おしゃれな大学のおしゃれでない話

 マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講することになった。客室乗務員として長い間、働いてきたが、数年前に退職し、自分のアート作品を作り続けている。

 FITはカルバン・クラインなど多くの有名デザイナーを輩出しているファッション専門大学で、全米はもとより世界中から学生が集まる。二十三丁目を中心にマンハッタン西部に広がるおしゃれなチェルシー地区にある。

 若い学生たちとともに、あこがれのFITで学び始める。マリーパットは気分も高揚していた。

 初日、教室に入っていくと、彼女以外の学生はほとんどが二十代だった。隣にすわっていた女子学生は、とてもフレンドリーだ。マリーパットと同じウィスコンシン州出身ということで、話はさらに盛り上がった。

 米中西部の最北にあるウィスコンシン州は、酪農が盛んだ。私も高校時代に留学していたことがあり、その町は人より牛の数のほうが多いといわれていた。

 若い学生と楽しい会話を交わしたあと、まだ授業前だったので、マリーパットは机に顔を伏せて少し眠った。

 と、突然、ものすごい音がして目が覚めた。教室中に鳴り響いたらしい。これから一緒に学び始めるクラスメートたちが全員、振り返り、マリーパットの顔を見つめている。

 そして、気がついた。それは、自分のおならだったことに。

 さっきまで親しく話しかけてくれた隣の女子学生の、投げかける視線が痛い。

あなたはやっぱり、ウィスコンシン州の農家の田舎娘だったのね—–。

 この話を友だちにしたら、私のために作詞作曲してくれたのよ。それも、シャワー浴びながら、できち

ゃったっていうから、すごいじゃない? タイトルは「She Was Friendly ‘Til I Farted」(あの娘はフレン

ドリーだったの、私がおならをするまでは)。

 そのとき、マリーパットは何歳だったの?

 I was sixty-six when I farted at FIT.

 六十六歳だったわ、FITで私がおならをしたとき。

 これも歌の題名になりそうだよって、モンティ(夫)が言うのよ。ビートルズの曲「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」(When I’m Sixty -Four)みたいでしょ。

 マリーパットはくったくなく笑う。

 ちょっと恥ずかしいこんな失敗も、おおらかなマリーパットのことだから、周りの冷たい視線も何のその、きっと大声で笑い飛ばしていたに違いない。

 マリーパットへ、私から一曲、贈ろう。

 I’ll Still Be Friendly If You Fart

 「私はフレンドリーなままよ、あなたがおならをしたって」

 このエッセイは、文春文庫「ニューヨークの魔法」シリーズ第5弾『ニューヨークの魔法のじかん』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

女性映画人の視点

ジャパン・ソサエティー、20日まで上映の見所

文化庁と共催

 ジャパン・ソサエティー(JS)と文化庁(ACA)の共催で11日(金)から20日(日)まで、ACAシネマプロジェクトシリーズ「女性映画人の視点 Women Filmmakers from JAPAN CUTS and Beyond」がJS内劇場(東47丁目333番地)で上映される。

 ゲストは、11日(金)が『ウェディング・ハイ』の大九明子監督、18日(金)が『川っぺりムコリッタ』の荻上直子監督を招き、上映後のトーク・セッションとパーティーを開催する。クロージングには、今年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、カメラドール特別表彰を受けた早川千絵の『PLAN75』。そのほか、蜷川実花監督作『人間失格 太宰治と3人の女たち』、三島有紀子監督作『繕い裁つ人』、工藤梨穂監督作『裸足で鳴らしてみせろ』、中村真夕監督作『ワタシの中の彼女』、岨手由貴子監督作『グッド・ストライプス』など全17作品。女性の映画監督、脚本家、映像監督、プロデューサー等の作品に焦点を当て、近年の最新作を紹介するほか、クラシック作品、若手監督の作品も上映する。また、19日(土)には特別企画「Women in Film」と題したパネル・ディスカッションを実施する。

 入場料は一般15ドル、JS会員が10ドル。トークセッション&パーティー付き上映会は21ドル、JS会員 16ドル。チケット・詳細はウェブサイト www.japansociety.orgを参照。

