ローマ字表記右傾化? 河野外相が外国メディアに新表記要請

 河野外務大臣は5月21日、外国報道機関に対し、平成12年の国語審議会が、日本人の名前のローマ字表記は「姓=名」の順番にすることが望ましいという答申を出していることを説明した上で「外務省としても令和という新しい時代になり、東京オリンピックも控え、ラグビーのワールドカップ、即位の礼、G20、TICAD(アフリカ開発会議)など大きな国際会議も控えているため、各国の主要な国際報道機関に対し、日本語の姓名を習近平(しゅう・きんぺい)主席がXi Jinping、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がMoon Jae−inというように表記されている外国の報道機関同様、安倍晋三もAbe Shinzoと表記することが望ましいと思っている。私から国際報道機関にそういう要請を出したいと思っている。国内のメディアのなかにも英語のメディアを持っているところがあるが、ぜひそうした配慮をしてもらいたい」と記者会見で要請した。
 これを受け、菅官房長官は「現在広く使われている記載方法のなかで、何ができて何ができないのかを関係省庁で調べていく」と述べた。23日付ニューヨークタイムズ紙も大きく報じ、通訳のサチコ・イシカワさんのコメント「文化的な背景からきた発言というより政治的な背景を持った発言」を引用し、今回の外相発言が日本の国家ナショナリズムの台頭、右傾化を示す動きとして牽制した。