ジャパン・ソサエティーで3月27日から4月4日(日)まで、「Meiko Kaji: A Retrospective」と題した女優・梶芽衣子の回顧展が開催されている。
(写真上)Photo: Stefanie Candelario
梶は、1965年に日活の専属契約俳優としてデビュー。控えめで慎ましい女性役という既定の型に抵抗した梶はすぐに脇役に追いやられたが、その屈しない性格はアウトサイダー役に適した不屈の精神を示し、アウトロー、不良といった反体制的なイメージを体現する存在となった。仁侠映画やピンクバイオレンスからヤクザ映画、テレビへと活躍の場を広げた梶の鋭い眼差しは日本の映画時代を象徴する存在ともいえる。
NYでは、「修羅雪姫」(1973年)、「女囚701号/さそり」(72年)、「女囚さそり/第41雑居房(72年)、「やくざの墓場 くちなしの花(76年)、「野良猫ロック セックスハンター」(70年)、 「曾根崎心中」(78年)、銀蝶渡り鳥」(72年)、「怪談昇り竜」(70年)、「新仁義なき戦い 組長の首」(75年)、「女囚さそり けもの部屋」(73年)の10作品を上映。3月28、 29日の週末には舞台挨拶し、Q&Aで撮影当時の秘話を語り、元気な姿を見せた。
大人気!梶芽衣子
NYで10本上映する回顧展開催
ジャパン・ソサエティーは連日大盛況
ジャパン・ソサエティーで3月27日、「Meiko Kaji: A Retrospective」と題し、女優・歌手の梶芽衣子の出演作10本を上映する回顧展が開幕した。最終日は4月4日(土)。
オープニング上映作品は、クエンティン・タランティーノ監督が『キル・ビル』でオマージュを捧げたことで知られる『修羅雪姫』(藤田敏八監督、東宝、1972年12月1日公開)。上映後には梶さんの登壇とQ&Aが予定されていたが、航空機の欠航により到着が1日遅れ、出席はかなわなかった。チケットは完売。NY市在住の25歳のアメリカ人女性(マーケティング会社勤務)は、「今日のキャンセルは残念ですが、日本人の父の影響で私も梶芽衣子さんのファンになり、全作品を観る予定です。『修羅雪姫』は今回で8回目。次回のQ&Aでご本人に会えるのを楽しみにしています」と話した。
28日の『女囚さそり 第41雑居房』(伊藤俊也監督、東映、1972年12月30日公開)もチケットは完売し満席。上映後、多くの観客が立ち上がって拍手で迎える中、梶さんが登壇し、会場は歓声に包まれた。Q&Aでは、映画史家でライターのサム・デイガン氏が質問し、通訳は内山モニカ氏が務めた。
梶さんは「昨年からお話をいただき、本日ここに来るのを楽しみにしていました」とあいさつ。『女囚さそり』の主演を打診された際、劇画原作であることから「このままでは難しい」と感じ、「このヒロインに言葉はいらない」としてセリフなしを条件に引き受けたことを明かした。また、同作がデビュー作となる伊藤監督の提案で、撮影を順撮りで進めたいという希望も東映側が了承。当時(昭和40年代)は毎週2本の新作が公開され、1カ月で8本の撮影が進む過密な状況の中、セリフなしの主演と順撮りを認めたことに「とても驚いた」と撮影秘話を語った。
「松島ナミというパワフルな女性像はフェミニストのアイコンとも言えるが、当時そうした意識はあったか」との質問には、「強い女性像を求められているのであれば、それを演じるのが自分の義務だと思っています」と回答。また、主題歌を歌う歌手としての活動については、「当時の日活では主演俳優がレコードを出すのが当たり前で、撮影やアフレコの後に歌うのも仕事の一部だった」と振り返った。現在は歌うことで活力を得ており、「帰国後の4月にはライブも控えている。歌って話しての1時間半が良いエネルギー源になっている」と語った。
今後については配信ドラマへの出演が予定されているという。配信中のNetflixオリジナル作品の小栗旬主演『匿名の恋人たち』でショコラティエの三枝役、さらに『幽☆遊☆白書』では幻海を演じてるが、詳細は現時点で非公表。幻海役ではアクションが多かったが「体が覚えていた」と語った。
3月24日に79歳の誕生日を迎えた梶さんは、「あと10年は頑張ります」と笑顔で語り、拍手の中、Q&Aは締めくくられた。
(菊楽めぐみ、講演写真も)



