佐藤正明 ブルックリンで人気

NowHereがプリント展出品

 5月末オープンを目指して工事を進めているアートギャラリー、ナウヒア(NowHere)が4月中旬ブルックリンのゴワナスエリアにある巨大アート施設「Powerhouse Arts」で開催されたプリントフェアに出展した。

(写真上)初日で売れた佐藤の地下鉄シリーズ Subway No.12(1976)Screenprint Image Size: 24″ x 19″

 同展ではニューヨーク在住のアーティスト佐藤正明の作品を紹介。今回は個展形式での発表で、版画だけで個展形式で発表するのは、佐藤の長いキャリアの中でも初めて。11月には新しいナウヒアで佐藤の個展も予定している。今回のフェアは昨年はじめて開催され、その成功を受けて今年はさらに規模を拡大して開催された。

 同ギャラリーでは、最近「NowHere Vangurads」という取り組みをスタートした。これは1960年代から70年代に日本からニューヨークに来たアーティストに再度焦点を当てるもので、その一環で1970年にNYに来て現在85歳の佐藤正明の作品を紹介した。

 ナウヒアのアートディレクター、戸塚憲太郎さんは「会場は全体的に非常に活気があり、幅広い年齢層、地元ブルックリンの方が多く、コミュニティイベント感が強い印象。プリントという素材や技術が重要なメディアということもあり、作品の技法や制作プロセスに対する関心も高く、出展者と来場者の間で丁寧な対話が生まれていたのが特徴的だ」と話す。

 佐藤の作品についても「非常に良い反応だった。特に、ニューヨークの都市風景を独自の視点で捉えた構図や、スクリーンプリントとは信じ難いレベルの緻密な表現に対して、技術的な理解を持つ他の出展者や玄人来場者からの評価が高く、会場内でも印象的な存在となっていた」と言う。

 フェア全体として比較的手頃な作品が多く、大勢の人が作品を購入していた。佐藤の作品はやや高価格帯に位置していたが、今展で複数の作品が売れたという。

 戸塚さんは「今回のフェアは、単なる販売の場というだけでなく、アーティストや作品に対する理解を深める機会として非常に有意義であり、今後の展開につながる手応えを感じる機会となった」と話している。