「おめん」の品川さん死去

SOHOにうどん店で一時代築く

 ソーホーのうどん店「おめん」の創業者、品川幹夫さんが11月17日に京都の病院で肝臓がんのため死去した。享年66歳だった。1981年にソーホーにうどんをメインにした日本食店「おめん あぜん」を開店。ニューヨークの文化人が集う店として繁盛した。創業の地は京都大文字山の麓、銀閣寺に昭和42年に母親の品川登美さんがうどん店を興した。当時の関西にしては珍しい濃口醤油を使っただしに胡麻、きんぴらごぼう、野菜を入れるつけ麺が評判を呼び、ニューヨークでもこのスタイルが「おめん」の名で人気のメニューとなった。合成添加物や化学薬品、精製された白砂糖を一切使わず、伝統的で自然な製法で作られた日本食文化を伝えていきたいという強い思いがファンを魅了した。また個人としては天理文化協会の運営委員としてニューヨークにおける日本人芸術家支援の活動にも力を入れていた。

 八木ボンNY日本食レストラン協会理事長の話「気持ちの優しい落ち着いた紳士だった。京都をバックボーンにした日本食文化をニューヨークで広める礎となった人だった」