品川哲山作品展 ギャラリー・マックスNYで

 「野人生涯」を貫いた書家、品川哲山(しながわ・てつざん)の作品展が11月4日から15日(土)までソーホーのギャラリー・マックス・ニューヨークで開催されている。これにあたり、 哲山の孫となる品川耕太氏ら親族がレセプションに参列した。耕太氏は、1981年ソーホーに創業した日本食レストラン「おめん」の創始者・故品川幹雄氏の甥で、現在は京都銀閣寺前にある「おめん」を経営している。

 アメリカでの最後の展覧会からおよそ30年の時を経て開催されるこの書道展は、再び日本の書の真髄に触れる貴重な機会とななった。

 品川哲山、本名品川要治は1910年、群馬県の織物業者・実治とたいの三男として生まれた。1930年代には赴任先の中国、朝鮮にて漢詩と書を学び、戦後は困窮の中にあっても精神的豊かさを追求し、筆をとり続けた。作品には、古代日本、中国、東南アジアの古典文学、更に西欧哲学の研究を通じて培われた豊かな教養が、ゆるぎない精神性として昇華されており、現代世界への深い洞察、美に対する純粋な称賛、先人への敬慕の念、そして家族に対する深い愛情が込められている。

 孫の品川耕太さんは、「今展覧会のテーマは『PASSION』。書を揮毫(きごう)する瞬間に拳を振り上げ、 込み上げる心の衝動を口ずさむ姿を家人は何度も目にしており、今展に相応しい一言と確信している。ニューヨークに『おめん・あぜん』を築き、発展へと導いた品川幹雄の根底にも流れる理念を、哲山の書から感じ取っていただければこの上ない喜びだ。自分の代で祖父の展覧会をニューヨークでできて嬉しく思う」と話している。(三)