東日本大震災被災地とNY結ぶ

シンガーソングライター

AKさん

 第10回トゥギャザー・フォー・3・11東日本大震災オンライン追悼式典が、3月6日にニューヨークで開催される。多大な被害と犠牲者を生んだ大震災から10年、変わらぬ思いでニューヨークから被災地に寄り添う日本人たち、ニューヨーカーたちがいる。呼びかけの中心となっているのが追悼式典を主催するフェローシップ・フォー・ジャパン、トゥギャザー・フォー・3・11の代表、AKこと柿原朱美さんだ。

 本業はシンガーソングライター、プロデューサー。UNIVERSAL MUSIC JAPANアーティスト。14枚のアルバム、200曲以上をこれまでリリースし、数々のヒット曲を生み出した。 2001年、9月10日からNYに在住し、全米デビューシングルが世界中で1位となる。昨年は2曲手がけ、咲妃みゆの「オンリーユー」が9月にオリコンでトップ10に入った。

 歌が被災地との絆を作った。東日本大震災の数日後、日本人女性の友人たちの集まりで街頭募金に立ったのがきっかけで100以上のボランティア団体が賛同してフェローシップ・フォー・ジャパンを立ち上げた。ニューヨーク日本総領事館、ジャパン・ソサエティーも協力する国家事業的イベントに拡大した。今年はコロナ禍という状況を踏まえて、オンライン追悼式ストリーミングで実施する。「離れていても心は繋がる、思いは寄せられる、祈ることはできる。コロナはいろんな自由を奪ったけれど、同時に新しいチャレンジと新しいことを生み出す力を皆さんに与えた」。東北に何度も行くうちに両親がいる故郷広島とは別に東北が第二の故郷になったという。

 少女の頃から歌手になるのが夢で、広島で小学校5年生の時に雑誌の作詞作曲の募集に応募して最優秀次席に選ばれ小椋佳から直筆の手紙が届いた。「あなたの詩には才能がある。これからも続けてください」とあった。歌手になる夢を叶えるには上京しかないと、両親を説得するためビオラで音楽大学進学を目指し日大芸術学部の音楽科に進んだ。3年の時に歌手プロデビュー。その時初めて親に「最初から歌手になるつもりだった」と白状した。父親は「わかっていたよ。自分の夢に進みなさい」と笑顔で言ってくれた。「曲作りは、パッションがある限り80になってもできる。情熱を失わない人生と向上心を忘れずに生きていきたい」と話した。追悼式典は3月6日(土)午後8時から9時まで(詳細:facebook.com/TOGETHERFOR311)。

(三浦良一記者、写真は本人提供)