この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

乾杯のマナー
週刊NY生活1000号、おめでとうございます! 乾杯したい気持ちですね。
乾杯はお祝いの場で気持ちをわかち合う大切なマナーです。スピーチのあと、グラスは目上の人より低く持ち上げ、「乾杯」と言ってそっと合わせるか、アイコンタクトを取ります。
日本では「とりあえずビールで」と乾杯することも多く、ジョッキをぶつけることも。これは昔のドイツで泡を飛ばし合い、毒見した歴史が由来です。
空のグラスは失礼とされます。一気飲みは避け、一口くちをつけてゆっくり飲みましょう。To 週刊NY生活1000th issues!(マナー講師・長久保美奈)
わくわくことわざ(8)
文とイラスト 平田恵子
花より団子
花を見て楽しむよりは、団子で満腹になる方がよいという意味。つまり、風情や品位より実質や実利を選ぶことのたとえです。「あの人の日本趣味はラーメン屋めぐりだけね」など食い気旺盛な人への皮肉として、使われたりします。なお、日本の春を象徴する花は桜であり、単に花といえば桜を指します。桜の花の下では「お花見」という宴会が昔から行われています。起源は山から下りてきた神さまが花に座るので、その霊力をいただく行事でした。
《言葉の意味(ことばのいみ)》
●乾杯(かんぱい) toast
●ジョッキ beer mug
●毒見(どくみ) tasting for poison
●一気飲み(いっきのみ) chugging / drinking in one go
●団子 dango rice dumpling
●風情 elegance
●食い気旺盛 voracious appetite
●「花より団子」と同じ意味の英語のことわざ bread is better than the songs of birds