車で気軽に1泊2日の紅葉見物へ

秋のボストンとバークシャー地方

 週刊NY生活の読者の皆さん、こんにちは! この夏は、旅の計画が立てづらく、レジャーに出かけてない方も多いのではないでしょうか? そんな方々に週末、車で気軽に1泊2日で楽しめる秋のボストンとマサチューセッツ州バークシャーエリアをIACEトラベルよりご紹介します。

 ボストンの9月は夏の厳しい暑さが終わり徐々に秋らしくなってきます。秋のボストンとバークシャー地方は1年のうちで最も色鮮やかな紅葉が美しい季節を迎えます。新型コロナのおかげで新しい旅のかたちが問われ、車を使って家族単位での自然やアウトドアアクティビティーに注目が集まっています。

 ニューヨークからだと片道約4時間位のドライブですが、往路はシンプルに95号線を北上しコネチカットのニューヘブンやロードアイランド州のプロビデンスを通過しボストンまで来てください。到着したら車は駐車場へ入れて、ウォーキングタウンのボストンをご自分の足で満喫しましょう。

 ボストンはアメリカ建国の発祥の地で、イギリスから清教徒が来て発展しました。市内には植民地時代から独立までに関わった16か所の史跡を結ぶ全長4キロの「フリーダムトレイル」という歩いて見学するコースがあります。新しい旅のかたちのニーズに合い、ソーシャルディスタンスの確保ができて、自分のペースで歩きながら歴史的なエリアを見学できる、大変好評なウォーキングアクティビティーです。どんな史跡があるか少しご紹介します。

 ボストンコモンは、夏なら緑豊かな、秋にはカエデやポプラが色づくアメリカ最古の公園ですが、入植した清教徒が共有地として使い始めた一画です。サミュエル・アダムズ、ポール・リビアやジョン・ハンコックといった教科書に名を連ねる独立革命家達が眠るグラナリー墓地、そして1776年に独立宣言書を読み上げたオールドステイトハウスでは、感慨深げに宣言書を読み上げたバルコニーを見上げているアメリカ人たちがいます。史跡は全部で16か所ありますが、最終地点には独立戦争の舞台となったバンカーヒルという小高い丘に記念塔が建てられています(バンカーヒルモニュメント)。全長4キロですが少し折り返して歩いて戻らなければならないので、最低でも5キロ位は歩く覚悟が必要です。途中、クインシーマーケットやアイリッシュバーが立ち並びアウトドアパティオで美味しそうに生ビールを飲む人たちの横を歩くと誘惑に負けそうになりますが、終点まで歩いてからのお楽しみとして下さい。

 ディナーにはロブスターとクラムチャウダーを、SteamedまたはBoiledのぷりぷりしたロブスターにはレモン汁をかけてさっぱりと頂くのがベストです。そしてボストンの締めくくりは、オフィシャルデザート「ボストンクリームパイ」を是非お試しください。

 翌日は朝のうちにボストンを出発し、ルート2号線でひたすら西へ向かい「モホークトレイル」を目指します。途中、アメリカ独立戦争の舞台となったコンコード、ワチューセッツマウンテン麓のニューイングランド風ファームや家々を眺めながらコネチカットリバーを渡り走ること約1時間45分、91号線と交わる所にあるグリーンフィールドという小さな町に到着します。ここから「モホークトレイル」の景勝道路が始まります。

 昔ネイティブアメリカンが貿易ルートとして物資を運んでいた道で、マサチューセッツ州西部の2号線63マイル(約100キロ強)区間を「モホークトレイル」と呼んでいます。例年秋には全米からたくさんの人が紅葉鑑賞を目当てに訪れますが、今年は州の移動制限があるので、そんなに混まないのではないでしょうか。山間部を縫うようにヘヤピンカーブもあって、日光のいろは坂を思い出させる山道です。ルート沿いの主な町は、シェルバーンフォールズ、シャールモント、フロリダ、ノースアダムスなどがあり、滝や川の自然、そしてレストランやギフトショップなど、景観を楽しめる車寄せも所々にありますので、途中下車やランチを取りながらマサチューセッツ最西端のウィリアムズタウンまで続くニューイングランドの景色を堪能してください。(参照:www.mohawktrail.com/driving-tours.html

 この先はルート7号線と交わり、南下してストックブリッジにあるアメリカの偉大なイラストレーター、ノーマン・ロックウェル美術館へ(現在入場予約制)。展示ルームとロックウエルのアトリエや広いガーデンも楽しめます。予約と開館日の確認はオンライン(www.nrm.org/)から。ロックウエルの代表作「Stockbridge Main Street at Christmas」は、近くのメインストリートが描かれていますが、美術館から車で5分位のところにあります。絵にも描かれている「レッドライオン・イン」が現在も営業を続けていますので、是非立ち寄ってコーヒーブレイクはいかがですか? 可愛らしい街並みが今もそのまま残っています。コーヒーブレイクが済んだら夕方にはニューヨークへ向け出発。2日間でおよそ535マイル位(約856キロ)の走行距離になりますが、「3密」を避けながらも、密度の濃い2日間となること間違い無しです。1泊2日の小旅行を見直して是非お試し下さい!

(IACEトラベル北東部レジャー課・鈴木美千代)www.iace-usa.com