Leica note   橋本よし憲 BOOKS 

マグノリア出版・刊

 写真家、橋本よし憲さんは、1959年(昭和34年)に福岡県小倉で生まれた。中学生時代から父親の機械好きの影響で、カメラを持ち写真撮影を始める。高校時代は写真部に籍を置き、近くの北九州飛行場に飛行機の写真を撮りに行った。エアロスバルだったというから時代を感じさせる。78年に九州産業大学芸術学部写真学科に入学。ポートレート写真に興味を持ちストリートでスナップショットを撮りまくる。卒業時には白黒セルフポートレートで高い評価を得たというが4年時に英語の追試に失敗して卒業に5年かかった。

 1983年、両親に一年だけと約束してニューヨークへ。生きた写真の現場を見たくて色々な写真家に電話をかけるが、下手な英語のためアポイントが取れず、最後の切り札、アメリカンヴォーグなどファッション誌で仕事をしていた日本人写真家、石室英介のアシスタントに採用される。白黒プリントのトム・ジェイキンスとこの頃知り合い彼の仕事を手伝う。白黒プリンターのカルロス・グーズマンがジェイキンスのラボから独立するのを手伝う。ロバート・キャパの兄、コーネル・キャパのマグナムとNY写真ファンデーションで有名なアプチャーの仕事を手伝う。フリーランスのフォトアシスタントとしてアルバート・ワトソンやパトリック・デマーシェリエの仕事を共にする。

 このころ、なけなしの金を叩いてライカを購入する。ライカとフィルムのイルフォードと相性の良さに驚き、今もこのスタイルが続いているという。プロの写真家がライカで撮影するとどういうことになるのか、写真集は物語る。実物の本はマンハッタンのダウンタウンのDashwood books  33 Bond St. で見ることができる。(三浦)

写真左:Peru ペルー1991

写真右:Paris France フランス・パリ 1995