(写真)Riverside Mukolitta  © 2021 ”Riverside Mukolitta” Film Partners

編集後記 2022年11月5日号


【編集後記】



 みなさん、こんにちは。赤穂浪士の事件を題材にした本格的な侍劇「忠臣蔵~四十七士」が日米両語の非営利劇団アマテラス座(AMATERASU ZA、芸術監督・Ako=アコ)によってオフブロードウエーのARTNYシアター(西53丁目502番地)で好評上演中です。ニューヨーク在住の日本人俳優たちによる初めての正式なオフブロードウエー公演。英語字幕表示で日本語セリフの舞台だけに、出演者たちの感情移入の機微が「人間ドラマ」として客席につぶさに伝わってくる舞台です。
 出演は、舞台ナレーションと大石内蔵助の妻りくにAko=写真右=、多門伝八郎/中村勘助/新井勘解由/土屋主税にヨシ天尾、富森助右衛門に小野功司、大久保権右衛門/原惣右衛門/お喜世 /寺坂吉右衛門に合田沙おり、加藤越中守/大石内蔵助に市川達生、大石主税/松の廊下の侍に前嶋利菜、梶川与惣兵衛/徳川綱豊/吉良方侍にジュンスエナガ、浅野内匠頭/堀部安兵衛に鈴木やす、吉良上野介/田村右京太夫/江島/小野寺十内に米倉裕子、侍によしむらみなみ。10月24日付NYタイムズ紙が「パーフェクトではないが、次の展開に引き込まれる作品」と辛口ながら写真入りで大きく扱ったことは、NYでの舞台としての成功を意味します。それにしても役者の皆さん、一人何役もしていた感じで、役作りに苦労したのではないかとも思います。見ている方も、ちょっと混乱するくらいの早変わりでした。好評につき13日(日)まで公演が延長されました。入場料は一般60ドル、学生・シニア30ドルですけど中学生と高校生は無料になりました。ぜひお薦めです。詳細はhttps://amaterasuza.ticketspice.com/chushingura-47-ronin
それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年11月5日号)

(1)不法移民をNYに送りこむ テキサス州とフロリダ州

(2)エドワード・ホッパーNY展 ホイットニー美術館で

(3)故安倍首相を偲ぶ NYで風の環コンサート

(4)ジャパン・パレード 2回目開催を決定

(5)海外邦人のマイナンバー 取得は2024年5月

(6)小室さん司法試験に合格 顔写真も刷新して弁護士へ

(7)KASHIYAMA旗艦店 マジソン街にオープン

(8)創作料理で結婚式演出 彰子タナワーさん

(9)俳優の魂が舞台に 忠臣蔵好評で1週間延長

(10 ) TAKEYAボーカルレッスン Belting発声法解説

NY市が「対応に限界」

テキサス州とフロリダ州が不法移民をバスで送り込む

4月以降2万人以上が到着

 移民受け入れに寛容なバイデン政権を批判する狙いで、テキサス州やフロリダ州などが今年4月から不法移民をバスでニューヨーク市に送り込んでいる。その数が10月18日で2万人を超えた。アダムス市長は「ニューヨーク市は移民のサンクチュアリー(聖域)」として受け入れてきたが、予想外の数の多さに対応仕切れておらず、市議や活動家らによる抗議デモが起きる始末。メディアのインタビューで「(移民危機が)私たちの経済を弱体化させている」と語るなどいらだちを隠せないようだ。

 市によれば、春以降に到着した移民のうち約1万3000人がホームレスや被災者などを収容するシェルター(避難所)にいる。避難所の滞在者は9月だけで6500人増加、総数6万人ほどとなっており、パンク寸前だ。

 市は避難所を増やしてきたが追いつかないため、9月末にブロンクスのオーチャードビーチの駐車場に1000人収容の大型テントの避難所を設置。しかし雨で浸水してしまう。10月3日に急きょイーストリバーにあるランドール島に移動すると発表したが、市議や州議会議員、移民・ホームレス支援団体の活動家ら数十人は13日、テント避難所に反対する抗議行動を市庁舎前で行った。ジャバリ・ブリスポート州上院議員(ブリックリン25区選出)は、「テント都市はあり得ない。ホテルを使うべきだ」と述べている。テントではハリケーンなどに対応できないし、家族では入れないためだ。

