移民ビザ申請拒否

医療費払えない人やオバマケア

 トランプ大統領は4日、移民ビザ申請者が健康保険または医療費の支払い手段があることを証明できなければ米国への入国を禁止する大統領宣言を発表した。
 移民ビザ申請者は、米国入国後30日以内に要件を満たした健康保険に加入していること、または「合理的に予見可能な医療費を支払う」財政的手段を持っていることを証明しなくてはならない。11月3日より適用される。 
 低所得者向け公的医療保険のメディケイドや医療保険改革法(通称オバマケア)適用の援助のある健康保険は認められない。この宣言が適用されると経済的手段を持たない人々が米国に移住することがより困難になる。
 11月3日以前に移民ビザを取得している場合は適用されない。また米国市民の子供、同伴者のいない未成年者、1年以内に米国に戻ってくる永住者、米国政府で働いたイラクおよびアフガニスタン国民の「特別移民ビザ」所持者とその家族、難民、亡命申請者などは対象外となる
 トランプ大統領は「この国に入国する移民は、医療制度とより高い費用などのさらなる負担を納税者にさせるべきではない」と宣言で述べた。来年の大統領選挙を前に移民に対し不満を持つ層にアピールする狙いがあると思われる。
 トランプ政権は、8月に低所得者の移民には永住権(グリーンカード)取得やビザ所得を制限するとの移民規制を発表し、10月15日から実施するとしているが、違法性が高く無効としてカリフォルニア州、ペンシルベニア州、メーン州、オレゴン州、ワシントンDCなどが原告となりサンフランシスコの連邦地裁で裁判が行われている。