既成概念を覆す表現手段を検証

ジャパン・ソサエティー、現代ファッション展

 ジャパン・ソサエティー(JS:東47丁目333番地)ギャラリーは18日(金)から2023年2月19日(日)まで、JS初の現代ファッション展、新進気鋭のファッションブランドCFGNYとWataru Tominagaの視点を通じて、人種、ジェンダー、アイデンティティを探求する展覧会「Refashioning: CFGNY and Wataru Tominaga」を開催する。

 アートとしての現代ファッションをテーマとした同展では、NYを拠点とするCFGNYと東京を拠点とする富永航の作品を展示。衣服、アクセサリー、テキスタイル作品、彫刻、ビデオなどで、2組のブランドが従来の服飾の枠を超えたさまざまな表現手段を実験的に利用することで、ジェンダーやアイデンティティに対する既成概念を覆す表現手段を検証する。アーティストによるトーク、ワークショップ、CFGNYの最新コレクションの独占公開も予定している。

 開廊時間は水曜〜日曜の正午から午後7時まで。入場料は一般12ドル、学生・シニアは10ドル、JS会員・16歳以下・障がい者および付添者は無料(金曜午後6時〜9時は誰でも入場無料)。詳細はウェブサイトhttp://www.japansociety.org を参照。

(写真)CFGNY  New Fashion II,2018 Polyester, cotton, stuffed animals Courtesy of CFGNY.
Photograph by David Brandon Geeting

編集後記 2022年11月12日

【編集後記】 みなさん、こんにちは。米国の中間選挙は昨日投票が終わりましたが、連邦議会の方は開票作業が進んでもまだ決着は見えていません。上院は48対48で拮抗し、激戦区ジョージアが12月6日に決戦投票をする予定です。下院は共和党が207議席、民主党が183議席で、改選となる435議席中390議席が確定してます。過半数は218議席です。ニューヨーク州知事選は民主党現職のキャリー・ホークル知事(64)が共和党のリー・ゼルディン連邦下院議員(42、ロングアイランド選出)を破り当選しました。アメリカ地図を色分けしした政党別分布を見と、米国東西の小さい州が青の民主党、土地の面積の広い内陸部はほとんど赤の共和党です。共和党トランンプ大統領候補が本命民主党ヒラリー候補を破った時の真っ赤なアメリカ地図が目に浮かびました。予想されたほどの快進撃ではないにせよ、勢いに乗ったトランプ氏が14日に次期大統領選挙出馬を表明するとも言われています。プーチンを賛辞していたトランプ氏が現在の西側諸国対ロシア・中国・北朝鮮の独裁国家とどう対峙するのか、枠組みに影響はないか、アメリカに住みながらも米国の選挙権のない外国人としての立場ながら先行きが不安でなりません。トランプ氏の極端な移民排除政策でビザが取れなくなり悲鳴を上げた多くの日本人がいた一方、不法移民に寛大なバイデン政権に反対するテキサス州などがニューヨーク市に春以降、4万人もの不法移民者をバスで送り届けて、NY市が対方に苦慮しています。いずれにしても対局の too much な政策は必ずどこかで誰かが困ります。米議事堂襲撃の首謀者として、脱税疑惑の被疑者としてこれだけ叩かれもまだ、トランプ氏が過去の人として葬りされていないところにアメリカの「言論の自由」が守られているともある意味思えます。
 話は変わって、今年もあと2か月ほどとなって、各種団体の年次晩餐会やパーティー、演劇、合唱団の演奏会などが目白押しです。本紙今週号1面で掲載したニューヨーク日本商工会議所(JCCI)の晩餐会が日米ビジネスマン550人を集めて、3年ぶりに対面で開催されました。また今週末の日曜日、13日午後4時30分から西66丁目の教会で「ありがとう!安倍元首相」と題する第14回風の環コンサートが開かれます。2008年に米国同時多発テロ犠牲者追悼というテーマでスタートしたこのコンサートは、音楽監督を務める白田正樹氏が指揮するジャパン・コーラルハーモニー「とも」、風の環少年少女合唱団が出演、ソプラノ歌手の野中百合子さんが美声を披露します。海外で安倍元首相の追悼をテーマにするコンサートは今回のニューヨークだけではないでしょうか。本紙先週号の2面に告知記事(https://nyseikatsu.com/editions/888/888.pdf )、20面に詳細がわかる全面広告(https://nyseikatsu.com/editions/888/pdf/page20.pdf)が載っています。私も久しぶりに日本の歌を聴いて心を和ませてみようと思います。入場無料です。皆さんも日曜日の午後、お誘い合わせてお出かけしてみてはいかがでしょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2022年11月12日号)