 大型テントの避難所は18日にランドール島に設営された。約1000床のベッドが並び、3度の食事も無料だが、大人単身者向けで4日間ほどの短期滞在を想定したもの。家族は入れない。このため、市は45ほどのホテルに避難所を開設した。最大級のスチュワートホテル(7番街31丁目)は300世帯ほどを収容できるという。廃業したホテルも利用する計画だ。

 NY市では泊まるところのない人には「避難所利用の権利」が法で保障されているため、避難所を確保する義務がある。アダムス市長は、「送り先がワシントンDC、シカゴ、ニューヨークをターゲットにしているのはなぜなのか。3市とも黒人市長だからか、それとも北部の都市に向けられているだけなのか」と語り、アボット・テキサス州知事らの黒人差別を示唆する発言も。移民政策は8日に行われる中間選挙でも争点の一つとなっている。

エドワード・ホッパーのNY

ホイットニー美術館で来年3月まで特別展

 ニューヨークに1908年から67年まで住んだ画家、エドワード・ホッパーの特別展がホイットニー美術館で10月19日から始まった。彼の壮年期のキャリア全体にわたる期間を描いた今回の展示「ホッパーのニューヨーク」は、20世紀の大都市の厳密な肖像ではなく、ホッパーが生きた時代の、ヒューマンスケールで、ほとんど人口がいない状態の街や目立たない実用的な建造物や目立たない場所に目を向け、新旧、市民と住宅、公と私のぎこちない衝突を描き、変化する街のパラドックスを捉えている。それは、ホッパーの都市に対する永遠の魅力を描き、ホッパー自身を取り巻いた都市の記録であると同時に、ホッパー自身の現れであるニューヨークのビジョンを明らかにしている。

 同美術館が最近入手した印刷物、広告の挿絵、書簡、写真、日記といったさまざまな資料は、ホッパーのアーティスト生活についての新鮮な発見もある。入場料大人25ドル。展覧会は3月5日(日)まで。(写真・三浦良一) 


Whitney Museum of American Art

99 Gansevoort Street

New York, NY 10014

(212) 570-3600

Open: 10:30 am–6 pm


ジャパン・パレード、2回目の開催を決定

 今年5月に行われた日本パレードの第2回目となるイベント「ジャパンパレード」と「ジャパンストリートフェア」が来年5月13日(土)に開催されることが決定した。今年のパレードには85組約2400人が参加。踊りや武道、着物など日本文化の団体から、NYPDのマーチングバンド、アンチアジアンヘイト関連団体まで、さまざまな参加者がセントラルパークウエストを練り歩いた。神輿3基が祭りムードを盛り上げ、日本からの特別ゲスト「美少女戦士セーラームーン」には、沿道に詰めかけた2万人超の観衆が大きな声援を送った。69丁目で同時開催された「ジャパンストリートフェア」では和食やお茶の屋台に長蛇ができる盛況だった。 

 来年開催予定のジャパンパレードは、ジャパンデー・インク(現名誉会長・森美樹夫 在ニューヨーク日本国総領事・大使、現会長・魚返大輔 トウキョウ・マリン・アメリカ社長兼CEO)の主催。同団体は、日米交流、NYへの感謝の表意、日系社会の連帯強化をミッションとし、07年から「ジャパンデー@セントラルパーク」を開催してきた。現在協賛・寄付など支援を募っている。問い合わせはEメール[email protected]まで。

(写真)今年開催されたジャパン・パレード ©AP Photo

海外在留邦人のマイナンバー取得は2024年5月

 マイナンバーカード(以下カード)が日本国内で保険証と一体化されることが発表される中「海外に住む日本人はどうやってカードを取得できるのか」との質問を頂きました。 

 結論は、保険証との一体化に先立ち2024年5月から取得できます。これは2019年5月に公布された通称デジタル手続法で決定されたものです。この法律は、現在はカードは、海外に転出し住民票が消除する際に返却しなければならないものを、海外転出後も消除されない住民基本台帳の戸籍の付票(※)を個人認証の基盤とするように改正して海外でのカードの利用を可能にするものです。

 これにより、海外在留邦人のオンラインでの本人確認や、さまざまな行政手続も可能になります。この法律改正の背景説明として、住民基本台帳法制定時の1967年の約4倍の日本人の海外出国、デジタル化の進展による官民のオンライン手続の多様化、国外転出者のインターネット上の確実な本人確認のニーズの高まり、将来的には在外投票におけるインターネット投票、が挙げられていました。 

