パラパラを教える美容師
日本で1990年代から2000年代にかけて流行したダンス「パラパラ」をニューヨークで教える日本人美容師がいる。
8月下旬、ブルックリンにあるカラオケバーにニューヨーカー60人が集まり、キレのあるパラパラを踊っていた。おのおの、ミニスカ、厚底ブーツ、ヒョウ柄、キティちゃんのアクセサリーなど、「平成ギャル」のファッションに身を包んでいる。その中心にいるのが片岡あかねさん(39)だ。
片岡さんの動きに合わせて60人が息を合わせたパラパラを披露すると「こんなにも日本のギャル文化を愛してくれるなんて。今の目標は来年5月に開催されるジャパンパレードに出演すること」と、笑顔を見せた。
片岡さんは月に1回、ニューヨーカーを集めてパラパラを踊るイベントを開いている。去年から始めたパラパライベントは毎回大盛況で、参加人数は累計で300人に上る。参加者の大半は日本人やアジア系ではなく、ヨーロッパ系やラテン系で、20〜30代の女性が中心だが、男性の姿も見られる。
三重県出身の片岡さんは美容師として20年以上の経験を持ち、2023年に来米。ファッションに感度の高い人たちが集まる街・ブルックリンにある美容室「Salon87」で働く人気美容師だ。ニューヨークファッションウィークに毎年、ヘアスタイリストとして名を連ねており、今年はフランスの「パリコレ」(パリ・コレクション)にも参加した。有名セレブのヘアセットも多く手掛ける。
片岡さんは来米後、知人を通じてニューヨークでパラパラが大好きという女性と知り合った。片岡さんは中学生のころからパラパラに親しんできたこともあり、その女性らのイベントに加わって、本場・日本のパラパラを教えるようになった。片岡さんの指導もあってパラパラの輪が口コミで徐々に広がり、今ではイベントの常連メンバーが30人ほどにまで増えた。
片岡さんはパラパラ人気の理由について「パラパラは手と上半身の動きが中心で足のステップもシンプル。誰でも簡単に踊れて、TikTokなどのSNSにも投稿しやすい。振り付けもかわいくてかっこいい。日本のアニメや漫画の人気も追い風になっている」と話す。
パラパラは基本的に、ユーロビートやアニソンなどの曲に乗せて、会場内の全員が同じ振り付けで踊る。「みんなで一緒に踊ることで、人と人がリアルに繋がる満足感を感じられるのがパラパラ。日本の文化祭や体育祭のような一体感を通じて、踊れば踊るほどみんなと仲良くなれる。その熱気がまたファンを生んでいる」と話す。
日本でも平成レトロが流行し、再ブームが巻き起こっている。ニューヨークからもブームが巻き起こりつつあるのかもしれない。 (小林香菜子、写真も)

