セッション・ヘアスタイリスト
ニューヨーク・ファッションウイークがやってくると、目まぐるしく忙しくなるのがセッション・ヘアスタイリストと呼ばれるヘア・デザイナーたちだ。普段は雑誌のモデルの髪型を作るが、ショーになるとランウエーを歩くモデルたちの髪をムードボードに従って手際よく短時間で作り上げていく。ムードボードとは、その撮影をこういう方向性で進めたいという資料のようなもので、文章のみだとイメージに差が出るので通常は主に画像を共有しているという。
ニューヨークでセッション・ヘアスタイリストとして活躍している小室しほりさん(37)は、雑誌やファッションショーに特化したヘアーをそれぞれのステージに合わせた髪型を作っている。埼玉県出身で高校卒業後、都内の美容学校を卒業し、都内サロンで 10 年以上の美容師経験を経て、セッションヘアスタイリスト TAKESHI に師事し、独立後 2024年に来米した。
アメリカに来るきっかけとなった動機は、日本の雑誌などを見ていて、この髪型は、髪を切る事でこうすれば作れるとわかるのに、 海外の雑誌で見る髪型にはそれがわからないものが沢山あったことだ。かっこいいなと思うスタイルを作っているヘアースタイリストがニューヨークにいる人が多かったこともある。ヘアデザイナーのアシスタント時代に、周りで活躍しているデザイナーたちの多くが、海外での仕事を経験していること、この仕事には海外のトレンドや感覚が必要だと感じたこともニューヨークに来た動機だったという。
日本の女性ファッションは、「カワイイ」が一番の褒め言葉になっていて、特にヘアスタイルは、カワイイ系が主流。綺麗系も、ファッションと同様に、全体的にまとまっていて、その日の気分やTPOに合わせて綺麗に演出していることが多いが、アメリカに来て思ったのは、日本よりも中性的であり、かっこいい、汚くてもそれでいいと言ったバリエーションが存在していることだった。
小室さんの活躍の場所は主に雑誌だが、 ファッションショーなら服に注目がいく髪型を。 雑誌はその媒体によるが、ヘアーにフォーカスしているストーリーの場合は作りこんだヘアーにもするそうだ。今年のファッションウイークもいくつか参加予定だが、ギリギリに決まることも多い。 今年はインディペンデントデザイナーのショーを手伝う予定だという。「将来はこれまで携わったことのない雑誌や媒体の撮影にも挑戦してみたいですね」と語った。
(三浦良一記者、写真も)

