沿道に6万人 ジャパンパレード

NY薫風日本晴れ

(写真上)演技を披露する進撃の巨人メンバー

森本さん観衆に笑顔
山本さんNYに感激

 ニューヨークへの感謝と日本文化の紹介、日系社会の連帯を目的に10日、マンハッタンのセントラルパークウエストでジャパンパレードが盛大に開催された。今年で4回目となるこのパレードは参加団体110と昨年より11団体増え2800人以上が行進する大規模なものとなった。今年のグランド・マーシャルに選ばれたアイアンシェフで知られる森本正治さんがパレード先頭グループでオープンカーに乗り沿道に詰めかけた約6万人の観衆に手を振って応えた。前日のジャパンナイトで会場から大きな拍手を受けた歌手の山本彩さんは「想像以上の規模で、さすがニューヨークだと思いました。アメリカで私のことを知らなかった人も多いと思いますが、それでも笑顔で手を振ってくれてとてもありがたい気持ちになりました」とパレードの感想を語った。

森大使は日米交流の原点衣装で
藤井富山市長は観光誘致PR

摩天楼に響いた「おわら風の盆」

 パレード名誉会長を務めるニューヨーク総領事の森美樹夫大使は「たくさんの人に集まってもらって、いろんなことを売り込むことができた。こういう時代だからこそ日本とアメリカが近いところにいるということを、お互いに文化、経済、人となりを尊重しあってお互い助け合って生きていくということをこういう形で皆さんに広く示せてよかった」と話し、注目された今年の衣装については「日米関係を初心に返って考え直してみるという意味で、1860年に日本の最初の遣米使節団がブロードウエーをパレードした時に、おそらくこんな格好をしていたんじゃないかなということで初心に戻る出で立ちにした」と話した。

 またニューヨーク・タイムズ紙に今年の訪れるべき52都市の一つに選ばれた富山市もパレードに参加し、来米した藤井裕久市長が富山城の城主だった「佐々成政」の甲冑を模した衣装で登場。「富山県富山市を直接PRできてよかった。『おわら風の盆』は、300数十年の歴史がある。台風から稲を守るという精神文化も伝えていきたいと同時に、ぜひ富山に来て、白えび、ぶり、ホタルイカ、お米、お酒など美味しいものをどんどん召し上がってもらいたい」とPRした。

日本文化多彩に紹介

 ジャパンパレードを運営するジャパンデーインクの岡本慎一プレジデント兼チェアマン(日本生命保険相互会社常務執行役員)は「この一か月間ずっと今日の天気を見ていたが、今日は、まさにNYの日本晴れになって本当によかった。年々参加団体も増えて規模も大きくなり、アメリカ人の友人も日本を尊敬してくれていることを日々感じ、ビジネスだけでなく日本企業の良さをこういう形で知ってもらうことにつながれば嬉しい」と話した。岡本氏は開会式展に出席したエリック・アダムス市長から市の感謝状を受け取った。

 コミュニティーリーダーとしてパレードした佐藤貢司氏(NY日系人会会長)は「日本食やアニメなどアメリカ社会に浸透している日本が、こういうパレードを通してもっともっと知られるようになると良いと思う。23日にはシティフィールドでジャパン・ヘリテージ・ナイトもあり、日本人選手が4人出る。日本人対決になれば最高の試合になるので日本をますます盛り上げていきたい」と語った。

 ジャパンパレードのエグゼクティブ・プロデューサーを務めるゴージャスエンターテイメントの吉井久美子事務局長は、進撃の巨人ザ・ミュージカルをパレード110組中109番と最後の目玉にしたのは「大勢の皆さんにパレードを見ていただけるように配慮した」と語った。

 当日はニューヨーク日本人学校、ニュージャージー日本人学校、育英インターナショナルスクール、あおぞらコミュニティー、ブルックリン日本語学園、慶應義塾NY学院など日本人教育機関の児童生徒もパレードした。補習授業校に通う子どもたちも放課後に駆けつけてお目当ての進撃の巨人を見ることができたようだ。アメリカ人見物客からは「日本文化がこんなに多様性に富んだ豊かなカルチャーなのに驚いた」「伝統的なものから現代的な色々な踊りがあって楽しめた」という声が聞かれた。

進撃の巨人談話
それぞれの思い

Photo: MASAKI HORI

 エルヴィン・スミス(大野拓朗)「昨年10月のNY公演では進撃の巨人が大好きな人がミュージカルを見に来てくれたわけですが、今回はさまざまな日本文化の何かに興味を持った人たちの前で日本のアニメ文化を代表して伝えることができたのはすごく光栄です。2019年に語学留学していたことがあり、以来チキンオーバーライスが大好きになった」と話した。

 リヴァイ(松田凌)「自分にとっても人生において忘れられない一日になるのかなと思う。進撃の巨人という世界を通して我々の自由の翼をNYで日本の文化が持つ可能性を熱狂的に迎えてくれた。誰かの光になれたら素晴らしい。前回見ることができなかった自由の女神を今回夕日の中で見ることができて感動した」

 ハンジ・ゾエ(立道梨緒奈)「歓声と物凄く喜んでくれるのが伝わった。いろんな日本の文化に触れる機会がないので、改めてこんなに素敵な文化が日本にあるんだなと思った。進撃の巨人という偉大な作品を背負ってこういう素敵なイベントに参加できてすごく嬉しい一日になった。胸アツでした。NYは進化し続ける街という印象だ」。そして4人の剣士、下尾浩章、橋渡竜馬、松本ユキ子、加藤貴彦が演舞した。

110団体が参加
2800人が行進


 開会式で僧太鼓が鳴り響き、午後1時にセントラルパークウエスト81丁目からパレードがスタート、NYPD騎馬警官と音楽隊に続き、日米の大国旗が参加者の手で動き始める。日本人が多いハリソンの消防車も出動。退役軍人を代表してベトナム戦争に日系米兵として出征した古本武司さんが行進する。女性太鼓ダンス鼓舞、奄美大島の踊りの中には女子プロボクシング王者の吉田実代の姿も。バンダイナムコ、アニメNYCなど現代日本文化もにぎやかに行進、この夏訪日するヤング・ピープルズコーラスが美しい歌声を披露。コミュニティーリーダー佐藤貢司氏の後にはNY日系人会が続き、NY日系ライオンズクラブとジャパン・コーラルハーモニー、大人気のよさこいダンス、落語家の桂三輝ら噺家チーム、ジャパニーズ・ハーレム・ゴスペルコーラスが合唱、NY日本人美術家協会のアーティストらも歩き、今年20周年を迎えるハリヤマバレエがフロートでバレエを披露、ジャパン・パフォーミングアーツは阿波踊り、民舞座はカラフルな衣装、NY着物アカデミーと京都倶楽部は美しい着物姿で沿道を魅了、伊藤さちよ舞踊団、誠道空手がデモンストレーション、イケバナ・インターナショナルが手を振り、参加120人の最大陣容で行進のセイ・トモコ・ヘアサロンが沿道の声援に応えた。当日は110団体、2800人以上が参加する過去最大の規模となった。