美食の街、バルセロナで大絶賛となっている日本食レストランがある。世界一予約の取れないと言われた伝説の店「エル・ブジ」(現在は博物館)の元総料理長が開いた「Dos Palillos」で2019年よりヘッドシェフを務め、日本食をベースとしたアジアンフュージョン料理で継続的に星を獲得するなど、名実ともにスペインを代表するシェフ、桑原孝一を調理長として迎えた茶懐石ライブレストラン「SCAPAR(エスカパール)」だ。同店のオーナー利根幸進氏(44)がこのほどニューヨークに新たな拠点を作るため来米し、精力的にNY市内の名門店関係者と接触している。
もとプロのフットサル選手でもあった利根氏は、サッカーイベントのために初めて訪れたバルセロナで桑原氏と出会い意気投合、すぐに出店を決めたという。昨年3月に物件を取得し、7月にはオープンしたというスピード感は、まさに元サッカー選手ならでは。世界中から訪れる美食家、健啖家が揃って「今までにない唯一無二の食事体験」と絶賛するその味は、今月、開業10か月目にしてミシュラン・セレクテッドに選出される快挙を果たした。
利根氏は、愛知県名古屋市出身。順天堂大学卒業。外資系製薬会社ファイザーに勤務しながら複数法人の代表も務め、退社後は国内外の不動産を有するオーナーとしても知られる。「ニューヨークは私にとって海外で勝負する上で一つの大きな目標でしたが、世界中から美食家が、うちの店の料理を食べるためにやってくるそんな理想的な姿を桑原氏と出会えたことで実現することができた。自分自身はシェフではないが、近い将来ニューヨークでも実現するのが目標。37歳の時に、グアムサッカー1部リーグ「Rovers」とプロ選手契約し、タイのフットサル2部リーグ「YFA WARRIX SRIRACHA FC」とプロ契約を結んだ経歴から日本国内の大学から学生向けの講義を頼まれることも多い。「人生100年時代。しかし、うかうかしていると人生はあっという間に終わってしまう。学生には大きな夢を持って人生を豊かに過ごして欲しいと伝えてるんです」それは常に自分自身にも言い聞かせている言葉でもある。
(三浦良一記者、写真も)