(1)NY州知事にホークル氏 米中間選挙

(2)NY日商晩餐会 対面で実施3年ぶり

(3)街角ファッション 動画DEチェック

(4)ワンストーリーアワード 北米大会を開催

(5)あめりか時評 デサントスによる共和党正常化は可能か

(6)求人情報に給与表示 NY市で義務化へ

(7)ホットドッグも値上げ 1本6ドルも登場

(8)HRを仕事にしたら 給料はいくらか?

(9)おしゃれな大学のおしゃれじゃない話 ニューヨークの魔法

(10 ) 女性映画人の視点 JSで20日まで上映

(11)故安倍首相を偲ぶ NYで風の環コンサート

NY州知事にホークル氏

米中間選挙開票

 中間選挙が8日投開票が行われ、ニューヨーク州知事選は民主党現職のキャリー・ホークル知事(64)=写真=が共和党のリー・ゼルディン連邦下院議員(42、ロングアイランド選出)を破り当選した。開票92%の時点でホークル氏が52・8%(299万8162票)、ゼルディン氏47・0%(266万7422票)となりホークル氏が勝利宣言を行った。

 郡部の多くはゼルディン氏が過半数を獲ったが、大票田のニューヨーク市はじめウエストチェスター、アルバニーなど有権者数の多いところをホークル氏が抑えた。

 ホークル氏は昨年8月にクオモ前知事がセクハラ問題で辞任したため副知事から昇格。民主党予備選を圧倒的強さで勝ち抜き、初の有権者の審判となったが、特に失点のない実績と中絶容認などで支持を集めゼルディン氏を退けた。

 ゼルディン氏は陸軍勤務の後、同州上院議員、連邦下院議員として政治経験を積んできた。トランプ前大統領の熱心な支持者とされ2020年の大統領選も不正があったと主張し、10月にはトランプ前大統領からの支持を得た。民主党が強い「青い州」とされる同州だが、治安悪化を鋭く突いてホークル氏に世論調査で肉薄したものの及ばなかった。

 州司法長官では民主党現職のレティシア・ジェームス氏(64)が共和党マイケル・ヘンリー氏を退け再選された。

 ニューヨーク州選出の連邦上院議員選は民主党現職のチャック・シューマー氏(71)が5選を決めた。共和党が過半数を奪った下院選だがニューヨーク州は民主党が強く、アレクサンドリア・オカシオーコルテス下院議員(第14区)はじめ26議席中、14議席を獲得、共和党は7議席、5議席が未確定とっている(9日朝時点)。

 キャシー・ホークル氏=1958年にニューヨーク州バッファローでキャスリーン・コートニー(Kathleen Courtney)として生まれた。家庭はアイルランド系で、カトリック教徒。1980年にシラキュース大学で学士号を、83年にアメリカカトリック大学(Catholic University of America)のコロンブス・ロースクールで法務博士号を得た。シラキュース大学在学中に政治関係に目覚めていて、その後連邦下院議員を経て、M&T銀行の政府関係部署も務め、2014年にアンドリュー・クオモの知事選挙で彼の副知事候補となり、選挙に勝ち、翌年から副知事を務め、18年にも再選された。21年8月のクオモ州知事の辞任表明によって、ニューヨーク州副知事から州知事に昇格。

JCCI、日米の絆

NY日商3年ぶり対面で晩さん会

 ニューヨーク日本商工会議所(JCCI NY、上野佐有会頭/米国三井物産社長兼CEO)は、日米関係の発展を祝う第38回年次晩餐会を7日、ニューヨーク・ヒルトン・ミッドタウンで開催した。

