愛がもたらす過ち PET SEMATARY

原作は人気作家スティーブン・キングの同名小説。1989年にメアリー・ランバート監督、キング脚本で映画化されている。今回は「Starry Eyes」などホラー物を得意とするデニス・ウィドマイヤーとケビン・コルシュの監督コンビが89年版以上にダークにクリーピーにキングの世界を描き出す
リメイクとなる本作の脚本は北村龍平監督、ブラッドリー・クーパー主演の「ミッドナイト・ミート・トレイン(2008年)で脚本を担当したジェフ・バーラー。物語の大筋は変わらないがマイナーな部分で変化を付けることで意外性をつく。オリジナル版より人物描写が巧みでそれぞれの印象の度合いも強い。ジェイソン・クラーク、エイミー・サイメッツ、ジョン・リスゴウが共演。
ボストンの緊急救命室勤務ですっかり消耗した医師ルイス・クリード(クラーク)は家族とともにメイン州のカレッジタウンに引っ越してきた。大学のキャンパス・クリニックに新たな職を見つけ、これからは家族との時間を大切にしたいと考えていた。白でトリミングされた三角屋根の赤い家は周りに生い茂る濃い緑にマッチして妻のレイチェル(サイメッツ)と二人の子供も大喜びだ。ただ、気にかかる点が二つあった。庭に隣接した道路を大型のトラックが土煙を上げて走り去るのと、裏庭奥に街の子供たちが作ったと思われるペットの墓地があること。これが後にクリード家の運命を左右することになるとは彼らは気付いてない。
ある日、レイチェルが子供たちを連れて泊りがけで両親に会いに行っている間に娘エリーがかわいがっている猫がトラックに轢かれて死んでしまった。ルイスは親しくなった近所の老人ジャド(リスゴウ)と一緒に猫を裏のペットの墓地に埋めるつもりだったが、ジャドはなぜか墓地からさらに奥まった場所にルイスを案内し、そこに埋めた。異変が起こったのは翌日だった。
ルイスやレイチェルが過去に経験した悲劇と現在起こりつつある新たな悲劇がまるで連鎖するようにクリード家を包み込んでいく。思わず目をつぶってしまうシーンの連続。オリジナル版よりはるかに怖い。1時間41分。R。(明)

■上映館■
AMC Empire 25
234 West 42nd St.
AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.