の同時多発テロ後、あちこちで千羽鶴を折る人々がみられ、当時アートセラピーの修士を終えた小林利子が、「プロジェクト・リバティー(連邦政府)」のクライシス・カウンセラーとして折り紙を利用。これを機に折り紙は心理療法の分野で注目を浴びるようになりました。初期のエンリッチメント折り紙アートセラピー療法は、後に表現折り紙療法と名称を変更し、現在も折り紙療法協会の根本理念となっています。
その後、邦人保護再考の必要性から2006年にはJAMSNET(官民提携)が立ち上がり当協会も参加。日本領事館や日系人会の支援受け、七夕祭り、JAPAN Heritage Nights、ジャパン・デー、春と秋に開催されるヘルスフェアなど、さまざまなイベントで折り紙ワークショップを開催。また、国連国際学校の春祭りや広島・長崎平和記念セレモニーにも参加し、折り紙に平和の祈りを込め、米国と日本繋ぐ活動もしています。
さらに、米国内をはじめ、ヨーロッパ、日本、アジアでの学会発表や、カナダ、南米、アフリカ、シンガポールでのワークショップなど、国内外で折り紙療法の普及に力を注いでいます。ナイジェリア、インド、台湾などでもOTAの理念に賛同する折り紙の専門家が活躍しています。その他には、月例ワークショップ、折り紙療法士教育、パンフレットや印刷物作成、研究論文執筆など、多岐にわたる活動を行っています。
折り紙は、日本に生まれ育った人々にとって、子供の頃の記憶と共に身近なものですが、一旦日本の外へ出ると、折り紙に馴染みの無い人々に出会います。ニューヨークでも折り紙を教える難しさを実感させられる場面もあるようです。折り紙は、紙一枚が折りを加える度に、思いもしなかった形に展開していく手品のような要素と幾何学をベースにした解析可能な作業の両面性があります。知覚、視覚、指の触覚、運動能力があれば誰でも行うことができ、興味があれば誰でも楽しむことができます。器用で上手く折れたかどうかは二の次で、折り紙を通して得られる心理的な効果が大事です。紙を折るにはしかしながら「やってみよう」という意欲も重要です。
折り紙はいつ何処で始まったのか判りませんが、21世紀に入り、ますます国際的に定着して来ています。1000年以上も日本人を魅了し、親しまれてきた折り紙。折り紙療法協会は折り紙を、言葉も国境も取り払い手から手へと伝え、国際都市に棲むニューヨーカーひいてはそこに住む日系人の助けになるのではと信じ活動を続けていきます。
OTA Facebook: facebook.com/origamitherapyassociation

