日米交流の場の要になりたい

エグゼクティブらうんじ

ジャパン・ソサエティー理事長

ジョシュア・W・ウォーカーさん

  昨年12月にジャパン・ソサエティーの理事長に就任してはや半年以上が過ぎた。3月中旬から新型コロナウイルスの世界的蔓延(パンデミック)によって会場での物理的な活動が制約を受けたが、オンライン上で活動を継続している。ジョシュア・W・ウォーカー理事長に今後の抱負を聞いた。

 (聞き手・三浦良一記者)

 6月の年次総会・授賞式も初のオンライン上での開催で無事終了しました。

 「もしパンデミックの時でなかったら、オンラインのズームで年次総会に参加して下さいと日本のゲストの皆様にお願いしたらおそらく大変失礼なことになったでしょうが、世界同時進行のコロナ禍の時だからこそ皆が揃って心を一つにして参加し、サポートしていただけたと思います」

 今後もオンライン上での活動が中心になるのでしょうか。

 「ジャパン・ソサエティーに来ればなんでも日本のことが分かる日米交流の場の要になりたいという思いがあります。ただ現実に今は人が集うことはできませんが、新型コロナウィルス後もオンライン上での発信は継続して、ハイブリッドな、劇場などで行う物理的な活動とバーチャルな方法での活動を融合させて人の心と心を繋ぐ活動ができればいいですね。コロナは災いとして多くの犠牲をもたらしてますが、前向きなチャンスをそこから見出さないと。未来に向かうきっかけとなるターニングポイントですね」

 今39歳。113年の歴史の中でも最年少の理事長ですね。

 「自分は、前任の櫻井さんのように大企業のトップを務め、大使までされた経歴とは違って最初は自分にできるか心配でしたが、櫻井さんや多くの理事の皆さんと直接お会いした時に勇気をもらって、よし頑張るかという気持ちになりました。私は1歳から18歳まで北海道で宣教師の子供として育ったので、外見は見ての通り白人のアメリカ人ですけど、心は道産子です。札幌味噌ラーメン大好きです。アメリカに戻ってからはトルコや米国務省などで働いて日本との関係は少なかったですが、だからこそアメリカと日本とを結びつける橋渡し役は自分にぴったりではないかと思ったんです」

 理事長としての自分に課したミッションは何でしょうか。

 「二つあって、一つは、デジタル・イニシアチブ。オンラインを使って日本の素晴らしさをニューヨークに限らずに全米、全世界に発信していくこと。二つ目は、日本のことは日本食や自動車で知っていても日本の文化についてはよく知らないアメリカ人に、日本文化の素晴らしさを紹介して日本に対する豊かな知識を持ってもらうことです。それと最近感じたことは、中国や韓国のコミュニティーはアメリカ社会と強い繋がりを持っている。日米グループはそれと比べて小さいので、手を差し伸べてニューヨークの日系社会とアメリカ社会とを結びつける橋渡し役になりたいです。週刊NY生活の読者の皆さんたちのこと、日系社会のことをいっぱい教えてください」

ありがとうございました。


■ジャパン・ソサエティー(JS)について

 JSは、1907年(明治40年)にNYに設立された米国の民間非営利団体。全米最大の日米交流団体として、両国間の相互理解と友好関係を促進するため、多岐に渡る活動を1世紀以上にわたって続けている。活動範囲は、政治・経済、芸術・文化、日本語教育など幅広い分野にまたがる各種事業や人物交流などを通じて、グローバルな視点から日本理解を促すと同時に、日米関係を深く考察する機会を提供している。 www.japansociety.org 

■個人データ(略歴): ジョシュア・W・ウォーカー博士(Dr. Joshua W. Walker)

 ジャパン・ソサエティーの第20代理事長。米国生まれ、日本育ちのバイリンガルとして、国際関係、日米間の相互理解促進に従事。18歳で帰米。リッチモンド大学、イェール大学大学院卒業。プリンストン大学で博士号(政治・公共政策)取得。米国務省、国防総省を含む複数の政府機関ポストを歴任。地政学的リスク分析専門コンサルティング会社ユーラシア・グループのグローバル戦略事業部長兼日本部長を経て、2019年12月より現職。コロンビア大学国際公共政策大学院(SIPA)准教授。39歳