それは愛ではありません ロマンス詐欺にご用心

金銭騙し取る手口

外務省

 外務省海外安全ホームページは最新情報として、国際ロマンス詐欺に関する注意喚起発表した。

 ウェブサイトによると、恋愛感情や親近感を抱かせた上で金銭等をだまし取る詐欺(ロマンス詐欺)が多発し、その手口が多様化している。これまでの典型的な手口は、イエメン等の紛争地で軍医や国連関連の仕事をしている等の嘘をつき、今後の2人の生活費や日本までの航空賃として金銭をだまし取るものだった。最近は、タイ・ミャンマー国境付近の特殊詐欺拠点から抜け出すための費用が必要であるという手口が出てきている。このような状況に接したら、一人で悩み抱え込むことなく、家族等の近しい人や警察、または現地の日本国大使館・総領事館に相談する。

(1)SNSやマッチングアプリ等を通じて知り合った者と、直接会うことなくやりとりを続けた挙げ句に恋愛感情や親近感を抱いてしまい、金銭等をだまし取られる詐欺が多発している。中には結婚に伴う資金調達等を匂わせ、暗号資産の購入や架空の投資をすすめ、お金を振り込ませようとしてくる場合もある。それらの手口は初めのうちは利益が出たように見せかけるが、実際には実在していないものが提示される。その後、利益があったとされる金額を自身の口座等に入金しようとすると手数料が掛かる等、さらなる送金を求められ、繰り返し金銭等がだまし取られる場合がほとんどである。

(2)詐欺師は世間の話題を巧みに利用する。例えば、イエメンやシリア等の紛争地で軍医や国連関連の仕事に従事している等の嘘をつき、「あなたに会うため」や「あなたと一緒に暮らすため」に「一時金が必要」や「家族が難病であるため治療費が必要」等と言葉巧みに恋愛感情や同情心を利用し、被害者を送金させる状況に誘導する。最近では、タイ・ミャンマー国境付近の特殊詐欺拠点から抜け出すための費用が必要であるとだまされ、送金してしまった事例も報告されている。

 その他、詐欺師は仲良くなった後、

・1日でも早く日本に行って、あなたと暮らしたいが、今従事している仕事の契約を解除するには、違約金が必要

・2人の将来のために、投資でお金を増やそう

・あなたに会うための旅費が必要だが、今働いている国では大金を所持していないので、一時的に渡航費を立て替えてほしい

・あなたに会うため日本へ向かっているが、経由地で現地警察に拘束され、保釈金が必要

・あなたと生活を立ち上げるための荷物を送るから、手数料を払ってほしい

・自分の家族が難病なので、治療費として送金してほしい

等と言って、お金をだまし取ろうとする。

(3)詐欺師は単独犯に限らず、詐欺団を結成している場合も多く、被害者を信じ込ませ、送金させるため、共謀して、友人や弁護士、空港係官等の役を演じてだましたり、1年以上をかけて信頼関係を構築した上でだます場合もある。

(4)SNS上に公開された写真や翻訳アプリ、AI等を利用すれば、誰でも簡単に他人になりすますことができ、また、音声、動画を作ることができる。チャットやメッセージ、電話やビデオ電話でどんなに仲良くなっても、本人ではない者がなりすましている可能性があるため、一度も直接会ったことがなければだまされているかもしれない。

(5)一度も直接会ったことのない人から、何かを行うための資金援助等の金銭に関する話を出されたら、必ず警戒し、すぐに送金しない。また、少しでも不信に感じたら、一人で悩み、抱え込むことなく、送金する前に家族等の近しい人や警察、現地の日本国大使館・総領事館に相談する。