山久漆工(福井県鯖江市、山本泰三社長)は23日、漆器の高い技術力を世界に発信するためのイベントをマンハッタンの日本料理店「ひろ久」で開催した。山久の漆の器を使った食事を招致客に楽しんでもらいながら日本の高い技術力を世界に発信するのが狙いで、当日はファッション業界のラグジュアリー層のアメリカ人や美術関係者を中心にゲストとして招き、宣伝、拡散してもらえるインフルエンサーを招待して日本の美をアピールした。今回は、「kasane」というシリーズで本格的な漆の技術と伝統の蒔絵を見てもらい、ただの器ではなくアートを感じていただきたいという思いから、さらに1ランク上の美術作品として漆の技術をアメリカで評価して欲しいという願いを込めて漆で作ったチェスセットも展示した。イベントをプロデュースしたのは本紙連載「暮らしのテーブル」でお馴染みの大石育子さん。当日は「七夕」をテーマにミニ畳や源氏物語の七夕の句を書いた奉書と短冊と筆、和紙で折った折方のKing&Queen(チェスにちなんで、織姫と彦星)、組紐、着物の帯のコースターなど日本の伝統を取り入れたディスプレイも来場者は楽しんだ。
山久漆工の山本社長は「漆器の美しさ、素晴らしさ、日本の文化や職人技を紹介する趣旨の今回のイベントをひとつのきっかけとして次のステップに繋げていきたい」と話す。26日(木)からは日本クラブで「金継ぎと漆」展が開催される。