 今年のテーマは「Moving Towards the Future」。ポストコロナ社会における私たちの働き方と暮らし方の向上に焦点を当てている。今年のディナーチェアは株式会社三菱UFJ銀行の専務執行役員 米州副担当の新家良一氏。共同チェアはKPMG会長兼CEOのポール・ノップ氏が務めた。日米ビジネス・文化関係者ら550人が参加した。

 日米および世界の友好と理解に貢献した個人をたたえる日米特別功労賞(イーグル・オン・ザ・アワード)は、米日カウンシルの会長兼CEOであるスザンヌ・バサラ氏と2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏に授与された。

 また、故ノーマン・ミネタ氏(第14代米国運輸長官)と故安倍晋三氏(元日本国内閣総理大臣)の功績をたたえる「特別顕彰(Commemorative Award)」も贈呈された。今年は、ユーラシア・グループの創設者であり社長のイアン・ブレマー氏が基調講演を行った。

(写真) 左から新家氏、バサラ氏、ノップ氏、司会のマックスウエルさん、上野会長(7日夜、ヒルトンホテルで、写真・三浦良一)

ファッションの秋を楽しもう

 街路樹も紅葉から落葉へと移行しつつあるマンハッタンの秋。ブライアントパーク裏のNY公立図書館前で秋の装いの女性にファッションインタビューを申し出た。「いいわよ、是非!丁度、ルームメートと一緒におめかしして写真撮影を楽しんでたの」。普段はH&M店員のアルバイトをしており、グッチのベルト、SHEINのセーターとフォーエバー21のコート以外は全身H&Mに身を包む。服を買うときは、その時のお気に入りブランドに集中してしまう。今はH&MとZARAが自分の中のトレンドだ。ショッピングはお洒落ニューヨーカーの集うソーホーへ。そのついでに大好きなプリンス・ストリート・ピザについ立ち寄ってしまうのだとか。そんな彼女はカルフォルニア出身で、現在はNY大学在学中の学生。マンハッタンの出没スポットを聞いてみると、「キャンパス近くのワシントンスクエアが地元って感じで落ち着くわ。色んな人との出会いがあって、まさに多様性を経験できるの。読書も進むしね。後はアッパーイーストサイドでカフェ巡りを堪能してるわ」。この後は、一緒に写真撮影中のルームメートと共に夕食を楽しむ。「そしてバーに寄って一杯飲んじゃうかもね」。ハロウィンパレードやニューヨークシティマラソン。街を挙げたイベントも盛りだくさんのニューヨークの秋には世界中から個性豊かな人たちが集まり、ファッション発信地に相応しい華やぎを見せる。厳しい冬の到来を前に、街に繰り出してNYの11月を楽しもう。

(Wear 2Nextチーム/アパレル業界関係者によるファッション研究チーム)

故安倍元首相を偲ぶ、第14回風の環コンサート

3年ぶりにNYで開催

 今年で14回目を迎える風の環コンサートが11月13日(日)午後4時30分から、Good Shepherd-Faith Presbyterian Church (西66丁目152番地)で開催される。一昨年、コロナ禍で奮闘するNYの医療従事者を応援するチャリティコンサートを宮城県仙台市で開催して以来2年ぶり、NYでの開催は3年ぶりとなる。(主催:NPO法人風の環コンサート、協賛:混声合唱団Japan Choral Harmony「とも」)

 今年は「ありがとう! 安倍元首相」と題し、7月8日凶弾に倒れた故安倍元首相への追悼の意味を込めるコンサートとなる予定。非業の死を遂げた偉大なリーダーへの感謝と哀悼の思いをニューヨークから発信する。コンサートではJCH「とも」が追悼の意味を込め「Memorial Processional」などを演奏するほか、弦楽を中心とする風の環室内アンサンブルがサミュエル・バーバーの「アダージョ」などを演奏する。Memorial ProcessionalはJCH音楽監督の白田正樹氏が、友人のオーケストラ指揮者グレゴリー・シンガー氏が東日本大震災被災者の追悼曲として作曲した交響曲を混声合唱用に編曲したもの。また風の環少年少女合唱団、ボストン在住のソプラノ歌手・野中百合子さんが出演。恒例の被災地のアーティスト参加では、仙台から宮城学院女子大学音楽科合唱団がビデオ参加する予定。

