ラグジュアリーフォーマルウェアデザイナー
横山 宗生(よこやま むねたか)さんは、これまでパリやミラノのファッションウイーク、カンヌ国際映画祭など世界の舞台でコレクションを発表してきた日本人フォーマルウェアデザイナーだ。着物生地や西陣織を用いたドレスやタキシードで注目を集めた。
東京・南青山を拠点に活動し、アカデミー賞やグラミー賞関連の衣装製作実績を持ち、年間50人以上の俳優・アーティスト・モデルに衣装を提供している。慶應義塾大学大学院、東京工業大学大学院、文化服装学院などで特別講師を務めるほか、著書に『フォーマルウェアの教科書(洋装・和装)』がある。
現在、ニューヨークをはじめ海外展開を進めている。海外では特に着物生地を使用したラグジュアリーでエレガントなドレス・タキシードが人気だという。
今年の9月のニューヨーク・ファッション・ウイークに参加するため、下見にニューヨークを訪れた。
「今回ニューヨーク・ファッション・ウイークを拝見し、強く感じたのは『エネルギーと個性』です。ヨーロッパが『歴史やエレガントさ』を大切にするのに対し、ニューヨークは『今この瞬間のリアリティ』と『個性』が際立っていました。特に印象的だったのは、多様性を前提とした表現です。人種・体型・価値観を超えてファッションが開かれている点は、とてもアメリカらしいと感じました」と話す。
フォーマルという装いは、欧州の方に伝統があるが、アメリカのフォーマルについてどんな印象を持ったのだろうか。
「欧州のフォーマルは、王室文化や貴族文化を背景に発展してきた歴史があります。一方、アメリカのフォーマルは、より自由で、自己表現としての意味合いが強いと感じました。ルールを守ることよりも、『自分らしくどう着こなすか』という姿勢が前面に出ていましたね」。
9月のニューヨークでは、日本の伝統素材(西陣織や友禅)を用いたラグジュアリーフォーマルを、より明確なメッセージとともに発表したいと考えているそうだ。テーマは「Luxury Japanesque Sustainable Formal」。「単なる和風ではなく、日本の伝統産業を活用し『日本の精神性を持つ日本発信のフォーマル』をお披露目したい」と意気込む。
「ニューヨークという多様性の都市で、日本の伝統が未来のラグジュアリーとしてどう響くのか。その挑戦をしていきたいと思っています。とても楽しみです」そう言い残し、マンハッタンの交差点で捕まえたイエローキャブに足早に乗り込んで行った。 (三浦良一記者、写真も)