 国会で平将明衆議院議員が、現行法では、カードの変更や交付期限が切れると、その都度帰国して市役所等に行かなければならないが「それはあり得ないですね」と質問したのに対し、平井卓也デジタル大臣は「これはあり得ません。絶対にそういうことなく、何らかの方法を講じるということはコミットさせていただきたいと思います」と答弁しました。今政府内では、帰国しないで在外公館で対応できる改正が検討されています。

 平議員が、海外日本人にカードを交付する意味は、この仕組みを使って在外ネット投票を可能にすることにある、と指摘したのに対し、総務省はネット投票による利便性向上と、システムのセキュリティー確保の両方を考慮し、できるだけ早期に導入していけるよう、着実に検討を進める、と答弁しました。

 衆・参両院の選挙とも2025年が予想され、その1年前に海外日本人がカードを取得することは、在外ネット投票導入の環境が整うことになります。他方、カードが義務化されても保険証は廃止しない、と岸田首相の方針が変わるなど混乱しています。正念場を迎える在外ネット投票の国会審議を前に、カード拡大政策の混乱がその妨げにならないよう注視していく必要があります。

 ふじた・ゆきひさ=慶大卒。世界的な道徳平和活動MRAや難民を助ける会で活動した初の国際NGO出身政治家。衆議院・参議院議員各二期。財務副大臣、民主党国際局長、民進党ネクスト外務大臣、横浜国立大講師等歴任。アメリカ元捕虜(POW)の訪日事業を主導。現在国際IC(旧MRA)日本協会会長。岐阜女子大特別客員教授。

(※)戸籍の附票 新しく戸籍を作った(本籍を定めた)時以降の住民票の移り変わりを記録したもので、戸籍簿とセットで本籍地の市区町村で管理している。この戸籍の附票を写したものを証明書として使うが、戸籍全部事項証明書(謄本)などと同じく、本籍地で取り寄せることが可能。

司法試験に合格しました

小室さん晴れて弁護士へ

顔写真も公開し新たなステップ

 秋篠宮家の長女・眞子さんと昨年結婚した小室圭さんがニューヨークの司法試験に3度目の挑戦で合格を手にした。今回受験した試験には9609人が受験し、合格率は66%で、小室さんのような再受験での合格率は23%だった。今後は弁護士登録の申請書を提出して面接を受け、新規登録者が全員出席する宣誓式で晴れて弁護士としてスタートをきることになる。正式に弁護士の肩書がつくのは、半年ほど先になる見込みだ。

 発表の数日前に、小室さんが勤務するニューヨーク市内の弁護士事務所のホームページが更新され、これまで、最初は顔写真なしの空白状態だったのがラフなシャツ姿となり、今回はパリとしたスーツ姿で笑顔の小室さんの写真が掲載された=写真上=。現在の肩書は法務助手となっている。

 合格直後、小室さんが日本でパラリーガルとして勤務していた弁護士事務所に合格の一報を本人が入れている。日本側の各種報道によるとその際に「今回は合格しました。弁護士の仲間入りができて本当に嬉しいです。今回合格できたのも先生のおかげです。今後は、弁護士として研鑽を積んで行きたいと思います。ありがとうございました」とお礼を述べたという。

 同じく日本での報道では、宮内庁関係者の話として秋篠宮ご夫妻について「ほっとされていると思う」と話していたという。

 海外の論調としては、故ケネディ大統領の御曹司JFKジュニアも3度目の挑戦で合格を手にした例を挙げて「Third time lucky!」(三度目の正直)で「これまで批判してきた中傷者へ一矢を報いた」(英紙デイリーメール)や「合格したことでニューヨークでの生活がグッと向上するだろう」(AP通信)などの合格を祝福する論調となっている。

 今回の合格発表は、23日に31歳の誕生日を迎えた眞子さんにとっては最高のプレゼントとなったはず。26日は初めての結婚記念日でもあった。11月14日で、小室夫妻がニューヨークに到着して1年を迎えるが、この間、眞子さんはメトロポリタン美術館で日本古美術のリサーチをして展示作品の解説文を書くなど、日本で博物館学を学んだ経験を生かして社会との接点を持っている。小室さんの司法試験合格で、2人のニューヨーク生活も新たなステップを踏み出すことになりそうだ。