 入場無料。問い合わせは電話917・371・8386、またはEメール[email protected](Mike Shirotaさん)まで。詳細はウェブサイトhttp://jch-tomo.org

国際的で身も心も美しく

ワンストーリーアワード

北米大会を開催

  株式会社ONE STORY AWARD(ワンストーリーアワード、福岡県福岡市、鶴田一磨代表)は、一人一人の経験や人生の歩みを称賛する新しい祭典「ONE STORY AWARD」を8日、ブルックリンのMIKAで開催した。「人と人、人と国」を繋ぐことを目的として2022年9月に日本(宮城県仙台市)に次ぐ大会で、今後は世界各地で開催が予定されている。同アワードは、心身美在をモットーとした女性たちのための新しいアワード。心と身体の美と健康、グローバルな言語、文化を学び続ける機会を提供し、一人一人が紡いでいく人生の物語を讃える祭典。

 8日に開催された本アワードでは、書類選考により選ばれたファイナリスト14人がドレスでレッドカーペットを歩いた後、美と教育に対する自分自身の考えや、賞金3000USドルを人のためにどう使いたいかについてスピーチを行った。Top of AWARD に選出されたのは、ボストン出身の今年ニューヨーク大学を卒業したオリビア・キャリーさん(22)で、「公園の市民サービスを充実させることで環境問題を考えて地域社会に貢献して行きたい。賞金3000USドルは植樹など地域社会の環境整備のために使いたい」と喜びを語った。キャリーさんは次年度以降に開催される日本大会へ招待される。

 当日は、特別ゲストで、人類の火星基地をNASAと共同開発する曽野正之氏による未来の建築、これからの可能性についてのスピーチがあり、子どもたちが国際交流や宇宙に興味を持つような未来への展望にも触れた。また、NYと日本をジャズギタリストとして橋渡しをする中井勉氏が大会をプロデュース。USA全米ディレクターは長久保美奈氏。グラミー賞受賞のトップミュージシャンらによる演奏やタップダンスが行われた。日本から本大会のために来米した鶴田代表は「11月8日。今日という日がワンストーリーアワードNYの誕生日です。ここニューヨークでこれから一年、一年みなさんと共に、成長していくワンストーリーアワードをお楽しみください。日本の文化を世界の文化を繋げていく役割を果たしたいです。皆さんと出会えた今日という日に感謝します」と語った。長久保USAディレクターは「皆様が日々取り組んでいることを輝いて力づよくスピーチする姿に感動しました」と話した。

(写真)発表後、優勝したキャリーさん(中央)と長久保USAディレクター(左)と鶴田代表

デサントスによる共和党正常化は可能か?

 今回の中間選挙では、夏までに行われていた共和党の予備選では、トランプ前大統領が推薦する候補が圧倒的な強さを見せていた。つまり、共和党の現職である議員や知事、あるいは穏健派の候補に対して、トランプ派の候補がどんどん統一候補の地位を奪っていったのだ。一部の統計では、予備選におけるトランプ推薦候補の勝率は、166勝10敗で勝率は94%という数字もあるぐらいだ。

 その時期には、トランプ派の主張は警戒されていた。例えば「2020年の大統領選でのバイデン勝利はウソだ」などという主張は、無党派中間層には敬遠されるに違いない、そうした分析がされることが多かった。事実、共和党本部はこうした予備選の推移に頭を抱える局面もあった。

 こうした経緯を考えると、今回の中間選挙における共和党の優勢(注、万が一、民主善戦の場合は、この「優勢」は「健闘」に変更)という事実を踏まえると、トランプの復権は確かであり、この勢いで2024年の大統領選へ向けての候補となる可能性は濃厚と思うのが自然かもしれない。実際に、日本ではそのような見込み報道が多くなっている。

 だが、ここ1週間から10日の動き、つまり今回の中間選挙の直前の政治情勢を見ていると、必ずしもトランプ躍進という評価は出来ない。全く別のモメンタムが動き始めているのを感じるからだ。

