世界的なピアノ産業で成長

クイーンズ区ディトマース・スタインウェイ地区北部は、広大なコン・エディソン(電力会社)施設などがある産業エリアですが、19世紀頃の景色は全く違い、ピアノで有名なスタインウェイ家のビジネス関連一色の地区でした。
ドイツ系移民の創業者ヘンリー・スタインウェイが始めた「スタインウェイ・ピアノ」工場があり、息子のウィリアム経営時に一層発展します。多くの技術革新や特許取得をし、世界的な高級ピアノブランドに成長。そして、ピアノ工場のみならず、近隣に工場労働者向けの住宅、教会、図書館、学校(キンダー)、公園、インフラを整備し、理想的な労働環境を目指した産業コミュニティとして、約400エーカーの「スタインウェイ・ビレッジ」も作っています。
さらに、フェリーでマンハッタンから行ける海辺の家族向けリゾート地として「ノース・ビーチ遊園地」を1896年に開業。ここはクイーンズのコニーアイランドと言われたリゾート地でしたが、残念ながら1920年代後半頃には次第に衰退。今その跡地はラガーディア空港のターミナルA周辺です。
加えて、マンハッタン区との交通手段の必要性から、イーストリバーの下に「スタインウェイ・トンネル」を作り、1915年に地下鉄が開業。現在は地下鉄7号線グランド・セントラル駅からハンター・ポイント・アベニュー駅間として使用されています。


スタインウェイ家は、小高い場所に建つ「スタインウェイ・マンション」に1870年から1920年代まで居住。米国国家歴史登録財でNY市ランドマークですが、現在は私有地であり非公開。かつては広大な敷地内にあったこの邸宅は、産業地区の中でひっそりと佇んでいます。
創業家によるピアノ会社経営は1972年に終息していますが、ピアノ事業、産業コミュニティ、遊園地にトンネルとさまざまな事業でビジネス手腕を発揮し、スタインウェイ家は地域リーダーとしてアストリアの発展に影響を与えたそうです。
スタインウェイ・マンションまでは最寄り地下鉄駅から徒歩20〜25分です。
プロフィール: 明石鯛
兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末の街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。

