国連総会「SDGs Moment」 問われる実行力

 ニューヨーク国連本部で9月18日〜25日、第81回国連総会ハイレベル・ウィーク主要会合の一つ「SDG Moment(SDGsモーメント)」が開かれた。会場となった国連総会には、各国政府をはじめ、国際機関、民間セクターなどSDGs推進に関わる関係者が集まり、2030年の目標達成に向けた取り組みの加速について議論した。

 SDG Momentは、2019年の国連総会決議74/4に基づき、国連事務総長が毎年招集する会合だ。各国や地域、コミュニティーで実際に進むSDGsの取り組みや社会変革の事例を紹介するとともに、世界が直面する課題の中で17の持続可能な開発目標をいかに実行へ移していくかを世界に発信する場となっている。

 2026年は、SDGsが国連で採択された2015年から11年目となり、2030年の達成期限まで残された時間はわずか4年。気候変動、紛争、貧困・格差、食料問題など複数の危機が重なる一方、AIをはじめとするデジタル技術や民間資金、新たな官民連携を、課題解決にどう活用するかも重要性を増している。

 今年のSDG Momentでは、単なる目標の確認にとどまらず、各国地域で生まれている具体的な変革を世界規模へ広げ、残された4年間でSDGsの進捗をどう加速させるかが中心的なメッセージとなった。

 第81回国連総会全体のテーマは「Restoring Trust, Managing Transformation: A United Nations That Delivers for All(信頼を取り戻し、変革を管理する—すべての人のために成果を生み出す国連)」。SDGsについても、宣言や理念から「実行」と「成果」へ移すことが、これまで以上に求められている。

 世界の企業にとってもSDGsは社会貢献という枠を超え、気候変動、サプライチェーン、人権、AI、投資など、事業戦略そのものと切り離せないテーマになっている。2030年までの残り4年。「何を掲げるか」ではなく「何を実際に変えられたのか」が問われる段階に入ったことを改めて示す会合となった。

■古市裕子

サステナビリティ・ジャーナリスト。国連サステナビリティ (ABD: Ph.D.) 。著書・新潮社『欧米企業に学 ぶ・SDGs 転換戦略:サステナブル×これからの企業価値』。『パーパス: 何の ために存在しどんな価値を提供するのか』