 まず今回の中間選挙の結果だが、共和党がかなりの集票を実現できた背景は、トランプ人気の拡大ではない。まして、2020年の選挙結果への異議申し立てでもない。原因は1つ、無理に拡大してもせいぜい2つである。1つは勿論、インフレだ。もう1つは都市部の治安問題である。特にここニューヨークの場合は、コロナ禍の出口に差し掛かっても治安問題は一向に解決せず、市民の怒りはかなり溜まっている。

 自分たちはインフレと治安問題に苦しんでいるのに、バイデン大統領は、環境問題、中絶問題、そして民主主義の危機の話ばかりしている、そんな印象が広がったのだった。結果的に、その怒りがある臨界点を越えることで、トランプやトランプの推薦する候補は決して好きではないが、それ以前にインフレと治安問題への怒りから、今回は「共和党に投票する」という行動に至っているのだと考えられる。

 つまりトランプへの支持が拡大したのではなく、民主党への怒りが巨大な投票行動になった、今回の中間選挙についてはそのような説明をする必要がありそうだ。では、その「トランプへの支持ではない」共和党票は、この先、2024年の大統領選ではどちらへ向かうのだろうか。

 勿論、共和党としては大統領候補のトップランナーはトランプで変わらないという声もある。事実世論調査をすると、トランプが2024年へ向けての候補ということでは今のところはトップである。だが、今のトランプは2016年とは違う。まず、ペンス前副大統領とその支持者とは、既に決裂している。長女のイヴァンカ夫妻とも政治的には喧嘩別れとなっている。何と言っても2021年1月6日の議会暴動事件などを巡って、また機密文書持ち出しや脱税などの容疑もやがて事件化されるかも知れない。そんな中で、2020年に僅差で敗けた票数を再び取るのは難しいであろう。

 そこで出てきたのが、共和党の第二の候補、ロン・デサントス・フロリダ州知事である。コロナ禍に際して一切の対策の強制に反対とか、移民のニューヨーク「送りつけ」など、「ミニ・トランプ」と呼ばれるようなポピュリズム政策を平気でやる人物だが、一方で、イエール大を優等生表彰されて卒業、ハーバードの法学博士で、かつ海軍SEALSにも属して戦功に対して勲章も受けている。そして何よりも44歳と若い。もしかすると、保守派として大衆的な人気を得ながらも、政策としてはレーガンのような最善手を選択できる人物かもしれない。反対に、あくまでポピュリズムに依存して失敗する政治家という懸念も残る。いずれにしても、ここへ来てこのデサントスという「トランプ以外の選択肢」が出てきたというのは重要だ。

 トランプはこのデサントスを警戒して、突然悪口を言い始め、自分は11月14日に大統領選への出馬表明をすると言い出した。こうなったら、この両者、予備選における徹底的な論戦で勝負をつけてもらいたいものだ。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

NYの求人情報、給与表示を義務化

 NY市当局は1日、新たな給与透明化法を執行し、求人情報に給与の範囲を提示することが義務付けられた。 

 4人以上の従業員を雇用している同市内の事業主は、オンラインや企業説明会、掲示板などの求人機会で、求人する特定の職種の最低と最高の給与の幅、昇格や転勤の可能性を「誠実に」明記しなければならない。同法は、人種や性別の賃金差を軽減し、従業員が給与の交渉をしやすくなることを目的としている。同市人権委員会は「誠実な給与額」について「求人情報を提示した時点で、採用者に意欲的に支払う用意がある額」としている。 

 3日付の経済専門放送局CNBCのニュースサイトの記事は、同法に従い掲示され始めた求人情報について伝えた。レポーター職=5万~14万5000ドル、テクニカルライター職=12万5800~21万1300ドル、顧問弁護士=10万6000~24万1000、シティグループの顧客サービス業=6万1710~15万5290ドルなど、特定の職務にも関わらず給与の幅が極めて広く「意図的かどうかは不明だが、事業主は新法や従業員の要求に応じられるようさまざまな対処法を探っている様子が目立つ」とコメントしている。また10月30日付のウォールストリート・ジャーナル紙の記事は、事業主は求人情報の掲示を下げる代わりに、志望者に通常の電子メールで申請することを促したり、求人仲介会社に依頼するなど、代替案を検討する可能性もある、と指摘している。

