「自分の街NY」を実感して舞台に立つ

俳優・プロデューサー

高野 菜々さん

 東京を拠点に全国で活動してオリジナルミュージカルを創作する音楽座ミュージカルの俳優兼プロデューサー、高野菜々が、まもなく1年間のニューヨークでの文化庁新進芸術家海外研修を終えて春に帰国する。

 ニューヨークで昨年春に行われたジャパンフェスに出演をしたのを始めに、最近ではブロードウエー俳優たちが出演するコンサート「ブロードウエー・セッションズ」のオーディションに合格して出演するなど精力的に活動した。夏にはハリウッドで名アクティングコーチのイヴァナ・チャバックに師事して演技漬けの日々を送って昨年秋ニューヨークに戻ってきた。現在は2月17日(金)にニューヨークで行う初の単独コンサートに向けて準備を重ねる毎日だ。

 1年間で得た最大の収穫は? と尋ねると「日本にいたときに忘れていたものを思い出させてくれたこと」という返事が返ってきた。こちらでレッスンを受けているときに、同じ仲間から「あなた何をするためにニューヨークに来たの?」「将来はどんなことをしたいの?夢はなに?」といきなり聞かれた時、日本語のように謙遜して控えめにいうという表現が英語ではとっさにできなかったこともあり、素直に「日本のオリジナル作品を世界に発信すること。故郷広島で育ち感じた平和の尊さをミュージカル作品を通して発信すること」と心の中で常日頃思っていることを正直にストレートに話した。すると、「すごい!」と大いに称賛してくれて、仲間として迎え入れてもらえたような新鮮な感覚を味わったという。日本では、軽々しく大きな夢や希望を口にすると呆れられたりすることが怖かったが、ニューヨークには世界中から、自分の目的に向かってまっしぐらに生きている挑戦者たちばかりなのを実感した。

 思えば、広島音楽高校を経て、2008年6月から音楽座ミュージカルに参加。初舞台で主役に抜擢、圧倒的な歌唱力と大胆な演技が注目され、以降、常に主要な役柄をつとめてきた。時に求められているものに追いついていない自分を感じていたことにも気がついていた。

 14歳の時にミュージカル「キャッツ」を観て、あまりの衝撃に全身が震えたのを覚えていて「こっち(客席)じゃなくて、あっち(舞台上)に行くんだ」とその瞬間ミュージカル俳優になることを決意した自分が今、ブロードウエーにいる。

 NYで活動したことで、自分のパフォーマーとしてのターニングポイントになったことだけは確かだ。「ここは私の街」と自分の心を上機嫌にしている自分のマインドに幸運も引き寄せられるのだということも学んだ。春に帰国して9月にはミュージカル『生きる』(企画制作・ホリプロ)にヒロイン役で出演も決まっている。再びNYに戻ってくるつもりだ。(三浦良一記者、写真も)

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 ■高野菜々ライブ ・インNY「Brilliant」は2月17日(金)午後7時開演「ドント・テル・ママ(西46丁目343番地)15ドル。問い合わせはEメールimamuramasayoshi@gmail.com 詳細は文化面(16面)に掲載。

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