1年前にJFK国際空港に到着した小室さん夫妻

 生活の不安材料は治安 

 今後の生活での不安材料は治安。小室夫妻が住むウエストサイドのヘルズキッチンと呼ばれるエリアは、新しいビルも建ちはじめて安全になってきてはいるが、銃規制が再開したヘルズキッチンにありながら自宅の通りが指定区域から外れているため銃規制が緩いこと。ニューヨーク市警(NYPD)が発表した今年上半期の犯罪統計によるとアジア系へのヘイトクライム(増悪犯罪)数は30件で、増悪犯罪全体123件の24%を占めた。強盗や押し入りが30%以上増加した。交通機関での犯罪も昨年8月の149件から178件に約20%増加。憎悪犯罪も昨年同月の39件から55件へと41%増加。依然として治安は改善されていない。

KASHIYAMA旗艦店マジソン街にオープン

イージーセットアップやシャツ女性用スーツ、ジュエリーなども

 高品質で適正価格 を謳い文句に米国で注文スーツKASHIYAMAブランドを販売するオンワードUSA(本社ニューヨーク、村上潤CEO )が10月20日、マジソン街の旗艦店ショールーム(マジソン街501番地、電話646・904・8003)のお披露目レセプションを行った。

 メンズは、通常のビジネススーツと、肩パットや毛芯(キャンバス)が入っていない家庭の洗濯機でまる洗い出来る機能素材を使用するイージーセットアップの2種類がある。2種類ともショールームで採寸した上で、顧客の体型にあったフィットで作るが、スーツのタイプによって調整個所が異なる。イージーは、ビジネスカジュアルやオフの日にも対応できる素材やデザインになっているのでコロナ後から人気が高まっている。 

 価格は、メンズ、レディス共に、300ドルからだが、人気は、500ドルから700ドルくらい。 ニューヨーク路面店は、旗艦店として、メンズスーツ、ウィメンズスーツ、メンズシャツ、ジュエリーと全てのラインを取り揃えている。1階と2階と2層となっており、ゆったりとした場所で採寸から生地やデザイン選びまですることができる。村上CEO=写真右の中央=は「ここは旗艦店なので、全てのラインが揃っている。ここから私たちの世界観を発信していきたい」と抱負を語った。営業時間は火曜から土曜まで午前10時から午後6時。日曜と月曜は定休。事前の予約を。現在、ニューヨークのほか、ボストン、ワシントンDC、フィラデルフィアに4店舗を展開している。詳細はウェブサイト KASHIYAMA1927.com 


KASHIYAMA

501 Madison Ave.

New York NY 10022

Tel 646-904-8003


創作料理でホテルの結婚披露宴を演出する

ザ・ボックスハウスホテル、エグゼクティブシェフ

彰子 タナワーさん

 グランドセントラル駅から地下鉄7番線に乗って、イーストリバーを渡って1つ目の駅、バーノンブルバード&ジャクソンアベニュー駅で下車。ここはまだ、クイーンズ区の最近は ロングアイランドシティーと呼ばれるアストリア地区の一角だが、駅から2ブロック離れたプラスキー橋を歩いて川を渡るとそこはもうブルックリンだ。橋は1953年に建造された 跳ね橋で、現在はその橋が上がることがあるのかは不明だが無人のコントロールタワーの窓ガラスはピカピカに磨かれていた。橋を渡り切ったところにザ・ボックスハウスホテルがモダンな佇まいを見せる。

 彰子タナワーさんは、このホテルでエグゼクティブシェフとして今年の4月から屋上のイベント、結婚式の監修、来年春に予定されているメインレストランのオープンに向けた準備に追われている。パンデミックが明けて、今まで結婚披露宴を何度もキャンセルしていたカップルの披露宴ラッシュが続いていて、先週は4組の屋上披露宴パーティがあり大忙しだという。

 東京都出身、日本で中学から短大まで女子美でインテリアデザインを学んだが、社会に出てからは出版編集プロダクションで雑誌やインテリア関係の広告制作のグラフィックデザインの仕事に就き、その後25年前の25歳の時に来米し、ハンターカレッジの語学学校に通って1年で帰国するはずが、25年たった現在もニューヨーク在住に。「来たときにもう帰るつもりはなかった」という。

