自己表現の演奏にぶれなし

アルトサックス奏者
山中 一毅さん

 ニューヨーク在住のアルトサックス奏者、山中一毅(やまなか・かずき)は1985年、埼玉県さいたま市生まれ。中学高校時代に吹奏楽部に在籍。高校1年生の時に「サックスやるなら聞いておいたら」と母親に連れて行かれたのが渋谷のオーチャードホール。そこで渡辺貞夫の演奏を聞いてジャズに目覚めた。京都大学在学中もジャズのサークルに入って演奏活動を続けた。卒業後、テレビ制作会社に就職したものの1年で退社。学生時代は音楽で生きてこうとは夢にも思っていなかったが、いざ社会人になってみたら、お金はどうでもよくて本当にやりたいことをやらないとだめだと思いたち、日本での下積み生活3年を経て2012年に来米した。
 ニューヨーク州立大学パーチェス音楽院の大学院ジャズ科修士過程修了。ニューヨーク市と東京での活動を経て、16年に再びニューヨークに拠点を移した。
 「自分は、ジャズの伝統を大事にしてはいるけれど、正統派に憧れても黒人音楽として発祥したジャズの血は自分には流れていないことも痛感する。それならば、正統派ジャズで学んだ世界をオリジナリティを持った表現者として演奏できれば」との思いでステージに立つ。「自分の表現したいものを求めながら芯のぶれないアーティストを目指したい」と話した。
 (三浦良一記者、写真も)
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 今月22日(金)、山中率いるカルテットが午後8時から10時まで、ブルックリンのガワナスにあるアイビーム・ブルックリン(7丁目168番地)で「CDレコーディング直前記念コンサート」を行う。
 山中(サックス)がラス・ロッシング(ピアノ)、キャメロン・ブラウン(ベース)、ジェラルド・クリーバー(ドラム)とともにオリジナル曲を中心に演奏。入場料は20ドル(推奨寄付額)。
詳細はウェブサイトwww.kazukiyamanaka.comを参照。