この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

靴のマナーを学ぼう
日本では、家に入る前に玄関で靴を脱ぎます。靴のまま家に入るのは、よくないとされています。脱いだ靴は左右をそろえ、つま先を外に向けて置きましょう。
玄関は「外」と「中」を分ける特別な場所です。日本では、畳や布団を清潔に使うため、外の汚れを家の中に持ち込まないことが大切にされています。
また、学校や旅館などでも靴を脱ぐ習慣があります。スリッパや上ばきに履きかえることがあるので、脱いだ時に恥ずかしくないように靴下をきれいにしておくのもマナーのひとつです。(マナー講師・長久保美奈)
わくわくことわざ(9)
文とイラスト 平田恵子
勝って兜の緒を締めよ
成功した後でも、気をゆるめてはいけないという戒めです。兜は戦いのときに武士が頭にかぶる防具で、その兜を顎で止めるためのひもを「緒」といいます。もともとは「兜をかぶる」とは、戦闘準備に入ることでした。戦いに勝って油断していると敵の反撃があって、「兜を脱ぐ(降参するの意味)」ことになることもあるので、気を引き締めよということ。なお、兜は防具だけでなく武威を示しており、鍬形、獅子、龍、角などの装飾が施されていました。