 同法案に応じていない場合は、求職者や従業員は同市人権委員会に告訴し、事業主には違反改めとして30日間の猶予が与えられるが、それでも応じない場合は民事制裁金25万ドルが課せられる。NY州議会でも同様の法案が今年6月に可決され、今後州知事の署名後に執行される。

ホットドッグも値上げ

1本6ドルの所も

相場は4〜5ドル

 ニューヨークのタイムズスクエア界隈のホットドッグのベンダー(屋台)20軒に、ホットドッグ1本をいくらで販売しているか、値段を聞き取り調査してみた。パンデミック前まで1本3ドルが相場だった値段を現在も維持していたのは20軒中6軒で既に3割と少数派だった。4ドルが5軒、5ドルが7軒、6ドルが2軒と、4ドル以上が全体の7割を占めた。6ドルと答えた店は夜の販売値段。また、値段を確かめないで注文を先にして、ホットドッグを受け取る時に値段を6ドルと言う店もあった。また、値段を事前に聞いて4ドルと言われて断ると「Three dollar for you.(あんたは3ドルでいいよ)」と客を見て値段を変えるところもあった。調査対象は46丁目から50丁目の6番街、7番街、ブロードウエーの交差点に店を構えるベンダーで聞き取りは11月1日に行った。ホットドッグの価格の相場は現在4〜5ドルで、3ドルという店があれば良心的と言えそうだ。夜は6ドルの店も出没していることになる。

 連邦労働省が10月13日に発表した9月の米国の消費者物価指数は前年同月比で8・2%の上昇となり、特に食料品は11・2%上昇、物価全体の約3割のウエートを占める住居費が6・6%上昇している。

 ニューヨークではレストランでの外食費も料理の国別を問わず高騰している。たとえ名の知れた高級的ではなくとも、白無地のテーブルクロスがかかっていてウエイトレス、ウエイターが注文を取りにくるようなレストランでは、パンデミック前まで20ドル台後半から30ドル台前半が主流だったメインディッシュ1品の値段が、現在は40ドルを超えるのも珍しくない。ラーメン一杯がタックス、チップを入れて20ドルを超える店が多いマンハッタンだけに外食費の高騰は、末端のホットドッグ売り場にまで及んでいるようだ。

 外食費を抑えるために自炊するAさんは、天ぷら定食が食べたいと食材を日系スーパーで買ったら日本茄子2本パックが9ドルもして、外食するののと変わらない出費になったという。

HRを仕事にしたら給与はいくらか?(上)

クイックUSA 在米日系企業のHRネットワーク アメリカの人事部 112

 パンデミック環境のなか、HR(Human Resources)の仕事内容もこの2年で激動の渦中におかれ、大きく変容した。このような環境変化で、HRを仕事にした場合、報酬は

どの程度もらえるものなのだろうか?

 報酬データとソフトウェア会社である Payscale のHR賃金レポートが発表された。2021年7月から22年7月の間に米国中の3万7859人のHR専門家についての分析である。このデータにCHRO(Chief Human Resources Officer)等のExecutiveのデータは入っていない。

 人材育成関連のHRポジションが高い報酬トップに

大きな特徴としてはトレーニングやプロフェッショナル育成といった人材育成の分野のHRポジションが大きな報酬を得ていることが分かった。例えばTraining Administrator (トレーニング管理)というポジションでは1年間で21・7%の給与上昇があった。Professional Development Managerの給与中央値は30万8000ドル 、Learning Manager の給与中央値は21万4000と調査の中でも第1位、第3位の位置づけとなっている。これは人材育成のReskillingやUpskillingといった人材育成への関心やパンデミックの人材不足の中、限られた人材の中で市場の対応や企業戦略に応じた人材の配置のために人材育成担当のHRポジションに脚光があたっていることが分かるデータではないだろうか。

山口 憲和, MBA, SHRM-SCP 

Philosophy LLC 代表

www.919usa.com