日本語プログラムの学生
ニューヨーク市立大学ハンターカレッジの日本語プログラムを履修している学生たちによる「茶会」が14日、同校の西校舎603号室で開催された。このイベントは、同プログラムの今季の授業で茶道を受講した学生たちが、自分たちが学んだお点前を一般に披露する目的で行われたもので、約120人の参加者が集いお茶会を楽しんだ。
訪れた参加者に対し、茶道クラスの生徒たちが、茶道の作法のみならずその歴史や心得、精神性なども交えて詳しく説明をし、実際にお茶と和菓子を提供して茶道という日本の伝統文化を紹介した。
今季に茶道クラスを受講し、この日参加者にお手前を振舞った同校4年のエイミー・ターさんは「もともと日本の音楽など日本文化が好きで、友人に誘われてクラスを受講した。お茶会の一連の動作は一つ一つに意味がありとても興味深く、『一期一会』という日本の独特の精神を学び興味深かった。近い将来に日本を訪れて実際に日本文化を体験してみたい」と話し、今後も茶道を通してより深い日本文化を勉強していく意欲を見せた。
同クラスは、裏千家茶の湯センターの協力を得て開講されており、米国で9校ほどしか認められていない茶道で単位が取得できる履修科目となっている。ニューヨークで茶の湯の良さを知ってもらうため、講師を務める阿部真理宗真氏やフィリップ・ハファティ宗建氏らが生徒への指導を行っている。


また、茶会に先立つ12日には、ハンター大大学生たちによる日本に関する研究パネル発表会が開催された。これはニューヨーク地区で活動する日本の文化に関係する仕事をしている人を訪ねて、仕事の内容や仕組み、社会との関わりについて対面インタビューして調べたことをパネルにまとめて、発表するもので、毎年卒業シーズンに開催されている。
今年は、日本の茶室の設計や殺陣による武士道精神、ニューヨークでのソシアルワーカーの仕事、NY日本総領事館の文化担当、アニメ、漫画翻訳・通訳者、画家、テレビキャスター、日本の大学との交流、ハンターカレッジ内の日本語クラブについての12人が展示発表し、来場者に学習したことを説明した。
中国系のジンフェン・ザンさんは日本の茶室デザイナーの遠山典男氏と連絡をとってインタビューした。「茶室は入り口が小さくて、どんなに偉い人も頭を下げて入るところに日本の精神性を感じた」という。バングラディシュから来て在米9年のカジ・クブラさんは大阪メトロポリタン大学と週5回の日米オンライン会話の活動内容を報告した。同大日本語クラブの会長を務めるだけあって流暢な日本語で来場者を驚かせた。