月面着陸から50年、アポロ11号 全米で記念行事開催

 人類初の月面着陸から50年を迎えた20日、全米各地で記念行事が行われた。米航空宇宙局(NASA)はウェブサイトに、当時世界中で視聴されたCBSの中継映像を掲載した。ニール・アームストロング船長(2012年死去)は米東部時間午後10時56分に左足を月面に踏み下ろした際に「一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては大いなる飛躍である」という有名な言葉を発した。
 フロリダ州のケネディ宇宙センターでは、アポロ11号でアームストロング船長とともに月面へ降り立ったバズ・オルドリン元宇宙飛行士(89)が顔を見せた。ペンス副大統領は「30世紀になっても多くの人々の記憶に残るだろう20世紀の出来事は、これだけだ」と讃え、「米国は5年以内に月へ戻る。月に到達する次の男性、そして初めての女性は米国人だ」と述べた。
 アポロ11号の司令船で着陸を見守ったマイケル・コリンズ氏(88)は連日、米国各地での記念行事に参加した。
 テキサス州のスペースセンター・ヒューストンでは50周年を記念するカウントダウンイベントなどが行われ、ワシントンDCではワシントン記念塔にアポロ11号を打ち上げたサターンV型ロケットやミッションの映像が投影された。
 ニューヨークではイントレピッド海上航空宇宙博物館で映画「ファーストマン」上映やNASAの月偵察オービターからの画像上映、ノア・ペテロNASA研究員によるアポロ計画についての講演、プラネタリウムショーなどが行われた。ニューヨーク・ホール・オブ・サイエンスでは「アポロ・パーティー」が催され、アメリカ自然史博物館は「スペースフェスト」を開催。それぞれアポロ11号に関連する映像や資料展示などを行った。メトロポリタン美術館は展覧会「写真の夜明けから現在までの月の視覚的表現」を9月22日(日)まで開催中。
 ニューヨークの競売大手クリスティーズでは18日、実際に使われた着陸手順のマニュアルが競売に掛けられたが予想落札額700万ドル(約7億5千万円)に届かず、落札されなかった。
 月面着陸を記録したビデオテープ原本3本は20日、競売大手ササビーズで競売にかけられ、こちらは182万ドル(およそ2億円)で落札された。NASAでインターンとして働いていた大学生が1976年に政府関係の放出品テープ約1150本を217ドル77セントで購入、そのなかに含まれていた。