 子供の頃から海外に目が向いていた。大手旅行代理店に勤めていた父親は1年の半分は海外だったが幼少の頃から家族を海外旅行に連れて行ってくれた。世界中の食べ物も味わった。父親は食べものには哲学があり、寿司と天ぷらと焼き鳥はカウンター以外では食べないというポリシーがあった。日本の食文化を家庭で学ぶ機会が多かった。父親の弟(叔父)は有名な写真家で、作家の藤原新也さん。小さい時から可愛がってもらい、父親同様世界の広さを教えてくれた。大きくなったら海外で暮らしたいという思いの芽と料理の舌は幼少期に育まれたようだ。

 22年前に元夫と結婚。15歳の双子の娘がいる。結婚当時雑誌の編集の仕事をしていた夫に弁当を作りそれが編集部で話題になり彼の同僚にも作るようになる。その料理が評判となってニューヨークタイムズ紙の記者の耳に入りフードセクションで記事になった。

 その後トライベッカのNOBUの門をたたき運良く採用されラインクックとして一番下のポジションから始めることになる。その後、イレブン・マジソンやシェーク・シャックなどを経営するレストラン王ダニー・マイヤーのケータリング部門、マイ・オウンレストラン、ミッション・チャイニーズ、フードウェブサイトのテイスティングテーブル、アイバン・ラーメンなど個性の強い店からファインダイニングまでこなすことになる。今年でキッチンに立ち17年目を迎える。

 中華、和食、ニューアメリカンなど何でも一通りこなす。「職人へのリスペクトはありますが、毎日同じものをコツコツと作り続けるタイプではなくて、シーズンの野菜やローカルの食材を使って感性でひらめいたものを作るのが自分のスタイルだと思っています」。結婚式のパーティー料理の企画も大きな仕事。新しい食材を組み合わせた創作料理もどんどんと手がける。色、味、盛り付けも実にクリエイティブだ。青リンゴとセロリのシャーベット、鱒の卵を使った料理、豚バラのポークベリーにレモングラスの出し汁かけ、雲丹トーストとどれも美味しそう。プライベートでは現在、娘たちからの影響を受けてダンスにも熱中している。14時間立ちっぱなしの仕事のため、体力勝負だ。マンハッタンから一駅で150人規模の結婚披露宴が屋上でできるホテルがあることは「あまり日本人は知らないと思いますけど、こういうホテルがあることももっとニューヨークの皆さんや日本の人に知ってもらいたいですね」と話した。 (三浦良一記者、写真も)

俳優の魂が舞台に

忠臣蔵オフブロードウエー公演

好評につき期間を1週間延長

 赤穂浪士の事件を題材にした本格的な侍劇「忠臣蔵〜四十七士」が日米両語の非営利劇団アマテラス座(AMATERASU ZA、芸術監督・Ako=アコ)によってオフブロードウエーのARTNYシアター(西53丁目502番地)で好評上演中だ。ニューヨーク在住の日本人俳優たちによる初めての正式なオフブロードウエー公演。英語字幕表示で日本語セリフの舞台だけに、出演者たちの感情移入の機微が「人間ドラマ」として客席につぶさに伝わってくる舞台だ。

 出演は、舞台ナレーションと大石内蔵助の妻りくにAko=写真右=、多門伝八郎/中村勘助/新井勘解由/土屋主税にヨシ天尾、富森助右衛門に小野功司、大久保権右衛門/原惣右衛門/お喜世 /寺坂吉右衛門に合田沙おり、加藤越中守/大石内蔵助に市川達生、大石主税/松の廊下の侍に前嶋利菜、梶川与惣兵衛/徳川綱豊/吉良方侍にジュンスエナガ、浅野内匠頭/堀部安兵衛に鈴木やす、吉良上野介/田村右京太夫/江島/小野寺十内に米倉裕子、侍によしむらみなみ。10月24日付NYタイムズ紙が「パーフェクトではないが、次の展開に引き込まれる作品」と辛口ながら写真入りで大きく扱ったことは、NYでの舞台としての成功を意味する。好評につき13日(日)まで公演が延長。入場料は一般60ドル、学生・シニア30ドルだが中学生と高校生は無料になった。詳細はhttps://amaterasuza.ticketspice.com/chushingura-47-ronin

(写真)© Melinda Hall