編集後記 4月6日号

みなさん、こんにちは。新元号が決まりました。「令和」。典拠をこれまでの中国の漢籍ではなく、国書の「万葉集」から選んだことが大きく報道されました。本紙4面のコラム「視座点描」で、ジャーナリストの武藤芳治さんが、このことについて決定事前のウラ話題を書いていいます。とても興味深い内容で、詳しくはウェブ版をご覧になっていただくとして、簡単に紹介するとこんなことです。「初春令月、気淑風和」という万葉集の引用部分は、実はさらに「仲春令月、時和気清(仲春の令月、時は和し気は清む)」という、中国の詩文集『文選』に収録されている後漢の科学者・張衡の詩「帰田賦」の一部を踏まえているのですーと。「つまり、この「令和」は「国書」から取るという革新的な一手を装い(国粋主義者たちを満足させ)ながら、その実、日本の元号の伝統たる中国の漢籍に大元の根を持つ(ことで保守派も満足させる)という、二重の出自を備えたなんとも巧みな選択。これを基に「令和」を考案した選定委員の学者さんはかなりの切れ者で、ダビンチ・コード顔負けの政権批判の暗号をこの元号に忍ばせた策士だ、との”解説”も一人歩きしています」と武藤さんは書いています。なかなか興味深いトピックでしょう?。ぜひ、4面の「視座点描」の全文をお読みください。また、今週号は1面で「新元号、米の論調」を集めています。発表の後、米国のメディアがこの「令和」をどう報じたのか、歴史転換の節目を海外がどう見たかの記録になるかと思います。ウォール・ストリート・ジャーナルは「令は幸先の良い、和は平和」と報じ、ブルームバーグ通信は、命令の令に、平和あるいは調和の和で「令和」(Reiwa)と決まったと報じました。ワシントンポスト紙は「令和は縁起の良さと調和を象徴する二つの文字」だとする記事を掲載。令は通常、命令を意味するがこの場合は良いという意味であること、また和は調和と平和を意味すると解説しています。昭和、平成を経て、令和。どんな日本の夜明けになるのでしょうか。これからも海外から日本を見守っていきたいと思います。休刊週明けでニュース満載の今週号です。お楽しみください。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)