環境と健康に優しい薬膳料理

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (41)

 今月の生き生きEATSは、ニューヨーク、ニュージャージーで栄養士をしながら、健康に良い和食、「薬膳」の普及に努められている富岡美智子さんに、野菜をたっぷり使った味噌汁とおひたし、和風サラダ、胡麻豆腐を紹介してもらいます。これだけあれば立派な一汁二菜の懐石料理ですね。環境と心身の健康に優しい有機野菜を使った料理です。

https://michinutrition.com/


◾️みち庵 薬膳おひたし

お好みのアレンジ: すりごま、紫蘇、柚子・ レモン皮、納豆、鰹、海苔でトッピング

 「おひたし」は、誰でもほっこりする一品。季節の野菜を軽く茹でて、胡麻、醤油でいただく、食卓はもとよりお弁当に欠かせない一品です。サラダ感覚でいくらでも食べて、それでいて身体にもお財布にも優しい、そんな一品を紹介いたします。

【材料】(2人分) 

季節の野菜 (ほうれん草、菜の花、ブロッコリーローブ) 1束

乾燥ひじき 大さじ1(水につけておく)

 胡麻ドレッシング(多めに作ります)

生姜のすりおろし 小さじ1 

炒りごまの擦りおろし(殻付き・黒胡麻) 2〜3大さじ

白味噌 大さじ1(もしくは 醤油 小さじ1)

みりん 大さじ 1

アップルソース(無加糖)  大さじ2

乾燥クコの実 大さじ1

【作り方】

(1) 沸騰した約2カップの湯に塩を一掴みくわえ、あらかじめよく洗い、水気を切っておいた野菜を軸から、水気を切ったひじきを加える。ほうれん草の場合は約1分で充分。

(2) 茹であがった野菜とひじきを手早くザルにとり、冷水に5分程度つけ、水気を切る。

(3)胡麻ドレッシングの材料を全部容器に入れよく混ぜます。メイソンジャー等の蓋付き容器を使うと便利。

(4)水気をきっておいた野菜を3センチに切り、胡麻ドレッシングを約大さじ1加え、全体が馴染むようあえる。


◾️みち庵 薬膳胡麻豆腐

トッピング例:薬味(紫蘇、青ネギ、柚、 梅干し)ワサビ味噌

 胡麻豆腐は厳しい修行僧の栄養を補給する代表的な一品で、茶懐石のお馴染みの料理です。 精進料理とはもともと禅僧の日々の修行の一部でした。作ること、いただくこと、片付け全てが修行であり力源です。肉・魚・卵・乳製品は使わない日本古来のビーガン料理です。こでは簡単に入手できる市販の煉ごまを利用します。中でも”タヒニ Tahini”はスーパーマーケットで簡単に入手できます。

【材料】

タヒニ・練り胡麻 50g(100%胡麻)

本葛 50g (なければ片栗粉)

水 400ml(もしくは冷蔵庫で寝かした昆布だし汁)

【作り方】

(1) 水を入れた鍋に葛を半量ずつ加え、随時木ベラで葛粉のかたまりが残らないようよく混ぜる。次に煉ごまを加え鍋の底からよく混ぜ合わせる。

(2)全体が溶けたところで中火にかけ、底から丁寧に練るように混ぜる。約5分して周りから少しずつ固まってきたら弱火にして、丁寧に練るように混ぜ続ける。ここで根気が大切。

(3)全体が糊のように固まり、木ベラから落ちないくらいになってきたら火をとめ、余熱で約1〜2分混ぜる。

(4)あらかじめ、水で濡らしておいた流し缶(小鉢、ケーキ型)に流し込み、表面に泡や甲乙を濡れた手で軽くおさえ整える。表面をラップし室温で余熱をとった後、冷蔵庫で60分間冷やす。


◾️みち庵 薬膳季節の具沢山味噌汁

好みの薬味:ねぎ、三つ葉、貝割れ、ゆず、とろろ昆布 残ったら、豆腐・玄米・卵、うどん・餅を加えて立派な一食

 「薬膳味噌汁で国際親善を」国籍・年齢・宗教を超えて誰からも愛される癒しの味、それがこの具沢山味噌汁です。季節の野菜をじっくりと、昆布と干し椎茸と一緒に煮込むことで、それぞれの野菜から出る自然の味と栄養が混ざり合った、芯からホッとする味と香りが心身を癒してくれます。材料はあくまで基本、里芋、牛蒡、かぼちゃ等季節野菜や冷蔵庫で眠っている野菜を使いましょう。

【材料】(2人分) 

水 3−4カップ 

昆布 約10cmx 10cm(2cm角に切っておく)

干し椎茸 3−4個

玉ねぎ 中1個(1-2mm 幅のスライス)

ジャガイモ(さつまいも) 中1個(皮付きで2cmの角切り)

大根・かぶら カップ1(イチョウ切りもしくは短冊切り)

生姜 みじん切り 大さじ1 

クコの実 大さじ1

木綿豆腐(firm)  1/2パッケージ (2cm x2cm)

乾燥わかめ 大さじ1 

白みそ 大さじ1−2

【作り方】

(1) 鍋に水、2センチ角に切った昆布、軽く拭いて手で各4〜5個に砕いた干し椎茸を入れ強火にかける。沸騰したら玉ねぎ、にんじん、芋類、大根、生姜、くこの実を加え中火で約10〜15分、柔らかくなるまで煮る。蓋を1〜2センチあけ吹きこぼれに注意。

(2)  弱火のまま豆腐とワカメを加え、その間に2分の1カップの煮汁と味噌を合わせておく。

(3) 弱火のまま2で用意した味噌を全体に満遍なく合わせ、火を止め、蓋をして1〜2分、味を全体に染み込ませる。